2016.10.28

ヤングマンパワーの機動力が勝りました。

想定していたとはいえ、スローでしたね。1番人気ロードクエストが追い込み脚質ですから、他馬の戦略的には妥当なペースであったと思っています。ヤングマンパワーはこの流れを好位で追走。逃げる形になったテイエムイナズマが直線で内を空けた分、コースロスはほぼ皆無で末脚を伸ばすことができました。好位で立ち回る力もまた、能力のうちでしょう。松岡がしっかり組み立ててきた果実かな、と思っているところです。


公式レースラップはこちら。
13.0-11.5-11.8-11.8-11.7-11.2-11.2-11.8

テイエムイナズマの直後でアイドリングしながら、残り400で内にハンドルを切る戸崎の判断。ここ2戦で末脚の程度は分かっているのでしょうね、ゴール前はイスラボニータとの差を広げる形になりました。これで東京-新潟-東京の3連勝。いい内容でG1にむかうことになりました。関屋記念からの連勝って近々でありましたっけ。

ポイントは初の京都でしょうか。阪神だとアーリントンカップ勝ちがありますが、関西遠征もこの一戦のみ。おそらくは問題ないのかと思いますが、秋華賞と菊花賞と、関西初輸送の有力馬が着順を下げていますからね。どちらも3歳ですから端的に比較しないほうがよいかな。個人的には取捨の難しい1頭になりそうです。


イスラボニータはヤングマンパワーの直後で立ち回っての2着。こういうラップでこそというアラートが締切直前にフッと過ぎっての複勝に助けられました。が、内容は完敗に近いでしょうか。ベストな展開、スイートスポットがだいぶ狭い印象にまとまってきています。

録画しておいた土曜の中継で共同通信杯の映像が流れていましたが、やっぱりあの頃のほうが筋肉量が少なくストライドが大きかったですね。特異なフォームだったなぁ。いまいまは肩まわりの筋肉ががっちりした分、前脚のストライドが強く狭くなった印象です。古馬らしいともフジキセキらしいとも。よしあしなんでしょうね。


ダノンプラチナは格好をつけた形の3着。追い込みでは間に合わないという判断があったのでしょう、スタートから前めのポジショニングを意識していたようです。1、2着馬の外を回っていた分、直線では先行するテイエムイナズマ、マイネルアウラートの外に持ち出すことになりました。インをついた1、2着馬とはコースロスというには厳しいディスアドバンテージがあったと思っています。悲観する内容ではなかったでしょう。

パドックで気になったのは左トモの送り。なにかこう鳥が足を縮めるような持ち上げ方をしていたんですよね。この歩き方でいいんだっけと、だいぶ訝しんでおりました。昨年そうやってパドックで評価を下げて痛い目を見ていますので、多少思い直して相手には加えていました(本命ロードですからダメではありますが)。でも、仕上がりという意味でも何とか格好をつけた形だと思っていますので、このあとの京都でどれだけパフォーマンスを上げられるか。コースは合っていると思っています。


ガリバルティは3コーナーでポジションを下げて、溜めに溜めての5着。直線も進路がクリアになるまでかなりかかりましたので、切れ味の限界は見せたのだと思います。トライアルに徹した道中だったのでしょうが、気性的にプッシュできないのだとしたら、京都のG1は厳しいかな。馬を痛める乗り方でなかったのは間違いないと思います。


ロードクエストはスローペースとブラックスピネル大野にスポイルされてしまいました。パトロールビデオで確認しましたが、これだけ蓋をされてしまうと厳しいですね。大野のファインプレーとも、意地悪とも。どっちもかな。

さすがに直線で追い込むのに11.2-11.2のラップは速過ぎるでしょう。今回の負けはノーカウントでよいと思っています。ただ、京都で似た光景を目にしてしまう可能性がないとは言い切れないかな。脚質がもたらす不安定さ、本番は取捨をしっかり見極めたいですね。



日曜東京のメイン、ブラジルカップはさくっと。

ミツバ、というより横山が華麗に逃げを決めました。凄いですね、ほんと。府中にいたのですが、直線に入ってからゴール直後まで、スタンドの歓声はなかなかお目にかかれない独特なトーンでしたよ。

公式レースラップです。
7.2-11.0-11.7-11.9-12.0-11.9-12.0-12.5-12.5-12.9-13.3

ラニが後方から、1番人気のアポロケンタッキーも積極的に運ぶタイプではなく。有力馬の位置取りがちょっと後ろ重心になる見込みですから、逆張りする戦略はもうなるほどですね。スタートして少し内を確認する間があってから、グーンと先頭を奪いにいきました。前々走のオークランドRCTで内枠スタートからクシャクシャにされて後方に下がった姿を覚えていましたので、あー外枠だとスムースだなー、とも。

追い込む末脚の息の長さをどこで活かすのか、この組み立てと実際にそれをアクションできること。直後のエアスピネル武豊と合わせて、見事な立ち回りを順番に観ることができたのは贅沢というべきでしょう。鮮やかでした。

当然ラップタイムは後で確認したわけですが、まぁきれいに粘りましたねー。ゴールに向かっての緩やかな減速ラップはカネヒキリらしさと受け取っております。1着はカネヒキリ、2着はクロフネですから、旧ジャパンカップダート、いまのチャンピオンズカップに向けて、先輩たちがラニに塩を送った、などとこじつけても面白いですね。ドバイワールドカップまでの道のりは甘くないぞ、みたいな。



最後に。

そうこうしている間に天皇賞の枠順が決まりました。エイシンヒカリが1枠1番。それこそこじつけ?じゃないですが、サイレンススズカとの符合に熱の上がるツイートが散見されております。

個人的にはサイレンススズカとはタイプが違う、という冷静な態度がございまして。先程までのカネヒキリの件とはエラい違いですねw こう、スズカの前向きな意欲の一方で、返し馬ではスタンド前をゆっくり進めることができる気持ちのバランス。エイシンヒカリだと一気に燃えてしまいそうですものね。

ロゴタイプ田辺は逃げにこだわらない、と戦略を明かす方向で牽制球を投げておりますし、間に挟まれたクラレント内田の視野も気になります。リアルスティールはこれをどれくらい追いかけるのか。

キーになるのはクラレントのゲートではないかな、などと序盤の駆け引きを絶賛夢想中でございます。このあれこれイメージを膨らませることが許されるメンバー構成こそ贅沢なのでしょうね。

エイシンヒカリの逃げ切り。いまのところ可能性は低いと見ています。楽に単騎逃げができて、燃えすぎない気持ちの中でハイペースをつくり、2、3番手がペースに蓋をして、3、4コーナーで後続との差が開く。このくらいの状況が整わないと逃げ切りは難しいように思っていまして。でもユタカさんだしなー。

