2015.06.28


ゴールドシップがゲートを出ませんでした。

ラブリーデイが勝ったのは了解しているんですが、やっぱりあの出遅れはインパクト大きいですねー。WINSで観戦していましたが、フロア全体が何ともいえないどよめきに包まれておりました。

ひとつ隣のトーホウジャッカルに刺激されたか、ゲートが開く直前に大きく立ち上がってしまいました。ゲートが開いたのは一度着地してもう一度立ち上がる瞬間。WINSのリプレイで改めて確認してみましたが、何ともいえないタイミングでしたね。一瞬駐立が成立したようにも見えますし、あれ以上慎重に待ったとしてもゴールドシップのブオオ感は増すばかりだったかもしれませんし。何より駐立がままならないこと自体が問題ですしね。

スターターを揶揄するコメントも散見されていますが、今回は許容範囲ではないかなと思っています。レース売上の60%ちょっとがゴールドシップ関連ですから、ヒステリックな反応もまたやむを得ないとも思いますけどね。

ゴールドシップの所作に仰け反り気味でひいていたのがひとつ外のラブリーデイ。一番影響のありそうな場所にいた馬が実にそつのない先行策でG1タイトルを手中に収めました。ゲートのなかではかなり露骨にひいてたのにね。大外枠であるが故のポジショニングの自由度も奏効したようです。


レースラップです。
12.2-11.6-12.2-13.4-13.1-12.7-12.5-11.7-11.0-11.6-12.4

レッドデイヴィスの逃げ。G1初騎乗の松若、おそらくはゴールドシップの出遅れを了解していたでしょう、非常に抑制の効いたラップを踏みました。ラブリーデイが着かず離れずの2番手。松若、川田ともにこの緩ペースがゴールドシップをスポイルするのに適切であるとわかっていたのではないでしょうか。残り600mからの11.0、ゴールドシップにはおよそ不似合いなラップ。松若のこの加速がゴールドシップ勝利の可能性を完全に摘み取ったと思っています。

週中は雨が相当心配されていましたが、実際に土日は降雨少なめ。馬場状態の発表は良まで回復しました。表面の緩さの程度がポイントと思っていましたが、直線の速いピッチをみる限り、ラブリーデイには十分許容範囲だったようです。

阪神大賞典で距離と馬場を懸念され、鳴尾記念でスピードを披露した戦歴からして、今回評価を上げきるところまではいきませんでした。川田の好判断も大きかったでしょう。もろもろきれいに噛み合ってのG1勝利と思っています。


4コーナーまで内目でじっとしていたデニムアンドルビーがきれいに外に出して猛追。リズムはマーメイドSのシャトーブランシュと似ていたでしょうか。浜中のたたみかけるリズムは迫力ありましたねー。緩ペースからの末脚勝負だと持ち味が活きる、という
イメージを再確認した次第です。もう少しでしたね、惜しかった。


終始内にこだわったショウナンパンドラが3着。直線向いて、トーセンスターダムの進路の逆を取るまで池添は冷静でしたね。人気がなかったことで思い切った騎乗ができたのでしょうが、そういえば秋華賞もリスクを負ってインにこだわった結果でしたものね。池添の度胸はしっかり評価すべきでしょう。


…なにか、こう、馬券にからんだ3頭について、エモーショナルな瞬間があまりなかったのはゴールドシップ本命だったせいでしょうね。パフォーマンスにケチをつけるというよりは個人的な心象の話ですのでね、はい。道中スローなのがオンタイムで把握できていたこともあるでしょう。上位勢の力量、今日のレースレベルは、秋のG1戦線で順次問われていくことになるでしょうね。


頑張ったのは菊花賞以来のトーホウジャッカルでしょう。追い切り映像を観た限りではひとつも買う必要がないだろうと思っていましたが、パドック、返し馬と確認して、逆にこれを無視してはいけないと評価を改めました。ジョッキーの誘導にも消極的なところはなく。直線向いてからの反応は強さの証と映りました。順調に秋を迎えてほしいなぁ。楽しみな馬が戻ってまいりました。


あとは気づいたところを。

トーセンスターダムは積極策。おそらくはこちらの鞍上もゴールドシップの出遅れをすばやく察知していたでしょう。勝ち馬とそう変わらないポジションを取っているあたり、さすがですね。

ディアデラマドレ、ヌーヴォレコルト、ラキシスはそれぞれの位置から伸びあぐねていました。上がり3ハロンのうち最速が600-400m区間に計時されていることは、後続勢も末脚の持続力を求められたということ。先に記載した2頭はけっこう頑張っていたと思っていますけどね。それぞれの鞍上も勝負に行っていましたし。どの馬も緩い馬場が得意ではないでしょうから。それぞれの善戦があったと、きれいにまとめておきますねw



最後に。

ゴールドシップの癖について、週中にある記事を確認していました。
【あなたの知らないゴールドシップ】(2)わずか10メートルの距離が円滑に調教を進める秘策 : 競馬 : スポーツ報知

この記事の中で気になったのは「(調教の後に)ほどよく前に馬がいて、後ろにいないのがベスト。本当は周りにいない方がいいが、1頭じゃ歩かない。10メートルぐらい前で離れているのが理想です。」という助手の方のコメント。あくまで移動やクールダウンの際の話のようなのですが、道中リラックスした追走を求める場面にもイメージがつながってしまってまして。陣営の苦肉の策がゴールドシップのストレス耐性、レースでの対応の幅を狭めている可能性を感じた次第です。じゃあどうすれば、って話なんですけどね。

