2016.12.31


2016年、最後の投稿になります。

先ほどまで桐花賞の映像をみていました。ナムラタイタンがマイペースで逃げ切り、連覇を果たしています。レースの支配の仕方はアメリカンファラオのBCクラシックのようでしたね。実力差のある相手に貫禄の走りを示すそれ。情報の乏しい時代なら、それこそトウケイニセイのような伝説になっていたのかもしれないですね。

ようやく大晦日にスケジュールがひと段落しまして、Gallop年鑑をパラパラとめくる時間を得ることができています。

…というのが昨年の書き出しだったのですが、今年も全く同じ。キタサンブラックが表紙のそれをパラパラとめくりながら、ああそうだ桐花賞だ、と映像を眺めたり。脳内で競馬のイメージがふわふわ動いているのはとてもいい時間ですね。

Gallop年鑑のG1回顧録もだいぶ当事者による文章が定着して来ました。昨年まではプレイヤーと評論はかっちり分かれている方がよいと思うことが多かったのですが、たとえばレースを回顧して意味づけしていく作業は、2000年代前半までのようなマスコミ先導ではなく、プレイヤーやファンも含んで進んでいくことが健全なのだろうと思うようになっています。そう感じるのはSNSがコモディティ化していることと相関しているのでしょうね。

武豊TV、サラブレモバイルの「西塚助手のなんでも聞き出しまっせ」、netkeibaの「祐言実行」や「with 佑」、こうした当事者発信のコンテンツも面白く拝見しています。こういった当事者のコメントがSNSを通って当事者に還流して、双方がもうひとつ認識を煮詰めていく作業となっているのでしょう。とっくに当たり前な構図ですかね。

行き着く先は。プレイヤーがセオリーに対して常に適切にカラダを動かせるか、失敗が少ないか、というゲームになるのでしょうか。どちらかというと、ベストな戦略を当事者が最中に選択し続けることが相当難しい、という前提に立っていないと、観る側がながく楽しんでいくことが難しくなっていくように思っています。

SNSで議論を煮詰めるスピードの速さが、一部のマニア以外にはつまらない方向に触れる可能性もあるように思っていまして。バジェットだけ大きくてイメージの縮小再生産しかできない語りだと、ねぇ。当事者がのびのびやれるように応援する文化の醸成なら、SNS普及以前と変わらず大事でしょう。自分もどんな語りがよいのか、考えながら書いていこうかなと思っているところです。


2016年の印象深いレース、はい、ジャパンカップを挙げたいと思います。

キタサンブラックの強さと武豊のエスコートが圧倒的だったのは間違いないのですが、なんといいますか、武豊が牽引してきた日本競馬のトレンドが集約したレースだったような気がしていまして。

スーパークリークやメジロマックイーンで末脚のスタミナの引き出し、サンデーサイレンス以降の加速力勝負とスローペース症候群(なつかしいですね)で数々のレースを支配して、日本のレースのどこでラップを上げ下げするかを体得してきた、そして一番結果を残してきたジョッキーですからね。

そしてポストサンデーの時代(柔らかさと加速力だけでは勝ちきれない、くらいの意味合いですね)、種牡馬ディープインパクトの時代といってもいいのかな、これに対抗するため、前受けしコースのアンジュレーションに合わせてラップをコントロールすることで鞍下の総合力を結果につなげる、戦略としての逃げ。

トウケイヘイロー、コパノリッキー、エイシンヒカリ、ケイティブレイブ。それぞれ馬の特性に合わせて気持ちよく走らせるという命題はありつつも、前々でレースを支配する戦略はもともと武豊がもっていた選択肢のひとつでしょう。キタサンブラックのような馬と組むことで、この戦略がより隙のないものに昇華した、と思っています。特にディープの、差しを封じる新たなチャンピオンの姿の提示。

ディープインパクトの3冠成った菊花賞で「日本近代競馬の結晶」という実況の言葉がありましたが、このジャパンカップこそ、この表現にふさわしいのではないか、と思い至っております。ジャパンカップの役割もこれでひと区切り、という気もしております。

くしくもそれは、いまのトレンドを牽引するディープの全兄ブラックタイドという因果。そんなことを考えながらの有馬記念でしたので、ここ数年ではよりストーリー性のある楽しみ方になりましたね。ディープインパクトが差し届きましたから、余計に、ですね。


そうですね、サトノダイヤモンドを追いかけた1年でしたので、最高の締めくくりになったのは間違いなく。迷うことなく、ダービーと有馬記念はすばらしいレースとして挙げられます。来年への期待感をもちながら有馬記念を振り返れるのは、ほんとうに有難いですねぇ。

あーでも、ドゥラメンテ不在、という視点もありますよね。凱旋門賞、ジャパンカップ、有馬記念。ドゥラメンテがいたらきっと有力馬の戦略は大きく変わっていたことでしょう。やっぱり惜しい引退でしたね。

天皇賞秋のモーリスも堪能しました。フィジカルの強さを素直に信頼するには、ライアン・ムーアの存在は頼もしかったですね。


まだまだありますねー。メジャーエンブレムのクイーンC、マカヒキの弥生賞は美しかった。何か、ルメールへの賛辞ばかり並んでいるような気がしていますが、ラップタイムを感じながらアクションを変えていく力は素晴らしいですね。リーディングを取ってほしかったなぁ。

これしかないというジョッキーの戦略が見えるとやはり見応えがありました。ネオリアリズムの札幌記念、アンビシャスの大阪杯、アデイインザライフの新潟記念、ロゴタイプの安田記念、このあたりは馬券を離れてw 離しておかないとつらいですからねw 見応えがありました。鞍上が勝負にいくタイプばかりですものね。好みがでているのかな。

海外のG1も印象深く。BCクラシックでのアロウゲートとカリフォルニアドリームのマッチレース、凱旋門賞のファウンドも力強かった。愛チャンピオンSのアルマンゾルにも、マカヒキ贔屓していましたから、その分震撼していましたね。

香港国際競走を日本のG1と同じように楽しむのは新鮮でした。スケジュールに再考の余地はありますが、今後も楽しみにしていけますね。サトノクラウンの初G1はよかったの一言。ジョアン・モレイラも魅せてくれました。


いやー、やばいw この調子だと終わらないですw
締めましょうか。

競馬の仕組みについて小難しく考えたり、強い馬の圧倒的なパフォーマンスに圧倒されたり。好き勝手に思いを巡らせることができていますから、充実した1年といってよいのでしょうね。比較的馬券が当たっていたことも充実のうちでしょうw

この書き込みについては、いろいろな媒体での分析の精度がすごいことになっていますので、そちらを引用しつつ、印象的なところを中心に書いていこうかな。冗長にせずに書き残していくことを意識していきます。年が明けて齢40になるのですが、相変わらずの熱量で面白がってまいりたいですね。