希望をいうなら、グラスワンダーが府中の2000を制する瞬間を見てみたいと思っています。ワンダー爺さん、出ていたら勝っていたはずですから。ねー。

…まぁまぁ落ち着いてですねw、土曜の微妙な雨予報もありますし、じっくり取り組んで参りたいと思っています。


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2016.10.24


サトノダイヤモンド、完勝でした。

4コーナー、外からプレッシャーをかけるディーマジェスティを背負いながら馬なりで早めの進出。外を回りながらのペースアップですし、これでディーマジェスティを振り切っていますから、ほぼ勝負が見えた瞬間だったと思っています。強かったー。ついにタイトルを手にしましたね。夏前から本命でしたのでw 溜飲が下がる思いでございます。

公式レースラップです。
13.0-11.3-11.0-12.4-12.2-12.7-13.6-13.2-12.3-12.7-12.2-12.0-11.6-11.5-11.6

ミライヘノツバサを交わしてサトノエトワールが敢然と先頭へ。3ハロン目が11.0ですから、外枠からダッシュを効かせたまま勢いそのままで1周目の下りに突っ込んだことになります。一転して、1コーナーを中心に13秒台のラップがふたつ。その後、2コーナーを抜けるあたりで手綱を詰めて肩ムチをいれるアクション。ミライヘノツバサを牽制して13.2-12.3という加速ラップを生みました。

道中、スロー過ぎる展開になった場合、捲りを狙う馬が出てきますので、これを牽制する狙いがあったのかなと。1番人気に不確定な要素を生まないような牽制。2コーナーでの気合い付けはよいタイミングでのサポートになっていたでしょう。登録を見たときからサトノダイヤモンドのラビットという理解をしていましたが、ジョッキー云々ではなく実質的に機能するのか疑問を持ったままでした。この池添の動きを見て自分なりには納得しています。これを事前に読めなければダメかもしれませんね。


ルメールはスタートを上手く決めたことで、じわーっと進めながら5、6番手でスタンド前にはいることができました。そしてコーナーを曲がりきる度に1列外へ、という横のコース取り。サトノエトワールの動きを問わず、先行馬のスタミナ切れに巻き込まれないよう立ち回った格好ですね。そうした意図をどの程度もっていたかはわかりませんが、単にセーフティだっただけでなく馬の力を信頼していないと出来ない進め方だったと思っています。

ペースダウンした1、2コーナーではさすがにルメールの拳が持ち上がり気味になっていましたが、ラップのアップダウンから見ればそれはそうですよね。それ以外の場面では折り合いに危ういところはあまりなかったように思っています。

そうですね、他馬が折り合いを欠いたり、ペースが少し緩んだところでポジションを上げたりと、ロスのある動きが見られたのはこの細かい緩急についていけなかった表れでしょう。3000mの3分割ではちょっと読み取りきれない厳しいふるい落としがこのラップにはあったと思っています。

直線は気持ちがよかったですねー。もちろん他馬の余力を見ながらですが、安心して力強い末脚を堪能できました。案の定といいますか、残り200を切ってからの耳の動きを見れば、あっという間に集中を緩めていることがわかります。ルメールに気合いをつけられて一回持ち直していますけどゴール板の待たずに「もういいでしょ」といわんばかりの緩め方。ルメールがラストまでびっしりアクションを続けたのはこのあたりでしょうね。前走もミッキーロケットが迫ってから再点火していましたし。この「らしさ」が、エアスピネルのように位置を取りにいかなかった理由であるかもしれません。

年内はあと1走、香港か有馬記念とのこと。もちろん有馬で見たいとは思いますが、香港の方が合うような気がしています。菊花賞を経た流れからするとヴァースがよいのかしら。細めに仕上げた馬体でもありましたし、引き続き無事に駒を進めてほしいと思っています。

あー、ひとつ。ディープインパクトは3000m以上で勝っていないという切り口は今週よく目にしましたが、まぁ、ざっくりいえば「押すなよー」みたいなものと理解しております。ざっくり言い過ぎかな。いやいや、不利なデータを覆せること自体、種牡馬ディープインパクトの凄さの証ですからね。あえて細かい屁理屈をこねるなら、菊花賞は2着2回、天皇賞春は2着1回、十分な実績を経た上での勝利ですので、特に驚くことではないと思っています。

2着は僅差でレインボーラインでした。終始ディーマジェスティの後ろで進めるシンプルな流れ。さすがに向こう正面では力んだ素振りを見せていましたが、3、4コーナーはディーマジェスティに誘導を受けるようにポジションを押し上げました。4コーナーでコーナリングフォースがなくなる瞬間に合わせるような外への誘導はきれいでしたね。2着争いに加わったのは福永のエスコートの賜物でしょうが、モーリスにせまった札幌記念はやはり力のあることを示していましたね。


3着はエアスピネル。もうこれは武豊に尽きるでしょう。長距離の重賞が終わるたびに賞賛しているような気がしますが、スタートから確信犯的な先行策。神戸新聞杯の決め打ち後方待機策はまさにこのためですものね。

馬がレース前から気負いこまないよう、1走前にスタートもゆっくり、遅いペースで折り合いに専念して、ゆっくり走る経験を積ませる戦略。端的にいえば、セントウルのビッグアーサーや弥生賞や皐月賞のリオンディーズはこれの逆。そのため本番の戦略に難しさがでてしまったという理解をしております。治郎丸さん風にいうなら、武豊はこの菊花賞で「ジョーカーを切る」ことができるように予め組み立てていた、ということでしょう。

それでも1コーナーの緩んだ部分では特に大きく口を割っていました。前に馬を置かなくなったタイミングでもありましたので、これは致し方ないのかなと。このリスクを負って前にポジショニングしたのでしょうからね。

細かいところですが、3コーナーの少し前に池添が右を向いています。後続へのウインカーでしょうね。その後、内ラチ沿いに馬を寄せて失速に備えるセーフティな動きを見せました。豊はこれと入れ替わるように3コーナーに向けてひとつ外へのコース取り。意識して内ラチから離れたのもこれくらいでしょうか。徹底した先行策、インベタだったと思っています。


皐月賞馬ディーマジェスティは4着。敗因はなかなか端的には語り難いところですが、個人的にはスタートでポジションを取りにいけなかったこと、1、2コーナーの緩んだ場面で包まれて番手を下げてしまったこと、が大きかったかなと思っています。

