2016.11.24


ミッキーアイルの逃げ切りでした。が。ね。

向こう正面、3コーナーに向けて内側を避けるコース取り。逃げ争いをする相手が見当たらない分、浜中の思惑は素直にコース取りに反映していたと思います。ライアン・ムーアはこれに対抗する戦略であったでしょう。突かず離れずの番手を選びました。

ミッキーアイルのほぼ真後ろにコース取りしたディサイファ。こちらもスムーズで、さすがの武豊。対照的なのはバルザローナに押圧されて内側を通り続けたサトノアラジンでしょう。川田に非があるのではなく、これは枠の並びから起こりうるやむを得ないポジショニングと見ています。もともと選択肢は限られていたでしょう。そうそう、川田とバルザローナというマッチアップ、バチバチやっていてなかなか見応えありました。このあたりはリアルタイムではわからず、レーシングビュアーのマルチカメラでじっくり堪能したところです。

公式レースラップはこちら。
12.3-10.9-11.2-11.7-11.4-11.7-11.6-12.3

序盤は結構厳しいラップだったんですね。直後にネオリアリズムにつけられたとはいえ、もう少し楽に進めたように見えていました。上がり最速がほぼ後方から進めたガリバルディで34.6。速い上がりを計時できない馬場コンディションですから、速めのラップを刻んで粘りこむ戦略はミッキーアイルの特徴とも合致したのでしょう。直線の粘りは見事でしたしね。

本命はイスラボニータでした。馬場状態の汲み取り方とあのフットワークがどのくらいマッチするかが悩ましかったのですが、枠順と直線にベストなラインに誘導するための手数の少なさ、そして鞍上のヘッドワークを加味しての本命でした。

直線入口、ほぼ予想通り、馬場のいい外目に回して視界がクリアな状態で加速し始める人馬の姿、アガりましたねー。独特な走りのリズム、独特な滞空時間に合わせたルメールの追い方も素晴らしかった。惜敗でしたし、あんな事象があったレースでしたが、イスラボニータの伸びやかで出し切った走りに賭けられたことで、個人的には満足感を覚えています。

勝手な期待なのは百も承知で、期待に応えてくれるジョッキーは本当に頼もしいですね。さすがルメさん。


さて、あの事象の話をしましょう。ミッキーアイル斜行。起きたことはパトロールビデオも公開されていますし、自分なりに感じたことにフォーカスして書いておこうと思います。個人的な推測だらけになりますので、その点はご容赦を。端的には、ルールに合致していても後味は悪いというひと言につきるんですけどね。

あ、ちょっとディサイファを持ち上げ気味な印象ですが、まとまったテキストならこちらかな。
浜中俊よ、なぜ右鞭を連打した。斜行で長期騎乗停止も降着なし。 - 競馬 - Number Web - ナンバー

ミッキーアイル、浜中の思惑。直線、左鞭はゼロ。ネオリアリズムが寄せてきたことを利用してファイトさせるのが意図だったように思っています。当初は馬場のよい三分どころまで通るコースを変えたかったのかな、と考えていましたが、であれば直線に向くところですでに内ラチから離れる判断にしているはずですので、これは違うかなと。

これまでのレースもいくつか観てみたのですが、直線で左鞭を多用する場面がほぼ見られず。右回り左回りを問わずでしたので、ひょっとしたらミッキーアイルの気性面に配慮した戦略なのかもしれません。

おそらくですが、あそこまで後続に影響を与えているとは思っていなかったのでしょう。もちろん、その自覚のないことと、ペナルティの重さや不利を被った各馬と賭けたファンの損失とは分けて考える必要がありますが。ゴール手前で振り返っているのは川田が叫んだ後のタイミングのようですし。それまでは鞍下をファイトさせることに集中しきっていたのかもしれません。

ネオリアリズム、ムーアの戦略。終始、ミッキーアイルに併せに行ったのは馬場や差し馬の多いメンバー構成を考慮してでしょう。ミッキーの外に併せたことで浜中の左鞭を封じたように見えますが、どちらかという目的は後続に差し切られるリスクを負ってもミッキーを交わしにいくことが勝利への近道という戦略にあったように思っています。

良心的な解釈になるのかな、後続に不利を加えてしまう直前の右鞭は大きな減速を抑えるための叱咤ではないかと考えています。あの形で押し込まれてしまったら減速して直後の馬を邪魔してしまうリスクがあるでしょうから、少しでも馬を加速させておくことで事故のリスクを下げていたのかなと。大きく鞭を打つことで後続に動きを伝えていたようにも受け取れます。いわゆるウインカーですね。あのタイミングで瞬時にやれることは限られているでしょう。ムーアが悪意の塊になっていたという理解はあまり現実的ではないように思っています。

現行のルールの盲点といいますか。被害馬が加害馬に先着できたかというのが「降着」の適用基準ですので、ネオリアリズム、サトノアラジン、ディサイファ、ダノンシャークがミッキーアイルに先着できなかった、ということで「降着」がなかったことは確かにルール通りなのでしょう。先着できたかどうかは裁決委員の目に委ねられますから、ルール運用面でも問題ありません。ですが、ミッキーアイルが他馬の競走に影響を与えずに真っ直ぐ走った場合、イスラボニータが先着していた可能性については考慮されないのか、という視点は馬券を買っていたからこそでしょうかねw

早めに好位を取って馬場のいいところを通り続けたディサイファや一か八かのイン待機に賭けたサトノアラジンが最後まで力強くフィニッシュできず妨害されっぱなしになってしまうこと。この放置こそが問題になっていると思うわけです。いやいや、ジョッキーに厳しい制裁が課されていますよ、という反論は聞こえてきそうですが、ポイントは他馬を邪魔した馬がそのまま勝ち名乗りを受けていること、でしょう。