今年も本ブログのご愛顧、ありがとうございました。

引き続き、好き勝手な言葉を連ねていくことと思いますが、ひとつポジティブな視点が見つかるようでしたら幸いでございます。自分のスタンスも面白いほうに向いているよう、心がけてまいりたいと思います。そうなんですよね、割と意識して臨んでいかないとポジティブさって続いていかないですからね。

来年もいい競馬していきましょう。よい年をお迎えください。

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2016.12.31


アポロケンタッキーのパワーが勝りました。

強い逃げ馬不在。差し脚勝負になり、アウォーディーの抜け出すタイミングの難しさと合わせて、サウンドトゥルーのスタミナ差しに重きを置いた予想にまとめていました。ただ、チャンピオンズカップのパフォーマンス、外枠の難しさがありながらラストの脚色はよかったと見直していまして、大井の2000で前半スローなら序盤の位置取りの不利は少ないだろうと見立てていました。1、2番人気を抑えての本命視は難しかったのですが、アポロ頭の馬券は少し買っておこうと。これがうまくいった訳ですが、直線、アウォーディーを振り切る様はびっくりでした。

公式レースラップはこちら。
12.8-12.3-12.8-13.7-13.2-12.5-12.2-12.4-11.6-12.3

皆アウォーディーのソラを引き出そうとしたためでしょう、スタートから差しを決めるためのポジションとタイミングをけん制し合う展開。このためスローになったと思っています。ターフビジョンの少し手前に陣取っていましたが、スタートしてから目の前を通過する流れで「あぁスローだな」とわかるゆったり感。コパノリッキー戸崎は仕方なしの逃げだったでしょう。サウンドトゥルーが前々にポジショニングできるくらいのスロー、という方が伝わりやすいでしょうか。

そして、重馬場というより時計のかかる馬場。当日の条件戦でも、速いラップがひとつはいると直後ははっきり減速する、スピードの持続にパワーを要する馬場と見ていました。コパノリッキーとはなかなか馬券の相性が合わないままなのですが、内枠から下げることはないであろうこと、目標にされること、そしてこの不向きな馬場、このマイナス要因の重なりから評価を下げる判断にしました。

残り1000を切ってからの持続力勝負。3コーナーに向けて加速していくコパノリッキー、アウォーディーを早め早めに追いかけ始めたのは、大井のリーディングジョッキーだった経験に裏打ちされた感覚なのでしょう。返し馬で馬場が合うと判断したことも後押ししたはず。そうですね、テン乗りでしたがプラスに受け取っていました。

戻ってきました、というセリフがこのタイミングででるとは思いませんでしたが、やはり期するところはあったのでしょう。東京大賞典はこれで4度目の制覇。お見事でございました。

ミツバに逃げ切られたブラジルカップからこちら、買い時をちょっと迷うようになっていましたが、しっかり買えてよかった。金蹄SやブリリアントSでお世話になっていたイメージからはひとつパワーアップしている印象。次走は選ばれればドバイとのことですので、メイダンであのパワーがどう通用するか、楽しみにしたいと思っています。


アウォーディーは何とも言いがたい2着。4コーナーの手応えではやられたと思っていましたが、そこからの伸びがいまいち。ラップを見ると決しておかしな溜めでも仕掛けでもないんですけどね。パドックで見た限りは抜けてよく見えましたし、やはりパワーで勝負するにはケンタッキーに一日の長があったのでしょう。

この後はドバイワールドカップに直行とのこと。秋のG1を3連戦、1、2、2着で走り切りましたからね。しっかり充電していいパフォーマンスを見せてほしいと思っています。鞍上は、…乗り替わりかなw


サウンドトゥルーは3着。大外枠はよしあしと思っていました。馬群に外から被せながらスムーズに立ち回れたようですし、一方でどうしても4コーナーは外々を回らざるを得ないポジショニングは少なくなく不利に働いたと思っています。

ラスト1ハロンはもっと伸びるイメージだったのですが、このあたりは軽い馬場がよいとの鞍上のコメントに依るべきでしょうか。チャンピオンズカップはすべてをうまく嵌めての結果。今回は少しだけ向かない展開になったと受け取っています。

蛇足ー。この1、2、3着、府中2100の重賞でしのぎを削ったらもっとエキサイティングになる気がしています。やっぱりあのコースで重賞はほしいですね。はい、いつものないものねだりですw



最後に。

当日は悪友と現地観戦でした。いきがけの車中で展開のキーは内田さんの判断かな、などと話していたのですが、概ね展開予想は当たっていたようです。気まぐれを起こしたなりに馬券は的中しましたので、L-WINGをあがってケンタッキーフライドチキンへw 的中祝いにチキンにかぶりついておりました。いい年こいて何を遊んでいるのやらw

レース後はご飯をしながら2016年の競馬を振り返る雑談。ひとつレースを選ぶならとお題を立てたところ、あちらは天皇賞秋、こちらはジャパンカップ。どちらもいまのチャンピオンがチャンピオンのパフォーマンスを存分に披露した一戦。クラシックと古馬中長距離は重しの効いた内容と勝ち馬になったかねー、などと話しておりました。

2人とも年度代表馬はモーリスで一致したのですが、実際はどうなるでしょうね。このあたりはどんな価値基準で臨むかによると思っています。海外競馬の馬券発売も開始していますし、秋古馬3冠の在り方について無問題というのはさすがに鈍感でしょうからね。少なくとも国内G1の勝利数で決まったように見える結果は避けてほしいかなと。

あー、もうひとつ話していました。今日のレースこそホッコータルマエが出ていてほしかった件。引退レースでどのくらいパフォーマンスできたか、見てみたかったですね。


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2016.12.29


サトノダイヤモンドが締めくくってくれました。

坂を上がってからの1完歩1完歩、ジョッキーではないこちらも息を詰めて見守ってしまいました。最後の最後でクビ差交わしたところがゴール。府中の馬場内につながる地下道の入り口付近で両手を挙げて「よし!!」と絶叫していたのは自分です。いい大人がすいません。

その年のダービー本命馬を有馬記念まで本命にし続けられたこと、それが爆発したようです。馬が事故なく順調にステップアップしてくれたわけですし、気持ちも評価ものった馬券も的中しましたからね。心地良い締めくくり。幸せだなぁ。いい年越しができますね。


公式レースラップです。
6.8-11.3-12.0-11.9-12.1-13.4-12.8-12.9-11.8-11.7-12.1-11.7-12.1

上がりのかかる良馬場。3日間通しての傾向でした。有馬直前のホープフルSは先行勢が着順を落とし(サングレーザーが辛うじて掲示板)、最後方から馬群を捌いたレイデオロが勝利。その上がりも35.7ですので、軽い切れ味より持続するパワーを求める馬場という理解を得ていました。

それから考えると、11秒台前半がないだけでレース後半はとんでもない持続力勝負になりました。残り1000を切ってから、マルターズアポジー、キタサンブラック、サトノノブレスそれぞれがそれぞれの動きに呼応するようにピッチを上げていて、この連鎖が1秒以上の上昇ラップを生んだようです。インキープと追撃を兼ねて手綱を動かしたゴールドアクター含め、ここからグッとキツくなりましたね。