1、2コーナーでミッキーロケットの後ろにいたことはよかったのですが外からレッドエルディストに蓋をされる形。皆手綱を引っ張るところですから、囲まれてポケットに収まったままいっしょに番手を下げるしかありませんでした。もちろんレッドエルディスト四位からすれば人気馬への健全な牽制ですし、悪意のある動きでもないと見て取れますので、蛯名がスポイルされた瞬間と表現するほうがよいと思います。

ここで離れてしまった距離を挽回しながら下りでサトノダイヤモンドに併せていったですから、なかなかのロングスパート。減速ラップでいっしょに緩んだことで、加速ラップでさらに加速して捲ることになったわけで、これだとポジショニングの有利不利が大きく出ても不思議はないと受け取っているところです。

何より、京都の下りで加速するのはサトノダイヤモンド>ディーマジェスティ、だと見立てていましたので、2周目の下りを溜める展開にならない限りはサトノ有利だろうと考えてもいました。

スタートから手応えがいまいちだったとの鞍上のコメント。初の関西輸送、初コースなどいろいろ要因は考えられそうですね。この一戦で評価を下げる必要はなさそうですし、次走のパフォーマンスが今後の試金石になるでしょうか。うーん、皐月賞やセントライト記念のパフォーマンスからすると中山かな。個人的にはジャパンカップだと面白いと思っています。


ウムブルフは大きく折り合いを欠いての12着。浜中は同馬の折り合い難を承知の上で、勝つためのポジションを求めたと理解しています。本人は2周目の向こう正面でかかったとコメントしていますが、1コーナー少し手前のマウントロブソン川田との接触も結構影響があったように見えました。ちょっと川田の確信犯的な動きがあったと思っています。

向こう正面では内からシュペルミエールの押し上げ、外からカフジプリンスの進出と、後ろからのプレッシャーかつ横のスペースが奪われる懸念がでてしまったのでしょう。これを回避するために外に展開したら前に馬が置けなくなってしまったように見えています。

前走の札幌日刊スポーツ杯は鞍上モレイラ。以前の投稿で書いていましたが、がっちり抑えられた結果か、口から血をだしての追走でした。出血という象徴的な出来事がなくても、モレイラの筋力が前走の折り合いを生んでいた可能性は想像できますのでね、日本人ジョッキーへの乗り替わりという時点で事前の懸念はぬぐえませんでした。今後も引き続きの課題になるでしょうね。



最後に。

菊花賞以外にもいろいろ触れておきたいレースがありましたね。土日とも府中に繰り出しておりましたので、そのことも含めて週中にまとめたいと思います。

ものすごく個人的なアレなのですが、だからこそのブログなのですが、サトノダイヤモンドを評価してきた自分の見立てが外れていなかったことに何より満足感がありまして。3冠すべて本命ですからね。疲労感は残っているのですが、当たった事実があると心地よくもあります。自分で自分を褒めているところでございますよ。よかったよかった。

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2016.10.18


ヴィブロス、きれいな差し切りでした。

2ハロン目で突っ込んだ分、1、2コーナーで先行勢と待機勢に馬群が分かれていましたが、後方馬群の先頭に収まっていたヴィブロス。終始外目を追走したことも意図していたようで、プレッシャー少なめのままスムーズに直線に向くことが出来ました。上がり33.4はパーシーズベストと並んで最速。1コーナー前後は外から交わされていったことで力んだ追走になっていましたが、スタートからポジションを下げるような引っ張り方は見られなかったと思います。福永のエスコート、お見事でしたね。

ヴィルシーナのヴィクトリアマイルはどちらも買えませんでしたが、妹のG1制覇は何とか当てることができました。タテ目を押さえる程度でしたけどね。


公式レースラップです。
12.4-10.5-12.9-12.2-11.9-12.6-11.7-11.4-11.3-11.7

クロコスミア岩田の逃げ。この逃げが絶妙だったと思っています。2ハロン目でグッと速めてから、3ハロン目でグッと緩める上げ下げ。ちょうど1コーナーに向けて突進し、コーナーに入ってから緩める流れですから、スタートダッシュで気張りたくない人馬に取っては難しいペースになったことでしょう。

緩急のあるラップは後続への牽制。捲りにくい流れですね。1000m通過してから一度緩めて、そこからは長くスパートする戦略。岩田には瞬発力に見劣る見立てがあったのでしょう、クロコスミアの能力のどの部分で勝負するかがよく表れているラップなのではと思います。

距離もコースも異なりますが、こうしてペースを支配して逃げ切ったのは昨年の桜花賞。大きな組み立ては相似しています。戴冠したレッツゴードンキには阪神の直線で10秒台のラップを踏む力がありましたからね。そしてそのペースにスポイルされた1番人気はルージュバック。前半後方に置かれる展開から、勝ち馬と変わらない上がりで順位を上げられませんでした。

二の轍を踏んだ、と断言はできませんが、1番人気ビッシュのスポイルもまたルージュバックに相似しているといってよいように思っています。スタートからしばらく、手綱を引くことでポジションを調整、その分の後方待機となってしまいました。馬体重がない分、たとえばカラダを張って横のポジションを確保するのも難しかったでしょうね。そうしてポジションを下げる間に、岩田のペースが着々と作られていきました。

戸崎も1000m過ぎに少し動いたあたり、緩んだところを的確に捉えていたようですが、前半に生じたディスアドバンテージを埋めるには至りませんでした。紫苑Sのような鮮やかな捲りは不発。あるいは、あの鮮やかさが岩田に対策を練らせたのかもしれません。

ルージュバックの桜花賞について、戸崎はポジションを求められなかったことを悔いていました。優駿のインタビューだったと記憶しています。今回はそれを活かせなかったのか、やむを得なかったのか。

初めての輸送、他馬の厳しいチェックなども敗因として挙げられそうです。このあたりは今後のレースの中で見えてくるでしょうか。

…いやー、これだけのことが事前に整理されていれば、ビッシュを強く本命視することはなかったかなーなどと、予想の段階の自分に照らして目下反省中でございます。ダメですよ、安易に戸崎はフツー(アンカツさんですね)とか言っては。ポジションが取れなかったことと最後はビッシュ自身があきらめてしまったことは、フジの解説で岡部さんが指摘していた通りだと思っています。残念でした。


パールコードもまた、よく立ち回っての2着。ヴィブロスとは瞬発力の差でしょう。直線で大きく蛇行していたのはパールコードなりの踏ん張り方とも、鞍上の横の動きへの制御不足とも。ヴィブロスの体幹といいますか、バランスのよいフォームとは対照的でした。