不利を被った馬に賭けたファンが何のわだかまりもなく来週の競馬を楽しみにできるのか。自分のおこづかいを安心して賭けようと思えるのか。この議論がないままですと、正しいルールが運用される中、競馬の競技性に対する本来不要な諦めごとが増えてしまうのではないかと。小堺翔太さんのツイートにあった「そのもうひとつ先の議論をファンがしているような気がしてならない」という言葉が象徴的だったと思っています。

個人的には、上位入線馬の強い斜行によって入着馬への走行妨害が合った場合は、「極めて悪質」でなかったとしても「競走に重大な支障を生じさせた」として「失格」にするのが賢明ではないか、と考えているところです。「降着」が唯一のペナルティではないですからね。国際基準に照らして可能な運用なのかはわかりませんし、よくルールを理解できていない箴言なのかもしれませんが。

ブエナビスタの時とどう違うかと言われると厳しいですねw 裁決ではないですから何ともですが、自分ならブエナビスタの脚勢がかなり上回っていることから馬はセーフ、ジョッキーには重い制裁、としていたと思います。


これはダノンバラードのAJCCで書いた試案ですが、馬主や調教師への直接的なペナルティがあってもいいかもしれません。どちらもジョッキーの選別、戦略に対し関与なしというのはありえないでしょうから。

この当時もなにやらしっかり書いていますね。きっと見当違いなことも書いてしまっているのでしょうが、参考になれば。
more than a DECADE AJCCと裁決について



最後に。

サトノアラジンは香港マイル、イスラボニータは阪神カップ(!)、ダノンシャークは引退と、早速今後の予定が報道されています。ジャパンカップの関係者インタビューも流れていますし、ヌーヴォレコルトは香港に選出された上でアメリカのG3に出走するとのこと。ひとつひとつの出来事をじっくり捉える時間的な余裕がないような気がしていまして、仕組みの奴隷になりそうで怖いなと思っているところです。ネットでの情報収集の罠でしょうかね。

勤労感謝の日は、休日対応を自分のチームスタッフにお任せして(ありがとうね)、レース予想もないゆったりした休日を過ごせましたので、こういう時間も肝要だなぁと。


一方でジャパンカップウィークの心配事はこれからの雪予報。23区はみぞれで済みそうな気もしていますが、府中滞在の海外馬の追い切りには影響がでるのでしょう。はるばる日本まで遠征して、雪の中追い切りは過酷というか不憫というか…。

金土は晴れ予報ですが、日曜に再び雨予報…。できるだけ降らないでほしいですが、馬場状態もじっくり見極めないといけなさそうです。なかなかメンバー揃いましたからね。後腐れない勝負を望んでおります。

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2016.11.19


クイーンズリングの切れが勝りました。

向こう正面で最内を押し上げる姿をみたときは結構いやな予感がしていました。あー、本命がミッキークイーンだったからこその表現ですね。この場合は褒め言葉です。前進気勢を何とかなだめる姿からスローであることが同時に伝わってきました。

公式レースラップです。
12.5-11.2-12.8-12.7-12.6-12.6-12.5-11.9-11.5-11.2-11.4

スタートからプリメラアスール、メイショウマンボが先手を主張。ただし両馬とも1コーナー入口からスローに落としています。11.2から12.8はかなり極端なラップ。この2ハロン目で大外から脚を使った割に4着に踏ん張ったパールコードは善戦したといってよさそう。

シングウィズジョイもその1頭ですが、先行勢の中では1コーナーまでをニュートラルに進めていました。ラストまで脚が伸ばせたのもこの負担の少なさの賜物でしょう。個人的にはリトルアマポーラを思い出して3連複で押さえるリズム。馬券的には上手くいきましたね。リトルアマポーラのときは3番手でペースをコントロールする立場でしたが、前目でポジショニングして直線押し切る戦略は同じと理解しています。さすがルメール、すばらしかった。


クイーンズリングは終始ミッキークイーンの直後。直線でひとつ早く外に展開したミッキークイーンに被せられる厳しい場面も、メイショウマンボが下がりパールコードが外に流れたことで内側に進路が空きました。もっている、といえばいいでしょうかね。ただ、スローからの加速力では他馬に対してアドバンテージがあったと言えそうです。前を行くルメールも完璧なエスコートでしたが、これを捉えきりましたからね。

レース直後は次走をどうするのかと勝手に心配していましたが、香港カップへの参戦が決まったとのこと。相手が一気に強化されるのでその点を注意して予想に取り組むことになりそうです。


ミッキークイーンは最内から立ち回っての3着。いつもより前でポジショニングする意識はもってたでしょう。このあたりは無理ない所作でしたね。ずっと最内に控えつつ直線入口まで外への展開を我慢していたように見えています。

直線外に展開してから、おそらくは内からミルコが来ることがわかったのでしょう、左鞭で内に寄せて、クイーンズリングを内側に閉じ込める瞬間をつくりにいきました。ミルコは先ほど述べたとおり内に進路を取ることができましたが、浜中は対照的に、脚を伸ばそうとしたタイミングでパールコードに前にはいられたことが痛かったでしょう。でもそれがなければ1着はが取れたかというと。。。

今回仕上がり途上であることは陣営のコメントの端々に聞くことができていました。実際レースでは肝心なところでの加速力が少し足りなかったという浜中の弁。次走は有馬記念になりましたので、パフォーマンスを上げてきてくれるでしょう。中山?とまだピンときてはいないのですが、楽しみが増えました。


マリアライトは6着同着。1コーナーの不利が痛かったようです。裁決ではシャルールがわずかに内に、という表現がありました。おそらくですが、不利のあった箇所ではペースがぐっと落ちていること、目の前にいたシングウィズジョイが少し下げてきたことで行き場がなくなってしまったこと、このあたりが不利の正体だったと思っています。

