2012.07.30


アイムユアーズ、快勝でした。

プラス24kgの発表には驚きましたが、オークス以来であることと追い切りの動きを加味して「気にしない!」という判断に至りました。レース内容もそつのないもの。乗り替わりの鞍上でしたが、ウマの力を信じた乗り方だったと受け取っています。

レースのラップ。
12.3-11.4-12.1-12.1-12.3-11.9-11.6-11.7-11.8。

そして昨年のラップ。
12.4-11.0-11.7-11.6-11.7-11.9-12.1-12.0-12.2。

昨年に比べて道中と上がりのラップがちょうど入れ替わったようなバランスに変わっています。明快な逃げウマが見当たらなかったこともあるでしょうが、とはいえ色気を出して前を取りに行くジョッキーもいませんでした。2着ラブフールは直線だけの競馬、33.7の上がり。馬場の傾向が変わっているのでしょうかね。

今日の新馬戦、グランデアモーレで内を掬った藤岡佑介に再現を期待していたんですけどね。オールザットジャズよりラブフールの加速力が求められたレースだった、ということのようです。追い切りから絶好調とはいいにくい出来であったことを差し引いても、昨年の2、3着、コスモネモシンとアニメイトバイオが惨敗していますからね。この傾向は頭に入れておこうっとw

ちなみにアイムユアーズ本命までは合っていたのですが、改めて買い目を見ると相手が総て勝ちウマより内枠という。。。 博才のなさは相変わらずでございます。

あぁ、ミッドサマーフェア。無印にしました。追い切りは1ハロンだけじわっと加速させただけ。あの軽い調整でマイナス10kgだと正直買いづらいですね。今回は3着と一応の結果は出ましたが、これが昨年のラップだった場合終いで息切れしていた可能性を感じておりまして。秋の布石になるかというと。。。 フローラSはフロックではないですからね。この後順調にいって欲しいと思っています。



あとは気づいたことをいくつか。


浜中がリーディング。

先週の時点で岩田を抜いていましたが、まだしっくりきていないというのは失礼でしょうか。でも日曜小倉のKBC杯、好位の内でじっくり構えるグラツィアの姿は見ごたえがありました。断然の1番人気グッドマイスターが出遅れて争覇圏外に置かれるなか、4コーナーでは先行勢で唯一手を動かさず。ここのウマなりが格好よかった。理想より1頭分後ろと見て取っていたのですがあわてず騒がず、そこからこじ開けるように前のウマを交わしてきましたね。直線に向いた際の急な手綱のアクションがあまり丁寧に映らなかったり、追うときのお尻のトントンが気になったりはしますが、いまいまは勢いを優先したほうがよい時期なのかもしれません。あートントンは技術的な意味ではなく彼のフォーム的に見た目で似合わないなーと思ったりしていますw

福永、川田が海外遠征したことでかなり「星が割れて」いるリーディングですから、秋が本格的な星の奪い合いになるでしょうか。安定したリーディングを長く見ているせいか、つい「信頼に足る、足らない」という存在感の計り方になってしまうのですが、混戦のリーディングはそれとして楽しめるものと改めて思っているところです。


エクセラントカーヴ。

土曜の最終、1400mで鮮やかな勝利でした。相変わらずのテンションの高さですが、クイーンCの時の異常さに比べればだいぶ常識にかかってきたでしょうか。アネモネSからじっくり間を取った陣営の勝利と思います。でもなー、これより距離延長することは賢明なのかどうか。かかったのを抑えた分か、能力差で抜け出しつつももう少しカラダを伸縮させて走れるような。。。 スプリンターになっちゃうのかなー。引き続き見ていきたいと思います。


マイネルエテルネル。

新馬戦で気になったのはこちら。4コーナーあたりは遊び遊びながらも、最後までいいストライドで走れていたように見えました。1200mのウマではないと思う一方で、英ダービーに登録するのはちょっと期待がインフレしていないかな、などなど。父Tamayuzは何者?と調べていたのですが、ジャックルマロワ賞でNatagoraに勝っているんですね。そうすると見ているはずなのですが、あまり覚えておらず。ファーストシーズンサイアーであり、父の父Nayefの母系はディープインパクトと同じくHighclereに辿れるあたりも、期待値があがる要因なのかもしれません。


ナチュラルホースマンシップ。

調教助手の方のブログで紹介されていました。トレセン内で講習があったようで、そのまとめという内容になっています。以前馬事公苑の講座で講師の方に聞いた内容と重なる点も多く、興味深く拝見しました。合図の強さと一貫したルールが重要のようです。
ナチュラルホースマンシップ



