2016.04.22


ディーマジェスティの差し脚が勝りました。

1コーナーまでにリオンディーズが行ったことで早々に待機策を決めた、という鞍上蛯名のコメント。この待機策が鮮やかに嵌りました。追い切りはよかったですし、末脚のスタミナに勝る認識はありましたが、さすがにあれだけ前々なハイペースは予想できませんでしたからねー。相当くるっての前の有力馬が力を出し切ったところで襲い掛かる戦略。なにやら前日の中山グランドジャンプと似た展開でもあったように思っています。それを踏まえても強かったですね。

公式レースラップです。
12.0-10.7-11.5-11.7-12.5-11.5-12.4-12.2-11.6-11.8

リスペクトアース石川は積極的な逃げ。これをかかり気味で追撃したリオンディーズは、向こう正面で11.5のラップを作りながら先頭に立ちました。ここがハイペースを決定的にしたポイントでしょうか。どうやらマウントロブソンが外に被せてきたことで、リスペクトアースとマウントロブソンに囲われてしまうことを避ける判断をした模様。ただ、進路確保のためのアクションはかなり荒っぽかったですね。ラフに過ぎたアクションと見えています。パトロールフィルムで確認できます。

ミルコは仕掛けどころを左右される展開を望んでいなかったのかな。その後すぐに12.4へ落としてからは段階的に加速できていますが、このアップダウンしたラップでは、さすがに登坂はきつかった様子。あえて外から差してくる馬に併せる右鞭は降着となるヨレを生んでしまいました。馬はよく頑張りましたねー。心身ともに相当な強さ。今回はミルコのアクセル踏みすぎが敗因といってよいと思います。

問題はこれがダービーにつながるかですが、むーん、何とも。2400mのどこでどう勝負するか、ちょっと難しくなってしまったように思っています。主にかかり癖にフォーカスして、朝日杯(=1600m)を使ったことを批判する意見も見つけていますが、影響を示唆するなら今回のほうがそれに当たるのではないかと。スタートから出していますし、向こう正面で接触込みのペースアップをしてしまっていますし。うーん、ジュエラーよろしく思い切った待機策が気性的にはよいかもしれませんが、近年のダービーですとそれでは届かないんですよね。馬体の仕上がり、馬場状態、ミルコの気概、もろもろを直前まで見極めて脚質判断することになりそうです。


サトノダイヤモンドは可もなく不可もない3着。期待が高かった分厳しめの表現にもなっているでしょうか。でもホントに率直に、可もなく不可もないという言葉が浮かんでおります。直線の接触は大きかったと思いますし、リカバリーして粘りきった姿はさすが、なんですけどね。

強い向かい風のになった向こう正面は、他馬を前に置くことでそれなりに風の影響を回避できていたと思います。位置取りも極端なペースに巻き込まれることのない中団。ルメールのエスコートは充分なそれと見えています。3強のなかでは最もスムーズに道中を進められた認識です。

気になったのは2点。ひとつは道中の追走に手綱が動いていたこと。天気がもったとはいえ、そこそこ緩い馬場コンディションであったことが応えたかな。2戦目の阪神を観る限りはそんなイメージはなかったんですけどね。もうひとつは3コーナー過ぎでナムラシングンが進出してきたこと。瞬発力勝負を避ける意味で田辺は早めに仕掛けたとコメントしていました。結果、サトノダイヤモンドは外から被せられる格好に。進路を確保するため、ルメールは思惑よりひとつ早い仕掛けが必要になったように見えています。

でもなー、あくまで個人的な見立てというか願望というか、これらの条件を凌駕できるという可能性に賭けたつもりでしたので、どうも肩透かし感がございまして。。。

取り直して。1週前と当週の追い切り映像を観て、軽いなという印象を受けてはいたんですよね。ルメールの「トップコンディション」的コメントでちゃんと疑問にしそこなったかな。池江師のダービーでのピーキングを示唆するコメントを加味すると、よい意味でひと叩き、ということだったのでしょう。昨今の価値観ですとG1をひと叩き扱いするのはいろいろ批判にさらされてしまうでしょうからね。

