2017.05.30


レイデオロが捲りで大一番を制しました。

いやー、ダービーの向こう正面で捲りが見られるとは。当日の馬場とパドックを見ながら、可能性は低いと見積もりつつ、マイスタイルのスロー逃げとアドミラブルの捲りがあるかも、などと考えてはいました。前日まではヴィクトワールピサのドバイワールドカップはないだろうとか言ってましたけどね。それも含めてアドミラブル本命にしたのですが、まさかルメールが捲るとは。2コーナーを曲がりきった瞬間のアクション。迷いのなさはG1連勝の勢いだけでは語れませんね。すごかったー。

公式レースラップはこちら。遅いですねぇ。
13.0-11.2-12.9-12.8-13.3-12.5-12.1-12.6-12.7-11.5-10.9-11.4

マイスタイル横山が11.2-12.9でペースに蓋をする逃げ。結果4着に残すわけですからこの牽制の効いた勝負の仕方は納得。これを許してしまうメンバー構成だったということですね。トラスト丹内には先頭を切る意思表示がありませんでしたし、クリンチャーは想像以上にダッシュがつきませんでしたし。そうですね、アルアイン松山がきっちり出していったことでトラストより後ろには見事な牽制になっていたでしょう。1コーナーまでの動きは本人の言葉通り見事だったと思います。

13.3-12.5のペースアップはレイデオロが2番手に来たためでしょう。これ以上捲られない=先頭をを確保するためのペースアップ。キタサンブラックのジャパンカップを想起させる、捲らせない程度のペースアップと見えています。おそらくですが、横山はここまでの流れを予め想定していたのでしょう(スタートを決めて先頭→急にラップを落としてスローを演出→捲ってくる有力馬があればペースを上げて対応、まで)。一方の丹内はレイデオロが来た瞬間横を向いて確認していました。こちらはその想定がなかったように見えています。2番手が遅すぎたとは武豊のコメントですが、具体的なペースうんぬんよりこの想定なり準備のなさを感じ取っての発言だったかもしれません。

mahmoudさんが具体的な数字をツイートしていましたが、レイデオロは直線までほぼ12秒半ばのラップを保っていたようです。走りのリズムをキープしていたと言ったほうがよさそうですね。捲ったのは結果論であって、力をこめてペースを上げたわけではなかったようです。

2コーナーの縦の並びはペルシアンナイト、レイデオロ、アドミラブル。レイデオロの捲りに呼応して戸崎が動きました。一瞬だけ逡巡したように見えましたが、かかり気味のテンションを考えれば納得。それでも追随したのは勝負にいったことの証左でしょう。テン乗りでなければレースの前半からもっと選択肢があったでしょうね。

この2頭の動きに捲りを躊躇したのがデムーロでした。すごい個人的な見解ですが、捲っていれば、このダービーは獲れていたかもしれません。いやーでも、ことのよしあしも含めて結果論ですね。…アドミラブルについては後述しますのでいったん置きましょう。

3、4コーナーでグッと溜めができたのはレイデオロの蓋でもあり、この段階で踏み始めるのは力がなければ、という側面もあり。この地点で素晴らしいアクションを見せたのは四位ですね。4コーナーを待たずにラチ沿いを捨てて、遠心力でアルアインを外に追いやり、レイデオロをロックオンしました。この展開のなかで一番シンプルにレースを進めたのはスワーヴリチャードだったでしょう。ジェンティルドンナの有馬記念がイメージ重なっております。あの時はトーセンラーの牽制で内ラチから1頭分離れてましたけどね。

あー、書きながら気づきましたが、ジェンティルドンナのジャパンカップはスローの上がり勝負でしたね。4コーナーから加速している点は古馬とのフィジカル差でしょうが、ラップ構成はまぁまぁ似ているようです。勝ったジェンティルが33.8、後方一気したデニムアンドルビーは33.2、というのはレイデオロとアドミラブルのコントラストに近いでしょうか。レースラップは以下の通りでした。
12.8-11.4-12.8-12.8-12.6-12.8-12.8-12.4-11.6-11.1-11.1-11.9

直線の追い出しもあわてず徐々に。ルメールは最後まで戦略的でした。ダービー初制覇なのですが、感動の涙的な瞬間はなかったような。昨年サトノダイヤモンドでともに惜敗した分、レース直後はうれしかったですね。獲るべきひとがしっかり獲った、という言葉がふさわしいと思っています。馬券が伴っていれば最高でしたけどね。


藤沢厩舎もダービー初制覇。何とも感慨深いですねー。シンボリクリスエスはダービー本命でしたし、レディブロンドもスプリンターズS本命でしたし、ラドラーダは東京1600でお世話になっているはずですし(おそらくユートピアSは本命でしたね)。厩舎ゆかりの血統で結果を出したことは素晴らしいのひと言。ブラッドスポーツならではの語り口ですものね。

ダービー馬にふさわしい競走生活を、というコメント。この変則的なレース展開でしたから、真価が問われるのは今後のパフォーマンスだと思っています。天皇賞か菊花賞かあるいは。厩舎ならではの選択がいまから楽しみです。ええ、バブルガムフェローの天皇賞は単勝で獲っておりますよ。


本命だったアドミラブルについて。上がり33.3で猛追しましたが3着まで。過去3戦の疲れは敗因ではないでしょう。あくまで外枠が堪えたことと、向こう正面で動ききれなかったこと。この2点が敗因と受け止めています。テンションの高さを理由にしなかったのは何かあるのかな。パドックからゲート前の輪乗りまで、だいぶ首をブンブンしていました。昂ぶりを仕舞いきれないという様子に見えていましたね。

テンションの高さからして、レイデオロとペルシアンナイトを向こう正面で追いかけていたら。3、4コーナーの12.6-12.7を落ち着いて追走できたかちょっと未知数なところがあると思っています。捲らなかったことでレースでの折り合いを壊すリスクを負わなかったことは、結果論ですが、先につながるのではないかと。いったん引くことで33.3の切れを引き出したともいえますしね。