最後に。

競馬ではないですが、オリンピックが開幕しましたね。いまいまはサッカーを観ながらブログをものしています。先ほどは男子柔道の判定がふわふわしていまして、競馬ファン的にはなにやらデジャヴ感があったり。個人的にはあれだと主審が必要ないのではと思ってしまいましたが、ビデオ判定導入の難しさを感じるところもありますね。開会式も録画しておいて日中に確認。聖火の完成→大量の花火まではよかったのですが、ヘイジュードの大合唱はなにやら閉会式のように思えてしまいw 熱戦の余韻を思いつつ♪ラー、ラーラーラララッラーじゃないの、とかw ばっつり嵌まっていることは自覚しつつ、明日以降も仕事に触らない程度で観ようと思いますw

うわー永井のスピードが活きましたよーw


関連記事
2012.07.27
JDD

ハタノヴァンクールの決め手が勝りました。

なんというか、いま書くの?って感じですけどねw もう書くタイミングを逃しまくりで悲しいやら、悲しいやらですよ。せっかく現地観戦したこともあり、現地で某アナウンサーの方を見かけたこともあり、思い出せる範囲で書いておきます。ちなみにその某アナウンサーの方、あとでツイートを見る限り満喫されていたようでした。ミーハーの赴くまま声をかけなくてよかったみたいです。


思ったよりスロー。

レースはスタートからフリートストリートが先頭を伺い、向こう正面までに一気にスローに落とす展開。現場で観てて「おそっ!」と思っていました。これはウマの仕上がりを汲んだ鞍上の「苦肉の策」と映っています。スローの隊列ができた時点で逃げたフリートストリートの勝機はないなーと観ていました。岩田もすっかりJRAのジョッキーだなーなどとよくわからない感慨ももちつつw


レースラップです。

12.4-11.3-12.4-13.8-13.4-13.1-12.5-12.2-11.8-12.4。


13.8-13.4-13.1で前がスタミナを温存する中、3コーナー手前でアートサハラが行きましたね。そうだ、ここは大井だ!と目が覚めた瞬間でしたw 一応、捲るとしたら南関クラシック勢という思考はもっていましたが、メンバー的に捲れるほどペースは落ちないだろうと思っていたんですよね。フリートストリートの仕上がりと川島の大井での経験値をもっと考慮すべき?いや、なにより今野の気概を讃えるべきでしょう。遅いんだよ!といわんばかりの捲りで3コーナーを鋭角にはいりオースミイチバンの前に切れ込みました。

さすがにゴールまでは持ちませんでしたが、見事な判断でしたね。日ごろから南関を細かくチェックしていませんので、最近の今野ならあれくらいは普通なのかもしれませんが、決して無謀ではないスタミナの使い方。思い切りの良さも胸のすくものでした。買っていなかったんですよねー。あの捲りにのっかっていたかった。これだけはけっこう後悔しています。

直線、4コーナー手前まで逃げウマに連れて行ってもらったトリップが粘り込みを図りましたが、3~4コーナーを無難にパスしたハタノヴァンクールの決め脚が上手でした。直線はもたれ気味のようにも見えており、臆病な性格という鞍上のコメントもあり。暮れの阪神1800m本番はコーナーがゴチャッとしますしね。メンタル面がこの夏を越してどのくらい逞しくなるのか、楽しみのひとつと思っています。


オースミイチバン。

ハタノの次に評価していました。この評価を下げられれば3連単まで届いていたかもしれません。はいタラレバーw 鞍上の経験値は不安材料ではありました。スタッフジャンパーの「大隅遥」の文字にも一定の懸念を覚えましたしw しかし何より母父フサイチコンコルドがG1挑戦、という文脈は、まぁ媚薬みたいなものですね。この贔屓目が馬券的には敗因です。ええ、もうこちらのチョイスには一切の後悔がないのですよ。困ったものです。


ストローハット。

パドックで確認して軽視しました。フジキセキ産駒でユニコーンSの覇者、あの勝負服とくればそりゃあ一瞬でもカネヒキリというワードが脳裏に浮かびます。でもなー、タイプが違うといいますか、2000mで少しでもスタミナを問われる場面が出現したら。前走の直後から比較するには厳しいと思っていました。先々はわかりませんね。ひとまわりふたまわりパンプアップするまで、少し長い目で見守るのがよいかなと思っています。


プレティオラス。

これまで大井で見てきた、南関の上級馬特有の柔らかさを感じました。もっと馬格の大きな馬だと思っていましたが、改めて記録を見ると455kgだったんですね。大きく見せていたと思います。レースは東京ダービーを制した時と同様に後方待機策。これは冒険をしなかったという類の騎乗だったように思っています。スピードに乗るまでに距離を必要とはするのでしょうが、必ずしも後方一気しかない馬ではないような印象でしたので。