レース中の(=馬群から受ける)ストレス回避策として自ら出遅れるようになっているなら。現役の残り時間を考えると、もうゴールドシップの好スタートを見ることはないのかもしれません。なにより秋のG1戦線、適性のある条件でかつ目標となりうるレースとなると…有馬記念のみ?適鞍をどこに求めるかが難しいシーズンになる予感がしています。



さぁて、これで夏競馬が本格化。今年は職場の皆さまと変則ルールでのPOGを実施予定ですので、2歳戦の見え方もちょっと違うかもしれません。いや、POGの発想自体をあまり得意にしてきてはいないんですけどね。違う空気をいれるのも面白いかもしれません。とりあえずポルトフォイユとレッドヴェルサスの末脚は覚えておきたいと思っています。

関連記事
2015.06.25


ホッコータルマエ、強かったですね。

早め先頭で粘りこみを図るクリソライト武豊を直線半ばで捉え切りました。最後まで粘リ切るあたり、ドバイ帰りの懸念は杞憂だったのでしょうね。追い上げてきた3着ハッピースプリントと合わせて、1、2、3着の粘りこみは素晴らしかった。レースラップにもそれは現れていましたね。

そのレースラップはこう。上がりがかかる前傾ラップです。
12.3-11.4-11.5-12.6-12.1-12.0-12.1-12.8-12.5-13.4

参考までに同じ良馬場だった13年の東京大賞典。勝ち馬も同じですね。
12.9-12.7-13.6-13.4-12.3-12.2-12.9-12.7-11.6-12.3


1コーナーまでのポジション争い。内からホッコー、外からクリノスターオーとニホンピロアワーズ。それぞれがダッシュ甘めのクリソライトの塞ぐような前々の運びと映りました。枠順の妙は1コーナーまでに表現されたと思っています。

おそらくですが、クリノスターオー岩田には、先手を取りきる思惑とスタートダッシュの甘いクリソライトをけん制する思惑と、2つの思惑が重なっていたように思います。その結果生じた強いスタートダッシュ。しかし11.4-11.5はかなり速いですねー。ここまでくると、どこで勝負がしたかったのかがちょっと伝わりにくいですけどね。

2コーナーから先、逸る鞍下を譲りながらも抑える武豊。ここから先は武豊がレースを作りました。4コーナーの馬なりは一瞬勝ったかと思いましたよ。よく見るとがっちり手綱を抑えているのではなく、首の動きを邪魔しないという所作。どうやら手応え抜群の馬なりではなさそうですね。でもそこからよく頑張りました。1、2コーナーで追いかけてしまった分、ホッコーは控えていましたからね。


ホッコータルマエは磐石の運び。ペースが速くなければ逃げることも考えていた、とは勝利ジョッキーインタビューで聞こえてきました。ペースを読んでの控える選択。この冷静なリードがG1を9勝することになる人馬の経験値の成せる業、でしょうね。スタートから外へ展開したのはもうひとつ、脚抜きのよいコースを通る意図もあったでしょう。排水の都合、ダートコースは両端が低くなっていてそこに砂がたまるときがあるようですので。これも含んで幸のリードは磐石だったと見えています。

先の東京大賞典のラップ通り、上がりで11秒台を叩き出すレースを勝つ馬が、12.5-13.4のバテあいを凌ぎ切る姿は素晴らしいですね。スピードもスタミナも。切れも粘りも。昨秋からの存在感には現役チャンピオンの呼称がふさわしいと思います。

無事に夏を越せば、JBCクラシックで史上初のG1・10勝目を狙うとのこと。秋に強力なライバルというと、やっぱりコパノリッキーでしょうか。ノンコノユメはまだ大井の馬場では未知数ですしね。

そうかー、いまいまはヴァーミリアン、エスポワールシチーという名前と並んでいるんですね。ホッコーの価値を毀損するつもりではなく、そうですね、無事に10勝が成ったら、かな、交流G1の価値を見直してみてもよいかもしれません。すでに何度となく議論されているテーマですけどね。



最後に。

今年は自宅で録画映像を確認。やっぱり現地観戦がよいなぁとは思いますね。ユーロビートが上がり最速で4着にはいるあたりは現地のほうがわかりやすかったでしょうし。クリソライトのパドックを見たら、なぜ4番人気なのかとほくそ笑んでいたでしょうし。いい出来に見えましたよ。

最終レース名にもなっていましたが、当日は剛力彩芽さんが来場。プレゼンターも努めていました。Twitterで見つけたのですが、どうやら「ランチパック!」と野次られていたらしくw やっぱり現地観戦がよいなぁと思いますねw


関連記事
2015.06.23


ノンコノユメでしたねー。

G1が終わってようやく、この春初めて悪友と府中へ繰り出しました。道中、遠慮の少ない近況報告をぶちかましながら、「ヒヤシンスの差し脚はバテないタイプのそれでしょでしょー慎重に外回して泥被らないようにしてるでしょー戸崎の1倍台でしょードバイ帰りでしょー稍重の速い馬場でしょー、…ゴールデンバローズ怪しくね?」という見解をゆるゆるとまとめておりました。いや、アホっぽいんですけどw アホですけどw そしてこのノリは昨年と同様なので自分でも驚いているのですけどw

