2017.06.25


サトノクラウン、国内でも戴冠成りました。

パドックでは相変わらず神経質な印象がありつつも、大阪杯とは心身のデキがだいぶ異なっていた様子。勝利ジョッキーインタビューでも前走は調子が、というコメントが聞こえていました。堀師は輸送に失敗したと前走を振り返っていましたが、今回はうまくいったのでしょうね。キタサンブラックが大き過ぎる?ので相対的に小さく映りましたが、前進気勢も筋肉の張りもいい印象でした。それに任せて買えばよかったなぁ。

キタサンをパスする際の脚色は昨年暮れの香港を思わせる力強さ。ハイランドリールを差し切った事実はもっと評価すべきでしたね。そのハイランドリールは先日のロイヤルアスコット、プリンスオブウェールズSで強い粘り勝ちをしていますし。レベル高かったんだなぁ。


公式レースラップです。
12.5-11.1-11.6-13.1-12.3-11.7-11.6-11.8-11.7-11.8-12.2

逃げたのはシュヴァルグラン。キタサンブラック、シャケトラとスタート直後に様子を窺う間があってからのハナでした。ハナに立つと認識してからの福永はしっかりスピードを出して、キタサンブラックが交わしにこない2ハロン目11.1を作り出したようです。

キタサンブラックは11.1で先手を取ったことはありませんから(おそらく武豊にその判断はないでしょうね)、1コーナーまでの攻防だけでいえば福永>武豊であったと受け取っています。キタサンの敗因といってもいいかもしれません。それは後述するとして。


サトノクラウンは終始ひとつ内に入ったキタサンブラックをマークするポジション。1000m通過付近でキタサンブラックをけん制しにいったのはしっかり意図をもったアクションでしょう。アドミラブルで躊躇した分、かもしれませんね。

キタサンが煽られシャケトラが煽られシュヴァルグランが下げずにそれを受けたことで、そこから先行3頭は互いにブレーキを踏めない流れを作ってしまいました。稍重の掘れる馬場、残り6ハロンはさすがに長いですよね。1、2着馬は3、4コーナー、雁行してなだれ込む3頭の後ろに控えており。このペース判断、ミルコも横山もさすがでしたね。

馬場が合ったというミルコのコメント。個人的にはそれ以上に、ペースを作る側に回らず、受けてカウンターする側に回れたことが大きかったように思っています。香港でもハイランドリールというペースを作る側がいましたからね。おお、道中で一度突かれていた点も同様とは。

繊細な馬であることをコメントしている堀師。同馬主のダイヤモンドは凱旋門賞への準備を進めていますが、ひょっとしたら。…気性を考えるとないかな。ただ、秋の府中への適性を考えた場合(ダービー3着はありますけど)、別の目標を検討することは視野に入っていてほしいと思っていまして。BCターフ?


ゴールドアクターは復調成っての2着。グラスワンダーの血が騒いだ、部分もあるでしょうが、横山の中間のテコ入れが功を奏した様子。ハミにもたれて重心が前がかり、カラダが伸びたフォームになっていると分析。上体を起こしてトモを深く入れる練習を課したようです。パドックでトモの張りが変わってきたと見て取ったのは、そのエピソードを聞くと符合するところでございますね(レース後に知りました。。。)。

予想の上では、どうしても馬場の悪い内側を通らなくてはならないだろうと想定。その分評価を下げてしまいました。スタートから暫く、手を動かしていましたが、行き脚を比較して切り替えたのでしょう。先行する外の3頭(クラリティシチー、シュヴァルグラン、シャケトラ)の手応えをみながら、ポジションが下がった瞬間に外へ展開。キタサンブラックの後ろを取るところまで移動していました。直線では内をついて伸びてきましたしね。内大丈夫だし外出れたじゃんw とレース前の自分にツッコミを入れておきたいと思いますw


キタサンブラックの敗因分析。フジのアナウンサーは端的に馬場と言ってしまっていましたが、実際は要因が複合しているでしょう。11.1を深追いしなかったことの理由に馬場は挙げられると思いますが、先に書いたとおり、ここでイニシアチブを取れなかったこと、これがレース展開に受動的な対応を招いたと思われます。