なお、JBIS-Searchで今年の南関クラシック総括にふさわしいコラムを見つけましたので、リンクをのせておきます。締めの件だけ蛇足かなw でも秀逸でした。
馬ミシュラン「不思議の東京ダービー」



最後に。

毎年、帝王賞とJDDの結果から、秋への期待の膨らみが決まってくるように感じています。ゴルトブリッツとハタノヴァンクール、これをスマートファルコンやエスポワールシチーといったG1馬がどう迎え撃つのか。トランセンドは?テスタマッタは?アガル図式は大事ですね。各馬順調に秋を迎えられるよう、期待して待っています。

関連記事
2012.07.23
デインドリーム、ナサニエル、ともに凄かったですね。

速報はTwitterで見ていたのですが、映像はつい先ほど確認。やっぱり金曜に朝までお付き合いは結構堪えますねw


ナサニエル、とその鞍上。

中1週であのパフォーマンスは調整過程を称えるべきなのでしょう。春先はなかなか体制が整わず、というコメントは前走の勝利後に吐露されたものと認識しています。結果を出した後でのコメントは陣営の苦しさと気概を見る思いです。勝者は2頭、でよいとはいえないかなw ナイスファイトでした。

でその鞍上。ラスト1ハロンでデインドリームが並びかけてきたのを悟るとフォームがぐっと変わりましたね。気のせい?いやいや、腰が沈んで重心が下がり、上腕の強いスナップを首の上下動にジョイントする、もうひとつ推進力を生み出すパワフルな所作を見て取りました。一瞬、キーレン・ファロンのド迫力なフォームを思い出したのですが、彼はもっと上体が立っていましたね。空耳ならぬ空脳wな感じでした。ファロンで感嘆したのは2009年のArcですね。直線目いっぱい使ってYoumzainを2着に捻じ込んでいく姿。Sea The Starsの鮮やかな勝利とのコントラストはリプレイで再確認しないと認識できませんでした。…関係ない話になりましたね。芋づる式に記憶が蘇るのは競馬の楽しみの一つということでw


デインドリーム。

調子を崩しているとの報道を目にしていましたが、ここに来て復調ということなのでしょう。内々の追走から直線外に切り返して、最後はパワフルな切れを披露しました。セックスアロウワンスがあるにしても59kgですからね。パワーアップしているのでしょう。何より精神的にもタフですね。秋に日本はどうかなー。見てみたいと思いますし、返り討ちにしたいとも思いますw


ディープブリランテ。

残念、その一言に尽きます。適性云々はともかく日本ダービー馬がまるで勝負になりませんでしたからね。悔しさというと別なのですが、結果が伴わなかったという点のみで残念と思っています。どんな適性のミスマッチがあっても結果が出てしまえばそれだけで端的に評価されますから。あー、端的な評価(結果で印象が左右される)を馬鹿にするものではなく。丁寧な分析にせよ端的な評価にせよ、さまざまな見解と影響がありえますので、端的に収斂するためのよい結果は是非ほしかった。パッと見は、日本ダービー馬が凱旋門賞馬と前年チャンピオンに苦もなくひねられた、ですからね。


ブリランテの適性の差。

あちこちの書き込みで、馬場、走法、ペース、折り合いが敗因に挙がっていました。テキストで情報を集めていた時点ではおそらくそうなんだろうなーと思っていましたが、映像を観てからは結構印象が違っています。ラップタイムがわからないのですが、道中の各馬のストライドから見て、馬場状態なりのミドルペースだったのかなと。そのなかで折り合えなかったという方がしっくりきています。比較的流れた道中からの2ハロン強のスパート勝負で、道中のロスが大きかったブリランテが早々に脱落した、というのが自分の印象です。

あの弾むような走法はもっと固い馬場のほうが合うでしょうし、もっと前が引っ張って平均的に早いラップになったほうがブリランテの良さは活きたと思います。でもそのあたりのアンマッチは戦前から折込済だったはずで、やはりアンマッチだったという結果が想像以上にでてしまったのだと思っています。レース選択がベストではなかった、例えばEclips Stakesを目指した方が結果がでたのでは、と思っていたりもします。でもこれも事前に検討されていた範囲でしょう。でないと、相当思いつきの遠征だったことになりますので。