詳しくはこちら。昨年も同騎手の1番人気でございましたね。
more than a DECADE ユニコーンS

結局、現地のパドックでそれ以外にキラッと光る馬が見当たらなかったこともあり、ゴールデンバローズを軸に取るという思考停止感。いけませんね、まず疑ってかからなければいけないのにね。これがちょっと時計のかかる良馬場なり、大井の2000mだったらまだためらいが少なかったように思っていますが。まだまだ精進が足りませんな。


レースラップです。
12.4-10.8-11.3-12.3-12.1-12.1-12.1-12.8

逃げると思われていたアキトクレッセントが出遅れ。これはペースが落ち着くか?と思ったらブチコが積極的にハナへ行きました。内のピンストライプ、外のノボバカラと雁行体勢であったことがペースを緩めなかった要因でしょうか。

ブチコはそのままなだれ込むような5着。乗り替わった石橋脩の好判断だったと思っています。馬もよく粘りました。ただ、次にどこを使うでしょうね。適鞍と番組の兼ね合いがちょっと難しくなり始めているような気もしています。

しかしまぁ、直線向いての坂下でノボバカラの唸っていることw フォームからして馬なりで自分からスパートしていましたね。そのまま粘りこんで2着ですから、馬場の軽さが失速幅の緩やかさを担保したように見て取っています。そうなんですよね、昨年コーリンベリーが頑張ったことを考えると納得なんですよね。いいスプリンターになってほしいです、ノボバカラ。

うーん、鞍上北村に焦点を移すと、もう少し馬の力を蓄えながら直線半ばまで運べないものかと、ちょっと思ってしまいました。それだけすんごいパワーなのかもしれませんが。古い話ですが、タイキシャトルを抱え込む岡部はもう少し唸らせながらホールドできていたように覚えているんですけどね。…例えた馬がまずかったかしら。


ゴールデンバローズの敗因は様々考えられますが、鞍上が向こう正面で横のポジションを決めかねてしまったことが大きいように思っています。確かに前に入ったマイネルオフィールも若干ふらふらはしているのですが、ひとつ外にだせる隊列を求めるならもう少し泰然自若として外からの被せに応じられなかったか、と。

向こう正面中ほどでかかり気味になったことで、苦し紛れ(だと見えています)に内に進路をとると、マイネルも内に寄って進路を塞がれる格好。そこから切り返してようやく外に馬のいないポジションを確保、したと思ったらもう3コーナーですからね。結果的に3コーナーまでの手綱の出し入れが多くなってしまいました。勝負どころで12.1が続く締まったレースラップ。追いかけるには過酷な流れだったかもしれません。どちらかというと、4着という着順の印象のわるさよりもよく粘ったという点に重きを置いておこうと思っています。


勝った馬の話をしましょうか。ノンコノユメ。パドックでは戦歴のままの軽い馬場向きかなーという印象がありましたが、軽い馬場なら先行馬の粘りこみも効きますからね。相対的に展開面でスポイルされると考え、軽視してしまいました。前走青竜Sでは脚をきっちり使いきっている印象があり、そこから大きく成長しているとも思いにくく。でも、末脚磨かれていましたね。恐れ入りました。

ひとつ思っているのは、ジャパンダートダービーにはつながりにくい結果ということ。カゼノコのような展開も考えられますが、先行勢が緩ペースを作りそうな場合やパワーを要する馬場だった場合は結構狙いづらいかな。2000mに延びる分は大丈夫と思っています。ただいまいまのところはクロスクリーガーVSホワイトフーガ、かなぁ。天気も含めてまだまだ決めませんよw



最後に。

昨年の記事を読むと、直線で進路が確保できなかった鞍上の所作について厳しい意見を展開していますが、今年はその反省に立ったような早めに外への進路を探す戦略。こうして過去の記事を引っ張り出してくると、いまとの相関があるような文脈も見えて面白いと感じているところです。

だいぶめんどくさい文体ではございますが、過去記事など見てもらうのもその当時の雰囲気が垣間見えて面白いかもしれませんね。このブログのナビゲーション、月単位のカレンダー形式にしたのは、競馬ファンの方なら多少時系列であのときのレースを記憶しているだろうという読みがあったため。自分向けでもあるんですけどね。

…意外と1年前の同じレースと同じことを反省していたりするので、事前にちゃんと見返しておいたほうがよいみたいですw


関連記事
2015.06.15


エイシンヒカリの逃げ切りでした。

ひとつ前の10R、前半に厳しいラップ割りにエンドレスノットの鞍上は先行策から少し早めの仕掛けと映りました。きっと、メインに向けての試走を兼ねた積極策。その真偽のほどはともかくとして、武豊はいまの府中の馬場が担保するラスト1ハロンの失速幅を体感していたはずですね。エンドレスノットが12番人気とはいえ、フルーキーと同じ勝負服ですからオーナーの心中もいろいろ察しなければいけないでしょうか。敵に塩を送った格好と受け取っています。はい。

レースラップをみましょうか。
12.9-11.3-11.4-11.9-11.7-11.6-11.2-11.2-12.2

10Rの2、3ハロン目は10.8-11.2。スタート位置も頭数も異なりますし、向こう正面での忙しさもだいぶ異なりますが、突っ込んでいった前半はラストで後方待機勢の外差しを許していました。これを踏まえているとすると、ゲシュタルトをゆっくりパスする流れは納得がいくんですよね。抑制の効いたラップは待機勢へのけん制にもなったでしょう。実際にフルーキー、ディサイファは展開にスポイルされた格好ですから。このポジションにサトノアラジンがいても、スポイルだったかな。

