2017.12.31


2017年、最後の投稿になります。

的場文男の騎乗停止に?となっている真っ最中ですがw 今年の競馬も終わりましたね。 (追記:詳細はわかりませんが、ご親族に何かあったようで。やむを得ない事情かもですね)

東京大賞典の後、連れ立った悪友と夕食がてら2017年を振り返っておりました。レースオブジイヤーは2人とも天皇賞・秋で一致。不利な状況からのリカバリー力とあの馬場をこなしたフィジカルとメンタル。あわてずにサトノクラウンの直後をとって最内を選択した鞍上の胆力も、宝塚記念をノーカウントにできた厩舎力も。感嘆すべきことが多いですねぇ。

個人的にはうリベンジになりましたねー。2009年日本ダービー、同じ不良馬場をロジユニヴァースが押し切ったレースですが、午後になって雨足が強まってきてから、全く予想が組み立てられなくなってしまいまして。思考停止になってしまった自分がずっと引っかかっていたんですよね。不良馬場の府中G1を最後まで読んで的中というのは、トラウマ克服のようでもあり。キタサンブラックの体幹の強さで本命をまとめた自分を褒めたいと思っています。まさか顔面でゲートをこじあけるとは思いませんでしたけどねw

おっさん2人の夕食はさらに面倒なテンションになりまして。見てみたかったこの馬とこのレース、という組み合わせをお互い思い付きで言い合うという。悪ノリ最高、たられば万歳ですね。結果、以下のようなラインアップとなりました。順不同で。

  • マイネルセレクト アイビスサマーダッシュ

  • シンボリクリスエス ドバイワールドカップ

  • ペルーサ 直線コース(ニューマーケットかな)

  • クロフネ ドバイワールドカップ

  • 古馬のダンスインザダーク 凱旋門賞

  • シーザリオ 有馬記念

  • メジロマックイーン 阪神2400


えーお酒ははいってないですw 改めて見ると好き放題ですね。
このあと、実現しなかったマッチアップにも話が跳びまして。以下のようなたらればも。

  • モーリスとモーニン オールウェザー馬場で

  • タイキシャトルとメイセイオペラ フェブラリーS

  • スペシャルウィークとグラスワンダー 1998年ダービー

  • スペシャルウィークとグラスワンダー 阪神2400

  • キタサンブラックとドゥラメンテ 2016年ジャパンカップ

  • グラスワンダーとエルコンドルパサー 有馬記念


阪神2400の2つは自分が挙げています。あのロケーションでいろいろなレースパターンを試してみたいんですよね。いまのところ神戸新聞杯しかないのがもったいないなと思っていまして。印象深いのはワンアンドオンリーが他馬を退けた神戸新聞杯。長く走りましたねぇ、お疲れさまでした。

タイキシャトルとメイセイオペラは悪友が。濃い血統ファンにはいまさらなのかもしれませんが、いずれも血統表にNijinskyを、そして父系にBalladeという牝馬をもっているという共通点がありまして。いやー与太話のつもりがすごいのを出してきたなとw そのままGlorious Songの牝系を眺める時間がやってまいりまいた。RahyがいるねーSingspielがいるねーおおハルーワソングはシュヴァルグランまで辿れるねーダノンバラードはいまはトルコだねーなどなど。(その後調べたら、ダノンバラードは政情不安定なためトルコからイギリスに移動しているようです)

雑な話のなかでも今年の話題につながるあたり、競馬というのはなかなか語り尽くせないものですよねー。いい時間でした。


Gallop年鑑を眺めながら今年を振り返ってみると、やっぱりキタサンブラックが中心だったなぁと、とても当たり前な感慨がわいてきます。中長距離G1、6戦すべてを皆勤したのはキタサンブラックのみなんですよね。レースを数使えることも強さの証だなぁと改めて。

ジョッキーでいえば、やはり「デムルメ」。G1での強い印象はデムーロも凄いのですが、レースを支配する力でいえばルメールだと思っています。オークス、ダービーは鮮やかでしたものね。初のリーディングは199勝で確定。200を超えたら語り方もすっきりしたのでしょうが、来年の目標になるなら楽しみもつながりますよね。その戦略性と、スタートから出していってホールドする力。ヘッドワークとフィジカルが噛み合っている点でルメールのほうが好みのスタイルですね。

凱旋門賞へのチャレンジは惨敗という結果に終わりました。シャンティイの馬場は全く向いていなかったのでしょう。馬場だけでは敗因を語り切れないとは思っていますが、来春のローテーションが発表されつつ凱旋門賞という明言がなかったあたり、必ずしもこだわらないという姿勢の表れかもしれません。そのあたりは年明けにまとめようかな。海外のディープインパクト産駒への注目も含めて、つらつら書こうと思っています。

有馬前日、中山大障害ではオジュウチョウサンが新旧王者対決を制し、阪神カップではイスラボニータがラストランを飾りました。府中のスタンドで観ていましたが、どちらも素晴らしいレースでしたね。記憶が鮮明なことが大きいかな、でも年間を通じても印象的なレースとして挙げられると思っています。

…個別に挙げているとキリがないのは昨年の投稿と同じですね。


追い切りで仕上がりを確認し、コース形態と枠順と脚質そしてスタートダッシュの巧拙で展開をいくつかシミュレートしておいて、当日馬場状態とジョッキーの馬場への理解度を読みつつ、パドックの雰囲気と返し馬での馬場へのフィット感で評価を上げ下げする。予想のスタイルはおおむねまとまってきましたが、これは多分に時間を要するんですよね。プロセス自体を楽しんでいるので省力化する話でもないですし、さてこのまま来年もいくぞ~というスタンスでよいかは、…今後の仕事の忙しさで考えようかな。