終わってみると紫苑Sで不利を受けた馬のワンツー。中山の馬場がエクイターフになったことで京都のG1との連動性が変化しているのかもしれません。ディーマジェスティやロードクエスト、中山で結果を出した馬の評価にも気をつけないといけないかな。




さて、回顧記事をひとつ引用します。競馬ブックのコラムです。
秋華賞回顧|競馬ブック CPU泣き笑い

ジュエラーの分析はこちらを参照するのがよいと思いました。トップスピードにのせるまでにいわゆる助走距離を要するタイプ。それがわかっていたからこそ、桜花賞の待機策であり、ローズSでの先行策であったと理解をしているところです。


一方で、気になる表現がありました。ちょっと長くなりますがよろしければ。

今回は馬の力、スピードといった競走馬の本質的な能力を競うレースではなく、日本競馬の特徴である直線ヨーイドンの競馬であったといえます。


90年代後半に「スローペース症候群」という語り口がありましたが、その時のニュアンスとも近い指摘でしょうか。スプリンターズSの投稿ではスローペースに苦言を呈する記述も見られますし、その後に「世界に通じる強い馬作りの観点からは少し不満の残るレース」という表現からは今年の凱旋門賞の結果も背景にあるように受け取れます。

何といいますか、トップスピードとそこに到達するまでの加速力を競う(いわゆるヨーイドンな)日本の競馬が、端的に世界に通じる馬作りにならない、という指摘なら、それは少し大まかに過ぎるのではないかと思っています。

云わんとしていること、危惧していることも察するところではあるのですが、スローペース<ハイペース、日本<世界、という端的な図式で語っているように読めてしまうのは何とも残念でして。

例えば、ロンシャンの不良馬場でエルコンドルパサーを負かしたモンジューを府中の馬場でスペシャルウィークが打ち負かす構図。

例えば、2008年の秋の天皇賞、レースを通して少しも緩まないダイワスカーレットの逃げは、ラスト1ハロンの失速ラップをウオッカと粘りあう素晴らしいスピードの持続力勝負を生みました。一方で2013年のジャパンカップ、ジェンティルドンナが凌ぎ切った上がり勝負は3ハロンにわたるトップスピードの持続力勝負であったでしょう。

絶対的な能力の拮抗は、往々にして適性の差で決着することが多いと思います。

例えが適当かはアレですが、レースの質が異なってもどちらかの価値が劣るということではないと思うんですよね。常に勝負は相対的なものでしょうし、この勝負のバリエーションを生み出していること、それが続いていることが日本競馬の最大の特徴であって、「世界」と端的に比較してしまうのは実にもったいない議論であると思っています。

また微妙な例えが浮かんでしまいましたが、6人制のバレーボールで世界を獲ったなら、ビーチバレーの世界戦にチャレンジすべき、みたいな議論はピント合っていないですよね。…単一の物差しで測るものではないわけで。足元のグリップ力もスタミナの奪われ方も全然異なるでしょうから。同じバレーですが、異なる競技であるわけです。

日本以外の国では、また異質な基準で馬を競べているという理解からスタートすることが肝要ではないでしょうか。海外遠征は常に異種格闘技戦。府中とロンシャン、シャンティイは同一線上にはないわけです。その難しさに挑んできた歴史とノウハウの蓄積は尊いものと考えるべきでしょう。今年はマカヒキがその恩恵に与りましたよね。


ヴィブロスが海外遠征するならどこが適当でしょうか。世界を見渡して、適性の近いところを見定める議論が日本のマスコミ、ファンを巻き込んで進んでいく方が日本競馬のためには建設的と信じます。

…最後は秋華賞の回顧じゃなくなってしまいましたが、ひとつ前の凱旋門賞の記事はそのあたりの価値のギャップについて意識しながら、ある意味抑えて書いていた分、しっかり触れておきたくなってしまいました。すみません、面倒な議論でございますね。


マカヒキの特徴が活きるレースはあるいは愛チャンピオンSだったのでは、みたいな議論を楽しみたいと思っている次第です。また例えがアレですかねぇ。


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2016.10.16


ファウンド、鮮やかな差し切りでした。

直線にはいって外のマカヒキに可能性がなくなった後、内に視線を移したらもうライアン・ムーアでした。道中流れているなぁという認識ではいましたが、ポストポンドが千切れていく様はペースの厳しさを象徴しているように見ていました。もちろん残念には違いないのですが、マカヒキの特徴とは逆、と見て取りながらの観戦でしたので、思ったより冷静だったかな。

レースからこちら、いろいろな回顧記事、コメントを目にしましたが、一番かっちりまとまっていたのはこちらでしょうか。馬場、ペース、枠順、ライバルの動向。目配せの効いた内容と思います。こうした回顧記事が専門サイトでなく日経で読めるのは、競馬ファンでない方向けにもよいアピールになりますね。あ、タイトルの「予想外」は不用意に膨らんでしまっていた期待感への配慮でしょう、きっと。
凱旋門賞、予想外のマカヒキ惨敗の背景を探ると…


オブライエン厩舎3頭の戦略。レース直後、中継番組のゲストだった武豊が作戦の存在について語っていましたが、改めてレース映像を観るといろいろ気づくことが多かったですね。もちろん個人的な見立てですので、あしからずとお断りしつつ。

3コーナーまでには内から2頭目あたりをオーダーオブセントジョージ、ハイランドリールの順、その斜め後ろのラチ沿いをファウンド、という形ができています。ここまでにもいろいろありますけどね。

3、4コーナーでハイランドリールは1頭分下がる格好。これが意図的かどうかでずいぶん違うのですが、結果としてファウンドと並走する形になりました。ここからハイランドリールは直線入口にかけて1頭分外に膨れます。はい、ファウンドが抜け出す余地が生まれました。

直線に向いて、おそらくは声をかけていたかな、今度はオーダーオブセントジョージがエンジンをかけながら内に寄せます。オーダーオブセントジョージとポストポンドの間、作り上げられたヴィクトリーロード、上からのカメラだとよくわかりますね。

ポストポンドが内を閉めにかかりましたが、ライアンの判断とアクションが勝りました。あとはそれに応えるファウンドの脚。ヴィクトリーロードを抜け出す勢いはすごかったですねー。

2着が続いていたファウンドですが、終わってみればBCとキングジョージの勝ち馬が 1、2着。実績って伊達じゃないですね。


マカヒキはちょっと軽視されていたかもしれない件。

馬群に外から被せてインを取りつつハイペースで引っ張り、ひとつ外にポストポンドを誘導する展開。オブライエン陣営に作戦があったのなら、それはマカヒキ対策というよりポストポンド対策というニュアンスが強かったように思い始めています。上記のような対策に比べて、マカヒキ自体のポジションに辛く当たる動きは見当たりませんでしたからね。2番人気にもかかわらず、という表現でよいでしょうか。