適性だけで言えば。

遠征コストを抜きには語れないのですが、端的にフェノーメノやワールドエース、ゴールドシップのほうがまだ向いていた展開だったのでは、と思っています。日本の競馬に最も適性を示した馬しか海外へ挑戦しない価値観は、見直されてもいいかもしれません。が、難しそうですね。デインドリームの後ろからゴールドシップが襲い掛かってスタミナの底比べする姿、見てみたいですけどねー。贔屓目かなw


遠征の果実。

競馬主要国で今回の結果はどう評価されるのでしょう。この惨敗は日本が異質な競馬をしているという理解につながるのでしょうか。確かに、今年のジャパンカップにデインドリームが遠征してきても返り討ちにする可能性は十分感じますしね。レースの質のギャップを改めて示したのならそれは日本競馬の評価にプラスに働くのか、自分にはちょっと不明です。

個人的には、高速馬場でのチャンピオンの敗戦という切り口であまり過剰に取り上げる必要はないと思っています。「オーバースペック」かつさまざまな流通が「ガラパゴス化」した日本競馬なら経済規模的な減退には拍車をかけるだろうと思うようになっていまして、以前エクイターフについて書いた時よりは、高速馬場=ガラパゴス化、という端的な図式で捉えるのはちょっと議論が雑だろうと自省しているところです。競馬主要国の馬場はみんな異なっていますからね。世界の相関図のなかで少なからず存在感を示しているという程度で十分なのではと思うようになりました。つかず離れずといいますか、ホームアンドアウェイという図式が成り立つ程度、この程度が難しいように思いますけどね。

馬の流通と資金力のあるオーナーの存在が停滞することの方がよほど重要かなと。遠征の結果で海外からの評価を得る必要があるのはここにポイントがあると思っています。重要な海外遠征の果実でしょう。ただ、当然にして自分が語るにあまるテーマですので、今回の結果が日本競馬の評価にどんな色をつけたのかなーと漠然と気にする程度に留まっております。信頼に足る記事を是非目にしていきたいですね。


一方の遠征の果実。

厩舎スタッフにとってはきっと重要な経験になったのでしょう。昨年グランプリボスでの遠征がありますから、前回の経験を確認しつつ、作業の細部をブラッシュアップすることで得られたものがあると推察します。反復して得られる経験は貴重と思います。ただ、野平師がエアシャカールの遠征後に「いい経験ではいけない」と発言されていたことを思い出しちゃいますね。厩舎単位で経験をストックしなければいけないことも、日本の競馬ファンという立場から見るとちょっともどかしかったり。



最後に。

ブリランテの秋のプランニングに影響は出るのか、これが一番気になります。秋に大きなレースを使うには疲労を取り切る時間が足りないかもしれません。Gallopのコラムでしたか、アメリカからドバイへの遠征が減った理由に、疲労が2~3ヶ月残ってしまうことが挙がっているそうで。個体にも依るでしょうが、3歳春の遠征は先々に影響が大きいのではと懸念してしまいます。遠征そのものの是非をうんぬんしたいわけではなく、今秋の府中でもパリパリのブリランテを見たいですからね(淀じゃなくてねw)。


関連記事
2012.07.16

馬事文化講座で講師をされた方へ質問した話を踏まえて、エクイターフについての個人的心象と考察を少々書いておきたいと思います。講師ご本人に許可を取っているわけではありませんので(とはいえ内緒の話でもないですが)ある程度は配慮しながらですが、あくまで自分が聞き取った限りの内容とその解釈という前提で進めたいと思います。なお、聞く限りは、エクイターフの品種登録時に直接関わる立場にいらっしゃったとのことでした。


エクイターフの特長。

改めて質問してみたのですが、あちこちで既出の通り、ほふく茎が太くクッション性に富んでいることが挙がりました。全国の芝を集めて選抜した結果、五島列島に生息していた品種が残った、というのも既出ですね。テキストで読むなら、競走馬総合研究所の不定期コラムがよいと思います。
研究人コーナー 「エクイターフ」に夢のせて

ちなみに野芝と洋芝の説明については、治郎丸さんのコラムがわかりやすく感じましたので紹介いたします。
“野芝”か“洋芝”か、それが問題だ(前編)

あ、ちょっとだけ脱線して。ROUNDERSの感想の件、ブログでご紹介いただきました。恐縮です。有難うございました >治郎丸さん


時間の経過。

全国の芝の選抜から始まり、現在までにおよそ30年経過しているそうです。ジャパンカップが今年で32回目。計画通りかは不明ですが、相当長期間にわたる研究ですね。DI産駒向けのスピード馬場にチューニングしてる的陰謀説を最近になって目にしましたが、どうやら違いそうですw