見た目にもわかりやすい大逃げや大外への進路取りが期待されていたでしょうか。優等生なレースですみませんとはレース後のコメントでしたが、いやいやどうして、第一人者のタクティクスが存分に堪能できる逃げだったと思っています。4コーナーでフェスティブタローが併せてきたあたりの我の張りも含めて、ですね。あ、でも大逃げする姿は見たかったですけどねw

エイシンヒカリはよく折り合いのついた逃げ。11.2-11.2は馬の地力がつくったラップでしょう。右にヨレるのはフジの中継で細江さんが触れていたように右トモの送りに難があるためと思います。原因はわかりませんが、この夏の休養で改善されるならベターですね。北海道開催を避けて秋の東京まで待つのは賢明と思っております。

あー、アイルランドトロフィーの横山はこの右トモを踏ん張らせないように左の推進力に任せたんじゃないかなー、などと改めて。当時はもっと未完成でしたしね。一転して今回は直線右ムチでの矯正。常識にかかった軌道修正でしたよね。馬の状態を見ながら名手がバトンをつないできた、と表現するなら美しいでしょうか。秋にどんな存在感を示すか、楽しみになってきました。


サトノアラジンはラスト100で脚色を鈍らせての2着。陣営からは距離への懸念がコメントされていましたが、スタートから出していったことで行きたがる面がばっちりでてしまいました。しっかり前に馬をおいてなお首を左右に振っていましたからね。これを防ぐ意味での待機策であれば納得なのですが、やはり秋への布石かつ重賞挑戦ですからね、ルメールがリスクを負って勝負に行った=ポジションを求めにいったことの方をより評価すべきと思っています。

陣営のコメントからすると、次走は中京記念ないし関屋記念あたりになるでしょうか。いまのところマイルのペースで引っ張ってもらっての追い込みが一番スムーズかな。ここをとり損ねましたからねぇ。力でねじ伏せていたら秋のマイル戦線への気配はずいぶん変わっていたと思うんですけどね。


最後に。

マーメイドSは藤岡康太のシャトーブランシュ。後方インから仕掛けどころを狙っていた康太の作戦勝ちですが、外差しがばっちり決まる馬場状態も改めて確認。さ来週の宝塚記念はどうなるでしょうね。エピファネイアの回避は残念の一言なのですが、入れ替わるように出走表明したヴァンセンヌがじわじわきています。外差しかぁ。まだまだ結論を出す段階ではないですけどね。すこーしずつ一喜一憂しようと思っています。

関連記事
2015.06.12


寝ないとなのでさっくりと。

記事タイトルは完璧に横着しただけですねw 全く関連性はございません。個人的に気になるトピックが続いた順、というだけでございます。南関東の交流G2とエリザベス女王が来場するアスコットミーティングと。目配せするポイントが多いのはわるいことではないなーと思ってはいますけどね。


関東オークスはホワイトフーガの圧勝。前走牡馬に混じっての勝利は伊達ではありませんでした。当日はそりゃあ残念なことに仕事をしていましたから後々で映像を確認しています。
第51回 関東オークス(JpnII)成績・払戻金|南関東4競馬場|nankankeiba.com

1コーナーまでに中団馬群を捲りきるあたり、鞍上大野が馬とコース、それぞれの特徴とそのマッチングをよく理解していたようです。3コーナーからこちら、父クロフネのジャパンカップダートを観ているようでしたね。それ以外言うことがないくらいのブッチギリ。同世代の牝馬では抜けた存在といってよいでしょうか。

我が麗しのアルビアーノ(?)は直線を待たずに失速しての4着。結果的に中途半端な先行策になってしまいましたね。メンコを被せて、終始先行馬の少し外を追走。常に真ん前に馬がいない=砂をかぶりにくい状況を作っていたように見えましたが、1コーナーの入りで結構外に膨らんでいましたし、ホワイトフーガの捲るペースに巻き込まれてしまった格好でもありました。

フラワーカップ、NHKマイルカップのラストの失速幅を踏まえるとダート2100mはスタミナ面で厳しいと思っていました。父ハーランズホリデーという点だけでは乗り越えられなかったということでしょうか。あと、メンコで素顔を隠してしまい魅力を半減させたことも敗因のひとつでしょうね、きっとw

個人的にはクイーンSや札幌記念で見てみたいと思っていますが、今後はどうなるでしょうね。ローテーションと体調面からいつインターバルを取るのかが難しい中でのダート挑戦だったと思っています。



はい、大きく話題変わりまして、ロイヤルアスコットミーティングまであとわずか。

5日間開催の中で楽しみなのはクイーンアンSのエイブルフレンド。香港からの遠征が吉と出るか。できれば連勝のまま暮れの京都かシャティンで日本馬とぶつかってほしいですけどねー。つい先ほど、同レースをルルーシュが回避するとの一報がありましたが、大勢には影響少ないでしょうか。リスクを負っての遠征自体は大いに賛同しておりますよ。

よく考えるとプリンスオブウェールズSがすごいメンバーになるんですね。日本の天皇賞馬スピルバーグと、アメリカ年度代表馬カリフォルニアクロームがなぜイギリスで激突するのか。フリーイーグル、エクト、グレイギャツビーなどの欧州馬は前哨戦なり臨戦過程からどうやらトーンが上がっていない様子ですし。ここでスピルバーグが勝つようなら、種牡馬ディープインパクトが欧州にも大きなインパクトを残すことになりますね。トーセンラーの輸出まで検討しなければいけないかもしれませんw えっw