先の2頭、ハーザンドのペースメーカーだったヴェデヴァニも、ハイペースで引っ張る方針であったようです。ハイランドリールがスタートでいったん外に張る、という戦略と合わせて、おそらくですがマカヒキ対策はこれで完了していたのではないでしょうか。

ペースを上げて外を回せば、マカヒキからスタミナとおおよその勝機は奪えるという見立て。日本のファンには厳しい見立てですけどね。

追い込みでG1を勝ち切れる有力馬の回避。追い込み馬に足元を掬われる可能性が低くなったのは、オブライエン陣営にとっては戦略に迷いがなくなる朗報であったでしょう。こうして振り返ると、マカヒキの可能性が潰えたのは、直線に向いて手応えを失ったところではなく、レース1週前のラクレソニエール回避が決まった瞬間だったのかもしれません。

先ほど英チャンピオンSが終了。アルマンゾルが愛チャンピオンSに続きG1連勝となりました。よりによって2着はともに凱旋門賞馬ファウンドという。。。 アルマンゾルが凱旋門賞に出ていたら?その場合は各陣営、全く違う戦略で臨んでいたでしょうから、わかりませんね。

…しかし、コース取りのめまぐるしい変化って、言葉で説明しようと思うと煩雑ですねw まして個人的な見立てですから。くどくどと書き連ねてしまって、お付き合いありがとうございました。



改めて、日本ダービー馬の敗戦。

ルメールからは引っかかったこと、オーバーペースで追走したことがコメントされています。初めてハイペースを経験したわけですし、厳しいプレッシャーを受けたのも初めてでしょう。

優駿の記事では渡仏からニエル賞、本番に至るまで、陣営の堅実な準備についてレポートがされています。要所にこれまでの他厩舎のノウハウも借りることができたようで(友道師は松国厩舎時代に角居師と働いていますね、とか改めて気づきました)、このあたりは「日本競馬」の挑戦というニュアンスも帯びていたようです。

無事に凱旋門賞に送り出す、レースまでの戦略は十分だったのでしょう。これだけでもすばらしいことなのですが、残念ながらレースでの戦略には見劣ってしまった印象があります。

帯同馬のマイフリヴァが凱旋門賞に出走しなかったこともちょっと引っかかっていました。実質的に今回は出走しても役割を果たせなかったように思いますけどね。そのマイフリヴァで調教をサポートしていたジャルネ、トレヴで勝った際に「戦略が必要」であることをコメントしていたはずです。

でもなー、密集した馬群の中で押し合いへし合いするメンタルとフィジカルは、日本のどのレースで養っていくことができるかというと。。。 やはり馬群の外をなぞるように直線にかける展開しかないのかな。

個人的には、オルフェーヴルがロンシャンの直線を外から捲り切った瞬間がピークだったように思っています。勝ち切っていないわけですし、結果がでることが重要という価値もわかるのですが、実力は通用もしますし上回ることができているんだなー、という実感を得てしまっていて。

もちろん挑戦は続けてほしいですし、来年はサトノダイヤモンドとディーマジェスティの姿をシャンティイでみたいですしね。例えば遠征の費用の補助金が復活するなど、背中を押す環境が整うことも臨んでいます。ただ、以前のような情報が乏しい中での手探りに一喜一憂する振幅の大きさは、もう味わえないのかもしれませんね。



初めての馬券発売についても少々。

スポーツ紙の記者の方でしょうか、レース予想にあたっての情報が足りないことの改善をJRAに求める記事を目にしました。いや、それはマスコミとして伝える人が
率先して背負うべき問題だと思いますが、どうでしょう。

これまでのメソッドでは通用しない中で、どれだけユーザーに有意義な情報を伝えられるか、各社それぞれで創意工夫する姿が見たいところです。

40億越えの売上は、プロモーション効果、日曜夜というレースのタイミング、「初めて」という響きに弱い方もいらっしゃったでしょうか。日本でもおなじみの騎手が揃っていたことも抵抗感を緩和していたかもしれません。でも、この売上が保てるかというと。。。

次の該当レースはメルボルンカップと BCフィリー&メアターフ。凱旋門賞に比べると知名度も落ちちゃいますからね。定着するまで頑張ってほしいところです。



最後に。

だいぶマカヒキには辛いことを書きましたが、完全に実力差だけで負けたとは思っておりません。あぁ、負け惜しみではなくてですね。

父ディープインパクトはリーディングサイヤー、母父フレンチデピュティはBMS2位。BMS1位はサンデーサイレンスですから、マカヒキは日本で最も結果を出している血統の組み合わせ。この点からも、ある意味日本とは異質な特徴が試される場所、ということは言えそうです。

引き続きチャレンジを止めないこと。大変ですけどね。自分もそれを追いかけていきたいと思っています。マカヒキ、ナイストライでした。

…それにしても、ファンの軽口ですよ、早く結果出したいですね。

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2016.10.16


キタサンブラック、上がり勝負を制しました。

1コーナーからずっと、逃げたヤマカツライデンとの間に1頭分の間隔をギリギリつくらない進路取りがあったようです。直線入口で膨れても、その間隔を極力キープしながら時間をかけて内へ寄せていきました。残り1ハロンで内ラチへ到達。その間、ラブリーデイとアドマイヤデウスの前方を終始蓋する形になりました。

貫禄勝ち、という印象もありそうですが、1番人気のブラックタイド産駒にとって決して得意ではない上がり勝負。後続への牽制の効いたポジショニングという鞍上の強力なサポートは勝利に欠かせない要因だったと思っています。

公式レースラップです。
12.7-11.5-12.0-13.0-12.8-12.2-12.7-13.0-11.9-11.1-11.1-11.5

本命だったヤマカツライデンのラップは正直意外でした。ここを勝ち切るためには、この溜め逃げにはしないだろうと思っていたんですけどね。4走前に京都2400を逃げ切っていますが、道中捲られてしまい11秒台に上げてしまう緩急の厳しい展開でした。これを逃げ切っていますので、そのスタミナを活かす戦略に寄せてくると読みましたが…。

坂の下りでキタサンブラックに煽られる展開。2番手で自在に立ち回れる余地が生まれた分、武豊がイニシアチブを取れるレースになりました。

…厳しいラップを作らなかった理由かぁ。速い馬場でラストをまとめきれない、という可能性を考えたとか。違うかなぁ。後は、先々を見据えて目先の1勝を獲りに行かなかった、でしょうか。ハイラップでバテる癖がつくと立て直しが難しくなる、と聞いたことはありますが…。でも、この馬にとって獲りに行くべきレースはどれかと考えた時、キタサンブラックが2番手で蓋をしてくれるであろう展開は願ってもないチャンスだったと思うのですけどね。…ステイヤーズS?