マリアライトは加速に優れたタイプではないでしょうから、こうしたスローだと立ち回り、ポジション確保が難しくなってしまった、という理解でおちついているところです。だいぶ蛯名は憤慨していたようですね。


タッチングスピーチ、アスカビレンあたりは末脚不発。タッチングスピーチのラスト3ハロンはシングウィズジョイと同タイム。この上がり勝負では厳しかったと見ています。条件が整えばすぐに巻き返しそうですね。



最後に。

平日はなかなか時間が取れませんね。当日は府中で堪能していましたが、仕事が始まってしまうとギアが切り替わっちゃうのも手が止まる要因なのかな。このくらいのボリュームなら何とか当日の気持ちが強く残っているうちに言葉にしておきたいんですけどね。

ショウナンパンドラ、シンハライトと引退の報が続いてしまいました。このあたりが揃って出てきたらホントに面白かったのですが、こうしたたらればもじっくり語りたいなぁ。

さて、もうマイルチャンピオンシップですね。個人的な感想ですが、この秋一番予想が難しいG1になる予感がしています。外したら後悔してしまうんだろうなー。土日の予想の時間は工面できそうですので、まずは京都の雨の程度から。悩みたいと思いますー。

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2016.11.13


タガノトネールの押し切りでした。

直線先頭でそのまま押し切るとは思いませんでした。金曜の雨が時計のでやすい重馬場をつくった格好。改修前のクロフネには及ばないものの1:33.8は速いですねぇ。

公式レースラップはこちら。
12.2-10.7-11.6-12.1-11.7-11.7-11.6-12.2

3コーナーで少し緩んだ以外はほぼ一定のペースで展開。田辺は先頭に押し出されるタイミングを読みながらある程度微調整し、ある程度は割り切って臨んでいたように見えています。溜めをつくらずスタミナをじわじわ使っても、ラスト1ハロンの減速幅が少なく粘りこめるという見立てもあったでしょう。ポジションだけ見れば先頭に立つのが早すぎる、といったほうが賢明でしょうからね。前年2着の実績馬、終わってみればリピーター、という言い方でもいいのかもしれません。

モーニンは3コーナーで両サイドにぶつかったことでリズムを崩したようです。が、前にいたタガノトネールはちょうど抑え気味のところ、内にブラゾンドゥリス、外にソルティコメントで完全にポケットにはいってしまっていました。行き場のない状況で前がかる気持ちを戸崎は抑え切れなかった様子、逃げ場のない首の力みは左右へのカラダのブレを生んでしまったようです。パトロールビデオで見た限り、尻もちをついていましたね。

59kgの斤量、速いペース、勝ったタガノトネールの蓋。もろもろが積み重なっての敗戦となりました。前走日本テレビ盃ではアウォーディーとのマッチレース、1800mという距離に目処が立っているのか、その試金石になる内容だったらよかったんですけどね。個人的には1400ベストという理解をしていますので、次走がチャンピオンズCであれば割引かな。ライアンやミルコなら一考の余地はあるかもしれません。

ゴールドドリームはそのモーニンの後ろで3コーナーを迎えながらの3着。馬群を捌くまでに時間を要してしまった割に、ラストはよく迫ったと見ています。ユニコーンSの覇者の巻き返し、こちらもリピーターでございました。

ノボバカラは先手を取ることなく、終始手が動いての9着。時計が速すぎたことと、1400ベスト=1ハロン長かった、という認識に落ち着いています。ライアンは理想的なポジションを取りにいくことに対してこだわりを見せるタイプ、という見立ても同時に得られています。動かせるという自信がそう選択させる部分もあるかもしれませんね。


デイリー杯2歳Sはジューヌエコール。

他馬が折り合いやポジショニングに苦心する中、福永のそつのないドライビングはアドバンテージとして十分でしたね。前走ききょうSで折り合い重視の経験をひとつ積んだことは大きかったのでしょう。加速ラップを差し切るパフォーマンスでもありましたので、さすがルメールと思いつつ、今回本命視すべきだったかなと反省中でございます。

公式レースラップはこちら。
12.5-11.4-12.0-12.5-12.1-11.5-11.2-11.4

3戦3勝で重賞制覇。確かに能力は示していますが、ひとつ前の投稿通り、アルテミスSの1、2着とファンタジーSを制したフランケルの牝馬、この3頭が抜けているという認識に変化はなく。ヴゼットジョリーと変わらないイメージ、という表現を思いついてしっくりきているところです。

サングレーザーはかかり気味、というより力んだ追走が最後まで堪えてしまった様子。それでも勝ち切るようなら、という贅沢な希望もありますけどね。中盤で緩んだラップを考えれば善戦というべきでしょう。



さて、アメリカのブリーダーズカップにも簡単に触れておきます。

BCフィリーズ&メアターフ、ヌーヴォレコルトの挑戦は残念ながら12着に終わりました。
詳細は以下のページに譲ろうと思います。いい回顧ですね。
レース成績・回顧:2016年ブリーダーズカップ フィリー&メアターフ 海外競馬発売 JRA

ヌーヴォレコルトはどうやら自分の競馬をさせてもらえなかったよう。適性に近い競馬ばかりではないですから、結果はそれとして受け止めないといけないでしょうね。次走は香港ヴァースのようですが、アメリカ滞在のまま招待を待っているとのこと。陣営の柔軟さはすごいですね。

勝ったクイーンズトラストは初G1制覇がBCになりました。ヨークシャーオークス3着など惜敗が続いていましたが、いや続いていた分思い切った騎乗が可能だったかもしれません。デットーリとマイケル・スタウトのコンビはシングスピールまで遡っちゃうオールドファンでございます。いい表情の写真が先のページにアップされていますね。

そのヨークシャーオークスの勝ち馬セブンスヘヴンは4着と着順を上げ切れませんでした。2着レディイーライに直線で前にはいられたことで加速のタイミングにずれが生じてしまったでしょうか。愛オークスの勝ち馬ですし、小回りがいまいちだったかな。