なにより文化の差を感じるのがホームページ。「LIKE NOWHERE ELSE」。すてきですわー。プロモーション用の動画はまずJRAではお目にかかれないお洒落な仕上がり。日本でも、とは思っていないのですが、この美観で打ち出せるだけの文化はなんともうらやましいなと。以下のリンクからご覧いただければ。
Royal Ascot 2015 New | Ascot


関連記事
2015.06.08


モーリスの押し切り。地力を示してのG1勝利でした。

まさか4コーナーで3番手にいるとは思いませんでした。前走ダービー卿では出遅れで最後方ですからね。陣営がもろもろ策を講じてくるとは思っていましたが、いても中団だろうなと。縦のポジションに不安があった分、本命に推すところまでは重視できませんでした。

パトロールフィルムで確認できたのはスタート直後の川田の所作。ふわーっと手綱を開いていました。Dバミで終始がっちり抑える返し馬。それこそ「血がにじむほど」走りたい気持ちをグッと溜め込んでいたことでしょう。手綱を開いたことにどのくらいの意図があったかはわかりませんが、溜め込んだ前進気勢に任せるようなスタートダッシュとなったように見えています。

そして今度はゆっくりと手綱を持ち直しながらミッキーアイルのすぐ脇へ。スタートで先頭に立ってしまった前進気勢の塊との併走。スタートを出していってから抑える。「強気に乗れた」というコメントはこのあたりの運び方に躊躇がなかったことと受け取っています。結果的にストレス少なめで、縦のポジションでは圧倒的なアドバンテージを得られましたからね。


レースラップです。
12.4-10.8-11.1-11.6-11.4-11.2-11.3-12.2

リアルインパクトがハナを主張し、これを利用してミッキーアイルがねじ込むように折り合いをつけました。直後によく頑張ったケイアイエレガント。ラスト1ハロンのモーリスのラップが大きく減速していることを考えると、当日の馬場状態にしては前半突っ込んだラップになったと想像できそうです。…いや、レース後半に強く加速する地力が求められたと言うべきかもしれませんね。

モーリスはこのラップに積極的に乗る形で登坂しながらの抜け出し。残り200を切ってから川田は左を確認。おそらくはターフビジョンでヴァンセンヌを確認していたでしょう。気持ちに余裕があったか、めちゃめちゃ攻撃的であったか。抜け出してからの見せ鞭はやってくるヴァンセンヌと叩き合うためのアイドリングのようにも見えますね。

そうそう、ダービー卿で一番印象的だったのは、全馬を交わしきってなお集中力が途切れないところ。このあたりに祖父グラスワンダーのイメージが重なっています。ただ、今回の安田記念で早めに抜け出しているとは思っていませんでしたからねー。感じ取っていた特長がゴール前で活きたように見えるのは、やはりちょっと悔しいですね。…失速ラップの中、粘りきった根性も祖父譲りかしら。


ヴァンセンヌは2着惜敗。内をついたことは負けたことでネガティブに受け取られているでしょうか。個人的にはモーリスの前受けとは対照的な、福永の勝負だったと思っています。4コーナーを待たずに外に展開していたら2着も怪しかったでしょう。勝てば何とでもいえるはずでしたが、こういう時に惜敗なのが何とも。本命だったんですけどね。

前走京王杯は激スローを後方待機。ほぼ試走のように末脚を伸ばしての2着でした。京王杯のレースラップ、ラストは11.3-10.8-11.6。ほとんどの馬が3ハロン追いっぱなしのところ、福永は坂下の200を流して残り400からの仕掛けでした。徐々にアクセルを吹かしながら、ラスト1ハロンで他馬が失速するなか「相対的にバテずに」差し込む。これと似た展開でこのG1でも最後差してこれるのではないか、という読みがありました。もちろん決定的に失速しない馬自身の末脚の長さも重要なポイントです。

前半速くならない→後半早めのスパート→ラスト1ハロンの失速ラップ→そこに尻上がりに末脚を伸ばすヴァンセンヌ、という図式が浮かんでおりまして。ストロングリターンのリズムという認識でもありました。上のクラスではスローの上がり勝負しかレースパターンを経験していないことをウィークポイントと捉えてはいましたが、今回はハイペースにはならない読みがありましたからね。このあたりを斟酌しての本命視でした。あとちょっと、でしたね。

※いちおう補足です。1、2着とも、追い出し前にトップスピードにはのっていたはずですね。鞍上の手が動き出したのはスピードのピークを過ぎてからという認識です。ヴァンセンヌに関してはそれを見越しての本命でした。


3着クラレントは田辺に尽きると思います。スタートしてから無理なくフィエロの外にポジショニング。そのまま直線半ばまでフィエロに蓋をし続ける形となりました。いやーこわいですね。あの位置から踏ん張ったのは馬の地力ですが、あの位置へ導いたのは鞍上のセンス。途中で手綱を落としていましたが、ついでに鞭も落としていたでしょうかw すべて相まっての3着ですからさすがw


フィエロは行き場を失うような4着。向こう正面でモーリスに前に入られていました。前にモーリス、外にクラレント。直線半ばまで続くフィエロ包囲網の中で戸崎は仕掛けどころを逸したように見えています。特にルージュバックの桜花賞からこちら、張るべきところでひとつ下がってしまう鞍上のイメージが強くなっており。ひとつ前の10R、由比ヶ浜特別のマリオーロはもっと厳しい結果でしたしね。うーん、こちらも少し認識を変えて臨むべきでしょうか。