ラブリーデイ、アドマイヤデウス、サウンズオブアースとも前哨戦としては十分な内容だったと思います。ラブリーデイは昨年の強烈な差し脚は見られませんでしたが、これは下りから勝負を進めた武豊の戦略勝ちでもあるでしょう。ただなー、本番のメンバーがそれぞれ強力ですよね。キタサンブラックがジャパンカップでパフォーマンスを上げるかが焦点になるかなと思っています。

武豊はこれで京都大賞典を8勝。すごい記録ですね。個人的には競馬を始める前の勝利の方が多い(特にスーパークリークとメジロマックイーンで2勝ずつ)わけで、全部Racing Viewrで観れるはずですからね、順番にいきましょうかw



マイルチャンピオンシップ南部杯もさくっと。

コパノリッキーがとんでもないレコードで押し切りました。

ひとつ前のレースから観ていまして、直線は馬場の中央に進路が集中するトラックバイアスを確認していました。ただ、稍重馬場とはいえ、さすがに1:33.5の想定はできませんでしたねー。公式ページではラップタイムは確認できませんでしたが、1000m通過が58.0であることはわかりました。
マイルチャンピオンシップ南部杯結果/岩手競馬

府中のターフビジョンで悪友と観戦していましたが、思わずクロフネの武蔵野Sを引き合いに出す感じ。あのレースは良馬場で1:33.3でしたけどね。

2000mのJBCクラシックでも同馬でレコード勝利した田辺。勝利ジョッキーインタビューでは「自分が来る時だけ水撒いてくれてるんですかねーw」という軽快な?ギャグが飛び出しておりました。内が伸びないトラックバイアスも把握していましたし、躊躇せずに好位につける判断も含めてさすがの一言。速い馬場でのスピードの持続力なら、人気が被ってもコパノリッキーにしておかないといけませんねー。

ベストウォーリアは終始コパノリッキーを上回れない運び方での2着と見えました。コパノと枠の内外が逆だったら、もう少し違う展開もあったかもしれません。

ホッコータルマエは積極的に前につける戦略で3着。全盛期はもうひとつパンプアップしていたでしょうか。使って仕上がってくるならよいパフォーマンスだったと思っています。

アスカノロマンは速い展開と枠順が響いての4着。4コーナーの判断遅れはアンカツツイートが指摘していた通りだと思っていますが、そもそもトラックバイアスを含めて内枠からどう序盤の位置を決めるかがかなり難しかったと思っています。

4コーナーでコパノリッキーを外に追いやるような進出ができれば。…そのイメージは難がありますねぇ。もうひとつ時計がかかっていれば。あー、たらればが多い時点でこちらの予想がダメダメなのでしょう。失礼いたしました。



最後に。

悪友とは久しぶりの競馬観戦でした。毎度毎度のしょーもないあれこれな話をしつつ、ヤマカツライデンで熱弁をふるってしまっていたり(いやーお恥ずかしい限り)、好き放題に言葉を交わす流れはよいですね。書き記した文字が消えないネットメディアより、発声した空気の振動はある程度の距離で消えてくれますからね。雑な話は極力口頭で、という心得は相変わらず前提にしております。だめですよ録音しちゃw

さぁ、来週からG1が続きますね。オークス馬の故障は残念の一言。2冠を観戦するくらいのつもりでいましたので、今週はいろいろ考えを巡らせないといけません。一応はビッシュのつもりですが、まだまだ。立ち写真を見て、ミエノサクシードの上体の容積におぉと思っていたり。じっくり情報とイメージを折り重ねていきたいと思っています。
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2016.10.10


ルージュバック、強い内容でした。

許容範囲内で折り合ったアンビシャスを目標にする形で、後方待機からの差し切りを決めました。そのアンビシャスと馬体を併せながらアタマひとつ出てくるあたり、気持ちの強さも垣間見えたでしょうか。パドックの映像からは仕上がりもうひとつと見ていたんですけどね。斤量差を差し引いても、エプソムCより強さを感じる内容でした。あーでもラップバランスはエプソムCの再現でしたね。

公式レースラップです。
12.5-11.3-12.0-12.5-12.0-11.8-11.4-11.5-11.6

比較の意味で。今春のエプソムカップはこちら。
12.9-11.3-12.1-12.2-12.0-11.8-11.0-11.4-11.5

当日は明け方に相当な雨が降りましたが、午後には回復。メイン直前には稍重発表まで戻っていました。9R、ロイカバードの外差しが33.9で決まったことから、開幕週ながらも逃げ馬の粘りこみは割り引くバイアスと読み取っていました。33秒台半ばで外目から差しても前に届かない馬場コンディションではない、ということですね。その見積もり自体は正解だったようなんですけどね。

土曜よりも若干外になっただけで、先行馬有利の馬場ではない様子。小島さんのコラムによるとエアレーションを施す時期は昨年よりちょっと早かったらしく、このあたりの影響を意識しておかないと開幕週はなかなかピントの合わない予想になってしまう手応えがございます。エクイターフ+エアレーションは繊細な馬場といっていいのかもしれません。

スタートはディサイファがビッと出て(さすがのユタカさん)、マイネルミラノが何とかハナを確保する流れ。ウインフルブルームは無理せず番手。安田記念以来のロゴタイプも逃げは選択しませんでした。隊列が決まった割に流れたのは丹内の判断に依るところも大きいでしょう。瞬発力勝負には持ち込みたくないですからね。


ルージュバックは道中待機策からきれいに外を回してきました。初めから外に回るつもりでしたね。直線に向いてから少しずつギアを上げる所作。このあたりが今年の戸崎の肝が据わっているところと思います。あとはルージュ自身の力が勝りましたね。シンコウラブリイ以来の牝馬V。凌ぎ切る様はエアグルーヴの天皇賞のようでもあり。例えが古いかな。

おそらく次走はその天皇賞になると思うのですが、うーん、ある意味エプソムCと近しい競馬で連勝したことが引っかかっていまして。本番もこの得意なパターンが再現できるのかというと。。。 エクイターフ+エアレーションは開催後半に向けて内有利になる傾向もありますし、おまけにエイシンヒカリもモーリスもいますからね。…と考えると、買い時は今回だったのかなw