レイデオロより先に捲れていれば立場は入れ替わったかもしれません。でもそこが大外枠を引いたことに帰結するわけですよね。どうしても1コーナーまでに他馬より余計にプッシュしなければいけませんから。やっぱり8枠のダービーは厳しかったかなと。

負けてなお強し。フィジカルについては一番高いパフォーマンスだったと思っています。ぜひとも脚元含めて無事で。秋、期待しています。



レース回顧をしながら気づいたこと。レース中に柔軟にハンドルが効くこと、細かくブレーキとアクセルが踏めること。反応が速く、スタートに不安がないこと。総じてざっくりいうなら、不器用さがないこと。古くて新しいといえばいいでしょうか、No.1を決めるレースほど問われる強みなのでしょう。もちろんフィジカル面、スピードとスタミナが高いことは大前提ですね。

クリンチャーが先行できなかったのは俊敏な加速に足りなく、マイスタイルは末脚の持続力に足りないところがあったでしょう(だからこそのスローでしょうし)。

一方サトノアーサー、カデナでいえばスタートからポジションを取りにいけず、細かくアクセルを踏むと持ち味が活きないタイプでしょうが、特にサトノアーサーはコーナーごとにひとつ後ろひとつ外に追いやられていくような展開。1コーナーはマカヒキのようだったんですけどね。川田も半分覚悟していたでしょうか。

フィジカルの高さに加えて、こうした要素が加味されて初めて、「強い」といえるのかもしれません。馬を仕上げる側は大変ですねw 負けた馬はこのどこかに足りない部分があったと考えると腑に落ちる場面が多いと感じています。あー、それをジョッキーが活かせないケースもままあるでしょうけどね。馬を動かすフィジカルも、先を読む戦略も、タイミングを逃さない反応力も。ジョッキーもまたよりアスリートな要素が求められてきていますね。

今回、スローの凡戦という向きもあるようですが、こうした人馬の機動力も加味した強さが問われたダービーなのだと理解をしているところです。もちろんペースの締まったG1を勝ち切ることも強さの証。だからこそ、そのいずれもで結果を残したキタサンブラックは、やはり現役最強という評価でよいのだと思っています。アドミラブルにはそこまで辿り着いてほしいなと期待しつつ、ですね。



最後に。

すでにあちこちで既出ですが。2004年のダービーはキングカメハメハ‐ハーツクライのワンツーでした。今年はその仔同士でのワンツー。ペースも展開も全然違いますし、偶然の符合なのでしょうが、こうした偶然は長くファンを楽しめるスパイスであるなぁと思っているところです。歴史が繰り返した、的な、ね。

「ダービー馬はダービー馬から」。競馬を始めた当時は輸入種牡馬全盛の時期でしたからね。いまでは父仔制覇は珍しくありませんので。…こんな語り方は古くさいのひと言で一蹴されるところかな。諸々のトレンドをアップデートしつつも、でも、こうした感慨はどこかで留めておきたく。せっかく20年も見届け続けているわけですしね。求められたときにはその推移を熱く語れるように。

…暑苦しくないほうがよいかもですねw


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2017.05.28


土曜は職場の皆さまと府中に繰り出しておりました。

とはいえ自分は豪快に寝てしまっていてメインにギリギリ間に合ったんですけどね。エイシンバッケンからの馬連を少々と、東京スプリントで応援できなかったキタサンサジンのがんばれ馬券を購入、なんとかプラスにはできました。

最終のコパノアラジンはスタンドが沸きましたねー。前日までの雨を含んだままのダートを、藤田菜七子がしっかり主張して逃げ切りました。エイシンバッケンが格別に切れるだけで、基本は前々でした。

一方、芝のレースは行きがけの京王線でチェック。8枠ばかり勝っていました。ポイントは稍重の状況で午前中のレースを迎えたこと。どうやら乾き切らずにレースが進んだ模様です。

これは主観的なものになりますが、スタンドでの観戦中に風が吹くと、湿気のこもった空気が草のにおいをはらんでまとわりついてくる感覚がありまして。最終前でその感じでしたから、乾いてなかったんでしょうね。Racing Viewer の映像ではコースの場所を問わず、内側が掘れる画を確認しています。

とはいえ、日曜の日中に陽射しがでればパパッと乾いていく可能性もあり。引き続き馬場コンディションの動向は悩ましく向かい合うことになりますね。

レース後は府中駅近辺に移動、ダービー展望をしつつ前夜祭になりました。楽しいものですねぇ、途中から予想の根拠とかグダグダになりましたけどw 当てたーい、外したくなーい、という発言だらけの一団を見かけた方、大変申し訳ありませんw


木曜の枠順発表からこちら、ジャングルポケット以降勝利のない大外枠を克服できるのか、というテーマが脳内をずっと駆け巡っております。最終的には馬場コンディションに左右されるわけですが、枠順見たらそりゃあ考えちゃうじゃないですか。

グレースアドマイヤ、フサイチコンコルド、シンボリクリスエス。母系のキーになる馬の話は青葉賞の時に書き散らしておりますので、そちらをご覧いただければ。
more than a DECADE 青葉賞

はい、3連勝の内容の濃さからアドミラブルを買いたい自分と、近々のダービーの定石がばっちり葛藤を生んでおります。おそらく1番人気ながら4倍台という異例はその表れなのでしょう。あー、青葉賞馬のダービー制覇がないことの方が影響しているでしょうか。喘鳴症を克服して3連勝でダービーに間に合った時点でもはや「異例」ですからね。これまでのセオリーで端的に結論付けずにばっちり悩むことのほうがこのダービーを堪能するポイントのようにも思っています。


トラスト、マイスタイル、クリンチャー、このあたりが前々を狙いそうですが、ベストアプローチやアメリカズカップもスタート次第でポジションを取りにいくかもしれません。逃げなければいけないタイプはいないように見受けられますが、いずれがハナにいっても早めにペースを上げて粘りこみを狙うことになるのかなと思っています。力が足りなければ4コーナーでグッと馬群が凝縮するでしょうね。