BCクラシックはアロウゲートがカリフォルニアクロームとの一騎打ちを制しました。これは熱い内容。凄かったですね。待ちきれずに寝落ちしてしまったことを後悔するばかりですよホント。

百聞は一見にしかず。こちらはレース映像にてご確認いただければ。スタミナのないものは去るのみ、ですね。
2016 Breeders' Cup Classic - YouTube

アロウゲートはこれで世界レーティングトップに。次走はペガサスワールドカップ?日本で馬券は売らないのでしょうか。楽しみな3歳馬が現役を続行してくれるようです。


BCディスタフも載せておきましょう。無敗のソングバードとこれで引退となったビホルダーの競り合い。こちらも圧巻です。
2016 Longines Breeders' Cup Distaff - YouTube


…この調子で触れ始めると全部になってしまいますので止めておきましょう。いや、やっぱりお祭り開催が名実ともなっているのはうらやましい限りですね。



最後に。

日本もこれから有馬記念までノンストップでG1が続きます。香港にだいぶ持っていかれるかなと心配していましたが、ルージュバックとディーマジェスティが参戦するようですので、ジャパンカップのレベル感も保たれるかな。

まずはエリザベス女王杯ですね。何とも悩ましい枠の並びと思っていますが、休み明け出なければミッキークイーンで迷わなかったでしょう。いまのところはミッキー中心ですが、ギリギリまで馬場と展開のマッチングをイメージし続けることになりそうです。出方が読みにくいクイーンズリングとパールコードが予想の鍵になるかな。何とかうまく焦点を絞りたいですねー。

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2016.11.12


…ちょっと間があきました。絶賛不精しておりましたね。

「絶賛」も誤用っちゃ誤用、口語だとしっくりきてますがこうして書くと確かにちょっと違和感があります。えー、仕事やら家族の体調やらでなかなかまとまった時間が取れず、土曜の予想を諦めたら時間が空いたことに気づいてようやく書き始めるリズム。ひとつ職場の研修をごめんなさいした結果でもあるんですけどね。ちょっとの空き時間でダビマスやってるので気持ちの余裕ならあるんですけどw

スワンSからこちら、中央だけで6重賞ありましたので、ざざっと振り返っておきたいと思います。


スワンSはサトノアラジン。

カラダは緩めに見えたのですが、展開も向いたかな、豪快な差し切りになりました。仕上げの分評価を下げた唯一の人気馬でしたのでホームランバッターの三振のような豪快な空振り。相変わらずアルビアーノ推しというバイアスもしっかり働きましたねw

公式レースラップはこちら。
12.3-10.6-11.5-11.8-11.3-11.4-11.8

エイシンスパルタンは岩田の立ち回りで着順とあげたでしょうし、フィエロは序盤のポジショニングから有利な展開にはなりにくいままの敗戦とみえました。距離が伸びてダンスディレクター、ちょっと面白いように思っていますが、どうなるでしょう。

アルビアーノは積極的なシュタルケの運びでしたが、コーナーの出口に向けて加速するのはちょっと早いなと思っていました。長い脚で勝負するタイプではないですものね。どうやらマイルCSには向かわず放牧の様子。次走?ひょっとしたら潮時と考えているかもしれません。もう一回直接レース観たいんですけどね、叶うかなぁ。


アルテミスSはリスグラシュー。

切れ味すごかったですね。内に切れ込みながらフローレスマジックを振り切ろうとするあたりに、非凡な能力をみた思いがしています。くらいつくフローレスマジックも然り。1、2着とも頑張り屋さんでしょうね。

公式レースラップはこちら。
12.6-11.4-12.3-12.5-12.2-11.5-11.7-11.3

3コーナーにかけてポジションを押し上げた武豊の作戦が奏効した部分も大きいでしょう。翌日の東京もそうですが、内を選択しない人馬の多い馬場コンディションでしたので、どちらも2桁馬番であったことは外への展開をスムーズにしたでしょうし。ただ末脚はこの2頭が際立っていました。ミスエルテは後述することになりますが、阪神外回りならこの2頭にアドバンテージがあると考えています。…あまり特別な見解でもないでしょうか。

末脚の持続力、少しパワーの要る馬場、というファクターなら、フローレスマジックに分があるようにも思っています。全姉ラキシスの大阪杯をイメージすれば納得感はありますね。そして全兄との同日重賞制覇には至らず。惜しかったですね。職場のPOGで指名していますので、暮れには頑張ってほしいなぁ。


京王杯2歳Sはモンドキャンノ。

こちらはルメールの立ち回りが上手かったですね。レーヌミノルの抵抗も、最後は後ろから進められた分のアドバンテージが活きた格好。1、2着は残り400時点で仕掛けが待てている、というよりは馬なりでギアをあげられているので、だいぶ手応えに差があるように見えますね。

公式レースラップはこちら。
12.4-11.4-11.9-12.0-11.3-11.2-11.7

レーヌミノルは12.0のあたりではペースに納得していたようですが、序盤はいきたがる素振り。力みがでていた分、ラストに交わされてしまったようです。ダイワメジャーに緩急のあるラップは合わないイメージがありますが、12.0-11.3のペースアップを前受けしてゴールまで粘っていますので、能力はありますよね。1400に特化したら強くなるのかな。

モンドキャンノも今回の競馬がぴったり嵌った印象があり。ストライドが伸びるタイプですので、阪神外回りでも良なら問題ないかと思っていますが、あとは相手関係かな。


ファンタジーS、ミスエルテは印象的でした。

どうやら意図したものではなく、ゲートが開く直前に横を見てしまったとのこと。あの出遅れは普通なら致命的ですけどね。あそこから差し切ってしまうのは凄いの一言。フランケル、日本では初重賞ですね。