終わってみたら土曜のブレスジャーニーと似た運び方だったなぁ、などとも思います。馬場コンディションの推移、枠順、力関係、各馬のコンディショニング。そうですね、見るべきものは変わりませんね。


アンビシャスはきれいなトライアルになりました。弥生賞しかり、クイーンCしかり、ニエル賞しかり。ルメールのトライアルライドは非常に精巧で美しい印象があります。前々で運んで結果をだした大阪杯。それがある意味アダとなった格好の宝塚記念。鞍上を替えるべきかは置くとして、変わったことでやるべきことが明確化した認識がありました。それに外差し馬場。本命にするには十分な条件でしたけどね。あ、折り返しなしの馬単でございました。ねー。


3着ヒストリカルは、もう鞍上の賜物といっていいですね。通称「ポツン」からの3着。個人的な見解になるでしょうか、展開からみえる理想的なポジション(治郎丸さん的にいうと勝ちポジ)から大きく離れていても、その馬のペースを守ることでラストまできっちり脚をのばすことを重視する乗り方であると思っています。成績が振るわない、レースに集中できなくなっている、など理由は様々でしょうが、これで立て直しが効く馬もいますからね。ただ、これで馬券圏内にもってくるかー。すごいですね。今回に関しては、新潟記念のように一発狙っている部分もあったかもしれませんね。


ステファノスは昨週のビッグアーサーよろしく、内枠スポイルとなってしまいました。決定的に異なるのは、川田はスタートから押してポジションを取りにいったこと。おそらくは前にはいられないよう極力けん制してポジションを確保する意図だったと思うのですが、パトロールビデオをみると、そのプッシュがクラレントと並ぶ位置を生み、クラレントに寄せられるプレッシャーを生みました。…今日の馬場で内をつく意図だったのかなぁ。

直線に向いて迷わず最内を狙う判断でしたしね。開幕週で前が残るという「先入観」だったのなら、ちょっと厳しいですね。少なくとも戸崎とルメールには見えていたわけですから。結果的にイン付きは、脚をなくした先行馬とロゴタイプ田辺の間合いによって進路を失うことになったわけですし。前哨戦としてなにをしたかったのか、いまいち伝わってきていない状況です。

次走は天皇賞でしょうか。能力の衰えるタイミングでもないですから、これで人気の盲点になるなら面白いかもしれません。とはいえ昨年の2着馬。面白い、という語り方をする馬でないところが残念ですね。


馬場が緩いのが応えたとは田辺のコメントですが、ロゴタイプはある程度力をだせた8着だったと思っています。安田記念と今回のパフォーマンス、着順こそギャップがありますが、自分の中では変わらないイメージで捉えられていますね。予想からは外していました。

レースの勝敗には直接結びついていませんが、田辺の動きでポイントがひとつ。直線に向いて、ウインフルブルームとの間隔を1頭分空けている時間がありました。ちょうどその真後ろにはディサイファ。田辺は残り400のハロン棒手前でその間隔をすっと締めます。個人的にですよ、この間は誘い込みの間だったのかなと。ディサイファが予め進路変更をせず、かつ締めた際に行き場を失うようなタイミングを狙って、田辺がトラップを仕掛けていたように見えました。

仮にそうだったとしても、あまり特別なことではないんでしょうね。ダービーの際にも武豊が向こう正面からマカヒキを誘っていたことは、武豊TVで本人達が話していましたし。で、締められたことで行き場をなくしたのはディサイファと、その真後ろで道中を進めたステファノスでした。「うまく進路をキープできなかった」とは武豊のコメント。おそらく、この見立てでよいように思っています。



土曜のサウジアラビアRCも少々。

ブレスジャーニーの差し脚はなかなか強いインパクトがありました。ブレスジャーニー=ルージュバック、ダンビュライト=アンビシャスと置き換えると、毎日王冠のイメージにトレースしやすいかな。結構な雨を経て傾向が変わらないとすれば、東京の馬場は実はなかなかタフということにもなりますね。むむ、走っていない間の雨なら、排水性はかなり機能するということでしょうか。

公式レースラップです。
12.3-10.9-11.8-12.7-12.4-11.7-11.1-11.6

さすがにラップ構成は異なっていますね。4コーナーから直線登坂までの加速ラップでよりギアをあげられた2頭が抜け出した格好。というよりはブレスジャーニーの末脚が印象的でしたね。スタートしてしばらく、ダンビュライトからひとつ下げてのゆったりした追走。直線入口でドリフトするようなぶん回しはご愛嬌でよいでしょうか。

新潟の未勝利でみせた末脚そのまま。前日にちゃんと各馬の勝ちあがり時のレース映像で予習しておいてよかった。大きいストライドは母父タニノギムレットを想起させますね。リアルタイムでダービーを見ていない方は是非。

そして相談役は今年初重賞。50代での重賞制覇に60歳までいっちゃおうかなというノリのよいコメントがあったようで。ええ、いっちゃってくださいw ほんとうに来春の2400が楽しみなイメージがありますしね。いまのところはヴァナヘイムとこの1、2着かな。


ダンビュライトは中団から脚をのばしての2着。デビュー戦の中京がかなりユニークな馬場状態でしたので、今回が速めの馬場にどのくらい対応できるか、試金石となる一戦でした。おそらくはルーラーシップ産駒の評価にはしばらく引き合いに出される1戦になるのでしょう。やはりディープやキングカメハメハに比べると俊敏な加速には向いていないのかな。

気になるのはブレスジャーニーに怖がって内に寄れたというコメント。並びかけられた際に手前を変えて仰け反るような所作でした。道中ストレスの少ないポジションで進めていましたし、今後レース中にかかるストレスについてはまだ未知数かな。次走でのメンタル面はちょっと気にしないといけないですかね。

実は職場の皆さまと種牡馬縛りのPOGをやっていまして、持っている1頭がダンビュライトなんですよね。なんとか期待していきたいという思いがご贔屓感につながっての本命視でした。最初はヒヤシンスSで会ってもよいな、くらいに思ってたんですけどねw 次走はどこでしょう。これで中山をこなすようだといろいろ面白くなりそうです。


1番人気クライムメジャーはかかってしまった上に早め先頭での3着。馬場も展開も向かない中での粘りですから一定の評価は要るように思います。ダイワメジャーにこの緩急の大きいラップですから、より得意な条件での巻き返しなら十分ありうるでしょうね。