個人的にダービーの評価が最も難しい馬になりそうです。府中のトラックコンディションがずっとよいままであれば、きさらぎ賞の11.3を楽にたたき出す馬ですのでね、皐月賞時と変わらない本命視になるかもしれません。


マカヒキ。戦略はもう桜花賞のジュエラーと変わらないそれだったでしょう。器用に立ち回ろうとした場合はかえって仕掛けどころやコース取りに難しい面がでたかもしれません。おそらくですが、向こう正面で向かい風、直線で追い風、という条件に対して、マカヒキの特徴を引き出す最善の進め方ができたのだと思っています。直線大外であれば追い風効果を目いっぱい受けられますしね。

乗り替わりの川田は、追い切り時点でハープスターにイメージをだぶらせるようなコメントも。後方待機をほぼ決め打ちで臨んだのは、府中の2400を見据えてヘンに戦略をいじらない意図があったでしょう。このあたりディープインパクトというよりはスペシャルウィークの戦略がダブります。たらればですが、弥生賞のようなスローだったら川田は2コーナーあたりで動かしたでしょうかね。

サトノダイヤモンドが大きく変わってこない場合は、マカヒキ本命かな。登坂後なおディーマジェスティを追い詰める末脚の質。関節固めで、速く狭めのピッチであるディーマジェスティより伸びやかなマカヒキに少しだけ利があるような気がしています。股関節の柔らかさでいうならサトノダイヤモンドとも比較できるかな。


勝った馬の話をしないと失礼ですね。ディーマジェスティはこの中間で大きく成長したとのコメント。確かに追い切りはよく見えていたのですが、共同通信杯の3、4コーナーの手応えが何とも引っかかってしまいまして。俊敏な反応が求められる場面で置かれてしまうイメージが拭いきれずに評価を下げてしまいました。

3コーナーを待たずに先頭に立ったリオンディーズ、それを離れず追走したエアスピネル、ナムラシングンとともに早めにスパートしたサトノダイヤモンド。前にいた有力馬が軒並み早仕掛け、という流れをその後ろで虎視眈々と構えることができました。その意味では伏兵ならでは勝ち方ではあるんですよね。

ただ、展開に恵まれただけではあの着差にはならないとも思っていまして。2冠の可能性もしっかり視野に入れながらダービーの予想に臨むことになりそうです。11秒フラットに近いラップが求められる差し脚勝負ができるか、がポイントになるかな。



最後に。

皐月賞馬は強い勝ち方をしましたが、ダービーまで確定かというと、という結末であったかと思います。予想の面では多いに悩ましくなりましたが、結果的にわくわくできるダービーになりそう。別路線組の動向にも目配せしておかないとですね。NHKマイルCに回ったロードクエストやメジャーエンブレムもおりますし。え?w

まずは各馬無事にダービー当日を迎えてほしいと思っています。役者が揃ってこそですものね。

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2016.04.16


桜花賞の後、府中にあるバーに寄った話を少々。

レース名や馬名を冠したカクテルを出しているお店です。
Cafe & Bar COLT

ずっと新作カクテルの紹介ツイートを眺めていまして(また仕事で疲れたー的な絶妙なタイミングで目にするわけですw)、府中開催の前の方が混まないかな、などと思い立って行ってきました。

備忘録的にいきましょうか。飲んだ順にまずは桜花賞から。桜のリキュールに桜の花びらをあしらった女子力高めなヴィジュアル。口当たりすっといただけます。
カクテル 桜花賞

続いて皐月賞。こちらはジンベースなのですがオレンジジュースとパインジュースがうまく同居して程よい甘さに。舌で比べるならこちらの方が女子力高め?
カクテル 皐月賞

そして無理やり作っていただいたフサイチコンコルド。バーボンにはまるで疎いのですが、ボトルの栓に馬をあしらったブラントンという銘柄をチョイス。ケンタッキー「ダービー」に引っ掛けていただきました。彩りは勝負服をイメージして。
カクテル フサイチコンコルド