大阪杯も天皇賞春も、ジャパンカップもそうですね、レース序盤に後続のペースをけん制できるポジショニングができていて、道中交わせそうで交わせないペースを作り出すことで自分のタイミングでラストスパートへつなげられています。今回はそれがすべて後手後手にまわってしまいました。サトノクラウンにも突つかれることにもなり、シュヴァルグランの作り出す後半のペースにお付き合いすることにもなり、早々に脚があがってしまう結果になってしまったのでしょう。

もうひとつ邪推。あるいは武豊は、このレース展開を受ける側に回ったときにどれだけやれるか、これを試す可能性をもっていたかもしれません。レース前から決め込んでいたというよりは、そういう展開になっても踏ん張れるのか、鞍下の力を計る、あるいは披露する狙いがあっても納得だなぁと。少なくともオーナーの側からは積極的に海外遠征、というニュアンスは伝わってきませんでしたからね。この「相手に相撲を取らせる」流れで勝てれば、名実ともに凱旋門賞遠征、という合意形成もできたかもしれません。

一方で、レースの追走に集中を欠いていたこと、パドックの仕上がりが前走ほどではなかった印象であること、プラス体重だったこと、このあたりからは、春の連戦で心身の疲労も大きかった、とも推察されます。予想の面ではそれでもイニシアチブが取れ、勝つことは可能、と見ていたんですけどね。

荒れ馬場+福永のけん制+受けに回った展開+連戦。そのすべてが重なって大敗につながったというのが現時点での見解です。やっぱり残念ですけどね。

レース後まもなく、オーナーの判断で凱旋門賞遠征は中止、秋は国内専念と発表がありました。天皇賞秋で見られるのは面白いと思いつつ、立て直しながら行ってもええんやで、という思いもございます。着順は衝撃的ですが、巻き返しは十分期待できるでしょう。まずは無事に。気持ちをリセットしてほしいですね。


負けた中ではシャケトラが面白いでしょうか。スタートから下げなかったことでの先行策。きつい流れを前受けした中では一番崩れませんでした。パドックの印象はサトノクラウンよりよいもの。まだまだキャリアも少ないですから、今秋、府中でどんなレースが観られるでしょう。夏に使うなら札幌記念でしょうか、この夏は休養に充ててほしいかな。


最後に。

3冠ボーナスがあったことがキタサンブラック参戦の理由の一端にはあるのでしょうが、馬のピーク時期から考えると、春と秋にそれぞれ3冠があることは過多といったほうがよいのかもしれません。さらに天皇賞春から宝塚記念までのレース間隔はやはり長いのでしょう。

このあたり、来年以降どのように変わっていくのか、変えずに進めるのか。昨年のジャパンカップからこちら、ふわふわ考えていることがありまして、まとまった言葉にしようかな。時間を工面してみたいと思います。

さぁ、本格的に夏競馬ですね。パークウインズ府中も好きなのですが、遠征もしたいなぁ。あぁ、その前に帝王賞がありました。当日現地に間に合うといいなぁ。…春競馬終わったな感を出そうと思ったら、間断なくレースがございましたねw


2017.06.24


ジューヌエコール、軽ハンデと極軽馬場を味方にしました。

速かったですねー。当日の500万下で1:07.5のレコードが出るスピード馬場。どうやらエアレーションと雨上がりで乾いて締まったコンディションだった模様。その結果、史上屈指に高速な函館を目撃することになりました。武豊がこの500万下で逃げ切り。シュウジの戦略にも影響したものと思います。1日に2度レコードがでる立役者ではありましたね。

公式レースラップです。
11.7-10.1-10.4-11.0-11.4-12.2

上記の500万下、エリシェヴァのラップはこちら。
11.8-10.2-10.7-11.2-11.2-12.4

比較になるかしら、アグネスワールドの北九州短距離Sも。
11.7-10.2-10.4-11.0-11.3-11.9

…勝ち馬のポジションがそれぞれ異なりますので単純な比較はできませんが、2番手から4角先頭で押し切ったアグネスワールドって凄かったんですね。思い付きから回顧主義っぽくなっちゃいましたが。