皐月賞4着したことでクリンチャーが穴人気になっているようですが、どうでしょう。上位に食い込むとしたらディープブリランテの際のトーセンホマレボシのイメージが近いように感じますが、ちょっとタイプが違うような。トーセンは京都新聞杯を2番手から押し切ってレコード勝ちですからね。

アドミラブル、普通にスタートを出た場合は中団までプッシュしていくイメージでおります。鞍上ミルコもヴィクトワールピサのドバイのようにはしないでしょう。7枠14番だったドゥラメンテのポジショニングなら、という願望をもっているところ。直線に向いたときの位置がドゥラメンテとほぼ同じなら行けるんじゃないかと。…いやぁやっぱり願望かなw

アドミラブルを除くなら、アルアインかサトノアーサーかな。アルアインは明らかに超回復で馬体がパンプアップしていますね。鞍上のキャリアから人気が上がっていないのかな、侮れないと思いますよ、皐月賞馬。一方のサトノアーサーは切れ味だけなら1番だと思います、が、毎日杯の道中の折り合いがどうも気になっていまして。最後方でなお口を割っていましたからね。上がり最速を計時しながらどこまで詰められるか、というイメージのほうが強いです。

ペルシアンナイトの可能性も考えてはいます。皐月賞も相当変則的なレースの進め方をしていましたし、シンザン記念の馬場をノーカウントにすればソウルスターリングに負けただけで皐月賞まで来ましたからね。ただ、ダービーのキーワード「継続騎乗」はけっこう重たいデータと思っていまして。

スワーヴリチャードとレイデオロは、どうもアタマに推し辛いんですよね。スワーヴは皐月賞の1コーナーまで結構プッシュしていた割に先行のポジションを確保できず。強みを活かすには結構思い切った乗り方が必要になるイメージがあります。枠は最高なのですけどね。

一方のレイデオロはフォームが何とも。ストライドが伸びず、かといって他馬を凌駕するピッチでもない印象があり。ルメールのコメント通り、仕上がりも東京替わりも距離延長もよいとは思うのですが、このメンバー相手に勝ち切れるかは…。まだ見せていない末脚の持続力に期待するような買い方しかないような。追い切り後のルメールのインタビュー、昨年のよい緊張感とは異なるリラックスした表情はなにやら色気の少なさのようにも映っております。


…つらつらと書いてしまいましたが、結局パドックで感じた充実感などを手応えに、評価の補正をして予想を決めることになりそうです。「後悔したくない」という後ろ向きな動機ではなく、前向きな確信で本命をまとめたいですね。

いやーでもたぶんアドミラブルw

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2017.05.21


ソウルスターリングの巻き返しでした。

鮮やかでしたね。馬場のよさと鞍下のストロングポイントを生かすための、ある意味これまで通りの先行策。小細工しないルメールの胆力がよくわかるレースだったと思っています。いやー予想的には完敗でした。

公式レースラップはこちら。
12.7-11.6-12.8-12.6-12.0-12.3-12.3-12.1-11.6-11.3-11.2-11.6

ヤマカツグレースが行ききれず、前目のポジションを望んだ結果逃げることになったのはフローレスマジックですから、見た目にもわかりやすいスローペースになりました。戸崎は狙っていたようですね。

残り6ハロンから直線の坂まで、ずーっと加速ラップ。こうなると差し馬はこのペースを上回る末脚を見せる必要があります。相対的に「好位の内」を取った有力馬には相応のアドバンテージが生じていたでしょう。

一番トモの充実したFrankel が勝負どころからドンと加速した瞬間に勝負が決しました。モズカッチャンは切れ味で抵抗しましたが、ラスト1ハロンを切ってエンジンの差がでたでしょうか。

思えばチューリップ賞までは疑う余地の少ないクラシック本命だったわけで。スローからの加速を問われる流れなら、これまで示したパフォーマンスの延長で考えればOK。復権成っても不思議はありませんね。あのボリューミーな馬体でオークスかぁ、という思いがちょっとありはするんですけどね。いやいや、すばらしいパフォーマンスでした。

ルメールからすれば、母スタセリタの主戦でもあり、母仔で日仏のオークスを獲ったわけで。主戦場を移してなお、血統のつながりをもってそれぞれのクラシックを制することができたのは、ただただ素晴らしいのひと言。ブラッドスポーツならではのエピソードでもありますが、ルメールを語る際に象徴的なエピソードになると思っています。こういう信頼をつないだジョッキー、ということですね。

藤沢厩舎はオークス初制覇、そしてこれで通算重賞100勝の大記録。しばらくは破られないでしょうね。90年代から見ているファンからすると、嬉しそうに口取りに加わる師の姿がとても珍しく。以前はご自身のスタンス(照れもあったかしら)から参加しないことが多かったので。年を重ねたことが良い意味での柔軟さを生んでいるなら素直に歓迎したい姿ですね。


モズカッチャンはほぼフローラSの再現で2着。最内枠を引いたのも同じですから、戦略が近しいのは納得するばかり。よく抵抗していましたが、登坂後に突き放されてしまったのは相手が一枚上手というところでしょう。


アドマイヤミヤビはよく追い上げての3着。33.9の上がりはディアドラと並んでメンバー最速でした。桜花賞のダメージが心配されていましたが、追い切りを見る限り、少なくとも順調ではなかったと思っています。クイーンC当時と遜色ない切れだったと見ていますが、今日の馬場とペースでは後方から勝ち切るのは難しかったでしょう。


リスグラシューは5着。両サイドからぶつけられたというレース後のコメントがありましたが、前走同様、勝負どころの反応が微妙だったことで進路を確保できなかったようにも。なによりかなり細化した馬体と高めのテンションでよく善戦したなぁという見立てです。このあたりが順調に見えていれば本命視したかもしれないですけどね。武豊の追い切り後コメントがずいぶん歯切れが悪く。これも判断のポイントになりました。