見栄えのするところではもう少し手前、2周目の1、2コーナーでしょうか。ルメールは1コーナーの入り大胆に進出。2コーナーまでにキタサンの直後までポジションを求めに行きました。例年ここは溜めが作られるところ。個人的には、マルターズアポジー、キタサンブラックと前の隊列がすんなり決まっていれば、例年通りレースラップに溜めができ、対抗する形でルメールはここでひとつ動くだろうと予想していました。

いやいや、それにしては大胆に動きましたねー。昨日の阪神カップ、イスラボニータよろしく、攻撃的かつ戦略的な仕掛け。直後まで行ったのはキタサンに息を入れさせない思惑もあったでしょう。ターフビジョンを見ていた武豊はサトノ接近時に軽く一瞥。少し力んだ一気に縮まった差をどう思っていたでしょうね。

4コーナーにかけてキタサンブラックが加速。切れよりスタミナ、そしてリードを求めたと思われる武豊の動きに吉田隼人とルメールが呼応する流れ。空いた直後にアドマイヤデウスとミッキークイーンが入り込めるくらい3頭の動きは抜けていました。

池江師は直線、キタサンブラックと馬体を併せないように指示していたようです。結果的にゴールドアクターがいた分、その意図を汲んだ展開になりました。残り200まで強い動作を見せなかったルメール。ラストのひと伸びはデビューから手綱を取り続けた鞍上が引き出したと言っていいのでしょう。

末脚のスタミナの底、実はこれだけが不安材料だったのですが、賭けるべきはポイントはここと決めてサトノダイヤモンド本命にいたしました。よかった。強かった。

どうやら来年は春シーズンを国内で、秋は凱旋門賞というプランのようです。いやー、楽しみですね。馬体の完成ももう少し先だと思われますし、このまま無事に歩を進めてほしいと思っています。



サトノノブレスと「戦略」に触れておかないとですね。レース直後はシュミノーのアシストが奏功したと思っていました。確かに武豊のコメント通り、3コーナー手前で来られてしまったのは息が入りにくいタイミングだったかもしれません。しきりにシュミノーがルメールを見遣っていますので「フランス語の会話」もあったのでしょう。

ただ、どうもしっくり来ないんですよね。あのタイミングでサトノダイヤモンドも煽るような進出をしてキタサンブラックを突つきに行くのが作戦かと言われると。共倒れのリスク満載じゃないですか。。。

サラブレ編集部のツイートで、池江師がレース中に「何をしてくれとんのや」と声を出したエピソードを紹介しています。2月号に掲載されるそうですのでそこで答え合わせはできるのですが、いまいまの見解を。シュミノー、スタートの出負けで当初のプランが狂っていたのではないでしょうか。

スタートからのプッシュはもっと前で運んでいるイメージとのギャップを示しているように見えます。おそらくは序盤をルメールの前方ないしひとつ外で立ち回り、1、2コーナーでダイヤモンドがやったポジションアップによる牽制を担うはずだったのではないかと。

結果的に行き脚付かずの後方から。これを受けてルメールは、それなりのタイミングでノブレスのアシストを切り捨てて自ら追撃する判断に切り替えた、と考えるとしっくりくるんですよね。キタサンブラックを自ら牽制するところまではルメールの機転と裁量だったように思っています。

このルメールを追いかけていき、サトノダイヤモンドの外にポジショニングして、さらに早めにキタサンを突ついたのは、当初のプランをなんとか遂行しようとしたシュミノーの生真面目さ?が招いた立ち回りなのかなと。

例えば、平場のレースで出負けしているのにスタミナ残量度外視で先頭に立つまで猛プッシュしている若手がいるじゃないですか。指示をしっかり守ろうとするあまり、という無謀さ。そこまで酷くはないですが、キタサンブラックに楽をさせないという目的が事前に共有されていたなら、あの無謀な進出はまだ納得できるんですよね。

ただ、向こう正面のノブレスの立ち回りは、ひとつ後ろに控えていたマリアライトやミッキークイーン、シュヴァルグラン、その内にいたアドマイヤデウスらの捲りの可能性に蓋をしていたようにも見えています。

前のキタサンのペースを牽制しつつ、後ろの捲りを抑えてサトノダイヤモンドのペースを守る。その意図があったならシュミノーすごいの一言なんですけどね。さすがに推測が過ぎるかな。

3、4コーナーでバテ始めながら内1頭分を開けてダイヤモンドのコースを作ったあたりはさすがですし。あれがなかったらマリアライトやシュヴァルグランにもっと楽に捲れらて、ダイヤモンドが外から被せられて自分のリズムで仕掛けられなかったかもしれません。

というわけで、サトノ軍団の連携プレーと言われるとそんなにキレイなものでもなく、柏木さんがnetkeibaで回顧しているほど何もなかったわけではない、というのがいまいまの見解です。…考え過ぎかなw



強い強い2着はキタサンブラック。

上手いスタートからマルターズアポジーを前にやって、という想定通りの流れでしたが、やはり少し噛んだ形コーナーまで流した格好。後続との距離は取れましたし、明らかなロスとは言いにくい程度だったでしょうか。ただ、息を入れたいところでサトノダイヤモンドに来られ、サトノノブレスに来られ、ゴールドアクターにマークされ、レース後半は息が入らない展開を強いられました。

あれだけ目標にされ続けて、なおゴールまでゴールドアクター以下を寄せ付けないのは力の証。こちらも素晴らしかったですね。負けたレースですが今季1番のパフォーマンスだったかもしれません。という回顧を実は宝塚記念でもしているんですよね。シーズンを通してパフォーマンスを上げ続けた、という言い方でもよいように思っています。

かなり妄想気味ですが。レースラップには表れていませんが、サトノダイヤモンドに突かれた際のペースアップの方がキツかったようにも。だと仮定して、ダイヤモンドの牽制よりノブレスの牽制について武豊が「余計でした」とコメントしているのは、組織プレイ的な動きに対する牽制のように聞こえています。

有力2騎の勝負に水を差された。グランプリだし、正々堂々と決着をつけたい。こうした美意識があのノブレスへの「余計」コメントに表れているような気がしています。…考え過ぎかなw

ブラックタイド vs ディープインパクト。武豊 vs クリストフ・ルメール。そして菊花賞馬 vs 菊花賞馬。この構図は本当に上がったなー。予想が面白かったですねー。こうやって自分自身を煽っていたところもありますね。

敗戦ではあったものの、悲観する材料は乏しいでしょう。来秋は凱旋門賞という声も聞こえてきました。大阪杯はどうするの?という気の早さもございますが、まずはしっかり休んでほしいと思っています。


3着はゴールドアクター。

今年もよくよく準備された戦略で臨んでいたように見えています。包まれないようにかつキタサンブラックをマークできる、前目のインをキープするポジショニング。キタサンとびったり馬体を併せず、少しだけ下げた位置で追走を続けたあたりも、残り1000のペースアップに間髪入れずついていったあたりも納得しています。