その比較からしても、シュウジの前半は突っ込みましたねー。スタートから促したことでがっつり勢いがつきました。32.1って。直線に向くまでよく頑張ったというべきでしょうか。今回の勝負としては妥当な戦略と思いますが、次走以降の折り合いにどんな影響がでるでしょう。アイビスサマーダッシュへの布石とみれば悪くない?かもしれません。

勝ったジューヌエコールはスタートを五分にでてからは無理をしないポジショニング。セイウンコウセイの真後ろをレヴァンテライオンと争いながら、押し込まれる格好で3コーナーへ。でもこれが奏効したでしょうか、3~4コーナーでスムーズに外に進路を取ることができました。4コーナーからの行き脚は50kgの賜物でもあるでしょう。

昨年の勝ち馬はソルヴェイグ、先のシュウジが2着。いずれも3歳でしたね。桜花賞ないしNHKマイルCから、スプリント適性を見込まれた馬にはちょうどよいローテーションなのかもしれません。トレンドは3歳、1200ないし1400重賞実績、軽ハンデ、でしょうか。来年まで覚えておきましょうそうしましょうw


セイウンコウセイは積極策からの4着。直線踏ん張りきれませんでした。荒れ馬場で実績を積んできたタイプですので、個人的には善戦と思っています。高速馬場への適性も示したことはむしろプラスに捉えてよいのでは。

武豊の逃げを4コーナーで射程に入れる幸ですから、クリソライトを捉えたホッコータルマエの帝王賞が思い浮かびました。幸にはこういう時にきっちり仕事するイメージがあります。さすが。

先が楽しみになったのはキングハートでしょうか。3歳以来となる重賞挑戦でしたが、ラストまでしっかり脚を伸ばしていました。平坦スプリントならどこかで重賞獲るかもしれませんね。



最後に。

ロイヤルアスコットも始まっておりますね。DAZNを導入してゆっくり観たかったのですが、なかなか余裕がもてず。TwitterでキングススタンドSのレディオーレリアが圧勝する姿はばっちり確認しているんですけどね。5ハロンなら世界最強、という表現もあのパフォーマンスなら言いすぎでなくフィット感を覚えます。

ええ、そして宝塚記念ですからねぇ。日曜の天気の崩れ方まで確認してから予想をまとめようと思いますが、面白い枠順になりました。キタサンブラック中心に捉えてはいますが、中間、これまでになくおとなしいというスタッフのコメントがちょっと引っかかります。疲れと取るべきか、よい意味で古馬の枯れた状態になっているのか。

ゴールドアクターは今年一番の仕上がりかな。スタート次第ですが、横山は狙っていると思っています。あとはミッキークイーン、シャケトラの末脚の息の長さ、そしてレインボーライン、ミッキーロケットのポジショニングをどう読むか。キタサンブラックが自滅する流れでないとシュヴァルグラン、サトノクラウンには逆転の目はないように評価しています。

…まだ決めませんよーw 当日は府中で堪能するつもりです。

予想を度外視すれば、キタサンを無事にシャンティイに送り出したいですが、どうしようw
そういう買い方もアリかなと思っているところです。

2017.06.08


サトノアラジンがついにG1を差し切りました。

直線半ばまでインからずらっと並んだ「壁」。後方待機勢には進路が見いだせない、難しい流れになりました。イスラボニータ、エアスピネルはその典型でしょう。それに対して、決め打ったであろう川田の進路は大外。壁の外側までいけば視界はクリアですものね。ジョッキーも話していた通り、ワンターン+良馬場+外枠、ペースも含めて今回はもろもろの条件が味方になったようです。

ね。末脚の息の長さを分かっていながら、最後に外してしまったのは痛恨でした。リベンジに燃える川田、も個人的には重要なキーワード。買っておけばなぁ。

公式レースラップです。
12.2-10.6-11.1-11.6-11.6-11.0-11.3-12.1

当日の芝レースは坂下で上がりラップが最速になる傾向。やはり馬場がよい分、早めにスパートしてもラスト1ハロンを粘りこめるのでしょう。ロゴタイプ田辺はこれを理解していたであろう強気なラップメイク。あわやという展開をつくりましたね。残り400から追い出した時点で決まったか?と思いましたよ。