馬場が壊れる。

話を聞く中で印象的だったのは、馬がキックした際に馬場が「壊れる」必要があるという表現でした。それは、芝が剥がれることであり、土が掘れることであり、ほふく茎がクッション性の限界を超えて壊れ、馬場が凸凹になることでもあると理解しました。違うかな。その後の問答も含めるとそのような理解でよいと思っています。洋芝のレースだと顕著ですよね。開催後半だと蹴り上げられる芝と土の塊が明らかに大きいですから。一方の野芝も比較的根が丈夫とはいえ無限の耐久性ではないですので、A、B、Cコースと幅員を変えながら開催するのも改めて納得感がありました。


脚元を守るジレンマ。

続いて、できあがった凸凹で脚をひねるリスクについて質問してみました。いわゆるミスステップについて、どの程度懸念されているのか、という質問ですね。この点、こちらの思う以上にセンシティブに受け止められている印象でした。馬場が掘れる瞬間はスピードダウンはあるものの相対的に脚元への負荷は下がります。馬場が衝撃を吸収してくれるためですね。ただ結果として凸凹になった馬場が残り、それが次のレースでは脚を取られるリスク要因になってしまいます。スピードが減少しすぎることも、クッションがなさ過ぎることも、馬場を壊しすぎることも、それぞれに一長一短。そのジレンマを少しでも緩和するために、クッション性が高く、根が太い(=耐久性が比較的高い)野芝が研究対象になった、というのが実態のようです。

このあたりは、極力壊れないことが理想でありつつ適切に壊れていくべき、というニュアンスを汲み取りながらの会話でしたね。


エクイターフの輸出。

どうやら無理そうですw お聞きした限り、国際化に向けて権利を保全するための品種登録だったようですが、ニーズが少ないのは如何ともしようがないようです。欧州圏の芝コースは日本ほど短期間で繰り返し使用しないですし、香港は温暖で雨が少なく100%洋芝で十分間に合っているそうですし。やはり「多雨」「多湿」「負荷の頻度」など、日本特有の条件に適しているという、良し悪しはともかくガラパゴスな特長をもった芝である、というのが現状の評価として妥当であるようです。



現時点での私的見解。

競走馬の脚元も守ることと馬場保全の観点からエクイターフは導入されているようです。というよりそれ以外の要素は、芝の品種研究の現場ではそこまで考慮されてない印象を持ちました。もちろん多数の関係者のうちの1名からお話を聞いただけですし、あちこちウラを取った確実な話でもないですので、そこはしっかり踏まえたうえで。馬場と興行戦略が密接に結びついていないという以前からの個人的な先入観を重ねた上での私的見解です。そこから、先行有利や高速化は導入の副産物なのだろうという見解にも至りました。是非は別にして、あくまで凸凹が少なくミスステップを起こしにくい馬場を導入した、という前進があったのでしょうね。

そして、脚元への配慮の対策のひとつと考えるのが妥当、とも思っています。例えば、レース中のミスステップが減少することとレースのダメージによる故障の比率が減少することは、おそらく別物だろうと推察できますし。ただ、レースの疲労に伴うトレセンでの故障などは因果関係を裏付ける統計を取りにくいでしょう。クッション性のある「壊れない」馬場を「叩く」ように走ることの影響は今後のローテーションの判断やケアの方法に大きく影響してくるという印象です。なお、講師の方とは万能の馬場はないねーというやり取りで話を終えました。

一応、前回の記事はこちら。
エクイターフ考察

最近見つけた福島馬主協会のコラムも参考になりました。ポリトラックの紹介記事なのですが、馬場によるグリップの差やミスステップについても触れられています。あわせて参考ください。
ポリトラックと競走馬の健康について



最後に。

エクイターフの特長を自分なりに理解しようと努めてきましたし、今後もその見極めは必要になると個人的には思っています。が、予想のアプローチや馬券の的中に即直結するとは考えにくいかな、とも思うようになりました。様々な予想メソッドの組み立て方や指数の補正などに影響が及ぶ可能性を感じてはいますが、当たるときは当たるし、当たらないときは当たらないというのは変わらないかなとw 雑な見解でしょうかねw

例えば、岩田と福永のレースの組み立て方の違いも、エクイターフがどう担保してくれるか、どちらに味方するか、かえって見ものですしね。そしてそのエクイターフも単なる高速馬場ではなく、生育の時期、根の張り方、開催中の天候などで状態が変化していますし。もちろん馬の特長も相変わらず様々ですからね。

勝因が様々なファクターの強弱によって一定の不確実性で揺れているのが、健全な挑みがいを生み出してくれると信じています。特定の要因が即勝因だってわかっちゃうレースだけになってしまったら、予想のし甲斐はなくなってしまうでしょうから。エクイターフも予想する際のone of themに落ち着きそうで、ちょっと安心していたりします。