最後に、雑談の流れからタニノギムレット。ギムレット自体がジンやウオッカベースのカクテルですので、タニノがつく分普通のそれから一捻りしてみてください、という意地悪なオーダーw 「オレンジ」ジンを使って勝負服にイメージを寄せるという回答をいただきました。これがまたビッとしたテイスト。
カクテル タニノギムレット


競馬お好きなんですか?という定型のご挨拶に真正面から応え過ぎるおバカな客でございました。お店の方も競馬に詳しかったので(でないとカクテルのイメージつくるのむずかしいですものね)それに甘えてまぁ滑らかにしゃべるしゃべるw いつのまにか横山さんがいかにステキか、こちらの見立てをじゃんじゃん語る大変面倒な流れになりまして。気持ちよく喋らせちゃうからなーずるいなーw

アンビシャスを動かすために戦略的なポジショニングとソフトタッチの話や、セイウンスカイとホクトスルタンのラップ比較が超勉強になる話や、まぁバーテンダーの方に滔々と語ってはいけないそれですよね普通w ご面倒をおかけいたしました。

フサイチコンコルドの一杯は、口にした瞬間のバーボンの強さと独特の香り。こちらがプラセボよろしく構えていたこともあるのでしょうが、橋口師と小林稔師のそれぞれの人生の研鑽が交錯したこと、舌触りと一緒に一気に脳裏に浮かんできまして、本当に一瞬だけ、グッときちゃいました。いい大人があぶなかったです。ちょうど「名馬の理」を読んでいたことも大きかったのでしょうね。96年のダービーに深みを与える一冊ですよ。


ちょうどいまは皐月賞の有力馬カクテルを紹介しているところ。個人的にはサトノダイヤモンドと話してしまっていますので、ダービー前後でまたお伺いしないとなー、などと思っています。楽しい時間を有難うございました。


…おそらくですが無駄にキャリアを重ねたが故の楽しみ方なのでしょうね。記憶なり思い入れなりが堆積していないと、ああいう風にお酒の舌触りでグッとくることはないでしょうから。

思い出しました。ロックドゥカンブしかりウオッカしかり。馬きっかけでお酒を覚えていった事実も、えぇ、どうやらわるくないと思っていますねw

過去記事でロックドゥカンブのラベルなども見られるはずですので、興味のある方はブログ内検索にて。本気で探したもんなあ〜w



最後に。

熊本の地震、心を痛めております。終了間近の荒尾競馬に行ったことはありまして、個人的には勝手ながら若干の近さを覚えていることもあり。ですので、競馬の、それもいい感じに酔うことができました的な記事をこのタイミングで?と逡巡していたのですが、あまり自粛が過ぎるのもどうかと思い直しました。

テキストなり映像なりが遠隔地から伝わってくるのはテクノロジーありきな訳で、それが全く機能していなければ(想像はしにくいですけれども)知る由もなかったことではあるわけです。その距離感を想定しながら、こちらの日常を崩さないというスタンスもまた大事かなと。

わざわざ雑な話題を振りまくつもりもなく、ひとり分のよかったことをそのまま書いておくか、という整理がつきましたので、本当にそのまま書き連ねた次第です。被害に遭われた方を揶揄するような内容じゃないですものね。心配は別のところで。



さてもう明日には皐月賞。何となく文中で本命馬が知れている気がしていますが、馬場から展開から、しっかり見極めていきたいと思っています。予想の結果如何も大事なのですが、わくわくできる形でダービーにつながってほしいですね。ぜひぜひ。


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2016.04.13


ジュエラーの切れ味が活きましたねー。

おそらくは前走チューリップ賞の惜敗を踏まえての決め打ち。持ち味であるキレを活かすために、一か八かという乗り方に終始することを選んだのでしょう。前々走シンザン記念も含めて、勝ち続けていないが故の選択肢だったように思っています。その意味では盤石の勝利で臨んだメジャーエンブレムとは対照的でしたね。

公式レースラップです。
12.4-10.7-11.7-12.3-12.0-11.4-11.3-11.6

比較の意味で、順にクイーンCとチューリップ賞のレースラップも。
12.3-10.8-11.3-11.7-11.7-11.2-11.6-11.9
12.2-11.0-11.4-12.2-12.1-11.2-11.1-11.6