ロゴタイプについては、厳しい先行策になると見ていました。外枠スタートですし、ロジチャリスやサンライズメジャーなど切れ味勝負では…という馬が早めにプレッシャーをかけるイメージがありましたから。ただ、パドックでの見栄えがすばらしかった。7歳でピークを迎えたといってよいような出来。これで馬券からは外せなくなりました。スローにはならないだろう、という読みもパドックでほぼまとまりました。

おそらくはグレーターロンドンがギリギリまで出否未定だったことがロゴタイプ騎乗にまとまったものと推察していますが(あー、単に先約を重視しただけかもしれません)、パフォーマンスで示すあたりはさすが。人馬とも、勝ちに等しい内容だったと思っています。


イスラボニータはポケットにはいる不運で着順を下げました。いや、向こう正面からけっこうヤングマンパワー松岡のマークにあったようですけどね。外から押し込まれる形でしんがり負けだったブラックスピネルの後ろにはいってしまいました。松岡の狙いだったでしょうか。4コーナーではヤングマンパワーの後ろからステファノスに外を塞がれ、直線は粘るブラックスピネルとヤングマンパワーに前を塞がれました。どこかで視界をクリアにするチャンスはあったか、という観点でパトロールビデオを確認しましたが、ないですねw

ただ、進路がクリアだったとしても勝てない流れだったのでは、とも感じています。同じく直線内を突くことになってしまったエアスピネルの方が反応がよかったように見えていますし。末脚の持久力勝負が得意なタイプではない認識。秋の京都の方がチャンスがあるかもしれません。もうひとつ、獲ってほしいですね。


グレーターロンドンは出遅れからずっとポジションをリカバリーする流れ。道中息を入れる時間は少なかったように見えています。直線半ばで進路を確保してからの伸びは、これまで見せてきた脚色からするともう少しやれたような。でも爪に不安がでて、中間運動が軽めになり体重を増やしてしまった、という経緯からのこのパフォーマンスですから。

パドックで見た中で一番スケール感を感じたのはグレーターロンドン。順調にいけば秋はとても楽しみ。これまで東京と中山でしか走ってないですから、京都でも観てみたいですね。


レッドファルクスはエアスピネルと鍔迫り合い。レッドの位置がほしかった、とは武豊のコメントですが、直線はノンストップで外へ外へ。ようやく視界が開けたのはサトノアラジンのもうひとつ外。そこからの切れは素晴らしかったですが、ゴール前ではサトノと脚色が近くなっていたようでした。4コーナーで前後が逆なら、レッドはインで行き場をなくしていたかもですね。

マイルG1で2着ですから十分対応したといえそうですが、1400が一番合うような。スプリンターズSが目標になるのでしょうが、そのあとが気になりますね。


エアスピネルは差しにかけての5着。スタートからのポジショニングからすると、ペースを受けずに一発狙いという待機策に見えています。今回のメンバーで抜けた存在ではない、という評価があったのでしょうね。レッドファルクスの進路を付いていく訳には行かない分、直線はインで詰まる結果になりました。ラストの脚色はすごかった分もったいない印象ですが、戦略的には一か八かですのでね。やむを得ない結果という認識です。


ステファノスは戸崎の積極策が目立ちました。よくあの大外から中団まで潜り込みましたよね。3コーナー手前でビューティーオンリーをブロックし、4コーナーで仕掛けていったあたり、かなり攻めていた印象です。馬の出来もよかった。しかしG1は遠いですね。。。


アンビシャスを本命にしていました。ひねってひねって、差し脚が活きる展開になるのでは、という読みだったのですが、それ以前に実力を発揮できる状況になかったようです。トレーナーは「いつものアンビシャス」ではなかったとコメントしていますし。