道中スムーズだったとして、モーリスの後ろからより強くスパートできたかというと未知数ですが、「もうひとつギアが上がらなかった」というコメントについては、仕掛けたいところで包まれていたためではないか、とツッコミを入れたくなる内容だったと思っています。パドックで肩の出方が少しスムーズさを欠いていたように見えましたが、いちおう併記しておきましょうか。力は出せる出来だったと思っていますよ。


他の馬はさくっと。

ミッキーアイルは先の通り抜群のスタート。そのまま先頭で走ったほうが着順はよかったでしょう。控える競馬にこだわる音無師のビジョンは今回は呪縛のように機能したでしょうか。

レッドアリオンは川須のイメージひとつ。ポジションありきの競馬に腹をくくるのは悪いこととは思いませんが、今回に関してはスタートからもう少しニュートラルに進める選択肢がほしかったなと。一方で、直線の追うリズムが馬の走りと噛み合っておらず。このあたりを慌てずにアクションできるかどうかが今後につながるように思いました。馬はよい仕上がりでした。いいスケール感。秋にさらに充実するようならG1も。あるかもしれません。

カレンブラックヒルは先行策をとらずの7着。スタート直後にひとつ外のエキストラエンドにアタックしていますので、不可抗力な待機策だったと推察しています。5着とはアタマ、ハナ差ですから、待機策なりに勝負はできていたでしょうか。しかし、この経験が次走以降どう活きるかというと何とも。。。

ダイワマッジョーレは出遅れがすべてだったようにも。上がりはモーリスとコンマ1秒しか違いませんしね。昨今のビッグレースはやはりスタートが大事、という典型を見たように思っています。



最後に。

マイル戦線の序列がこれでまとまったかと言われると、うーん。個人的には1、2着馬の今後の伸びシロに期待する、という方がしっくりきています。たとえばエイブルフレンドとガチで四つ相撲できるかというと、ね。モーリスも今日のパフォーマンスでマイルCSが磐石とは言い切れないように思っています。

フジの中継ではよく絶対王者という言葉を多用しますが、いまいまのマイルは同時代の先行馬のタイプによって勝ち方が多少左右される印象もあり。以前よりも高いレベルでライバルが拮抗しているせいでしょうかね。

ともあれ、グラスワンダーの血脈からのG1馬誕生はうれしい限り。あの筋肉質で叩きつけるフットワークはスクリーンヒーローですでに漂白されてますけどw 父系がつながることは楽しみが増えることでもありますからね。今後の競走生活もぜひ無事に。


関連記事
2015.06.07


歴史の重い扉がついに開かれました。

37年ぶりの快挙成りました。断片的にしか情報を取っていませんでしたので、ライバル関係や事前の期待感や喧騒にはあまり触れていなかったのですが、これまでの「今回もダメだったかー!」という思いは繰り返し味わっていましたからね。終わってみれば強い馬の強い逃げ切り。ベルモントの2400mを逃げて突き放す安定感は、これまでの2冠のパフォーマンスが他の陣営にもしっかり刺さっていた証拠だと思われます。ゴール直後の実況の上擦った感じと、場内の大歓声が印象的。ああいう
瞬間は現地観戦しかないですよねー。
American Pharoah wins the Triple Crown - 2015 Belmont Stakes (G1) - YouTube

アファームド以来、というより個人的には自分の年齢とほぼ同じくらい、アメリカ3冠はなかなか達成されませんでした。ウォーエンブレム、リアルクワイエット、カリフォルニアクローム…。調べずにパッと挙げましたが、これらの馬が示すとおり2冠馬惜敗の歴史というイメージがずいぶん長かったですものね。競馬始めたての頃はシルヴァーチャームに一喜一憂していましたし(無事に帰れてよかったです)。

ボブ・バファート師にとってもようやくといったところでしょう。まだレース後のコメントを見つけていませんが、こちらも楽しみ。SNSで情報がバシバシ取れるのは、世代だからでしょうね、当たり前ではなくとても便利と感じています。

レース前の記事であればbelmontstakes.comで見つけています。Faroah Feverというページではいい意味で悪ノリ感たっぷりなファラオが確認できてステキですよw
Belmont Stakes News >> American Pharoah bids for Triple Crown in G1 Belmont Stakes

ブログで「速報」もないかな、と思いましたが、歴史的瞬間ですのでね、さらっとしたためてみました。あとはAmerican Faroahのカタカナ表記をどうするのか。「アメリカンファラオ」?「アメリカンフェイロー」?。個人的には音に沿った読み方より、馬主の意思、意図を汲む形で「アメリカンファラオ」がよいのでは、と思っています。記事のタイトルもいちおう悩みましたが、この方針で「ファラオ」ですね。ダイユウサクないきさつはWikipediaで確認できます。
アメリカンファラオ - Wikipedia



昨夜は、イギリスはエプソム競馬場で「The Derby」も開催。ゴールデンホーンGolden Hornがすんごい差し切りを決めました。フランキーはダービー獲っていたはずだけど、と調べていたらオーソライズドAuthorized以来と確認して溜飲が下がる感じ。確かエクリプスステークスでノットナウケイトに負けていてその鞍上が若きライアン・ムーア、と芋づる式にズルズル記憶の扉が開いてしまうのもなかなか困ったものです。…念のため調べました。2007年のエクリプスですね。

英ダービーの映像はこちら。直線に向いてもどれが勝つか判別しづらいですが、勝ち馬だけを追いかけるとフランキー・デットーリの所作、鞍下に火をつけるアクションが衰え知らずであることがよくわかります。すげー。
Golden Horn Epsom Derby 2015 - YouTube
おなじみフライングディスマウントはこちら。2:30あたりからご覧くださいw
Entrevistas Epsom Derby 2015 G1 tu programa de turf!!! - YouTube