クイーンCは1:32.5、一方のチューリップ賞は1:32.8。異なる特徴は後半5ハロンのラップ構成でしょう。特に4→3ハロンのラップ差がクイーンCで0.5に対して、チューリップ賞では0.9。チューリップ賞の方が急加速を求められた格好です。ましてジュエラーとシンハライトはこれを待機策から追走している最中。同じ11.2に到達していても、メジャーエンブレムの加速とは倍以上の差があることが窺えます。

公式レースラップがメジャーエンブレム自身のものであればもう少し接戦になっていたでしょうか。テン、中、終いを平均的に速く刻めること。ここがメジャーエンブレムの強みであり、ダイワメジャーのエッセンスであり、クイーンCの凄みであるわけですから、クイーンCより走破タイムが遅く、チューリップ賞に似た中盤に溜めの効いたラップを逃げずに待機してしまった今回のレースでは、端的に持ち味を活かしきれなかった、と言うのが適当と思われます。…すでに日曜の夕方には語り尽くされている議論かもしれませんね。

1完歩目が出なかった、というのがジョッキーとトレーナーの共通見解ですが、2完歩目以降で押していく余地はありましたからね。控える形は不可抗力というより、距離延長の可能性も含んでダッシュし過ぎる癖をつけないようにする配慮あるいは躊躇が招いてしまった、と推察しています。…クイーンCが鮮やか過ぎたのかな。現地に居ましたけど、ほんとに強かったですものね。この鮮やかさが敗因であったようにも思っています。

結果的に最初のコーナー手前で斜め前のジープルメリアと接触、外からカトルラポールらが主張したことも重なり、位置取りを下げる格好になってしまいました。

おそらくですが、鞍上は消極的でも慎重が過ぎた訳でもないのだと思っています。勝負にあたって、攻めの姿勢が取りきれなかっただけでも大きくマイナスを作ってしまう場合があると思っていまして。昨年のルージュバックもそうやってポジションを失って圏外に去って行った認識があります。この配慮なり躊躇は秋華賞あたりで報われるように思っていますが、どうなるでしょうね。


勝ったジュエラーはこれしかないと思わせる追い込み。ひとつ上手く運んだのは勝負どころでレッドアヴァンセ武豊の誘導を受けられたことでしょう。もちろんただ連れて行ってもらっただけではなく、直線向いてしばらくはレッドを壁にしてスパートするタイミングを計ることにも成功していました。こう書くとユタカ様様ですね。

札幌のワンカラットと中山のヴィクトワールピサをブレンドするとイメージが近づくでしょうか。G1に届いたかー。桜花賞を獲りたいと公言していた鞍上の有言実行。ネオユニヴァースから親子3代でのG1制覇。すっかり日本競馬になくてはならない存在ですね。


シンハライトは勝負にいったポジショニング。ほぼ完璧にペースを読みレースを制したと思っています。着差は勝負の綾。惜しかったですね。馬場状態に左右される可能性は大いに感じながら、オークスはこの馬からはいりたいと思っています。


アットザシーサイドはここがベストに近いパフォーマンス、対してアドマイヤリードは引き続き決め打ちなレースをしてくれると樫の舞台でも面白いかもしれません。どこかでスタミナ勝負になるようならデンコウアンジュの出番かなとも。

同日の忘れな草賞でロッテンマイヤーが樫に望みをつなぎましたので、予想ももうひとつ悩ましくなりそうです。図らずも楽しみになりましたねー。



最後に。

桜花賞は府中で観戦していました。レース後に競馬博物館へ向かい、夜に某所で呑んだくれていた話までさくっと書いておこうと思っていますが、明日以降にしましょうか。いちおう、しっかり予想をした週は反省がまとまるまでお酒に手をつけない習慣ができているのですが、いやー、いいお酒でしたねー。