わからなかったツイートされていた方もいらっしゃいましたが、爪の状態がいまいちだった様子。パドックはトモの踏み込みと爪とイレ込みのアンバランスな見栄えが印象的でした。追い切りもラストが踏ん張れておらず。敗因を数えれば、ねぇ、いろいろ引っ張り出せてしまうわけですが、もろもろベストな状態だったとしても、このペースを差し切れたかというと。。。 1、3着が1400の重賞で差した実績があるわけで、適性面からも今回は厳しい条件下でのレースだった認識に落ち着いています。



最後に。

こうやって書いてみると、有力どころが順調に秋を迎えた場合、マイルチャンピオンシップはとても面白い再戦になりそう。いまから楽しみになってまいりました。

安田記念をまとめ損なっているうちに、東京ダービーが終わり、森泰斗がダービージョッキーになりました。見事なレースでしたね。1、2着が強かった分、的場さんは善戦した3着というべきでしょう。残念ですが、そして酷な表現かもしれませんが、また来年。

一方で、有力馬の回避が相次ぎエピカリスがベルモントSで1番人気になる様子。春の府中のG1は終わりましたが、まだまだ楽しみなレースは続いております。

ダービー後にあれこれ思っていることもあるので、仕事が立て込んでこなければ、何とか書き切っておきたいなぁと。しっかりひと区切りしてからエピカリスの朗報を待てるのがベストですね。


2017.05.30


レイデオロが捲りで大一番を制しました。

いやー、ダービーの向こう正面で捲りが見られるとは。当日の馬場とパドックを見ながら、可能性は低いと見積もりつつ、マイスタイルのスロー逃げとアドミラブルの捲りがあるかも、などと考えてはいました。前日まではヴィクトワールピサのドバイワールドカップはないだろうとか言ってましたけどね。それも含めてアドミラブル本命にしたのですが、まさかルメールが捲るとは。2コーナーを曲がりきった瞬間のアクション。迷いのなさはG1連勝の勢いだけでは語れませんね。すごかったー。

公式レースラップはこちら。遅いですねぇ。
13.0-11.2-12.9-12.8-13.3-12.5-12.1-12.6-12.7-11.5-10.9-11.4

マイスタイル横山が11.2-12.9でペースに蓋をする逃げ。結果4着に残すわけですからこの牽制の効いた勝負の仕方は納得。これを許してしまうメンバー構成だったということですね。トラスト丹内には先頭を切る意思表示がありませんでしたし、クリンチャーは想像以上にダッシュがつきませんでしたし。そうですね、アルアイン松山がきっちり出していったことでトラストより後ろには見事な牽制になっていたでしょう。1コーナーまでの動きは本人の言葉通り見事だったと思います。

13.3-12.5のペースアップはレイデオロが2番手に来たためでしょう。これ以上捲られない=先頭をを確保するためのペースアップ。キタサンブラックのジャパンカップを想起させる、捲らせない程度のペースアップと見えています。おそらくですが、横山はここまでの流れを予め想定していたのでしょう(スタートを決めて先頭→急にラップを落としてスローを演出→捲ってくる有力馬があればペースを上げて対応、まで)。一方の丹内はレイデオロが来た瞬間横を向いて確認していました。こちらはその想定がなかったように見えています。2番手が遅すぎたとは武豊のコメントですが、具体的なペースうんぬんよりこの想定なり準備のなさを感じ取っての発言だったかもしれません。

mahmoudさんが具体的な数字をツイートしていましたが、レイデオロは直線までほぼ12秒半ばのラップを保っていたようです。走りのリズムをキープしていたと言ったほうがよさそうですね。捲ったのは結果論であって、力をこめてペースを上げたわけではなかったようです。

2コーナーの縦の並びはペルシアンナイト、レイデオロ、アドミラブル。レイデオロの捲りに呼応して戸崎が動きました。一瞬だけ逡巡したように見えましたが、かかり気味のテンションを考えれば納得。それでも追随したのは勝負にいったことの証左でしょう。テン乗りでなければレースの前半からもっと選択肢があったでしょうね。