でも、その評価がガラパゴス化へ向かってしまう可能性は全く別問題でしょう。例えば、エクイターフとアスコットやロンシャンがつながっていると証明することは日本競馬の認知と存続の形に結構な影響力をもっているのではないかな、と推察しております。今後の海外遠征やサンデーの血統評価などと並行しつつ、興味深く見守っていこうと思っています。


関連記事
2012.07.08
昨日のことになりますが、参加してきました。

募集要項は以下の通りです。
「第1回馬事文化講座」参加募集

変更になる可能性があるとお断りがあった上で、「日本の馬と馬具について」というテーマが設定されていましたが、当日はテーマが多岐に渡りましたね。どれをとっても興味深く拝聴できました。備忘録を兼ねて、自分なりに列挙してみます。

・馬の起源(哺乳類の起源と合わせて)
・日本の馬の歴史
・和式馬術
・在来馬の体格
・国内外の騎馬像
・競馬場、トレセンの馬場構造
・馬の種類(軽種、中間種、重種、小格馬)
・アニマルウェルフェア
・人工授精
・鞍の歴史

計4名の講師が順に登壇されて、以上のようなテーマを掘り下げていくのですが、いやー充実してましたねw 惜しむらくはレジュメを事前にとりまとめる準備がなかったかな。。。 どの講師の方も「脱線」という枕詞で話していましたが、事前のテーマ公表の仕方ひとつだと思いますので、今後の準備に期待いたします。で、特に興味深かったものを少し書き記しておきたいと思います。


馬具の歴史。

複数の講師の方が触れていましたが、日本の馬具文化も乗馬文化も4~5世紀ころに大陸から輸入されたとのこと。馬具が不十分だったという推察ができますので、それまでは馬耕(馬を用いた農作業)もなかったんでしょうね。時代を問わず(特に江戸より前かな)通史であまりひと揃えの実物は残っていないそうです。平安以降は実際に戦で使われているわけですから、磨耗したり壊れたりで残りにくいのでしょうね。聖武天皇の御物(ごもつ・ぎょもつ、持ち物を指す尊敬語)である正倉院鞍10セットも実際に使用された形跡はない(使用目的ではなかった?)とのことでした。

別途自分で調べたサイトです。こちらは騎射の文化を中心に語られていますね。
日本の伝統馬術

しかし、装飾品の和鞍、かっこいいですねーw 何か端的過ぎてアレなんですけど、歴史的価値うんぬんより流線のフォルムが美しい。見て愛でるだけというメニアックなツボを発見いたしましたw 最高の一品を求めて絶賛画像検索中ですw


人工授精。

乗用馬や牛のケースも話題に出ていましたが、サラブレッドの繁殖で禁止されているだけで珍しくないそうです。講義中には偽牝台(すごい名前!)による精液採取の映像を確認。なんだかオスって悲しいなーとか思っちゃいますねw 現場の問題は、人工授精を取り扱える人材の育成だそうです。牛の場合、畜産科のカリキュラムで資格取得のパスが準備されていますが、馬に関しては社会人向けの研修プログラムが20日間。20日間休める社会人というのはなかなかね。。。 講師の方も今後の課題と話していました。


馬場構造。

これが非常に興味深かった。以前総研にいた方が登壇。野芝を使う理由、オーバーシードする理由など、改めて専門とする方の言葉で確認できたことが大きかったです。普段ない機会ですからね。野芝を使う理由は、ほふく茎が地中でネット上に張りクッションの役割を果たすこと。そしてオーバーシードの理由はやはりジャパンカップ開催当初の逸話、海外の関係者から「芝馬場はどこだ」と言われてしまったことに端を発するようです。

ダート馬場の作り方の紹介も非常に面白く。路床と呼ばれるベース部分を転圧→砕石を敷く→山砂を敷く→クッション砂を敷く(現在は9cmで調整とのこと)、という手順だそうです。他にも、日本は雨が多いため、排水の目的からクッション砂を採用していることや、馬が跳ね上げた際に目に入っても大丈夫なように粒子が丸くなっている、などなど。現場では馬場の模型を用意してくれまして、アメリカはチャーチルダウンズの馬場構造などと目視で比較できました。以下はその写真です。左から順に、ニューポリトラック、ウッドチップ、チャーチルダウンズダートコース、府中ダートコース、芝コースです。
馬場の模型

コースのメンテナンスに使う機器も初めて名前を知りました。説明は省きますが名称は列挙しておきます。ターフスライサー、バーチドレン、レベルハロー、タイヤローラー。いやいや、手間もコストもかかるものです。