さらっとまとめて、皐月賞に集中したいと思っています。


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2016.04.08


アンビシャスのポテンシャル、そして横山典弘の判断が炸裂しました。

いやー、先行できるとは思いませんでした。好位で折り合うには前向きすぎると見立てていたのですが、こんなに鮮やかに裏切られるとは。嵌ったからこその賛辞、と結果論的な見解もあるでしょうが、リスクを負って前に出ることの難しさに想像が及ぶなら、それも全部くるんで賛辞を送るほうに賛同したいですねー。

横山の見立てを汲み取った限りで。警戒していたのは武豊の単騎逃げであったかなと思っています。スタートからしばらく、マイネルラクリマ丹内を前に見ながら、内側の馬群に寄せずに前にも内にも動ける位置をキープしているように見えました。ちょうど残り200のハロン棒を通過したあたりですね。

その直後、ラクリマがキタサンをパスしないと判断したあたりで、左の拳をわずかに開いて首元をやさしくトントンとする仕草。このソフトタッチにアンビシャスが反応したようです。ここからグッとポジションを獲りにいきました。もう古い言葉かな、鈴をつけにいく、という表現がぴったりですね。ステキです。ええステキです。

おそらくですが、ラクリマがハナを叩く挙動が見えたならショウナンパンドラを見るくらいのポジションに控えていたのではないかなと。そのために前にも内にもポジショニングできる間を求めたと受け取っております。戦略的な縦横のポジショニング。こう着眼すると1コーナーまでの入りはとても堪能できます。大事なことなのでもう一度、ステキですw


公式レースラップです。
12.8-11.5-12.5-12.1-12.2-12.5-12.1-11.3-10.9-11.4

自分のしょーもない誤算はもうひとつ、キタサンブラック武豊が3200に向けた試走にするのではという読みでした。これはキタサンブラックの折り合いの付きやすさを全く見積もり損なっていたわけです。スタートから意識してプッシュ、先頭を求める所作がみえていますからね。折り合いを壊す不安があればプッシュしないでしょうから。

えー、コースも走破タイムも違いますし別馬ですのであくまで参考程度ですが。いずれも2着、そして武豊のラップメイクという観点でで、トウケイヘイローの香港カップ、公式レースラップを引っ張ってきました。2ハロンごとですね。
25.74-24.75-25.27-23.86-22.34

上記の大阪杯も2ハロンごとにまとめてみます。桁も揃えましょう。
24.30-24.60-24.70-23.40-22.30

道中の溜めこそ大きく異なっていますが、ポイントはフィニッシュの2ハロンでしょう。アンジュレーションや馬場コンディションが違うのに同じ22.3で走破している点。大阪杯ですとラスト1ハロンを大きく失速せずにまとめていることが数字から見て取れます。香港カップもゴール前で交わされていますのでラスト1ハロンが若干の失速ラップで展開していることが窺えます。

ビジネスモデルの話で「再現性」というキーワードを目にすることがありますが、第一人者の騎乗ぶり、安定したサービス(=再現性のあるラップメイク)を供給できることが数字で示されている、と言えるでしょうか。ここに武豊の信頼性があると思いますし、だからこそ横山は鈴をつけに行ったのでしょう。レベルの高い戦略が交錯したレース、結果的にこの2人のワンツーでした。他のジョッキーの出番はありませんでしたね。

あ、一応補足。鈴をつけに行く、は、そもそも勝ち負けを問わないニュアンスをもっている認識ですので、自分で鈴をつけに行くと言い換えたほうが適切かもしれません。だれかあの逃げを捕まえにいけよ、というニュアンスですね。


キタサンブラックは自分のペースを守れることにストロングポイントがありますね。引き続き武豊で天皇賞参戦が発表されていますので、なかなか予想が楽しくなりそうです。単純な比較でしたが、香港のトウケイヘイローよりパフォーマンスがだせるとも考えられますしね。同じ清水厩舎の後輩は3200でも逃げるでしょうか。ね。


本命はショウナンパンドラでした。キタサンが先行に苦労する、アンビシャスが後方待機でなお力む、という読みですので、ポジションを求めつつしっかりフィニッシュできるジャパンカップ馬を選びました。池添の乗り方は理にかなったものだったでしょう。大ベテラン2人にレースを作られてしまった分の3着だったと理解しています。ひとつふたつ前のポジションでレースするシミュレートもできましたし、ヴィクトリアマイルに向けては順調と、前向きに捉えております。