この2頭の動きに捲りを躊躇したのがデムーロでした。すごい個人的な見解ですが、捲っていれば、このダービーは獲れていたかもしれません。いやーでも、ことのよしあしも含めて結果論ですね。…アドミラブルについては後述しますのでいったん置きましょう。

3、4コーナーでグッと溜めができたのはレイデオロの蓋でもあり、この段階で踏み始めるのは力がなければ、という側面もあり。この地点で素晴らしいアクションを見せたのは四位ですね。4コーナーを待たずにラチ沿いを捨てて、遠心力でアルアインを外に追いやり、レイデオロをロックオンしました。この展開のなかで一番シンプルにレースを進めたのはスワーヴリチャードだったでしょう。ジェンティルドンナの有馬記念がイメージ重なっております。あの時はトーセンラーの牽制で内ラチから1頭分離れてましたけどね。

あー、書きながら気づきましたが、ジェンティルドンナのジャパンカップはスローの上がり勝負でしたね。4コーナーから加速している点は古馬とのフィジカル差でしょうが、ラップ構成はまぁまぁ似ているようです。勝ったジェンティルが33.8、後方一気したデニムアンドルビーは33.2、というのはレイデオロとアドミラブルのコントラストに近いでしょうか。レースラップは以下の通りでした。
12.8-11.4-12.8-12.8-12.6-12.8-12.8-12.4-11.6-11.1-11.1-11.9

直線の追い出しもあわてず徐々に。ルメールは最後まで戦略的でした。ダービー初制覇なのですが、感動の涙的な瞬間はなかったような。昨年サトノダイヤモンドでともに惜敗した分、レース直後はうれしかったですね。獲るべきひとがしっかり獲った、という言葉がふさわしいと思っています。馬券が伴っていれば最高でしたけどね。


藤沢厩舎もダービー初制覇。何とも感慨深いですねー。シンボリクリスエスはダービー本命でしたし、レディブロンドもスプリンターズS本命でしたし、ラドラーダは東京1600でお世話になっているはずですし(おそらくユートピアSは本命でしたね)。厩舎ゆかりの血統で結果を出したことは素晴らしいのひと言。ブラッドスポーツならではの語り口ですものね。

ダービー馬にふさわしい競走生活を、というコメント。この変則的なレース展開でしたから、真価が問われるのは今後のパフォーマンスだと思っています。天皇賞か菊花賞かあるいは。厩舎ならではの選択がいまから楽しみです。ええ、バブルガムフェローの天皇賞は単勝で獲っておりますよ。


本命だったアドミラブルについて。上がり33.3で猛追しましたが3着まで。過去3戦の疲れは敗因ではないでしょう。あくまで外枠が堪えたことと、向こう正面で動ききれなかったこと。この2点が敗因と受け止めています。テンションの高さを理由にしなかったのは何かあるのかな。パドックからゲート前の輪乗りまで、だいぶ首をブンブンしていました。昂ぶりを仕舞いきれないという様子に見えていましたね。

テンションの高さからして、レイデオロとペルシアンナイトを向こう正面で追いかけていたら。3、4コーナーの12.6-12.7を落ち着いて追走できたかちょっと未知数なところがあると思っています。捲らなかったことでレースでの折り合いを壊すリスクを負わなかったことは、結果論ですが、先につながるのではないかと。いったん引くことで33.3の切れを引き出したともいえますしね。

レイデオロより先に捲れていれば立場は入れ替わったかもしれません。でもそこが大外枠を引いたことに帰結するわけですよね。どうしても1コーナーまでに他馬より余計にプッシュしなければいけませんから。やっぱり8枠のダービーは厳しかったかなと。

負けてなお強し。フィジカルについては一番高いパフォーマンスだったと思っています。ぜひとも脚元含めて無事で。秋、期待しています。



レース回顧をしながら気づいたこと。レース中に柔軟にハンドルが効くこと、細かくブレーキとアクセルが踏めること。反応が速く、スタートに不安がないこと。総じてざっくりいうなら、不器用さがないこと。古くて新しいといえばいいでしょうか、No.1を決めるレースほど問われる強みなのでしょう。もちろんフィジカル面、スピードとスタミナが高いことは大前提ですね。