鞍上のコメントの歯切れの悪さで言えば、レーヌミノルも同様でしょうか。立場的にどうしても明らかなダメ出しコメントは出しにくいですよね。距離について「やってみないとわからない」という表現を使った陣営は軒並み着順を下げている印象もあり(藤沢さんが発言していたらすみませんw)。緩急のないペースでこそのダイワメジャーと考えていましたし、人気を吸ってくれれば、というしめしめ感をもっておりました。


その自分の本命はホウオウパフューム。…すみません、こちらがいわゆる養分になった格好ですね。しめしめ感ってw お恥ずかしい限りです。

寒竹賞の末脚、そこからの成長曲線、スローを見越して先手を取りに行く馬の可能性(ヤマカツグレースとかね)、乗り替わりで松岡という流れ(乗り替わりの分、思い切りよく乗れますよね)、パドックでの仕上がり。この妄想を重ねた結果、重い印を打つことになりました。見え見えのスローにはならない、という先入観が過ぎたのでしょうね。結果、このペースに一番スポイルされる馬になってしまいました。フルスイングで空振り三振、という気分です。ええ。

松岡の運び方には何の落ち度もないでしょう。すばらしいチャレンジでした。馬自身もこれで終わりとは思いません。ぜひ今後も順調に。どこかで大成する姿が見たいと思っています。


なお、ヤマカツグレースは1コーナーまでに行ききれず、2コーナー付近で抑える素振りがありましたから、外枠が応えた格好。追い切りが抜群だっただけに、これも勝負のアヤですね。これが少し序盤のペースを味付けしてくれれば、とおもっていましたが、結果最下位ですからだいぶピントのずれた見立てをしてしまっていました。



最後に。

さぁ、ダービーウィークですねー。幸い週間天気予報をみる限りは曇りが並びつつも降雨の心配はなさそう。この馬場がほぼ維持されると見てよさそうです。

…差し馬には厳しいかな。ポテンシャルではアドミラブルと思っているのですが、脚質がなぁ。逆に好枠を引いたらダンビュライトあたりが逃げていてもおかしくないかも。

先週までは皐月賞との連動をあまりイメージしていませんでしたが、この土日の馬場をみてその可能性を感じ始めています。アルアインとペルシアンナイト、それぞれに合うかもしれません。あー、内枠を引いて中団あたりで溜めているレイデオロなら可能性があるかもしれません。

こうして言葉を並べてみるとダービーの予想、面白そうですねw
わくわくしながら一週間過ごしたいと思います。


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2017.05.16


アドマイヤリードの切れが勝りました。

いっぱい自信があったと本人がコメントしているように、ルメールのレースプランはかなり明確だったのでしょう。直線に向いてガラッと空いたインを取らず、慎重にスマートレイアーの左右を狙う時間がありました。武豊の直後なら待つには頼もしい空間ですよね。ソルヴェイグとの間を抜ける脚は凄かった。あの切れが最大の勝因で、それを引き出したルメールの戦略勝ちでもあったと思っています。クレバーですねぇ。

走破タイム1:33.9 はチューリップ賞、桜花賞と同じ。持ちタイムではありますが、今回のほうが遥かに価値が大きいでしょう。あの桜花賞と飛鳥Sの切れを信じていれば。強かった。

公式レースラップはこちら。
12.6-11.2-11.8-12.3-12.2-11.1-10.8-11.9

スタート良くソルヴェイグが逃げ、スマートレイアーはその直後、外からリーサルウエポンが前受けを狙い、レッツゴードンキは岩田の上体が立ち気味ながらの先行策。それぞれの思惑で前半のポジション取りが進みましたが、内から5頭ほど開ける向こう正面。やっぱり相当荒れていたんですね。

前日の日中に降った雨は、日曜でカラッと乾くまでは至らなかった模様。陽射しが見える天気ではありませんでしたからね。ただ、ひとつ前の芝レース、9Rは外差しが決まっていまして。ここから約1時間、それなりの回復が見られたのかもしれません。本当に降雨の馬場は難しい。。。

4コーナーだけ荒れたインを通って距離ロスを防ぐステイゴールド。直線外に進路を求めて1番人気のディープを凌ぎきる小柄なステイゴールド。ゴールドシップもレッドリヴェールも、須貝厩舎の仕上げで見ているはずなんですけどねー。経験が予想につながりませんでした。

一昨年の桜花賞馬、オークス&秋華賞の2冠馬、エリザベス女王杯勝ち馬が揃った中での戴冠でしたが、新たな女王の誕生、と言い切るにはちょっと早い気もしています。初G1制覇が初重賞制覇。さらにあの小柄な馬体ですから、消耗の大きいG1戦線で今後どれだけ中心たりうるか、見極めが必要でしょうね。

次走はクイーンSのようですので、間隔を空けながらコンスタントに使っていく方針かもしれません。洋芝は合いそうですね。夏の楽しみがひとつ増えました。


本命はミッキークイーンでした。レース直後は敗戦のショックといいますか、ちょっと理解に苦しんでいましたが、レースラップを見て納得。適距離ではなく渋った馬場で、大きく外に持ち出した上で、10.8の登坂ラップを上回れ、とはさすがに酷ですね。

同じディープでも、ハープスターなら可能だったかもしれません。もっと筋肉質なディープでないと、あの渋馬場でパワフルに加速するのは難しいという見立てです。あとはやはりコース取り。スマートレイアーとアドマイヤリードが通ったあたりがベストとすると、そこからはだいぶ外に振られましたからね。外目の枠も影響したでしょう。上がり33.8、自身の走りは出来ていたのだと思っています。

とはいえ、スタミナ差ししていたデンコウアンジュに差し切られているのは厳しいなと。上位入線馬との差を考えると、距離適性、馬場巧拙、ポジション、加速力、末脚のスタミナ、そのいずれにおいても他馬に秀でるストロングポイントが発揮できなかった、とも言えるわけで。チャンピオン、ではないのですね。

この後は未定とのこと。番組選びがちょっと難しくなったかな。陣営の判断を待ちたいと思います。個人的に好きな馬なので、どこかでもうひとつ、獲ってほしいですけどね。


デンコウアンジュが2着。蛯名が追い通しで33.2。アルテミスSが引き合いに出されますが、自身のパフォーマンスは当時より全然上でしょう。末脚の持続力ならこの馬、と思っていましたが、まさかあそこまで伸びてくるとは。わかっていながらの盲点、という謎の表現がしっくりきているところです。