残念だったのはヌーヴォレコルトでしょうか。3、4コーナーの加速ラップで溜めをつくることに重きを置いていました。直後のラブリーデイがとばっちりを受けていましたが、そこに至るまでにがっちりハミを噛んでいたことは少なくなくラスト1ハロンの伸びに影響したと思われます。個人的な見立てですが、追い切りをやりすぎたのではないかなと。追い切り映像でのふわっとした鞭の使い方、パドックでの前捌きの固さ。このあたりは直前2週の調教が過ぎたことを示しているように見えています。ことの真偽はわかりませんが、結果として次走クイーンエリザベス2世Cでは武豊に乗り替わり。岩田には厳しい結果となりました。


さて勝ったアンビシャスは適鞍がないという理由で春はお休みとのこと。大阪杯がG1昇格、というニュースも出回っていましたが、いまの大阪杯の時期ですと、その後のローテーションが組みにくいこともあるのでしょうね。

G1が増えるということは、そのレースに向けたローテーションが整理されることを伴う必要があると思っています(一回の改変でピタッと嵌るかはともかくとして)。でないとその新設したG1が目標としにくいでしょうから。馬のピーキング、3ヶ月は続かないと理解していますから、宝塚記念までは長すぎますしね。

香港やシンガポールがあるじゃないか、という議論も微妙といえば微妙。アジアサーキット全体でG1ローテーションの調整を統一団体がおこなっている、という状況なら話は別でしょうけど。他国のG1施行条件が変わったらローテーションが成立しなくなるというのもね。

大阪杯のG1昇格、いまいま個人的には明確な是も非もないのですが、このアンビシャスのローテーションに関する判断がもろもろの微妙な状況を象徴的に物語っているように見えております。議論が活発になること自体はよいことですね。



東京スプリントも少々。

めでたく代休が消化できまして今年初のトゥインクルを堪能してまいりました。ダノンレジェンドの出遅れを確認するや否や、ひとつ前のポジションを求めるブルドックボスのルメールと、ひとつ内のポジションを求めてダノンが内から抜けてくるコースを未然にけん制するグレープブランデー武豊。ヘッドワークすげー、と思いながらわくわくしておりましたね。

コーリンベリーの逃げは35.7-35.7。有力馬からのプレッシャーをあまり受けずに直線に向くことができましたから、こうなればコーリンベリーの地力がものをいいますね。この前半の緩ラップが踏めるからこそ、昨年の陣営は距離延長に希望を見ようとしたのかもしれません。トレーナーのコメントの通り、1400までなら問題ない印象。というよりやっぱり1400がベストっぽいですね。秋の連覇まで、楽しみは続きそうです。



最後に。

この投稿をまとめる前に東京スプリントに繰り出す週中の流れ。楽しむことを優先していないとね、と思いつつ、大阪杯書いてないなーという思いが引っかかったまま、桜花賞の枠順発表を眺めてしまっていました。

見た瞬間にあーもーメジャーエンブレムじゃん、と雑な感想。でも極端なトラックバイアスがない限り本命は堅いように思っています。とか言ってると危ないかしらw クイーンCを生で観ちゃっているとねー。

ビービーバーレル等の先行馬の動向も気にはなりますが、相手を間違わないように、という視点で臨むつもりでいます。

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2016.04.03


ドバイミーティングからこちら、きっかり1週間が経過してしまいました。

ひとつのイベントの消費タームがすごく速くなっている印象が年々強くなっていますが、バシッと受けたインパクトなら一週間くらいでは色あせませんからね。3、4コーナーをうまく収めたライアン・ムーアの所作や、直線に向いてから右手前に変えないドゥラメンテなど、日本馬の印象的なところを中心にさくっとまとめておきたいと思います。

毎度お世話になっています、JBIS-Searchの速報はこちら。
2016 ドバイ ワールドカップデイ 現地取材レポート | 日本馬の世界挑戦!現地レポート | お楽しみ | JBISインターネット情報サービス