クリンチャーが先行できなかったのは俊敏な加速に足りなく、マイスタイルは末脚の持続力に足りないところがあったでしょう(だからこそのスローでしょうし)。

一方サトノアーサー、カデナでいえばスタートからポジションを取りにいけず、細かくアクセルを踏むと持ち味が活きないタイプでしょうが、特にサトノアーサーはコーナーごとにひとつ後ろひとつ外に追いやられていくような展開。1コーナーはマカヒキのようだったんですけどね。川田も半分覚悟していたでしょうか。

フィジカルの高さに加えて、こうした要素が加味されて初めて、「強い」といえるのかもしれません。馬を仕上げる側は大変ですねw 負けた馬はこのどこかに足りない部分があったと考えると腑に落ちる場面が多いと感じています。あー、それをジョッキーが活かせないケースもままあるでしょうけどね。馬を動かすフィジカルも、先を読む戦略も、タイミングを逃さない反応力も。ジョッキーもまたよりアスリートな要素が求められてきていますね。

今回、スローの凡戦という向きもあるようですが、こうした人馬の機動力も加味した強さが問われたダービーなのだと理解をしているところです。もちろんペースの締まったG1を勝ち切ることも強さの証。だからこそ、そのいずれもで結果を残したキタサンブラックは、やはり現役最強という評価でよいのだと思っています。アドミラブルにはそこまで辿り着いてほしいなと期待しつつ、ですね。



最後に。

すでにあちこちで既出ですが。2004年のダービーはキングカメハメハ‐ハーツクライのワンツーでした。今年はその仔同士でのワンツー。ペースも展開も全然違いますし、偶然の符合なのでしょうが、こうした偶然は長くファンを楽しめるスパイスであるなぁと思っているところです。歴史が繰り返した、的な、ね。

「ダービー馬はダービー馬から」。競馬を始めた当時は輸入種牡馬全盛の時期でしたからね。いまでは父仔制覇は珍しくありませんので。…こんな語り方は古くさいのひと言で一蹴されるところかな。諸々のトレンドをアップデートしつつも、でも、こうした感慨はどこかで留めておきたく。せっかく20年も見届け続けているわけですしね。求められたときにはその推移を熱く語れるように。

…暑苦しくないほうがよいかもですねw


2017.05.21


ソウルスターリングの巻き返しでした。

鮮やかでしたね。馬場のよさと鞍下のストロングポイントを生かすための、ある意味これまで通りの先行策。小細工しないルメールの胆力がよくわかるレースだったと思っています。いやー予想的には完敗でした。

公式レースラップはこちら。
12.7-11.6-12.8-12.6-12.0-12.3-12.3-12.1-11.6-11.3-11.2-11.6

ヤマカツグレースが行ききれず、前目のポジションを望んだ結果逃げることになったのはフローレスマジックですから、見た目にもわかりやすいスローペースになりました。戸崎は狙っていたようですね。

残り6ハロンから直線の坂まで、ずーっと加速ラップ。こうなると差し馬はこのペースを上回る末脚を見せる必要があります。相対的に「好位の内」を取った有力馬には相応のアドバンテージが生じていたでしょう。

一番トモの充実したFrankel が勝負どころからドンと加速した瞬間に勝負が決しました。モズカッチャンは切れ味で抵抗しましたが、ラスト1ハロンを切ってエンジンの差がでたでしょうか。

思えばチューリップ賞までは疑う余地の少ないクラシック本命だったわけで。スローからの加速を問われる流れなら、これまで示したパフォーマンスの延長で考えればOK。復権成っても不思議はありませんね。あのボリューミーな馬体でオークスかぁ、という思いがちょっとありはするんですけどね。いやいや、すばらしいパフォーマンスでした。

ルメールからすれば、母スタセリタの主戦でもあり、母仔で日仏のオークスを獲ったわけで。主戦場を移してなお、血統のつながりをもってそれぞれのクラシックを制することができたのは、ただただ素晴らしいのひと言。ブラッドスポーツならではのエピソードでもありますが、ルメールを語る際に象徴的なエピソードになると思っています。こういう信頼をつないだジョッキー、ということですね。