ストライドのキタサンブラックにピッチ寄りのゴールドアクターが勝るためには、勝負どころで一気に抜き去るような切れを披露すること。果たして、4コーナーでの進出、直線に向いてキタサンに並びかけたタイミングは勝負をかけたが故。素晴らしい仕掛けだったと思っています。

一部では吉田隼人の騎乗っぷりを批判する向きもあるようですが、非を責めるのはちょっと違うかなと。粘ったジャパンカップ馬と差し届いた菊花賞馬、この2頭の力がぬけていたというべきでしょう。


その他の人馬でいうと、スタートから前目で勝負していたミッキークイーン、勝負どころの少し前から早めに仕掛けていったシュヴァルグラン。浜中と福永、それぞれの勝負の仕方はしっかりつたわってきました。さすがですね。それぞれ次走はどうなるでしょう。期待しています。



当日には思いつかなかったのですが、日夏さんのツイートで「ドゥラメンテ不在」という切り口に気がつく次第。今年、この有馬記念にでていたらどうなっていたでしょうね。その意味ではジャパンカップでキタサンブラックを捉えることが出来たかも、謎のままになってしまいました。

いないものは仕方ない、という見解は極めて妥当なのですが、そのタラレバもまた面白さの一端と思っています。あー、厩舎が厩舎ですから、有馬記念でなくサトノクラウンの香港ヴァーズが違うことになっていたかもしれません。

タラレバ?でいうなら、年度代表馬。レース前はモーリスかキタサンブラックの2択と思っていましたが、有馬記念を見るとサトノダイヤモンドに票が集まっても不思議はないでしょう。どれくらい票が割れるでしょうね。



最後に。

当日は府中で観戦しておりました。臨場感には欠けてしまいますが、やはり馬券の検討にはよいロケーションですね。中山は導線がシンプルでない分ひとの動きが滞留しやすい印象があって、どうしても優先順が下がってしまうんですよね。

でもファンファーレに合わせた手拍子なら思う存分、ですから。中山の動員は前年比でだいぶ減ってしまったようですが、府中はなかなかの歓声でしたよ。

さて、残すは大井、東京大賞典。毎年これで年納めをしていますのでね。どうやら晴れそうですので、あとはいつも難解な馬場読みに挑もうと思っています。

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2016.12.24


サトノアレスの追い込みが決まりました。

終始、外々を回ってそのまま追い込むシンプルな戦略。四位の掴まっていただけという発言は、もちろん謙遜でしょうが、ペースやポジションにいろいろ苦心することはなかったということなのでしょう。

阪神1600はディープインパクト。馬場が重くなっても関係なかったでしょうか。母父デインヒルかな。逆らわずにシンプルに打ち返すような予想でよかったように思っています。いやー、あの馬場と枠順、そしてあの緩急でダンビュライト重視はいけなかったなー。

公式レースラップです。
12.8-11.2-11.6-12.7-12.3-11.5-11.2-12.1

ボンセルヴィーソの逃げ。前走のパフォーマンスと他に同型が見当たらないことから注意はしていました。鞍上松山、これまでだったらあまり評価を上げられなかったのですが、ミッキーアイルの経験がプラスに働く可能性を考えて相手に含める判断。悪くなかったようですね。

結構な緩急のあるペース。この波に巻き込まれたのはダンビュライトでしょう。ルメールは外に出す機会を得られず、馬場の悪いラインをずっと走り続ける格好になったようです。2、3ハロン目に厳しいラップを踏んだ後、ラップが落ちたところで溜められず、ラップが上がるところでついていけませんでした。これまでの2戦は道中が一定のペースでしたから、ここ一番で弱いところがでたかもしれません。

よく考えたら、小脚を使って上手に流れに乗るルーラーシップ、…ないですねぇw 1~4着まで相手ですべてもっている盛大なタテ目になってしまいました。カラダができてきたら胆力も伴ってくるかな。春への巻き返しを期待したいと思います。

モンドキャンノはバルザローナが上手くリードしての2着。折り合いの繊細さを確かめた結果遅れをとった追い切り。見栄えはしなかったでしょうが、あれで鞍上は繊細な運びが必要になることが確かめられた様子。馬場の悪化もキンシャサノキセキには向いたでしょうか。陣営がコメントしていた通り、将来はスプリンターでしょうね。ムキムキな筋肉を纏う姿が楽しみです。が、3歳春までの使い方はどうなるかな。この一戦の運び方は次にもつながると見ていますが、難儀するかもしれませんね。

ミスエルテは中団待機から伸び切れずの4着。この一戦に賭けるなら強気の先行策もあったのでしょうが、少なくとも春まではこの折り合い重視の距離延長対策が続くものと思われます。ファンタジーSで見立てた1400ベストという見解は、このレースの前後で変わらず。それも平均的に速いラップのほうが合うように思っています。クラシックまでは、そういったタイプのG1がないですからね。3歳春にスプリントG1をつくったら、モンドキャンノとワンツーとかあり得るかもしれません。

あと、思った以上に荒れ馬場がマイナスになるタイプかもしれませんね。パワーが付ききっていないため、という解釈もあるでしょうが、京都の走り方と合わせると軽めの馬場がよいような印象です。ますますどこを使うか悩ましいですね。Pulpitの肌にFrankel、「欧」「米」のトップ血統のかけ合わせ。これがディープインパクト×デインヒル(「日」「豪」でよいでしょうか)に差し負けるという、なにやら象徴的な結果だったようにも。ホームアンドアウェイ、と言ってもいいかもしれませんね。

穴でトリリオネアを狙っていましたが、地味に粘った格好での6着。馬場に切れを削がれた、でよいように思っています。ただマイナス10kgがなければ、もう少しやれた?かもしれません。東京での走りはよかったので、次走でどれだけ巻き返して来れるか。楽しみに待ちたいと思っています。



最後に。

ふー、書きました。ようやく有馬記念に追いつきました。

抽選会での武豊のドヤ顔も、対照的な蛯名のピンク帽も、靄でモヤモヤな栗東の追い切り映像も、Numberや優駿の特集も、ひととおりチェックしております。職場の競馬人なみなさまとの忘年会では、1番枠から順番に期待度や展開を話していきまして、7、8枠が雑な言葉で終わるというぐだぐだっぷり。途中で締めのおそばができあがってきまして。まぁこれがおいしいんですよねw

いまのところ、最内枠の立ち回りにひとつ難を感じているところ、なのですが、まだまだ決めませんよー。ゆっくりイメージを煮詰めていくのが楽しいですからね。堪能したいと思います。

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2016.12.21


快挙が続きましたねー。

香港ヴァーズと香港カップ。直前の調整で併せていたステイブルメイトがどちらもタイトルを手にいたしました。今から考えると豪華な併せ馬でしたねー。馬券発売が後押ししているのか、JRAも充実したコンテンツを用意してきてくれました。その様子はこちらで確認できます。
JRA × JRAレーシングビュアー 香港国際競走特集2016