2桁馬番で掲示板に載ったのはデンコウアンジュのみ。何かこう、内と外で異なる競馬が展開していたようにも見えています。こうしたスタミナを引き出すのはベテランの経験と思い切りなのでしょう。引き続き買いどころが難しい認識ではありますけどね。いい末脚でした。


ジューヌポレールは内枠のアドバンテージをしっかり活かしての3着。阪神牝馬のパフォーマンスから侮れないなーと思っていましたが、ラスト100の粘りに地力を見た気がしています。もう一回り馬体が膨らんでくるようなら。来年のヴィクトリアマイルでもう一回観たいですね。

スマートレイアーも好枠からの好リードで4着。昨年と着順は同じですが、今年のほうが中身があるように思います。できれば3着に粘ってほしかったですけどね。記録的に武豊だと連対がない状況ですが、特に相性などを疑う必要はないと思っています。

レッツゴードンキは対照的に外枠がアダとなった模様。3、4コーナーの緩んだラップで鞍上のジェットスキーが始まってしまった時点で厳しくなってしまったでしょうね。このあたりはスプリント戦を経た影響があったと思っています。

緩んだ3、4コーナーでインから進出したのはクイーンズリング。この判断はデムーロならでは思いますが、結果的に馬場巧拙の分、着順が振るわなかったと思っています。

そこからするとルージュバックの待機策は対照的でしょうか。馬場はこなしたと思いますが、思い切ったポジション取りの分、着順を上げられなかった印象。上がりは勝ち馬より速いですからね。前走で先行策を試していたわけで、もし前々で立ち回っていたらと思ってしまいます。うーん、このまま無冠で引退というのは何とも惜しいですよね。


…出走馬のタイトルを確認していて思ったこと。昨年のクラシックホースが3頭とも不在なんですよね。メジャーエンブレム、シンハライト、ヴィブロス。全部出てきたらワクワクしたでしょうね。個人的にはメジャーエンブレムが押し切っているイメージですけど、どうだったでしょう。



最後に。

オークス、ダービー、安田記念と、引き続き府中の馬場とのにらめっこが続きそうです。馬場の乾くスピードを予測しながら、レース直前まで組み立てを調整することになるのかな。金曜や土曜に決め打ちで予想するのはちょっとこわい状況だなと思っています。馬場は生き物、ですかね。週末だけは晴れてほしいものです。


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2017.05.08


アエロリットが押し切りました。

スタートをポンと出た瞬間、思わず「おぉ」と感嘆の声を上げていました。その後も横山はペースに対して強気でした。直線は進路を選ぶ余裕がありましたね。2戦目以降はすべて1600mを使い続け、オークスよりこちらを選んだ陣営の判断も含め、お見事でした。

公式レースラップはこちら。
12.4-10.9-11.2-11.6-11.8-11.3-11.3-11.8

ボンセルヴィーソ以外明確なペースメイカーが見当たらないメンバー構成。松山は昨週同様に強気に前半のラップを踏みました。結果的にこれで3着ですから正解でしたね。

1、2着は外枠。思った以上に馬場の影響が大きかったかもしれません。パトロールビデオを確認したところ、3、4コーナーの内から3頭くらいまで、結構な砂埃が巻き上がっていました。土曜の競馬も完全なイン有利ではありませんでしたし、プリンシパルSでレッドローゼスが直線を待たずにインを手放していることも気になっていました。土曜より砂埃は増していましたね。

モンドキャンノは折り合いを欠きながら先行したことも大きいでしょうが、それ以外のインを通った有力馬はまとめてスポイルされた印象があります。リエノテソーロもレッドアンシェルも外から脚を伸ばしましたからね。オールザゴーの位置がギリギリのように見えています。…ざっくり語りすぎかな。

2着リエノテソーロが本命でした。人気薄でしたが以下の買い材料がありまして。先行策が可能、アネモネSで証明したのは速い馬場への適性と粘りこむスタミナ、そしてピッチ走法。良馬場でヨーイドンしたなら、ピッチの速さは相対的に有利に働きますからね。でも外差し有利にシフトしていたことが大きいかな。よいスタートからすっと下げた吉田隼人の好判断も素晴らしかったと思います。

そうですね、中山でスタミナの証明をしたのはアエロリットも同じでしょう。ラストはライジングリーズンに交わされましたが、フェアリーSの突っ込んだラップを2番手で追走していました。今日の先行策も、そのスタミナを横山がよく信頼していたからでしょう。

菊沢師の慎重な姿勢もお見事。詳しくは競馬ラボのインタビューにて。これを読んでいたら本命だったかもしれませんね。
善戦続きもここまで!裏付けある舞台で戴冠狙うアエロリット | アエロリットの菊沢隆徳調教師 | 競馬ラボ


気になった馬をいくつか。

モンドキャンノはルメールが意識してスタートから出していきました。前走の引っかかり方からするとかなり勇気の要る策ですが、ボンセルヴィーソの前残りを考えれば納得。朝日杯の2着は阪神1600の展開にうまく嵌めた面が大きいと思っていましたし、そもそっも距離延長にチャレンジしている認識でしたので、積極的なトライアルだったという認識です。

ミスエルテは折り合いに終始してから勝ち馬と同じ上がりで7着。そういう問題ではなく、デビューから減り続ける体重とパドックで見えた巻き上がったお腹。このあとの適性の見極めの前に休養をお願いしたいと思っています。

プラチナヴォイスは内々でもがいた格好での11着。スプリングSは積極的な仕掛けから直線先頭に立つまでのピッチが印象的でした。同時に登坂しきってからの脚の上がり方も同じく印象に残っていまして。石川は意識してひとつ前を取りに行くイメージだったように見えていますが、息の長さが求められる場面での失速は力の差でしょう。穴っぽいな、と思っていたんですけどね。