馬場の講義はお昼前に行われたのですが、その後昼休みに講師の方を質問攻めにしてしまいました。申し訳ないと気づいたのは後のことで、だいぶくい気味でしたw その際、エクイターフの質問にも応えて頂きまして、その内容は投稿を別にして書いておきたいと思っています。



なお、要望がひとつ。

帰りのアンケートでも少々触れたのですが、以前発行された資料を配布しての講義で、その資料を回収してしまう点が大変残念でした。次回以降も使用するため、との運用上の理由でしたが、であれば有料でもいいので資料は配って欲しかったところです。応募する人のモチベーションに対する構えと少々ギャップを感じた瞬間といえばよいでしょうか。来る方はたいがいくい気味ですからねw 是非ご検討をお願いしたいと感じました。



最後に。

講座参加もあり、自宅のエアコンが大往生したこともありで、今週はほぼ競馬は不参加でした。プロキオンSでファリダットがものすごい末脚で差し届かずというイメージを持ちつつ、単勝を少々買って案の定というくらいでしょうかw まさかトシキャンディが残すとは思いませんでした。ラップが12.0-10.7-11.3-11.6-11.5-11.9-13.6。最後の1ハロンががっくり落ちても残してしまえる馬場とも言えますが、芝スタートを物ともしない酒井のナイストライだったと理解すべきでしょうか。


さて、エクイターフの話はこの後書けるかなー。ちょうどウィンブルドン決勝を観ていまして。ロジャー先輩の厳しい攻め(責め?!)を堪能中のため、後日になりそうな予感もございますw

関連記事
2012.07.02


こんな時間の投稿なのは、EURO 2012を観ていたためです。後半からイタリアが瓦解してしまったのでテンションは落ち着いてしまったのですが、前半のスペインは素人目から見ても凄かったです。あの運動量で後半接戦だったらどうなってたかな、とか、すいませんよくわかってないですがw スペインファンの皆さん、超おめでとうございます。


さて、ロイヤルアスコットミーティング。

直後から、書いておこうと思ってはいたのですが、今日のNHKBS「世界の競馬」すら見逃してしまい(完全に自分のせいですが)、テンションが下がっておりました。個人的にWebの映像では解像度が物足りなく思っていましてね。。。 役者がそろった開催だったのでなおさら、いい画質で観たい欲求がくすぶっております。でも役者が揃いました。気になったレースをさくっと書いておこうと思います。


Black Caviar - Diamond Jubilee Stakes

強かった。若干気持ちよく行かせ過ぎた感もありますが、ほぼ完勝といってよいと思います。ん、僅か差だったじゃないかってw 鞍上は否定していたようですが、まぁ、端的にゴール間違えちゃったんでしょうねw 負けなくてよかったというのが正直な感想です。しかし残り400切ったあたりの後続との手ごたえの差。Frankelとのマイルでのマッチアップを期待する声がありましたが、あの行きっぷりと完成された走りを観ると距離適性の違いを感じます。やはり似合うのはスプリント戦なのでしょう。残念ながらこのまま引退、という話もあるようです。オセアニアから遠征しての無敗記録を更新した勝利。区切りとしては十分でしょう。頷けるタイミングとも思います。


Frankel - Queen Anne Stakes

衝撃です。15年も競馬を観ているせいでしょう、すぐに過去の記憶を照会する癖が身についているのですが、こんなシンプルで圧倒的なレースは記憶にございません。他馬を置き去りにしたという意味では98年のマイルCS、タイキシャトルの5馬身差かなぁ。んーそれとも違う気がしています。タイキシャトルとの個人的な符合でいえば、あと2ハロンの延長なら大いに期待できるであろうこと。短縮よりはよほど奏功すると思われます。あのスピードの持続力を観ちゃうとね。十分に息の戻ったウイニングラン。心肺機能の強さを裏付けする落ち着きぶりでした。次走はEclipse Stakesとも噂されていますが、府中の1800mで観てみたいなーw 毎日王冠の賞金を倍にして招致しませんかw


So You Think - Prince Of Wales's Stakes

力を示しました。自分の型に持ち込めればそりゃあこれくらい、という贔屓目もありますねw 鞍上Joseph O'Brienの堅実な手綱も印象的です。まだ若いのになーそつがないなー。ドバイミーティングでの借りを返した格好ですね。長身を折りたたみきれず若干腰高といった道中の風情ですが、それよりもレースでのポイントをつかむ力の方が確かなのでしょう。investec derbyでのcamelotもそうですが、強いウマの仕掛けどころを若くして体感しているのは大きな強みだと思います。七光りを受け止めるのもまた大変でしょうからね。ウマの方は次走で引退との既報。Frankel同様Eclipse Stakesというからこれはヤバいですね。