公式レースラップはこんな。
12.5-11.2-11.8-11.8-12.0-11.1-11.4

真ん中の3ハロンをみっちり溜めていますので、逃げ馬が上がり勝負をしている状況。33.6で差し切りました。皆で溜めていた分、着差がつかなかったとも言えますが、欲を言えばラスト100からの脚色かな、もう少しパワフルなところが見えるとよかったと思っていまして。京都のフラットな直線がスピードの持続を担保したように見えているんですよね。

これで阪神ジュベナイルフィリーズに向かうと思われますが、坂があって直線が長いコースレイアウトで、パフォーマンスが上がるタイプではないように思うんですよね。気性が差しを可能にした分自在なタイプに見えますが、お父さん似といいますか、暮れのG1で負けてフィリーズレビューを先行策で押し切るような、アストンマーチャンやベルカントに近いイメージをもっています。


アルゼンチン共和国杯はシュヴァルグラン。

直線抜け出す姿を見返しながら、福永のセーフティな乗り方、無理のない加速・制動がこの馬には合っているのかな、と思っているところです。なんか車の宣伝文句のような形容になっていますがw

公式レースラップです。
7.5-11.5-12.5-12.7-12.6-12.3-12.8-12.5-12.4-12.4-11.7-11.1-11.4

登坂の11.1が強く目立つラップですね。ここで振るい落とされる馬が大半だったでしょう。シュヴァルグランはコース取り、加速までのスムーズさでアドバンテージを得ていますが、序盤からあのポジションを確保できることは地力の証。先団のペースに付き合いながらの抜け出しですから、メンバーの中ではひとつ抜けていた、ということでよいかもしれません。

ヴォルシェーブは外枠と後方からの分、アルバートは久々と勝負を待った分、モンドインテロは最後に内側の馬場が少しだけ堪えたとみています。…シュヴァルグラン、思ったより枠順が奏効しているかも知れませんね。

このあとはジャパンカップとのこと。エイシンヒカリ、モーリス、サトノダイヤモンドはいませんが、それ以外の主だった古馬は参戦の模様ですので、天皇賞春よりはここが試金石になるものと思っています。


みやこSはアポロケンタッキー。

松若は少しズブいところがあると事前にアドバイスを受けて臨んだようです。4コーナーを待たない早め早めな所作はその表れでしょうね。かなり外をまわっていましたしね。1:50.1の速いタイムを考えると積極策、結果につながりました。

公式レースラップはこちら。
12.4-11.2-12.6-12.5-12.3-12.3-12.0-12.3-12.5

こうやって見るとペースが緩まなかったことがアスカノロマンの敗因でしょうか。いい位置にいたと思うんですけどね。南部杯に続いて本命にしていましたが、今回のほうがちょっと敗因が掴みにくいと思っています。父アグネスデジタルは安田記念で燃え尽きてしまったという理解があり、精神面じゃないとよいのですが。

直線外からグレンツェントが差し込んで2着。春先からもうひとつ馬格がよくなれば、と思いながら見ていましたが、直線のカラダの使い方はそれを補っている印象。使い減りしなければG1でも、とちょっと思い始めています。

一方、内々で堪えて割って出てきたロワジャルダンが僅差3着。こちらは京都巧者の認識ではありますが、展開に慌てなかった鞍上のファインプレーだったと思っています。こちらは昨年よりちょっと馬格が増したかな。

3、4コーナーの位置だけで言えばキョウエイギアにおおっと注目していました。バルザローナの判断、いままでの来日ではなかなかピンと来ていないのかなと思っていましたが、少し見直し中でございます。あの好位づけを狙って持っていかれてしまったのが青竜Sだったのかな。レース後の故障は残念。順調に使いながらのパンプアップが見たかったですね。

ラニはどうしましょうかw 後方追走から、かなり早いタイミングで内田の手綱がガシガシ動いていました。厩務員さんがツイートしていた通り「走らされるのは嫌い」なのでしょうね。芦毛でズブくてスタミナ満載で展開が向かないとさっぱりで鞍上内田…。なにやらデジャヴ感がございますね。チャンピオンズCで巻き返せる、感じがあまりないかな。やはりというかせめて府中2100で重賞を設けましょうw



…ふー。やっぱり一気に6重賞は長々としていますかね。実は午前中に書き始めたのにいろいろ中座してしまいすでに武蔵野Sも終わっているという…。重賞も重症って変換されましたしw

書いている時間より、映像を観ていろいろ気づいて調べてふーんってなって言葉を選んで削ぎ落として、が長いんですよね。そうこうしているうちに家のことが始まったり。どちらかというとその没頭する時間が取れないから書くまでに至れないのかもしれないですね。厄介だなぁ。

土曜の2重症とBCや香港の登録のあれこれは別に投稿しようと思います。そうですね、日本以外の情報にリーチしている分、トピックの数が増える一方なんですよね。全然困ってないですけど、困ったもんだw

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2016.11.06


海外を含むとだいぶ盛りだくさんな週のためか、書くことより観ることや情報収集に時間を使うことを優先しがちですね。アルテミスS、スワンSも書いておきたいことはあるのですが、いまのところ今週分とまとめて短く触れるに留めようかなと思っています。あー、BCディスタフはすばらしかったなー。詳細に書けるほど情報収集できてませんが、素直に凄かったことは触れておきたいですね。

天皇賞のインタビュー終了後にダッシュで空港に向かったライアン・ムーアが象徴的でしょう。観る側も乗る側もワールドワイドな視点が浸透しております。まさか職場の昼休みにメルボルンカップを観られる時代が来るとはねぇ。Twitterの中継映像でしたからちょっと小さかったですけど、解像度は十分。見たことがあるフォームと思ったら2着がモレイラでしたし。こちらは札幌→香港→メルボルンですものね。