映像はこちらがよいでしょうね。YouTube、MeydanRacingの動画リストです。
MeydanRacing - YouTube

結果、レースラップはこちら。 Dubai Racing Clubのトラカス・チャートのページです。
Trakus Chart | Dubai Racing Club

関係者インタビューはこちら、RacingViewerの特設サイトです。合田さんのレース回顧も。
JRA × JRAレーシングビュアー ドバイワールドカップデー特集2016


UAEダービーはラニの粘り勝ちでした。

スタートで出遅れたものの、慌てない鞍上は向こう正面でジリジリと盛り返す展開に。レース後のインタビューではドバイのサンドコースでスタートがすべりやすい認識をもっていた武豊。あぁ、スマートファルコン…と思い出してしまいましたが、二の轍を踏まない構えはさすが。馬群の外を回しながら豊富なスタミナを使い切るようにゴールしたのもヒヤシンスSの反省が活きたものと受け取っています。

トラカス・チャートは2ハロンごと、かつラストは300mですから正確なそれではありませんが、残り100mをラスト300mの平均で補って10ハロンタイムに換算しなおすと、ラニのラップは27.33-23.49-23.40-24.80-25.85(実際は3ハロンで19.39)。ちなみに向こう正面で先頭に立ったユウチェンジはスタートから26.84-23.75-23.55。…モレイラも攻めていたんですね。これを向こう正面から捲り気味に進めましたから、ラニは相当息長く脚を使っていることになります。

4コーナーから直線にかけて、Polar Riverの進路をきっちり締めたあたりはさすがの鞍上。あの所作がなければもっと際どかったかもしれません。前傾ラップを捲りきる内容ですから、ヒヤシンスSは距離不足もあり馬場が速すぎたこともあり、こちらの方が条件が整ったと理解をしているところです。

次走はケンタッキーダービーへのチャレンジとなりました。個人的には27.33の入りで制することができるのか疑問をもっていますし悲観論も散見されていますけどね、ヒヤシンスS→UAEダービー→ケンタッキーダービーというローテーションを初めて踏む馬でもあるわけで。歩いたところが道になる、ときれいな修飾で応援しようと思っています。


ドバイ・ターフはリアルスティールの完勝。

事前には外枠から引っかかるんだろうなーと思っていましたが、どうしてどうして。ライアン・ムーアの制動、お見事でしたね。ラップは26.19-23.11-23.73-22.41-11.7ですので、道中が流れた中をポジションを求めながら追走して押し切ったことが伺えます。

馬場や相手関係も違いますからとっても感覚値になりますが、昨年のSolowと近しいパフォーマンスであったのではないでしょうか。ラスト1ハロンの末脚を絞り出すところで着差が生じる気がしていますが、そう考えるとなおさらSolowの回避が残念。直接対決で観てみたかったですね。


ドバイシーマクラシックはPostponedの差し切り勝ち。

勝ち馬のラップは27.28-25.08-24.03-24.25-23.02-23.31。残り800-400で最速、というよりラスト400がほぼ失速していませんからね。ほぼリアルスティールと変わらない道中のポジションですし、これを差すのは至難の業でしょう。日本の2冠馬も末脚比べだけでいえば万全でも勝てなかったかもしれません。

そのドゥラメンテはレース前に右前落鉄。現地では鼻ネジが使えなかったようで、装蹄できないままのスタートになってしまいました。人間の陸上シューズほど露骨な影響はない認識ではありますが、馬自身の違和感と加減は何とも推し量りにくいところ。悔しいときほど端的に毒づく対象を探すのが人なのでしょうが、今回はそんなに分かりやすい敗因ではないように思っています。そーいやいつも以上にパドックで脚をふりあげてなかったか?とかね。

次走は未定ですが、パフォーマンスという部分で悲観するところは少ないように思っています。心配するならレース後の心身の影響でしょうか。蹄を痛めると厄介ですからね。まずは無事に。身勝手なファン目線ですが、日本で走るべきレースは限られている認識ですので是非外に目を向け続けてほしいと思っています。秋のシャンティイでPostponedにリベンジ、が理想。あと1回だけ直接府中で見られたらいいなー、くらいで送り出す気まんまんですよw