最後に。

秋の府中、始まりましたねー。土曜は現地観戦でしたが、パークウインズとはやはり雰囲気が違っていてよいですね。なにより開いているお店の数も違いますからねw

早速雨にたたられていますので、当日の馬場状態をつどつど見極めていく必要があるかな。毎日王冠はテレビ観戦でしたが、例年以上に現地に通い詰めたい気持ちになっています。どうしましょうね。もろもろにマイナスの影響がでないように時間を工面しないとですね。まぁ早速、明日行っているはずですけどねw


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2016.10.02


レッドファルクスの差しが間に合いました。

改めてレース映像を観ると、デムーロはスタートから3コーナーまで結構出して行っているんですよね。シュウジと1馬身ないくらいまでダッシュを効かせていますから。その後は内外の差で番手を下げた格好。元々ズブいタイプと承知していますし、コーナリングで置かれることもコミコミで、早め早めに押っ付けていく腹づもりは出来ていたでしょう。結果として差していますが、デムーロの積極策が大きな勝因と思っています。

まぁしかし、4コーナー手前のデムーロの姿勢の低いことw 相当追い出しのタイミングが早いいですよね。気持ちがレイジーということもあるでしょうが、ストライド大きめのフォームでかつ背中を労わる調整が必要なタイプですから、トップスピードに乗るまでに時間を要するタイプでもあるのでしょうね。一旦乗ったらあの回転力ですから。

CBC賞からぶっつけでG1という陣営の判断も奏功したものと思います。尾関厩舎は初タイトル。サクラゴスペルを長持ちさせる厩舎というイメージでいましたので、仕上げに不安を覚えなかったのは予想にもプラスでした。そうそう、サラブレモバイルで助手さんのコラムを拝読していまして、次の投稿はどうなるでしょう。楽しみがひとつ増えました。


公式レースラップです。
11.8-10.5-11.1-11.2-11.2-11.8

内からソルヴェイグ、外からミッキーアイルが行き脚をつけたスタート。鞍上が田辺に変わったソルヴェイグはこれまでより積極的な運びとなりました。

…さて、ここがビッグアーサー福永の敗因を振り返っておくタイミングでしょうね。気が進みませんが、頑張りましょう。

直線で行き場をなくしたこと、登坂のあたりで躓いたことがクローズアップされていると思われますが、その遠因といいますか、そこにつながるきっかけはこのスタートから3コーナーまでの間で田辺に先手を許したことだと思っています。

ミッキーアイル松山が先手を取り切ることで、ソルヴェイグ田辺は少し下げる判断。その結果、真後ろに構えたビッグアーサー福永は頭を上げて減速する形になりました。スムーズに先手を取ったミッキーアイルは前半33.4。この2頭がタイム差なしで2、3着ですから、イージーに前半を進めたといっていいでしょう。結果馬群は、特に4コーナーに向けて密集することになりました。

田辺はそのあたりを見越して、積極策に出たのだろうと思っています。おそらくはミッキーアイルがちょっと遅れて加速してくるタイムラグがあることあたりも承知していたのではないかと。真後ろに入るであろうビッグアーサーに3コーナーで蓋をする→ペースを抑えられる→4コーナーで外から差し馬が差を詰める→ビッグアーサーにとっては前と外に蓋ができる。自身が2番手でイニシアチブを取りつつ、1番人気からけっこうな勝機を削ることができるイメージができますからね。

福永はこの展開に自分から能動的に動けませんでした。調教師が前走の逃げにあまり賛同していないニュアンスを出していましたから、ひょっとしたら逃げないよう指示がでていたかもしれません。しかし、あの行き場のない状況を招かないための一手はどこで打つべきか、自身の経験から判断はできなかったのか。

仮にあの場面で引くのなら、前走のトライアルで引いておくべきでしょう。本番に向けた予行演習にもなりますし、うまく折り合えないのなら本番で思い切って逃げる選択肢も増えたでしょうし。逆算して、本番の可能性を広げるからトライアルなのだと認識していますが、今回はそうではなかったようです。

ラップ的にも、高松宮記念、セントウルSとここ2戦は前傾ラップでラスト1ハロンが1秒以上減速する超粘り込みパターン。今回のラップは異なっちゃいました。強みを活かせなかったことは数字にも表れています。

一方、調教師はジョッキーにこの種の迷いが生じてしまうことに配慮することはできていたのか。Racing Viewerに追い切り後のインタビュー映像がアップされていますが、こうして見ると自身のイメージと合わなかった愚痴が中心で、今回の具体的な戦略に欠けているようにも映ります。…残念な限りです。

外野から偉そうにガヤガヤ言ってしまいましたが、外野だから率直によしあし言葉にできる部分もあるように思っていますし、なんといいますか、テスコボーイの貴重な血脈に不要な味噌をつけてしまったなと。人為的な不完全燃焼。いちファンとしてはそれが残念でならないです。


一方のシュウジはよく健闘しての4着。プラス2桁の体重増はマイナス要因には見えませんでした。3歳牡馬のスプリンターズSはあまりイメージがないなーと思って過去10年くらいさかのぼってみましたが、ダッシャーゴーゴーの降着が見つかったくらい。やはりスプリントチャンピオンは筋肉の年輪が必要になるのでしょうか。

そして乗り替わりの鞍上川田は当時そのダッシャーゴーゴーの主戦でした。いやな過去を掘り返した格好で申し訳ないのですが、今日の騎乗は正攻法のそれ。今後が楽しみになる善戦だったとおもっています。


善戦でいうなら5着のスノードラゴン。よく巻き返してきましたねぇ。3コーナーで挟まれてしまった分ポジションを下げましたが、だからこそ外への展開はスムーズになったとも言えそうです。レッドファルクスの真後ろでしたからね。末脚は出し切ったとみてよいと思っています。

ポジションでもったいなかったのはレッツゴードンキでしょうか。3コーナー最後方から4コーナーをインインで回る岩田のパターン。進路を見つけて脚を伸ばしましたが、前半のポジション次第ではもっと上位に来ていたかもしれません。…いや、初めから後方待機の一発狙いだったかな。だとするとあのコース取りも納得するところです。上がり最速でもったいないなーと、ちょっと思っているんですよね。



最後に。

凱旋門賞まで2時間を切りました。マカヒキ、どうでしょうね。前日は雨が短時間ふったようですが、仮柵を取るのは当日ですから影響は少ないかな。

本当はオーサムアゲインSでのカリフォルニアクロームの圧勝についても書いておきたいところですが、日本馬でますからね。強かったですよ、BCクラシックに向けて磐石なレースぶりでした。…こちらはArcが終わった後でもいいですかね。

さぁ、早く日本競馬の呪縛を解いてしまいましょう。馬券も当てましょうw


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