当日は割とJBIS-Searchのコラム速報に頼っていましたが、追い切りや関係者インタビューなど映像満載でありがたい限り。来年からは併用かしら。あとの課題はは事前にじっくり視聴する時間の確保だけでしょう。忙しさは罪ですね、レース前に観ておきたかったですw


香港ヴァーズはサトノクラウン。

レース直後からステイゴールドとの符合をわいわいやってくれるTLは頼もしい限りでございましたね。自分もフラッシュバックしながら二重の興奮を味わっていました。競馬を見続けてよかったと思える瞬間ですね。

前半絡まれたハイランドリールが強気に突き放す直線。対照的に3、4コーナーで下がってきた馬を前に置いてしまいポジションを下げたサトノクラウン。絵的には万事休しているのですけどね。改めて観ると、モレイラの慌てない姿勢でかえって溜めをつくったように見えております。

4つのG1を通してインが有利なコンディションのようでしたから、ムーアの強気も納得するところ。これを差し切ったモレイラとマージュ産駒のポテンシャルの高さを素直に讃えるのがよいのでしょう。

香港ジョッキークラブのウェブサイトは充実していますね。マルチアングルで映像も観れますし。以下は公式結果と各馬の2ハロンごとのラップタイムを「Sectional Time」として公開しているページ。超素敵です。
THE LONGINES HONG KONG VASE Results - The Hong Kong Jockey Club
THE LONGINES HONG KONG VASE Sectional Time & Position - The Hong Kong Jockey Club

サトノクラウンのラップはこちら。ほぼ加速しっぱなしの後傾ラップです。
25.93-24.60-24.71-23.83-23.70-23.45

対するハイランドリールはこちら。800からの強気は数字にも表れています。
25.29-24.48-24.55-24.35-23.42-24.21

…やっぱりラップは100mごとに欲しいですねw 絡まれて振り切ったあたりがもう少し密に伝わるとなお良しです。が、各馬のラップタイムがあるだけでもとても面白く。

映像と合わせるとハイランドリールは相当じんわり先頭に立っていったことが伺えます。向こう正面前半で絡まれなければ理想的な溜め逃げになったのでしょうね。ただ、この逃げを捕らえに行けたのはサトノクラウンだけですから。大したものです。

これで種牡馬入りは確定でしょう。望田潤さんがことあるごとに絶叫していますが、日本のトレンド(バイアス?)にカウンターしやすいであろう血統ですから、今後の戦歴も含めて是非順調にいってほしいですね。

そしてジョアン・モレイラとライアン・ムーアの一騎打ち。昨年は香港マイルで観られたそれですね。今回はモレイラの冷静なリズムが印象的でした。興奮が過ぎてしまったなら馬の伸縮とずれたアクションになりそうなところ。勝負する気持ちを最後まで制御しきったであろう冷静なパフォーマンスだったと見ています。いやー震えた。


香港カップはモーリスの圧勝。

強かったですねー。いやー、ただただ、強かったですねー。

出遅れて後方待機した時点でかなり諦めモードにはいり、エイシンヒカリが後続につつかれてペースアップした時点で期待値が上がり始めるジェットコースター感。はい、本命でございました。天皇賞の時とはずいぶん心地が違いましたね。

直線エイシンヒカリをパスする際の身のよじり方は爬虫類のようでした。以前からパドックで見る度にヤモリのようなうねうねとした四肢の連動だなーと思っていましたが、レース中トップスピードでそれを披露できるとは。あくまで個人的な心象ですが、これがモーリスの大きな特徴だと思っています。

公式結果とSectional Time はこちら。
THE LONGINES HONG KONG CUP Results - The Hong Kong Jockey Club
Sectional Time & Position - Results - Horse Racing - The Hong Kong Jockey Club

モーリスのものすごい加速ラップはこちら。ラストまで加速し続けたのはモーリスだけ。そりゃ勝ちますね。
27.63-24.07-23.60-22.86-22.79

継続騎乗だったことも大きかったように思っています。テンの2ハロンが27.63って。テン乗り初騎乗であのスタートだったならもっと強くプッシュして前目のポジションを望みたくなるような緩ラップでしょう。ライアンはじんわりとしたアクションでインに寄せながらの後方待機。引き合いに出すのは酷かな、ベリーが安田記念で苦心していたのとは対照的な冷静さだったと思っています。戦略と胆力の兼備は稀少ですね。

比較としてエイシンヒカリのラップも。
26.79-23.31-23.24-23.46-25.38

昨年勝った時のラップはこちら。
26.17-23.47-23.75-23.59-23.62

惨敗してしまった原因、やはり単騎逃げに持ち込むまでに時間がかかってしまったことが大きかったのでしょう。ラップの緩急も激しくなってしまいましたし、息を入れたいレース中盤のラップが最速ですからね。

道中エイシンヒカリが引っ張ったことは待機策に徹したライアンには追い風になりました。おそらくはエイシンヒカリがオーバーペースになる可能性を含んで後方のポジションを許容していたのでしょうね。

これでどちらも引退となりました。エイシンヒカリはフランスからのオファーもあるようで、ファン目線でいえばじゃんじゃん行ってこい!なのですが、実際どうなるでしょう。つい先ほどマーティンボロがフランスで種牡馬入りという報道を目にしましたので、是非続いてほしいですね。世界に広げようディープインパクトの輪。…若年層には伝わりにくいネタでございますね。

モーリスはもう楽しみ。いわゆる1/8サンデー、サンデーサイレンスのクロスからの名馬はこんな血統からでるのかな、などと血統弱者のイメージは広がっております。望田潤botの受け売りですが、ノーザンダンサーの誕生からその3×3のフサイチコンコルドがダービーを獲るまで35年、サンデーサイレンスに当てはめると2021年という。そこまで同じ熱量で競馬を観られたらステキかな。あ、厄介でもあるかw でもモーリス産駒、楽しみです。



そして阪神、こちらはソウルスターリングの快勝でした。

ポイントはスタートしてからソウルスターリングがレーヌミノルのひとつ内を主張したこと、だと思っています。

結果、ショーウェイの内を取ることでインベタのまま直線に向くことができました。一方のレーヌミノルは4コーナーでショーウェイ、ゴールドケープの外まで持ち出してようやく進路を確保。実力差もありましたが、進路取りも着差に反映されたとおもっています。

公式レースラップはこちら。
12.4-11.0-11.3-12.0-12.1-11.5-11.5-12.2

1番人気のインベタは外を回った有力馬には厳しかったですね。前日のチャレンジカップは全く差せるようで差せない湿って掘れる馬場。マイネルハニーの粘り込みが効いていました。あのままならレーヌミノルでよいかなと思ってしまったのは早計でございました。

それからすると2着リスグラシューの追い込みは相当なもの。馬場と枠で評価を下げたのですが、そういう問題ではなさそうですね。春までにはもうひとつパワーアップするでしょうし、こちらは楽しみになりました。