最後に。

騎手会長も自身の番組で発言していましたが、やはりこうしたお祭り開催はあったほうがいいように感じています。華やかさといいますか、普段競馬をしない一般層にも浸透しやすい開催が欲しいなと。ダービーや有馬記念など名の通ったビッグレースでも注目はされるでしょうが、現場にいてもその1レースのために15時過ぎまで待たないといけないわけですよね。土日開催は動かないとして、ロイヤルアスコットを濃縮したような、BCやドバイミーティングのような複数のG1を同時開催するプランは長期的に見てプラスと思った次第です。JBC?確かにw


関連記事
2012.07.02


今週の競馬はbreak。

予想に時間を使わないといろいろできますねw 部屋を片付けたり優駿を読んだり、先週録画したTV中継を改めて見直したりしていました。片付けは自室のTVを取り替えるため。学生の頃に買ったブラウン管TVがまだまだ映るので、PS3をつないで使っていたんですよね。シルクジャスティスの有馬記念をそのブラウン管TVで観ていた記憶があり。TVも「more than a decade」だなーなどという感慨がございます。お役目ご苦労さま。


中京のレコードラッシュ。

詳しく調べていないのでざっくりした認識だけ記しておきます。3月の開催当週は芝は良でスタートしたものの、直前に降雨があってかなり掘れる馬場だったという認識。メンテナンスへの揶揄ではなく、冬場の育成では十分な根付きには至らなかったでしょうかね。それに比べれば3か月の養生期間と春の日照がありますからね。いまいまの根付きは速さを担保してくれるはずと推察されます。レコードラッシュもうなずける範囲ではないかなと思っています。土曜の良馬場と日曜の重馬場を同列には語りにくいかもしれませんが、根付きという点では傾向が真逆に振れるようなことはないでしょうから。

芝に着目してJRAのHPにあるレコード記録を見ると、レコード馬の父の名前にはフジキセキ、マンハッタンカフェ、シンボリクリスエス、タヤスツヨシ。けっこうパワー寄りの血統が目につきます。2着馬の父にもキングカメハメハやゼンノロブロイ。これはこの開催の傾向になるかもしれません。あ、アドマイヤコジーンも忘れてはいけませんね。

綺麗だったのは長久手特別のエーシンミズーリ。力の差もあったでしょうが、4コーナーから直線に向いて外に出して慌てずに仕掛ける流れ。川田のエスコート、自分がオーナーなら人気馬を託したくなりますねw レコードで2勝した浜中、勝ちに結びついていないのですが和田、このあたりが馬場とペースを的確に読めていたように思いました。


CBC賞。

その浜中はかなり手ごたえを持って臨んでいたのではないかなと思っています。自分はリアルタイムで観ていなかったのですが、前日の清洲特別をそのままトレースしたようなレースぶり。やはりこの芝はスタートから多少強めにプッシュできてこそ勝負になるようですね。阪神1400mとのイメージも近いですかね。マジンプロスパー、素直なレースぶりで押し切りました。この秋のG1は中山1200m、合うかと言われるとちょっと微妙かな。来年春のG1はまだ先ですしねw



さて、一方でジョッキーの海外遠征のこと。

福永がアメリカ、川田がフランス、短期間ですが松岡がアイルランドという報道。福永はビザ発行に手間取っていたようですが、すでに騎乗を開始していますね。本人は「通用するか確認したい」というコメントを残していますが、実態としては挑戦でしょうね。言葉のあやと思っています。個人的にはレースの前半でもうひとつ踏み込める感覚を掴んできてほしいと期待していますが、どうなるでしょう。一方、川田の遠征はジェンティルドンナ凱旋門賞への伏線、という噂がまことしやかに。既報通り秋華賞ではないかと思っていますが、こちらもどうでしょう。ジョッキーの遠征自体は歓迎です。


ダービー馬の遠征も決まりましたね。

ディープブリランテ。その年のダービー馬がキングジョージに向かうのはシリウスシンボリ以来とのこと。相手関係でいえばキャメロットが愛ダービーに回り、そのまま秋のセントレジャーに備える方針のようですので、ちょっとは楽になったかな。個人的には、良馬場なら後半の下り坂をそつなくこなせるワールドエースとかいかがでしょう、と思っていたりします。ダービーからあまり間がなく遠征ですから、まずは無事に。期待しています。


ロイヤルアスコットミーティングのことも書いたのですが、これは記事を分けてポストします。連投になりますがご容赦を。


関連記事