はい、そのメルボルンから川崎へ。もろもろ切り替わっていなかったでしょうか、馬券的には3タテをくらってしまいました。

馬場が難しかった。前日の雨が残る重馬場、脚抜きがよい分前が残る、というよりは差し馬がバテてしまうパワーを要する馬場にも見えました。速いハロンラップを2つ続けることが難しい、という言い方で実態を表せているでしょうか。個人的に何ともつかめない馬場でしたね、という言い訳から。28,000人という入場者数は現場でも実感していまして、パドックから返し馬へいつもなら間に合うのになーという言い訳も加えておきましょうw


JBCレディースクラシックはホワイトフーガ。

公式レースラップはこちら。
13.0-10.8-12.2-13.4-12.1-13.3-13.2-13.3

こうして振り返ると、そりゃこのラップを勝ちきるのはホワイトフーガでしょう、という感想しか思いつきませんね。粘るレッツゴードンキをジリッジリッと交わしての力強いフィニッシュ。前走レディースプレリュードは最悪の条件が折り重なっての敗戦でしたから、スピードの持続にパワーを要する馬場であるだけでもうアドバンテージですよね。おまけにスパイラルカーブの4コーナーを意識してでしょう、早めに外へ展開して大回りしながらスピードを殺さない蛯名の判断もありました。なんで本命じゃなかったんでしょうねw

レッツゴードンキの積極策は馬場コンディションと相まって吉と出たようです。向こう正面の12.1はなかなか厳しいラップ、これも含めて最後まで粘りましたから、ダート路線へ活路を見いだしたといってよさそう。陣営の判断も岩田の判断も結果につながったのだと理解しています。桜花賞馬のダート挑戦、というとキョウエイマーチを思い出してしまいますね。

タマノブリュネット。向こう正面の12.1を巧みにやり過ごして捲りにいきましたが、直線で息があがってしまいました。この日の馬場で最もスポイルされるタイプだったようです。前走はホワイトフーガと対照的にすべての条件が奏効した結果でしょうから、狙い下げるのが定石なんですけどね。そのウラをあえて、みたいなよこしまなアレだったかもしれません。


JBCスプリントはダノンレジェンドの逃げ切り。

公式レースラップはこちら。
12.5-11.5-12.7-12.1-12.9-13.2-12.3

前走東京盃では同じく内枠だったコーリンベリーに蓋をされないよう、インを死守する逃げをうってスタミナ切れを起こしていました。それに比べればソルテを抑えて1コーナーに飛び込むのはまだ余裕がもてていたかもしれません。いったん離してしまえば後続は追いつくまで脚を使いますからね。デムーロの前々、早め早めな騎乗スタイルとも合っていた印象。パドックでは決してよく見えなかったんですけどね。力の差、でよいと思っています。

本命はソルテでした。1コーナーまでにダノンレジェンドとハナ争いをした分、溜飲は下がった格好ではあります。あの馬場で前半深追いした分、ラストは脚が上がってしまいました。向こう正面でも、間隔を空けながらもダノンを追いかける気持ちのはいり方。気持ちのはいった方が負ける様は、観る側からするとなかなか寂しさも覚えますけどね。

ベストウォーリアはこれ以上深追いできない追走からの2着とみました。1着を狙うにはダノンの逃げを封じるしかなかったでしょう。ジョッキーも上手く立ち回ったと思っています。この馬に◎をつけない判断だけは合っていたかな。

コーリンベリーは逃げられず、流れを追いかけながらの3着。今回は外枠が応えた結果でしょう。条件次第で巻き返してきそうですね。あー、レーザーバレットは馬場から差しが決まらないと評価を下げました。これも合っていたでしょう。クラシックもそうですが、ルメールは乗り馬の脚質と馬場がアンマッチだった印象です。


JBCクラシックはアウォーディー。

2周目の向こう正面で手応えの差を見ながらじわじわコパノリッキーを追い詰めていく武豊。この馬場なら長く脚を伸ばし続けられる方がアドバンテージは大きいですよね。本命を完全にミスチョイスしてしまいました。強かった。ほんとに川崎でアウォーディーだったとはw

公式レースラップです。
7.1-11.1-12.6-13.3-12.9-13.7-14.0-11.8-12.5-13.1-13.2

1番人気コパノリッキーが出負け気味のスタート。横からの映像ですが、ちょっとつまずき気味に見えました。内からサミットストーン、コパノのひとつ外枠からホッコータルマエがプッシュしての先行争い。田辺は手綱を動かして初速を確保しましたが、先行2騎を深追いしない戦略に切り替えました。そしてそのすぐ斜め後ろにアウォーディー。武豊にすれば考えうるパターンの中では比較的望ましい陣形、だったんじゃないかなと。コパノ潰し、とは表現が露骨に過ぎるでしょうかね。

コパノリッキーが勝つには逃げ、先頭でペースメイクできないと苦しいだろう、と読んでいました。最初のコーナーまでにサミットストーンを制して、ホッコーに深追いさせない形で先手を取り切る田辺のイメージ…はピンポイント過ぎたんでしょうね。

クリソライトがわっせわっせと2番手まで押し上げ、コパノは外から交わされる格好。そりゃ気持ちははいりやすいですよね。かといってそのクリソライトの後ろで折り合わせた場合、外からアウォーディーに被せられて進路が消えてしまいます。前に馬を置けず、スタンド前で抑えにかかっている田辺の姿はだいぶイメージと異なっていましたねぇ…。

アウォーディーの自在性は大きなアドバンテージになりました。結果的にじわじわとスピードに乗せていくシンプルな流れ。この展開にもっていけるのが武豊ですね。アウォーディー自身はダート負けなしでG1制覇、武豊はJBCクラシックなんと8勝目。場内のインタビューではMr.JBCクラシックと呼び出されて何ともいえない表情になっていたのが印象的でしたw