勝ったソウルスターリングはロスなくソツなく。もちろん強かったのですが、外枠を引いたらどうなっていたか、気になっているところです。メジャーエンブレムを上回るタイムは力の証明だと思いつつ、展開や枠順で変わっていたようにも。

さらにパワーアップして春を迎えるようならいいですねー。ルメールからすればリベンジになるでしょうか。ミスエルテやフローレスマジックも無事に駒を進めてくれるようだと桜花賞が楽しみになります。春が楽しみ、というは大事ですね。


当日のスケジュールについてちょっとだけ。

やっぱり忙しいかったw 特に阪神ジュベナイルフィリーズと香港スプリントはバッチリ重なっていまして。フジの中継は香港を遅らせた形で放送していましたが、府中のターフビジョンはソウルスターリングのウィニングラン中にエアロヴェロシティががっつり差し切るという。

3分割のターフビジョンは左から香港、阪神、阪神という視線の送り方の難しさ。現実的な調整がはいることを望みたいと思います。馬券が買えるのでなおさら、バタバタせずにちゃんとワクワクして待ちたいですのでね。



最後に。

いやー、ついに投稿が2週空いてしまいました。個人的に気にし過ぎなのかもしれませんが、何か気持ちが区切れないまま次のG1を迎えている感覚があるんですよね。もうNumberも優駿も買っていてすっかり有馬記念ウィークモードなのですが。朝日杯、書く時間を見つけたいと思います。

あー職場の忘年会かーw 時間とれるかしら。有馬記念が終わっていないのに忘年もないですよね、という気の利いた言葉は飲み込みつつ、朝日杯は連休初日あたりにじっくり取り組めるとよいかと思っています。

そうか、職場の競馬人とも忘年会でした。こちらは燃えますよーw

個人的には香港カップが終わった瞬間にモーリスが年度代表馬でよいでしょう、という結論に達しているのですが、このあたりも賑々と話せるといいかな。いつものお店、締めの蕎麦がいいんですよね。

今年もラスト1週。時間のメリハリつけて堪能したいと思っています。

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2016.12.11


サウンドトゥルー、ハイペースをタフに差し切りました。

改めてレース映像を観ると、芝とダートの違いこそあれ、1、2着の位置関係はキズナのダービーのようですね。艱難辛苦を乗り越えて(?)ようやく先頭に立つアウォーディーに直線に向くまで内ラチをキープし続けたサウンドトゥルーが襲いかかる。それぞれ、エピファネイアとキズナに置き換えてもう一度映像を。お楽しみいただけると思いますよ。

考えてみれば同じ左回りのツーターン、アンジュレーションもまぁまぁ相似、コーナーの半径が小さい分減速幅が大きくなりやすいあたりが異なる点でしょうか。緩急のキツさは今年のほうが上なのですが、おおよそラップの傾向は昨年と変わりないと読み取っています。


公式レースラップはこちら。
12.7-10.7-12.9-12.5-11.8-11.8-12.4-12.3-13.0

昨年のサンビスタはこちら。
12.5-10.7-12.3-12.5-12.2-12.3-12.5-12.5-12.9

モンドクラッセ、アスカノロマン、コパノリッキーが追いかけたラップはかなり緩急のあるもの。誤算といいますか、昨年と大きく異なる点はブライトラインが途中からハナを伺ったことでしょう。これで相当きつい競馬になりました。少なくともコパノリッキーはこれに巻き込まれた時点でアウトでしたね。

田辺は逃げの指示を受けていたようです。ただ1コーナーに向けて行き脚がついたあたりでルメールに外から蓋をされてしまいました。そこから先、どのくらい詳細に指示が出ていたかは不明ですが、向こう正面で内の馬から少し離して外から先頭を窺いました。

結構な無理のある押し上げでしたね。自身の馬が行き過ぎないために隣から少し離す、という意図もあったように思いますし、同馬主のアウォーディーのアシスト、ペースを落ち着かせすぎない&砂を被らないようにコースを開ける配慮でもあったのかなと。田辺はいろいろバランスしてあのきついラップに踏み込んでいったように思っています。最下位という結果も厭わない思い切りのよさ。これがロゴタイプの安田記念しかり、G1の肝心なところで活きるのでしょう。

なにか武豊と田辺のペースメイク、ペース判断がここのところのG1のキーポイントになっていますね。個人的には、というエクスキューズはいらないかな、これにルメールを加えて、予想の段では注視するジョッキーになっていますね。積極的にレースを作りに行きますし、無理せず流れにのってもきますからね。彼らがどうレースを組み立ててくるか、それを読むのも楽しみのうちと思っています。


サウンドトゥルー大野は昨年の反省もあったのか、腹を括ったきれいなポジショニング。イレギュラーがなければ直線に向くまでインで後方待機、と決めていたでしょう。この田辺の動きが読めていれば、ハイペースの差し馬として重みを増して予想できたんですけどね。

東京大賞典の差し切りと川崎記念以降の差し届かずは一貫していると思っています。前のペースに左右されてしまうあたりが1番人気を背負いきれない理由でしょうが、これはもうキャラクターですものね。東京大賞典はうまくいったんだけどなぁ。当てたかった。


アウォーディーが本命でしたが、砂を被った際のリアクションはまるで初ダートのよう。いかに武豊が上手くエスコートしてきたかが伺えます。連勝していますから、おそらく調教でも思い切ったエクササイズ(砂を被る練習)は避けてきたのかな、などと邪推しているところ。

武豊のコメント通り、1コーナー、向こう正面、そしてゴール前で抜け出すソラと都合3回、G1の1番人気にそぐわない集中を欠いた場面が現れてしまいました。…むしろよくこの内容で僅差の2着まで来れたな。砂かぶりのリスクは折り込んでの本命視でしたが、いややっぱり危険な予想だったかもしれませんね。


アスカノロマンは粘っての3着。今年前半の勝ち方からで、このチャンピオンズカップで楽しみと思っていたのですが、近走の負け方が何とも気になってしまいまして。当日の馬体も好印象、スタミナを引き出すのに和田への乗り替わりはプラスなどと思ってもいたのですが、どうしてもそこまで粘り切れないのでは、というイメージが払拭できず。こういうときは薄くでも押さえておくべきですね、というのが今回の一番の反省点です。

そういえばアグネスデジタルも惨敗から巻き返していたよな、というのはレースが終わってから気がつくんですよね。精進いたします、はい。


かかってしまったゴールドドリーム、外枠と距離が合わなかったモーニン。次走以降での巻き返しは注意したいかな。どちらも距離を短くしたほうがプラスと思いますので。

ノンコノユメは去勢後ちょっと馬体に張りがなくなったような気がしています。去勢に期待する効果は気性を和らげることに加え、筋肉の質をパンプアップから少し柔らかい方向に変えること。サウンドトゥルーはそれに上手く成功したでしょうか、パワーを落とさずに以前よりストライドに伸びやかさが増したように見えています(トモの振り幅ですね)。