3着ラストインパクトの踏ん張りも素晴らしかったのですが、個人的には5着ワンアンドオンリーの走りのほうが気になりました。レース後のコメントは「やはり」仕掛けどころで置かれた、というもの。陣営がよく特徴をつかみつつ、ひとつパンプアップした状態で勝負をかけていたことが窺えます。開業直後の橋口慎介厩舎、スタートから背負うものが大きいのでしょうが、よい仕事をされているという印象。晩成傾向のハーツクライをもうひとつ膨らませて、こちらもシャンティイで観たいと思っています。

…そうですね、日本ダービー馬2頭がドバイミーティングで競演かぁ、という感慨もありましたね。


ドバイワールドカップはCalifornia Chromeが圧倒。

これぞアメリカ代表という押し切り勝ち。自身のラップは25.54-23.65-23.54-24.52-24.59。前半突っ込んだラップを外枠発走から先行していてなお、ラスト400-400をほぼイーブンで駆け抜けるあたりがアメリカンですねー。シーマクラシックが欧州競馬の特徴であることとはとても対照的に見えています。

昨年の米3冠馬American Pharoahの引退、古豪Shared Beliefの死亡で、アメリカ競馬の古馬戦線がどうなるのかが2016年の着眼点のひとつでしたが、春シーズンを待たずに一昨年の2冠馬が結論を出した格好。強かったですね。ナドアルシバ時代のワールドカップのようにも見えました。

鞍上エスピノーザはレース後とコメントしていたようですが、4コーナーではすでにその兆候が見て取れます。鞍ズレ。G1の勝ち馬では珍しいのではないかと思います。直線で他馬をパスしてからはどんどんズレています。結果的に何事もなかったからよいものの、一歩間違えば事故ですからね。人命はもちろん、競馬をよく知らない人からの心無い評価にもつながりますので、こんなブログでうるさいコメントしてもアレなのですが、十分気をつけてほしいなと思っています。…それでも勝つ2冠馬すげー、で落ち着くのかな。

ホッコータルマエは力を出せませんでした。個人的には1コーナーまでで勝負は決したように見えています。抜群のスタートを切ったものの、外から勝ち馬が被せてきたあたりで引く格好に。先行争いに巻き込まれないようにという気持ちと、レースを通じたスタミナ勝負では分が悪いという評価と、きっと両方が手綱を引く要因であったのではと踏んでいます。タルマエのスタミナに自信があれば
1コーナーに向けて主張することもできたでしょうから。

結果的にひとつ下がりひとつ内にはいり、砂を被ってペースが乱れるという悪循環に嵌ってしまったように見えています。これも実力のうち、と捉えるなら、勝つ馬ではなかったということなのでしょうね。3年連続のトライは立派の一言。疲れを取ってまた戦線に戻ってきてほしいと思っています。アウォーディーやノンコノユメとのマッチアップ、楽しみですからね。



最後に。

昨年の今頃はどうだったかなーと振り返ってみたのですが、エアロヴェロシティの高松宮記念の投稿の最後にこんなことを書いておりました。

ドバイミーティングもこれだけ事後に追いかけたのは初めてでした。いやーいろいろ感想がございますですよ。ほぼG1の大阪杯の前にはなんとか言葉にしておきたいと思っています。


…大嘘ついてますねw その後投稿なしというw

Solowのドバイ・ターフを都内某所を徒歩で帰宅しながらTwitterで確認していた記憶はありまして。ええ仕事帰りですよひどいものですw 今年はそれよりましだったかな。リアルタイムで観ることはできましたからね。

おかげさまで何とか年度末を終えて、ようやくひと段落できているところです。自分のペースで時間が取れる♪とラップの計算やら比較やらで一喜一憂していたらすっかり日曜の朝になっていますが、まぁ、いい集中ができている証拠かもしれません。体力を削り過ぎないようにしながら、まずは大阪杯(ほんとにG1になるんでしょうか)、ばっちり堪能しようと思っています。

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