最後に。

日本のG1も忘れてはいけません。忙しいですねw 安田記念ですよー。いまいまは金、土と降雨のあった馬場状態を見極める必要をビシビシと感じていますが、モーリスとフィエロの出来がひとつ抜けている印象を持っています。リアルインパクト、ヴァンセンヌ、ミッキーアイルの追い切りの動きもよく見せましたし、なかなか多士済々という感じですね。カレンブラックヒルがすんなり逃げるかしら。展開も含めて、現地観戦で迷いに迷うつもりでおります。

関連記事
2015.06.03


ドゥラメンテ、圧倒的でしたね。

1コーナーまでにリアルスティールをパスして、2コーナーでのポジションを確認した時点でかなり安心感を覚えていました。高揚感はそのままですよ。「ハラハラ」ではなく「わくわく」が強くなったわけですね。ん?

あの位置から直線の坂を待たずに突き放しにかかって、そのまま押し切ったわけですからもう文句なし。スピードもスタミナも、前目にポジショニングするメンタルも、ラスト1ハロンを粘りこむフィジカルも。ミルコがポジションを前に取ったことと、4コーナー出口からアクセルを踏んでいった事がドゥラメンテのパフォーマンスをぐっと押し上げたと思っています。いやー圧倒的な2冠でした。

当日を待たずにドゥラメンテ本命は決めていました。懸念点があるとすれば当日の馬場とテンション。金曜こそ夜にどばっと雨が降りましたが、土日にかけては快晴でしたからね。土曜の葉山特別、ヘイジームーンは8枠12番のまま外々を回っての押し切り。極端な内枠バイアスでないことを確認できればドゥラメンテには支障なしという見積もりでした。

テンションのほうが心配でしたね。割とファイティングポーズを見せるイメージがありましたので、パドックから返し馬で往年のフサイチホウオーのようにならないかが、当日最も注視するポイントになりました。本場馬入場が終わった後、場内のモニターに映っていたのは、首を高く伸ばし泰然自若として周囲をうかがっている皐月賞馬の姿。この瞬間にドゥラメンテ本命を確信しました。賭けるには、わくわく感を託すには十分すぎる材料が整っていましたねー。ええ、ばっちり勝ち戦でした。


レースラップです。
12.7-10.9-11.8-11.7-11.7-12.5-12.5-12.4-12.4-11.9-11.0-11.7

スピリッツミノルを待つことなく、ミュゼエイリアン横山がハナを主張しました。このあたりはやっぱりね、というところ。向こう正面途中、坂のあたりからでしょう、12秒台半ばまでラップが落ちるあたりも横山ならでは。緩急は逆ですが、コースのアンジュレーションを利用してラップにメリハリをつくる点はゴールドシップの天皇賞春と一緒ですね。

半笑いさんよろしく、レースを4分割するとレースの特徴が見えてきます。3つめのラップが落ちた部分(12.5-12.4-12.4)で有力馬が好位にいると、後ろから勝ち切るのは難しくなる展開。スパートの手前で皆が一斉に一息いれますからね、ハンデ差のついたヨーイドンでは後ろから追い込む馬には相当なスピードが要求されます。とはいえ、これを見越してあらかじめ先手を取るためには、2ハロン目10.9にある程度お付き合いするスタートダッシュの速さが求められるでしょう。

深追いせずに好位を取る。共同通信杯からでは考えられないアドバンテージを得ることができたのは、馬自身の成長でもあるでしょうね。1週前の立ち写真の解説で、左の骨りゅうがよくなっているというエピソードも見えました。レースを使いながら心身の充実が見られるというのは大きなプラス材料と映っています。

ターフビジョンで見たリプレイ映像は、Racing Viewerのマルチカメラビューで確認できました。4コーナーで内のコスモナインボールが膨らんだ瞬間とドゥラメンテの加速の瞬間が重なっての接触。その結果直線入口で大きく膨らんでしまいました。この経緯ですから、皐月賞のそれとはだいぶ事情が異なっていますね。またかよ、という論調も目にしましたが、このあたりは同列に語り難いところでしょう。


レース後のトレーナーのコメントが振るっていました。ドゥラメンテの馬名の由来に引っ掛けたコメント。「…今回は非常に落ち着いて競馬ができましたし、そう荒々しくはないと思うのですがいかがでしょうか?」いやいや皆さん、ニヤッとするところですよw

これまで見せていた「荒々しさ」を陣営としては恥ずかしく感じていたこと、その矜持が覗くコメントであり、一方でドゥラメンテ自身の成長の手応えを頼もしく思うコメントでもあり、それをウィットなく質問するマスコミ向けに強烈にカウンターを見舞うコメントでもあるわけで。皐月賞後の回顧記事で自分は「未成熟」と表現したのですが、ちょっとだけ失礼だったかもしれません。
ミルコ号泣!二冠制覇ドゥラメンテ 次なる道は三冠か、海外か | トピックス | 競馬ラボ

いい意味でまだ「未完成」。早くも秋のロンシャンをイメージする贅沢なファンが多いようですが、陣営からは比較的冷静なコメントがでております。個人的にはエルコンドルパサーのような長期遠征で心身を鍛えながら凱旋門賞、が一番望ましいローテーションと思っていますよ。国内は組し易い、とは全く思っていませんが、春の2冠からあまり間をおかずに長距離輸送を伴う遠征はやはり負担が大きいだろうと。エアグルーヴの血統にじっくりと構えながら、父が臨まなかった淀の3000を越えてからでも遅くない、というのがひとり分の見解です。