一方のノンコノユメは強く踏み出す筋力が一段階減ってしまったように見えていまして。このあたり事前の判断は難しいのかもしれませんが、今後の調整でどう変わってくるのか。馬場コンディションもどうやらテン乗りも合わなかったようですし、もう少し注意して見守りたいと思っています。



最後に。

もうすぐ阪神ジュベナイルフィリーズと香港国際競走が始まるというのに。ようやく先週の回顧記事が書けました。いまいまは府中の競馬博物館、ガラス張りの向こうに人工池?のある背もたれゆったりなソファでこれを書いています。さすがに水は流れていないですね。ガラス越しに外気の冷たさが伝わってくるくらいですので。

これから阪神の馬場と有力馬のおさらいをしつつ、サラブレモバイルの「海外競馬情報」で香港4レースの傾向を合わせておさらいしようと思っています。忙しいなw いつものサラブレのテイストなのですが、時間のないなかで要点を捉えるのにはすごくよくまとまっていてとても助かりました。

レースの期待感やおそらくこの辺をポイントに予想する、みたいな記事が久しく書けていないなー、などと思いつつ、パークウインズを堪能してまいります。いちおう。阪神は人気の内枠2頭、フランケルよりダイワメジャー?などとイメージをもっていますよ。


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2016.12.04


キタサンブラック、磐石の逃げ切りでした。

予想のキーはワンアンドオンリーの出来でした。パドックを大きく柔らかく周回する姿は、近走になく見栄えのするものでした。この出来なら田辺が前々を窺えるはず。その場合の1コーナーの入り、そして先行争いのイメージがこれでまとまってきました。

同じくよく見えたキタサンブラックはスタートから前目で他馬の出方を見ながらの先行策、リアルスティールは外々を回りすぎないよう先行策で内目のラインを狙う。このあたりは特に奇をてらった読みではないでしょう。

武豊、田辺、ライアン・ムーア。このジョッキーのいずれかが1、2番手を抑えるなら、道中のペースが破綻する可能性は低いでしょう。

枠順と力の差でキタサンブラックが先手を取った場合、田辺とムーアが番手に控えるわけですから、それは後続のペースに蓋をする役割を果たすはず。その前を走る武豊がペースをコントロールするキタサン有利な展開が作られていくのでは、と読んでいました。もちろん確証はないですし、ワンアンドオンリーが強い逃げを求める可能性もゼロではないですからね。

…いやー、1コーナーに向けてその3者が雁行しようとする様はかなりアガりました。ほぼ読み通りということもそうですが、全員勝負にいったと受け取っていましたので。

ジャパンカップで1番人気の逃げ切りを見ることができる、という願望込みのキタサンブラック本命でした。満足度は最上位にあたりますね。概ねの読みが当たりつつ、人馬のパフォーマンスは想像を超えてくるという。素晴らしかった。


公式レースラップです。
13.3-11.3-12.6-12.3-12.2-12.5-12.7-12.3-11.9-11.2-11.4-12.1

2ハロン目の11.3。武豊のけん制が強く効いたとも、田辺がギリギリまでキタサンをけん制したとも言えるラップ。そこから12.6まで急に減速しますので、ムーアより後ろはじたばたしない方が賢明、という状況にあったと思っています。

天皇賞春でみせたスピードの持続と差し返す粘り。宝塚記念では荒れ馬場のなかの粘りこみ、ついてきた先行馬を返り討ちにしています。京都大賞典では一転して機動力と切れを披露。その都度の着順より、これらのパフォーマンスの累積が他の陣営には重くのしかかっていたことでしょう。これまでと同様の展開と結果が繰り返される予感があっても抗しきれない強さ。宝塚記念の2番手はほかならぬワンアンドオンリー、天皇賞の3着はシュヴァルグランですからね。

道中楽にいっているのに他馬は何故追いかけないんだという声があるならあまりに粗雑。「楽に逃げられた」のではなく「誰も追いかけられなかった」のほうが実態に沿った表現ではないでしょうか。

相撲できれいに例えられるかアレですが、貴乃花や白鵬が四つに取って土俵際までグワッと寄ったときに、力が抜けて体が起きてしまう力士がいるように思っていまして。この体勢になったら抗し切れない、敵わない、ムリムリ、という心境があるものと察しているのですが、この相手に諦めを起こさせる一連の態度というのは競馬でもまた同じではないかとの考えに至っております。

対戦前から半ば諦める、という態度の醸成。この相手に諦めを強いる競馬を「馬に力があったので」くらいのコメントでやれてしまうのが、200勝していた頃の武豊が常に怖かった所以ではないかと思っています。…条件が整えば健在、ということなのでしょうね。


3、4コーナー中間から武豊は手綱を多少上下させていました。12.3-11.9-11.2という加速ラップを踏まえると、直線坂下に向けてギアを上げていったことが分かります。ひとつ早いペースアップ。もう後続はこれを追いかけるしかありませんね。直線入口付近、早仕掛け「させられた」後続各馬の手綱がガシガシ動いている中、武豊の手綱は必要最小限の所作。道中のエスコートが上手くいったことが圧倒的なコントラストを作り出していました。

そうそう、武豊は「残り300までは最後の力をださないようにしよう」とのコメントを残していますが、ラップを見る限り、トップスピードにのせるのを待っていたのではなく、もうひと踏ん張りさせるための合図をしっかり待ったという意味なのでしょう。ここからラスト1ハロンを1秒以上失速しないこともまたキタサンブラックの強さですね。

機動力も加速力もスピードもスタミナもラップ構成も。高いレベルで実績を積んできた出走馬をさらに上回るパフォーマンスならこれ、という勝利の形。敵わないと思わせることもまた強さのうちでしょうね。チャンピオンの競馬、横綱競馬、まさに「これが日本の競馬だ~よ~♪」ですねw 場内で「まつり」を聞きながら、なにやら日本の競馬だからこその展開と勝ち方、象徴的だなぁなどとと思っておりました。そしてその勝者には、やはり第一人者こそふさわしいですね。

次走、有馬記念はキタサンブラック対サトノダイヤモンド。言い切ってしまえるくらい、2頭が抜けているように思い始めています。もちろん実際の予想の段になったらいろいろ変わっているかもしれませんが、このチャンピオンを中心に語れる競馬は素晴らしいですね。週中、福島記念を逃げ切ったマルターズアポジーが有馬出走を表明しましたので、展開予想に面白いファクターが加わったと思っています。久々の重賞制覇を果たした武士沢の戦略かぁ。

そしてレース後に思ったこと。ブラックタイド本命で惨敗した2004年の皐月賞、その借りをようやく返せたなぁと。12年越しのリベンジ。いまの自分だったらあのブラックタイドは無印にしただろうなぁ、などとモカチョコサンデーのアーモンドを食べながら謎のセンチメンタル感満載になっておりました。まぁ、予想の段階ではそんなロマンな態度は皆無でしたけどね。