最後に。

この日曜は自宅観戦でした。前日発売でリエノテソーロのがんばれ馬券だけ購入していましたが、それこそ博打が嵌りましたね。土日の天候が安定しているのは有難い限り。ダービーまで、このまま馬場コンディションが崩れずにいってほしいですね。

その分ネットでケンタッキーダービーや香港のチャンピオンズマイルの結果を確認していました。ラッパードラゴンの残念なニュースも目にしています。得られるニュースが多いのは有難いですが、その分やはり自分なりの優先順なり濃淡付けが必要になりますね。たくさんの喜怒哀楽を表現するには限界がありますしね。かえって充実しにくくなる恐れもありますし。

とはいえ来週は母の日もミッキークイーンもこなさないといけませんw ここは踏ん張りどころ、頑張りましょうw

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2017.05.07


ダービートライアルがすべて終わりました。

府中で現地観戦でしたので、プリンシパルSから。

公式レースラップはこちら。
12.8-11.2-11.4-11.8-11.8-11.7-11.5-11.2-12.5-12.4

3コーナー手前のマイネルラプティスの進出でかなり締まったラップになりました。馬場が速いとはいえ、これを中団からの差し脚で踏ん張った1、2着のスタミナはなかなかのもの。前々で粘りこんだニシノアップルパイ、これがフォームを崩さずにラストまで踏ん張ればキタサンブラックなのでしょうが、どちらかというとトーセンホマレボシといった方が近いでしょうか。いずれにせよ厳しいトライアルでしたね。

勝ったダイワキャグニー、サウスポーでよいんでしょうかね。弥生賞本命だったこともあり、それからの成長度合いをパドックで確認できればと思っていたのですが、あまりカラダが膨らんできた印象がなく。勝ち馬に対してこの表現は何ともですが、少なくともダービーまでに大化けすることはないかな。本命対抗にはしにくい印象をもっています。

本命はレッドローゼスでした。前走の末脚がここでも活きると見ていたのですが、登坂しきったあたりで一杯に。うーん、成長曲線が順調ならもっとやれてもよかったような。2着を確保したのは地力の証とみた方がよいように思っています。

レース前から蛯名のコメントは弱含みでした。レース後は「やれることをやっての、この結果。すごくいい馬なので、馬が良くなるのを待つしかない」というコメント。東サラのホームページでは右トモの疲れがレポートされていますので、それが要因かな。パドックで気づいたのは左前後の蹄壁が部分的に黒かったこと。大嘘だったら申し訳ないのですが、爪のコンディションが遠因にあったかもしれません。調教が実質1本なのもそれなら納得できる状況。素質馬ですからね、いずれにせよじっくり立て直してほしいと思っています。

スズカメジャーは右にもたれっぱなしで10着。パドックで見たのは左後ろの繋ぎの独特なスナップ。観察した限りでは内から外回し、きれいに真後ろに力が抜けていませんでした。こちらも大嘘こいたら申し訳ないですが、4コーナーの妙な膨らみ方はそのあたりに起因するのかもしれません。

あー、レッドも含め素人観察なので信憑性はもちろんアレですが、こうした仮説を繰り返しながら見立ての精度を上げていくのが賢明と思っています。くれぐれも間に受けないようお願いしますねw



京都新聞杯はプラチナムバレット。

公式レースラップです。
12.7-11.1-12.8-12.4-13.1-13.1-12.7-12.6-11.6-11.5-11.6

府中とは対照的に、実質3ハロンの末脚勝負になりましたね。サトノクロニクルは直線の出口で外に展開したかった様子。接触して内に進路を切り返していますが、その接触相手が同馬主のサトノリュウガとは何とも因果なもの。接触自体の影響は軽微のようでしたが、サトノクロニクルとプラチナムバレットの着差を考えると、直線の進路取りの妙が勝敗を分けたといってもよいかもしれません。

プラチナムバレットの末脚、切れましたね。スローからの息長い末脚なら姉スマートレイアーからイメージしやすい特徴。浜中は一列前がよかったとコメントしていますが、結果的に直線がスムーズでしたから、こちらも展開のアヤでよいでしょうか。

ダービーかぁ。このまま府中の馬場がよい状況ですと、今度はもう一列前を取らないと厳しいかもしれません。武器と話していた自在性がもうひとつ発揮できるかは枠順次第でもあるでしょうね。

インヴィクタは不運な出遅れ。上がりの脚はしっかり使っていますが、このスローを最後方で受けてしまっては厳しかったですね。淀の3000は悪くない印象がありますし、馬体の完成はもっと後かもしれません。秋に向けて改めて組み立てていってほしいです。あー、この血統を手がけ続けているオーナーと厩舎ですものね。期待しています。



最後に。

NHKマイルカップからの転戦組があるかもしれませんが、一応これでダービーへエントリーするメンバーが見えた格好。やっぱり、これとは言い切れないですねぇ。プリンシパルSの展開ならアルアインでこなせそうですが、2400はそうはならないでしょう。混戦という表現でよいと思っています。

アダムバローズが戦線離脱、トラストがNHKマイルカップから参戦しなければ、皐月賞のペースを引っ張った馬が不在となる微妙な情勢。皐月とダービーが連動しないという前提で構えるべきなのでしょうね。せっかくですからこの読みにくい状況を楽しむほうに気持ちを切り替えたほうがよいかな。


最後の最後に。

余計なお世話ですが、ファンディーナの春全休は賢明な判断と思います。気になっているのはタイミング。調教過程を見たうえでの最終判断はオーナーシップへの配慮でしょうか。もっと早く決められなかったものかと訝しんでいるところです。なにかこう、ひとの側が結論を出せず、馬の調子に委ねられたような印象を受けていまして。

書籍で読む限りのウオッカ陣営、オーナーとトレーナーがお互いの意を汲むようなやり取りが、…まぁ、珍しいケースなのかもしれませんけどねぇ。判断のタイミングと質は競走馬の経歴を大きく左右すると思っていますので。今後もベストなタイミングでの判断をお願いしたいと思っています。あぁ、本当に余計なお世話ですねぇ。