藤沢厩舎はオークス初制覇、そしてこれで通算重賞100勝の大記録。しばらくは破られないでしょうね。90年代から見ているファンからすると、嬉しそうに口取りに加わる師の姿がとても珍しく。以前はご自身のスタンス(照れもあったかしら)から参加しないことが多かったので。年を重ねたことが良い意味での柔軟さを生んでいるなら素直に歓迎したい姿ですね。


モズカッチャンはほぼフローラSの再現で2着。最内枠を引いたのも同じですから、戦略が近しいのは納得するばかり。よく抵抗していましたが、登坂後に突き放されてしまったのは相手が一枚上手というところでしょう。


アドマイヤミヤビはよく追い上げての3着。33.9の上がりはディアドラと並んでメンバー最速でした。桜花賞のダメージが心配されていましたが、追い切りを見る限り、少なくとも順調ではなかったと思っています。クイーンC当時と遜色ない切れだったと見ていますが、今日の馬場とペースでは後方から勝ち切るのは難しかったでしょう。


リスグラシューは5着。両サイドからぶつけられたというレース後のコメントがありましたが、前走同様、勝負どころの反応が微妙だったことで進路を確保できなかったようにも。なによりかなり細化した馬体と高めのテンションでよく善戦したなぁという見立てです。このあたりが順調に見えていれば本命視したかもしれないですけどね。武豊の追い切り後コメントがずいぶん歯切れが悪く。これも判断のポイントになりました。


鞍上のコメントの歯切れの悪さで言えば、レーヌミノルも同様でしょうか。立場的にどうしても明らかなダメ出しコメントは出しにくいですよね。距離について「やってみないとわからない」という表現を使った陣営は軒並み着順を下げている印象もあり(藤沢さんが発言していたらすみませんw)。緩急のないペースでこそのダイワメジャーと考えていましたし、人気を吸ってくれれば、というしめしめ感をもっておりました。


その自分の本命はホウオウパフューム。…すみません、こちらがいわゆる養分になった格好ですね。しめしめ感ってw お恥ずかしい限りです。

寒竹賞の末脚、そこからの成長曲線、スローを見越して先手を取りに行く馬の可能性(ヤマカツグレースとかね)、乗り替わりで松岡という流れ(乗り替わりの分、思い切りよく乗れますよね)、パドックでの仕上がり。この妄想を重ねた結果、重い印を打つことになりました。見え見えのスローにはならない、という先入観が過ぎたのでしょうね。結果、このペースに一番スポイルされる馬になってしまいました。フルスイングで空振り三振、という気分です。ええ。

松岡の運び方には何の落ち度もないでしょう。すばらしいチャレンジでした。馬自身もこれで終わりとは思いません。ぜひ今後も順調に。どこかで大成する姿が見たいと思っています。


なお、ヤマカツグレースは1コーナーまでに行ききれず、2コーナー付近で抑える素振りがありましたから、外枠が応えた格好。追い切りが抜群だっただけに、これも勝負のアヤですね。これが少し序盤のペースを味付けしてくれれば、とおもっていましたが、結果最下位ですからだいぶピントのずれた見立てをしてしまっていました。



最後に。

さぁ、ダービーウィークですねー。幸い週間天気予報をみる限りは曇りが並びつつも降雨の心配はなさそう。この馬場がほぼ維持されると見てよさそうです。

…差し馬には厳しいかな。ポテンシャルではアドミラブルと思っているのですが、脚質がなぁ。逆に好枠を引いたらダンビュライトあたりが逃げていてもおかしくないかも。

先週までは皐月賞との連動をあまりイメージしていませんでしたが、この土日の馬場をみてその可能性を感じ始めています。アルアインとペルシアンナイト、それぞれに合うかもしれません。あー、内枠を引いて中団あたりで溜めているレイデオロなら可能性があるかもしれません。

こうして言葉を並べてみるとダービーの予想、面白そうですねw
わくわくしながら一週間過ごしたいと思います。