ホッコータルマエはだいぶ復調モードの2着。パドックでも調子のよさは伝わってきました。全盛期に比べると少しパンプアップに足りない印象ではありましたが、柔らかさは感じられましたので要警戒、と思っていました。これまでの乗り方から、幸は肉を切らせるような積極策をどこかで取ってくるとも思っていましたし。しかし、序盤に無理をした割にラストまでしっかり粘ったのはいい意味で想定外でした。そうですよね、ダートG1最多勝利馬ですからね。調子落ちがないなら次走も要注意と心得ておきたいと思います。

サウンドトゥルーはこの馬場でよく差してきての3着。序盤で先手を取るタイプではないと割り切って評価を下げたのですが、いやいや頑張っていました。馬場と展開が合えば、まだまだ怖い存在ですね。

クリソライトは鞍上藤井勘一朗がしっかり先行するポジションを求め切ったため、その分早々に脚がなくなってしまいました。コリアカップが展開に向いた(スタートしてから100mは真っ直ぐ走らなければいけないルールがあるそうで、それも後押ししたかと)部分があったでしょうし、もともと二の脚でじっくり前を伺うタイプですから、この結果も納得ではあります。いまさらな感想かもしれませんが、コーナー半径の大きい府中2100でどんな競馬をするか観てみたいですね。



最後に。

当日は悪友と現地観戦でした。あちこちでリニューアルされている場内に戸惑いながら、とりあえず食事を済ませてから入場したことは正解だったと混雑への分析をかましておりました。あの行列を見て、コロッケもスルーしたのは何とも残念ですけどね。

いや、多かったですね、ひと。パドックからの距離、本場馬へはいってくる位置からして、どうしてもゴール前にひとが集まってしまいやすい設計ですので、ごったがえしているゴール前を避けて、ターフビジョンの端、4コーナー寄りまで少しずらしての観戦となりました。

エンターテインメント全体にいえることなのか、ライヴ観戦にスポットが当たっているようで、競馬もその影響を受けているんでしょうかね。宣伝されているG1はしっかり入場者数が確保できている認識があります。ほっといても来る層ではなく、若年層やお一人様、ファミリー層あたりが新たに足を運んでくれているという感覚がありますが、実際どうでしょうね。

新しいファン層が関心をもってくれることは、競馬が長く続いていくためには必要ですからね。単年度会計とは異なる視点も折り込んで、引き続き(多少チャラくてもw)いろいろな層が一同に会する競馬場であってほしいなと思っています。もちろん客単価が高いであろう馬券オヤジ層も忘れちゃダメですよねw

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2016.11.01


モーリス、完勝でした。

直線に向いて、モーリスの視野がクリアであることを確認したときの高揚感たるや。ねー。仕掛けてから馬場の外目に進路をとってフルスピードにのせて、左手前をかえてからは内寄りに進路をとりました。まっすぐ走らなかったのは手前に対して無理のない加速をするため。蛇行、と表現するのはライアンに失礼でしょうね。前方はクリアですし、後方から差される懸念もなかったのでしょう。他馬の邪魔をするはずのない鞍下の実力を存分に開放する、自信に満ちたコース取り。まさに完勝でした。

そうそう、ライアン・ムーアのエスコート、ドバイターフのリアルスティールを思い出しました。馬群の外をなぞるように直線に向く、左回りのワンターン。あの時も直線を通して安心して見ていられましたね。

府中の直線半ばで手前を変えるグラスワンダーには何度もハラハラさせられてきましたが、こんなに安心して見ていられるとは。モーリス本命で馬券を取ったのは実は初めて。いろいろなファクターがすべて高揚感に昇華しておりました。よかったー。いやー、競馬っていいものですね。


公式レースラップです。
13.3-12.0-11.6-11.9-12.0-12.3-12.0-11.5-11.0-11.7

エイシンヒカリの逃げはスローでした。ロゴタイプもクラレントも先頭を脅かすような動きは見せず。にしてはスタートからプッシュする武豊の所作。完歩幅から遅いだろうなと思っていましたが、13.3-12.0はエイシン以外逃げる意思がなかったことを示していそうです。大外からラブリーデイが被せてきた分11.6が計時されたようですが、それでも前半はスロー。

G1でスローだとレースレベルに疑問符がついてしまうのは仕方ないでしょうか。個人的には、特に向こう正面の馬場が緩かったことがスローを招いた大きな要因と思っています。発表は良ですが、レース映像では内外を問わず、各馬だいぶ土を蹴り上げている様子が見て取れます。金曜にまとまった雨が降ってから、土日を通じて曇りで冷え込んだ天候。直線の外側以外は、乾かずに掘れる馬場コンディションであったことが窺えます。最内を避けるレースばかりでしたものね。

向こう正面で先行するために脚を使うことはスタミナの浪費でアドバンテージに繋がらない。各ジョッキーがそう考えたのだとしたら、スピードの乗らないエイシンヒカリのペースに各馬がお付き合いしたことも全うな勝負のうちと理解できます。ルメールの2番手への動きは大外とペースと馬場を加味して、積極的に「ウラ」を取る判断だったのでしょう。ポジションは対照的ですが、勝機を掴むための攻めの姿勢という意味では、アンビシャス横山の待機策と同じ意味だったと受け取っています。

それを踏まえても、エイシンヒカリの逃げは実力を発揮したものではなかったと思います。パドックで騎乗命令がかかったあと、武豊はエイシンヒカリに騎乗できないまま地下馬道に消えていきました。だいぶ暴れてましたねー。本場馬入場はお尻からでしたし。現場で確認できたのはここまでですから、どちらかというとまともに折り合えずにクシャクシャになる予感を強く持っていました。