2着サウンズオブアースは中団の外を待機して長くいい脚を使いました。昨年の有馬や日経賞に比べて惜しい2着ではありませんでしたが、よいパフォーマンスではあったと思います。G1では3度目、重賞通算では7度目の2着。なにやらステイゴールドなかほりを嗅ぎ付ける向きもあるようですが、常に馬に集中力があることが決定的な違いでしょうか。東京優駿と2度の天皇賞春を除くと大きく崩れない堅実派。戦歴の印象はよく似ていますが、キャラは真逆のような気がしております。


3着シュヴァルグランはサウンズオブアースの直後を追走。加速に遅れた分、ゴール前にようやく上位まで押し上げるような形になりました。前々で運べていたら、という意見も目にしていますが、前にいける馬ならそう選択しているでしょう。

昨年の札幌500万下、京都新聞杯8着後の仕切りなおしの一戦。内々で運んだモレイラ騎乗のアルバートが4コーナーで巧みにコースをつくって着差を広げた後、ようやく折り合いに専念したシュヴァルグランが脚を伸ばしてきています。当時の体つきやフォームはヴィルシーナなそれ。あの時期に気持ちのまま走らせたら、弱々しい先行馬のまま頭打ちになっていたような。ハーツクライの成長曲線に逆らわないように戦歴を重ねていったことがあの馬格を作り出したように思っています。新馬から比べれば20kg弱増えていますからね。

ハーツよろしく先行策を身につけるならこれから?でしょうか。少なくともいまのキタサンブラックとデュエルで勝てるようなスタートは仕込んできていませんからね。せめて先のアルバートのように(ステイヤーズS連覇しましたね)もうひとつ機動力が身につけば。有馬に向けては主戦福永がどうなるかも懸念事項でしょう。奥さまのブログでは「早期に」復帰できるとのコメントがありましたが、鎖骨骨折ですからね。大事に至らなかったのはよかったと思いつつ、乗り替わりになってしまった場合の評価は難しくなりそうです。


4着はゴールドアクター。少し離れていましたが、キタサンの後ろで立ち回る野心的なポジショニング。吉田隼人の思いの強さはしっかり表れていたでしょう。道中の追走は終始、首に力みを感じるフォームでしたから、あれ以上前を意識した場合、折り合いを壊してしまっていたかもしれません。

太めが敗因という陣営のコメントがありました。オールカマー以来という間隔は納得させるようにも思いますが、パドックの見立てではG1を勝ち切る排気量には少し欠けるというもの。さらに天皇賞春と同様のハイテンション。おそらくはいまのゴールドアクターなりに仕上がっていて、それがテンションの高さにつながっていたのではないかな、と想像しているところです。

有馬記念、キタサンが大外でゴールドアクターが2枠あたりだったら。ジャパンカップで生じたアドバンテージの関係性は入れ替わることになるのか。個人的には力の差は広がっているような気がしていますが、その答え合わせをすることになるのでしょう。


5着はリアルスティール。ライアン、出していきましたね。より外差し馬場なら控える判断にしたのでしょうが、内から3頭ほど空ければ内外変わらない馬場。9Rのトーセンベニザクラの逃げ切りが象徴的だと見ていました。これだと外々を回るのはただ距離ロスでしかないですからね。ドバイターフの手応えも背中を押したであろう先行策となりました。

3、4コーナー中間でラストインパクト川田が早めの進出。交わされてしまうリスクに対応しながら徐々にスピードアップせざるを得ない流れ。それを見て、真後ろにいたイラプトの鞍上ブドーが直線を待たずに点火。おそらく流れに乗せようしたであろうアクションでしょうが、この真後ろの動きにも煽られていた部分はありそうです。ただ、残り600を切ってからの仕掛けは能動的なもの。周囲の動きにのまれず、逆らわず、利用するようなタイミングだったと思っています。でも、早かったんでしょうね。

共同通信杯が鮮烈だったこと(皐月賞まではドゥラメンテより評価がありましたよね)、ドバイターフの勝利がありますのであまり語られていませんが、G1では3回、重賞通算では5回の2着がある馬。シルバーコレクターな一面があるといってよい戦歴です。個人的には相対的に少し決め手に見劣ってきたタイプという見立て、ジョッキーの立ち回りで着順を取っているイメージがあり。リアステファンには怒られるかな。G1で負けた相手はドゥラメンテ、キタサンブラック、モーリスですからね。

このあとは有馬を回避してドバイターフ連覇が目標になるとのこと。得意な舞台で勝負するのは妥当な戦略、連覇成ってほしいですね。


ディーマジェスティは13着惨敗。パドックでもよくは映らず。一枚厚めの馬体、歩幅は小さめ、時々小脚をつかってどこか不安げな表情にも見えました。調教ではそこそこ動いていましたが、それでこの仕上がりとは、と首を傾げておりました。

とはいえ、着順ほどパフォーマンスは落ちていないとも思っています。上がり35.0はゴールドアクター、リアルスティールよりコンマ1秒上回るもの。後方のポジショニングが着順を大きく押し下げた要因と見ています。ちょうど金鯱賞のヴォルシェーブが同様のスポイルに嵌ってしまっていましたね。上がりは勝ったヤマカツエースとコンマ1秒しか違いませんので。

平松さんの近著「栄光のジョッキー列伝」で二ノ宮師が取り上げられています。レースを点ではなく線で捉える、ひとつのレースの結果で一喜一憂しないことがエピソードを通して紹介されていました。今回の出来と敗戦も先を見据えた線で捉えているのか、取材を通してきっちり引き出せるひとがいるといいのですけどね。有馬回避の判断も既報ですので、まずはしっかり休んで、春先には強い姿が戻ってくることを待ちたいと思います。



最後に。

ふぅ。ずいぶん投稿が長くなってしまいました。週中に書き始めてみたものの、日本ウマ科学会に顔を出したり、ちゃんと奥さん孝行したり、あらおやまぁな業務の数々に反応したり、などなど忙しくしているとなかなかイメージを言葉にする時間が確保できず。ただでさえ書き記しておきたいことがいろいろ脳裏に浮かんでいましたので、ついにチャンピオンズカップ当日までペコペコとキーボードを叩いてしまっている次第です。

ジャパンカップの立ち位置についての記事やコメントも散見された週でした。多くは国際競走としての在り方の見直し、という切り口でしたが、おそらく前提となる態度がいくつかに分かれるように考えていまして。このまま施行し続けることに疑問をもつ方が増えている、というのは共通点と見て間違いなさそうですけどね。実際、天皇賞秋からジャパンカップに向かったのはリアルスティールとルージュバックのみ。関係者間でもローテーションとして連続性があると見ていない状況はあるようです。

引き合いに出すのが適当かなと思いついただけですが。96年のサクラローレル、ジャパンカップをスキップしたときには結構叩かれていたはずなんですよね。秋華賞から参戦したファビラスラフインは大善戦の2着、反対に大きく評価をあげていました。香港国際競走は1994年からですから、議論になっているいわゆる競合の問題もまだ存在しなかった頃ですね。

「秋古馬三冠」の賞味期限、みたいな観点でぐるぐる考え事しているところです。年末に時間取れたら、ですかね。まとめたいと思っています。

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