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2017.05.05


キタサンブラック、ディープインパクトのレコード超えでの連覇達成でした。

京都外回りの離れた2番手ですから、前も後ろも気にしなければいけないポジション。人気薄の逃げ切りを何度となく担保してきたコースですものね。ここから強気のペースで引っ張って後続を押さえ切ってのレコード勝ちですから、強いのひと言。相当速くなっていた馬場コンディションの恩恵は先行脚質に味方したはずですが、ここまでのパフォーマンスですと「恵まれた」と表現する必要がないですね。小細工なしのチャンピオン防衛でした。

公式レースラップです。
12.9-11.5-11.2-11.3-11.4-11.6-11.6-13.0-12.5-12.7-12.6-12.5-12.2-11.6-11.7-12.2

手前味噌で恐縮ですが、昨年の自分の記事を見直してみたところ、今年に通じる表現がありまして。

勝ち馬以外の人馬が、自身の可能性を損なわずに抵抗するとしたらスタート直後。この場面でキタサンのラップメイクへ牽制するアクションを示していたのは、吉田隼人、藤岡佑介、武幸四郎くらいだったと思っています。あー、幸四郎はヤマニンを当てにしていたかな。それ以外のジョッキーはつかず離れずの好位を取るところまで。スタートからリスクを取って前に行く陣営はいませんでした。もちろん個人の見立てですけどね。



今年に関しては松山弘平以外、キタサンブラックがスタートを決めたことで抵抗するタイミングを逸した格好。といっても、先にキタサンに出られてはファタモルガーナでは厳しいでしょうし、ゴールドアクターは出遅れてしまいましたからね。横山は先行の可能性をもっていたでしょう、それがレース後のスタートで終わってしまったという主旨のコメントに表れたと思っています。武豊はこれらを見越してスタートを決め、二の脚を効かせて先手を取ったとみています。さすが。

速い馬場で2ターン以上の場合、最初のコーナーを制することが勝負のポイントになりやすいですね。典型的だったのはワンアンドオンリーのダービーだと思っていますが、どうやらコースを問わない傾向といえるかもしれません。

乗り替わりの松山はこれまでとは異なるパフォーマンスを求めたでしょうし、速い馬場であることはより思い切りのよいラップを刻ませたのだと思っています。それにしても速かったですね。アルアイン以後、より積極的に乗れているのかな。いい判断だと感じています。

ラスト1ハロンがもっとバテていても不思議ないと思っていましたが、11.6-11.7-12.2と崩れないあたりがキタサンブラックの最大のストロングポイントですね。武豊はこのスピードの持続力を信じて強気のラップを踏んだのでしょう。望田潤さんの「ブレーキを踏まない勇気」という言葉も思い出しました。

しかし高速馬場にこれだけ適用できるとは思いませんでした。2強の適性を逆に捉えていたような格好。高速の馬場を叩き続けられるフィジカルは抜けていたということでしょうね。大変失礼いたしました。

次走は予定通り宝塚記念。春3冠のボーナス云々もあるでしょうが、使わないとコンディショニングに悪影響がでるというような理由以外ではあまり使う意味がないような。それくらい今回のレースはチャンピオンであることを決定づけた内容だと思います。

強いていうなら、ドゥラメンテが現役だったら。いまのキタサンブラックであの差し脚を凌ぐことができるのか。クラシックを分け合った2頭の再戦は、もはやこちらのイメージに委ねられるからよいのでしょうね。


サトノダイヤモンドは完敗の3着。緻密なハンドリングで余分に外を回るような場面はなかったのはルメールならでは。それだけに外枠を敗因に挙げる向きもありますが(もちろん堪えたと思っていますが)、有馬記念のように捲るタイミングが今回はどこにもありませんでした。この捲りをけん制する緩みのないラップメイクは武豊のリベンジのポイントであったでしょう。簡単に前が止まらない馬場もその戦略を後押ししたと思います。

そのディスアドバンテージを負ってなお、差して来てほしいという◎。観たいものを買いましたので、その分ラストに脚が上がってからしばらくは心のダメージが大きかったですねぇ。府中のスタンドでしばらくぼーっとしていました。

速い馬場がかえって差し脚を鈍らせたかもしれません。もう少しグリップを効かせる必要のある馬場でこそ、持ち前のスタミナ豊富な差しが活きるように思っています。でもあのキタサンブラックには敵わなかったかな。これがラストランであればもっと大胆な策もとれたかもしれませんが。でも同日芝レースで4勝しているルメールですから、あのポジションが前受けの限界だったでしょうね。…いろんなたらればが出てくるのは、やっぱり悔しいんでしょうねw

こちらも予定通り、次走はフォワ賞。これをステップに凱旋門賞ですね。今回の2強がシャンティイで揃い踏みするなら、快挙も見えてくるかな。個人的にはだいぶ気が早く、ジャパンカップで観てみたいなぁと思い始めていますが、まずはアーク。楽しみにしています。


2着はシュヴァルグラン。こちらは福永の前受けが大正解でした。馬場の傾向とポジショニングの読みは合っていたでしょう。ひょっとしたら、前走阪神大賞典から前目のポジションを狙う布石を打っていたのかもしれません。少し絞ったように見えた馬体の仕上がりも素晴らしかったですし。次走は宝塚記念のようですが、オセアニアから誘致も受けているらしく。ブリーダーズカップ案も聞こえてきていますし、メルボルンカップという選択も含めて、是非積極的な判断をお願いしたいです。外野の無責任な願望ですけどね。


シャケトラは出負け気味のスタートから二の脚でかかってしまい9着。あの場面で引っかかってしまうのは、まだG1では足りないということでよいと思います。が、馬体は2強に劣らない仕上がり。まとまった休息なしでここまで来ましたからね、次走はどこになるでしょうか。こちらも順調に進んでほしいです。


速い馬場のダメージは少なくなかったでしょうね。ディーマジェスティはレース後下馬、蛯名は突っ張った走りと感じていた様子。春は宝塚をパスするようです。ファタモルガーナは骨折で引退。骨片がとんだ程度ですので、重篤な状況ではない様子。馬場コンディションの微調整はなかなか悩ましいというところでしょうか。