返し馬で気持ちが抜けたというよりは、スピードに乗らない馬場に馬が加減をしたのかもしれません。気持ちがのらなかった理由は、馬場を嫌ったことにあるような気がしています。結果的にスローの溜め逃げになり、直線で急に加速できるタイプではありませんから、あっという間に馬群に飲み込まれてしまいました。

次につながるとか、レースとレースを線で捉える問題ではないようにも思います。次走香港であっさり巻き返す可能性はあるでしょうし。国際レーティング1位で、稀代のくせ馬。わるくないと受け取るほうが面白いでしょうかね。陣営からすればたまったものではないでしょうが。


一方のモーリスはゲートでうねうねしていた分、出遅れ気味のスタート。1コーナーまでに少し横のポジションを主張する形になりました。ライアン、ちょっとあせっていたかもしれませんね。僚馬サトノクラウンの進路を結構ラフにしめていましたから。

その後は終始外に馬をおかないポジショニング。スローの前半にしっかり折り合えたことは陣営の努力の賜物でしょうね。また掘れる馬場で速い追走をしなくて済んだこともプラスに働いたでしょう。

レース後のインタビューで、人気薄の馬の後ろにはいったことに注視しながら進めたことに触れていました。ヤマカツエースをちゃんと理解していたんですね。やっぱり予習は大事。事前のリサーチがしっかりしていることも勝因のひとつなのでしょう。

次走は香港カップかマイル。どうやらライアンが乗れるほう、という調整になるようです。乗れなくてもモレイラでしょうから、香港カップで観たいですけどね。選出のされ方次第ではエイシンヒカリ、モーリス、サトノダイヤモンドというビッグマッチが実現するのでしょうか。日本で実現しないんだw という感想ももってしまいますね。


リアルスティールは待機策から上がり最速での2着。パドック入りが遅かったのはちゃんと認識していましたが、装鞍所で相当暴れていたとは読み取れませんでした。あの落ち着きはひと暴れの後だったんですねw ただ、きれいにパンプアップした仕上がり。坂路1番時計を出しながら毎日王冠を回避して、という臨戦過程を加味して、自分はパドックで評価を上げていました。先行したらモーリスの目標だけどなー、という点を懸念していましたが、デムーロの判断か矢作先生の策か、あの待機策はお見事でした。

この後はジャパンカップという話も。向こう正面では前に馬を置かずにペースに合わせられていましたから、いまの心身のコンディションなら。面白そうですね。


ステファノスは末に徹しての3着。スローペースに泣いた格好ですが、さすがに川田、毎日王冠の二の轍は踏みませんでした。個人的にはスローでもハイペースでも、終いは確実に来るだろうとイメージしておりました。外差しの馬場でしたから余計に買いやすかったですね。パトロールビデオではモーリスとほぼ同じラインを通って直線に向きました。このあたりはモーリスと安田記念を制した鞍上。意識していたでしょうね、きっと。

アンビシャスは伸び上がり気味のスタートから、後方待機策。おそらく一瞬で待機策に切り替えたのでしょう。個人的にはロゴタイプの直後あたりを狙ってくるイメージももっていましたが、スタートの後手が最後まで響いた、といってよいと思っています。直線で内をついたのは直前にいたクラレントが外に展開したため、かな。見栄えはウオッカの天皇賞で内から蛇行してせまったカンパニーのそれでした。現場ではまさにそのイメージが重なってアガっていましたが、あの時よりはやむを得ないという割合が強いように振り返っています。


ルージュバックの仕上がりはよかったと思っています。が、ハイペースを追走するのも、スローで3ハロンをびっしり伸び続けることも、どちらにしてもこのメンバーでは苦しいだろう、と評価を下げました。

結果的にはデムーロに蓋をされてしまっての敗戦。こうした大一番で、馬のストロングポイントを引き出すために、ひとつ動いてポジションを確保する積極性は戸崎に求めにくいイメージがありまして。このあたりは福永と似たイメージかな。ロスを抑えて苦しい場面にお付き合いしない、という立ち回りに長けていると思っています。表裏一体なのでしょうね。牡馬相手の実績に偏っていますが、決して男勝りな馬格でも性格でもないと思っています。ファンですけどね、今回は冷静に見極めました。



取りとめのないやつを、最後に。

今年の天皇賞に特徴的だったのは、秋古馬3冠を目標にしている馬がいないこと。キタサンブラック、ゴールドアクターはスキップしていますし、マリアライトはエリザベス女王杯ですし。かつての中距離路線の王道という価値観は実質的に変化する時期に来ているのかもしれません。以前から問題だといえばそうなのですが、なんだかんだでチャンピオンクラスが目標にしていればそのローテーションの価値は続いていくとも思っていまして。

先ほどもちょっと触れましたが、この調子だと、最優秀短距離馬と最優秀古馬牡馬、最優秀3歳牡馬もあるいは、そして年度代表馬が香港の結果次第で決まることになるかもしれません。少なくともビッグアーサーとレッドファルクスが香港スプリントですからね。

それに加えて、その年の菊花賞馬と天皇賞馬が香港で雌雄を決したら。超おもしろいんですよ。でも一方で見直すべきものがあるのでは、という思いもちょっと強くなるなと。

後ろ向きな話じゃないと思うんですよね。日本の秋シーズンでおもしろい番組って何だろう、とステークホルダー皆で考えてみてもいいんじゃないかと感じているところです。

あー、相変わらず、G1をまとめてやるお祭り開催はほしいと思っています。単年度の収支より中期的なブランディング戦略という色合いが強い施策になるのでしょうけどね。海外からのお客様など招待しやすくなるんじゃないでしょうか。競馬に明るくなくてもお祭り開催だったら行こうと思ってくれそうですし。何より、モーリスのあの走りを諸外国の競馬ファンにお見せできるなら誇らしい限りですしね。

そういう意味では、今年の年度表彰がいろいろ難しくなってくれたほうが議論が進んでよいのかもしれませんね。

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