これまで見込んできた可能性の開花と、これからの可能性への大きな期待と。ダービーで目撃する圧倒的なパフォーマンスは、いまここの興奮だけでなく、過去と未来も包括した充足感を与えてくれます。しばらくこの馬を中心に語られるであろう日本の競馬に対するわくわく感。ディープインパクト然り、ウオッカ然り、オルフェーヴル然り。強いダービー馬は得難い存在と、レース後からこちら、ずっと噛み締め続けちゃっているところでございます。まずは、是非、無事に。


2着はサトノラーゼン。パドックではだいぶ入れ込む様子を見せていましたが、レースぶりは落ち着いたものでした。鞍上が1枠1番を活かしきりましたね。好スタートから流すように1コーナーへ。道中はドゥラメンテをすぐ外に見るポジションで、4コーナーを利して外へ展開、直線は1番人気ドゥラメンテと馬体を併せる形。…書いてて改めて完璧な運び方だと思いますねぇw 今後G1で足りるかと言われると何ともなのですが、今回のパフォーマンスは素晴らしかったと思います。桜花賞もそうですが、岩田がシブい味を出し始めている印象もありますね。


3着サトノクラウンは出遅れが響きました。ゲートの左右をこするようなスタート。ルメールがその力の向きを無理やり前にもって行く間に他馬との差が開いてしまったように見えています。皐月賞同様、その差が詰められませんでした。上がりはドゥラメンテを上回る33.8。先ほどのハンデ差でのヨーイドンですね。じゃあ4コーナーで馬体を併せていたらどうだったか。おそらくはドゥラメンテの加速力についていけなかったイメージが浮かんでいます。相手が悪かった、というべきだと思っています。

個人的には、出遅れさえ克服できればですが、菊花賞で楽しみと思っています。1600m、2000mなど適距離に関する議論は散見されますが、こと3歳秋については、折り合いに不安が少ない分向くのではないかと考えています。ドゥラメンテがでてきたら?厳しいですよねそれはw


リアルスティールは火曜になって左前に剥離骨折が判明。敗因の語りはそこに収斂しそうですが、ちょっと異なる印象ももっています。1コーナーまでの所作、ハミ受けがおかしくなったとは鞍上のコメントですが、スタート直後からの手の動きは押す→整える→引くと短い時間で少しずつ変化しているようでした。プッシュして前めのポジションを狙いたかったのだがハミ受けの問題でプッシュできずにポジションを上げられなかった、という状況を読み取っています。

この読み取りを前提にすると、ドゥラメンテの後ろからという戦略だった、というトレーナーのコメントは、プッシュし切れなかった鞍上の擁護とも受け取れるんですよね。いや、擁護自体が悪いわけではないんですけどね。トレーナーの気概やよしと思いますし。ただ、そこで議論が止まってしまうとハミ受けの悪さは何に起因したのかはあいまいになってしまうわけで。

本命馬の後ろから、という戦略はたとえば菊花賞でウインバリアシオンが取ったそれと重なります。当時の本命馬オルフェーヴルに正攻法ではかなわない、という後方待機策。わずかな可能性に賭けるタイプの戦略ですので、これに沿うと今回のリアルスティール陣営はあらかじめドゥラメンテとの実力差を大きく見積もっていたことになります。このあたりの真偽のほど、どこかで当事者から語られるとよいのですがしばらくは難しいかな。

パドックでは後肢のパンプアップした筋肉が非常に目立ちました。もともとストライドが伸びるタイプではないでしょうから、よりピッチにパワーを増すような仕上げだったでしょう。瞬間的な加速をパワーで補完する意図だったでしょうか。その分、前肢で受け止める力も大きかったのでしょうね。故障はもちろん残念の一言。なんとなくですが、順調に秋に戻ってくるようならマイル戦線が一番合うように思っています。これまで未経験の京都でG1に挑むのも楽しみにできますね。



最後に。

当日は同僚と現地観戦。皐月賞、ダービーとドゥラメンテの2冠を共に目撃することになりました。込み合うパドックに案内したところ、すんごい集中力でずっと観察しっ放し。結果、前回買ったサトノクラウンと目のきれいなミュゼスルタンのダブル単勝という素人のような玄人のような馬券を選択しておりました。思わず、きれいな目を理由に後の7冠馬を買った馬主さんの話などを挟んでしまいましたよw 余計なエピソードを挟んでしまうのもmore than a decadeな功罪でございますw 13万人弱の喧騒がよい思い出になるとよいのですけどね。

レース後はモナムールでレース回顧。いろいろ話す中でふいに思い当たってしまい、エアグルーヴのオークスをスマホで再生。思い出してみるものです、これがドゥラメンテとよく似たレース運びでした。びっくりするやら懐かしいやら。血は争えない、とはこういったときに使うべきなのでしょうかね。未チェックの方は是非。1996年のオークスです。

そうですね、父キングカメハメハのレースレコードを更新しての勝利でもあるんですよね。こちらは2004年。血のつながりとともに、自分のキャリアがだいぶ長くなっていることも実感したダービーとなりました。

…いや、競馬なんぞにうつつをぬかしてむだに年取ったとかいうマイナスなベクトルではないですよw すてきな記憶が増えているという意味ですからねw


関連記事