最後に。

天皇賞春のレコードは、マヤノトップガン、ディープインパクトと今回の3度目撃していますが、どれも名実伴っている(=速い馬場にたまたま適性があっただけではない)ことが素晴らしいと感じているところです。

桜花賞、皐月賞、そして天皇賞春と、ここのところのG1は先行出来た馬でないと勝ち切れていないんですよね。京都には未導入という認識ですが、エクイターフに置き換わってからこちら、より壊れにくい馬場になったことで、高速馬場を叩き続けるスピードの持続力勝負へトレンドが変化しているような印象もございます。

グリップ力は少なめ、スタミナは多め、みたいな特性でしょうか。G1になればどこかでスタミナの底が問われてくるでしょうから、その質に変化が生じてきているという認識です。個人的にはトーセンジョーダンの天皇賞秋が象徴的なポイントなんですけどね。

キタサンブラックがそのスピード馬場での勝負も制したことが衝撃的な一戦でした。いや、ほんとに強かったです。


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2017.05.04


ちょっとした思い付きを。

キタサンブラックの強さはコースを問わないなぁ、などとふわふわ考えていた際に着想。歴代のG1馬をコース別で分けてみるとどうなるか。「中央」4競馬場(東京、中山、京都、阪神)にフォーカスして、ざっと分類してみました。

条件:
・対象はグレード制導入後、中央G1を4勝以上した馬(3勝だとちょっと多くて。。。)
・G1を制している競馬場の数をカウント
・G1を制していないがG1を2着、または重賞勝ちのある競馬場をプラスアルファでカウント


結果は以下の通り。割と端的な結果になったような。

・4場すべてでG1勝利
テイエムオペラオー
ディープインパクト
オルフェーヴル
ジェンティルドンナ

・東京、中山、京都+阪神
オグリキャップ
ナリタブライアン
ダイワメジャー
メイショウサムソン

・中山、京都、阪神+東京
ダイワスカーレット
マヤノトップガン
ゴールドシップ

・東京、京都、阪神+中山
メジロドーベル
ブエナビスタ
アパパネ
キタサンブラック

例えばキタサンブラックは、ジャパンカップ(東京)、菊花賞+天皇賞春2回(京都)、大阪杯(阪神)でG1を獲っていて、中山では有馬記念2着、ないしG2セントライト記念勝ちがありますので「3+1」という括りになります。


…早速コアな皆さまからはうりゃおいな勢いでお叱りをいただきそうですねw 京都と阪神の内回り、外回りを区別していないあたりは特にそうでしょう。あくまで「端的に」分類と把握ができればなぁという分析ですので、そのあたりは含みおきいただければと。個人的な最近の流行り言葉が「正確だけど煩雑」というのもありますね。

阪神だけG1未勝利という馬が牡馬ばかりなのは、いまでは朝日杯がありますが、宝塚記念オンリーという事情が大きいでしょう。牝馬には阪神JFと桜花賞がありますからね。一方、中山のG1未勝利に牝馬が集中しているのはもちろん牝馬G1がないから。そう考えると、コースに限らずその都度の諸条件のばらつきを乗り越えて4場すべてでG1を獲るのは相当傑出していることが分かりますね。

「3+1」でもその時その時のG1戦線を牽引した馬がしっかりカウントされることがわかります。もちろん、この「3+1」にあてはまらなくても強かった馬はゴロゴロいますよね。残りの該当馬の分類は以下の通り。こちらも興味深い。カッコ内の未勝利、未出走はG1についてです。

・3+0
ミスターシービー(阪神未勝利)
シンボリルドルフ(阪神未出走)
タイキシャトル(阪神未勝利)

・2+0
ウオッカ(中山、京都未勝利)

・2+2
スペシャルウィーク(中山、阪神未勝利)

・2+1
トウカイテイオー(京都、阪神未勝利)
メジロマックイーン(東京、中山未勝利)
グラスワンダー(東京未勝利、京都未出走)
シンボリクリスエス(京都未出走、阪神未勝利)


例外なのはロードカナロアとアグネスデジタルかな。どちらも香港勝ちがあり、後者は川崎、盛岡も加わります。中央以外の実績を加えてはじめて条件を問わない強さが見えてくるタイプと言えるでしょうか。いずれも短距離を主戦場にしているのはG1の数が限定されていることもあるかな。あー、タイキシャトルはドーヴィルでも勝ってますよね。

直線の長さと勾配から、東京と京都、中山と阪神を括ってとらえることは珍しい考え方ではないでしょう。それに倣うならスペシャルウィークとグラスワンダーはきれいな棲み分けになっていますね。中山と阪神でグラスワンダーが上回ったという格好ですが、中山での差はほんとうに僅かですし、スペシャルウィークは中山で重賞2勝。とはいえグラスワンダーも東京1400では破壊的な追い込みを見せていますし。…いい時代を目撃できたんですねぇw

ウオッカとシンボリクリスエスは厩舎の取ったローテーションにバイアスが見られますし(それがまた面白い)、コンプリートという点ではシンボリルドルフの宝塚記念取消がくやまれますw



異なる3場で結果を出しているということは、条件を問わない強さの証でしょう。その点で「3+1」がひとつの閾値、端的なバロメーターになるように思いました。G1を3つ獲っている馬の分類は数が多いので、興味が湧いた方はやってみてくださいませ。あー、あくまで芝G1に重きを置いた分析になっていますよね。ダートの指標はまた違ったものになるのでしょう。

参考にしたのは以下のサイトでした。ありがとうございました。勝手紹介ですが。
競走馬名鑑 : G1勝利数(JRA)



最後に。

武豊がキタサンブラックを指して日本のエースとコメントしていました(ご自身のブログにて)。大阪杯の時点でこの「3+1」に加わっていたわけで、そこにレコードで連覇ですからね。これまでの名馬と並べても納得感があります。

すでに出走各馬の次走報もでていますけどね。天皇賞春についてはこのあと書こうと思います。

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