でもようやく、上記のような予想プロセスをしっくりくる表現で説明できるようになってきました。20年かかりましたねw


今年も本ブログのご愛顧、ありがとうございました。

相変わらず「確からしいこと」を語ってきたなぁと思っております。それが競馬の懐の深さと言いますか、いろいろな見解やイメージを持ち寄れる受け皿というのは、このご時世貴重になっているようにも感じている次第です。来年もきっと相変わらずでしょうね。わくわくする場面を逃さないように楽しんでいきたいと思っています。きっと身勝手で長文だらけになってしまうのでしょうが、許容範囲広めでお付き合いいただければ思います。ちょっと短くする努力も、ね、頑張ります。

まもなく2018年、よいお年をお迎えください。

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2017.12.31


コパノリッキーが有終の美を飾りました。

NARの中継映像では、1周目の残り100手前から1コーナーにはいる直前まで、一番肝心な先行争いの場面が映っておりません。JRAのようにパトロールビデオがあれば是非観てみたいのですが、これが見つからず。。。

公式レースラップはこうでした。
12.2-11.1-12.2-13.0-12.8-12.9-12.9-12.6-11.7-12.8

先行したのはケイティブレイブを制したコパノリッキー。これで勝負がほぼ決しました。スタートをしっかり出るようになったあたり、JBCスプリント参戦は奏功しているように思えています。

その後のペースダウンと直線に向いてからの一気のスパート。パワーを要する馬場ながら、パワーと回転力があれば先行押し切りが可能なコンディションと見ていましたので、マイペースで進めたコパノリッキーにはうってつけの展開となりました。

残り400からの一気のスパートまで、ほとんど有馬記念のキタサンブラックと同様の運び方でしたね。一点だけ、ケイティブレイブとのけん制があった分、2ハロン目のラップはかなり速いものになったのが異なる点でしょうか。2頭とも、きついラップをどこまで続けるかという間があったことでしょう。

たらればですが、ここでケイティブレイブが主張しきったらどうなっていたかなと。福永は十分けん制した旨のコメントを出しているようですが、もうひとつブレーキを踏まず、コパノリッキーより内枠であることをアドバンテージにし続けたなら。惨敗の可能性が高いとは思われますが、レースにいっての柔軟な対応力を磨いてきたのは、まさにG1を取るためでしょう。1番人気がペースを握るための攻め。もう少し思い切ったそれを見てみたかったですね。


コパノリッキーの鞍上田辺は相応の緊張感をもって臨んでいたようです。やるべきことはシンプルだったとしても、実際にレースでできるかは未知数ですからね。残り100でターフビジョンを見て、そこでほぼ確信したのでしょう。リズミカルに打っていた左鞭を止めて、余裕をもった追いに変わりました。

14番人気で制したフェブラリーSが、その後の活躍のきっかけになったという主旨のコメント。普段のコメントは照れ隠しのおふざけ調が多い印象ですが、今回ばかりは裏表ない真摯なコメントでした。ラストを飾れた万感の思いがじわっとにじみ出ているようで、よい勝利ジョッキーインタビューでした。


2着サウンドトゥルーは安定の末脚。これが嵌るにはどうしても展開の後押しが必要になりますね。仕上がりは変わらずよく見えていましたので、あとは展開のみ、ですね。4着アポロケンタッキーは正直あと2週くらいほしかったかな。前走取り消し後に笹針を施したようで、柔らかさはありつつももうひとつ絞れるくらいという馬体の印象がありました。先行できない流れもあり、道中の手応えのわるさもあり、どちらかというとよく4着まで善戦したな、という印象です。


本命はインカンテーションでした。前走武蔵野Sとは相当に異なる馬場コンディションとは理解しつつも、パドックではいい雰囲気だったんですよね。いっしょに繰り出していた悪友がコンパクトなトモであることを指摘してくれていたのですが、調子の良さを決め手にしてしまいました。3コーナーでバルダッサーレに速めに来られたのも影響したか、直線に向くまでにガス欠気味になってしまいました。今後のG1を期待するなら、フェブラリーSかなぁ。


ヒガシウイルウィンは中団ままという8着。パドックでは馬格で見劣りしていました。まだ3歳ですからね。もうひとつパンプアップするには少し時間を要するかな。それがそのまま排気量の差であったとも思っています。


最後に。

当日は先のとおり、悪友と大井競馬場におりました。相変わらずコパノリッキーと相性のわるい自分をこれでもかといじりまくりw 買わないなら買う、的なアレですね。パドックの仕上がりをみて、さすがに無印にはできないと話すと、何とも中途半端という扱いを受ける始末。いや、予想を純粋に楽しみましょうねw

ラーメンフェス真っただ中でしたが、やはり当日はどこも長蛇の列。相対的に少し列の短い、中津のから揚げをゲットしました。大ぶりでおいしかったですね。馬券を買うのは旧スタンド、観戦はゴール前を外して。やはり新しいスタンドには相対的にひとが多いですからね。観戦の流れはだいぶまとまってきたと思っています。

でもあのラストラン、あの末脚をしっかり馬券的中で楽しみたかったなぁ。G1最多勝となる11勝。素晴らしいパフォーマンスでした。お疲れさまでした。


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2017.12.31


タイムフライヤーが直線一気で決めました。

レース前半がかなり突っ込んだラップになった分、4コーナーで後続が一気に押し寄せました。その中でも勝ったタイムフライヤー、鞍上クリスチャンは前走の敗因を冷静に受け止めていたようです。早め抜け出しからグレイルに差された京都2歳S。その経験があの待機策と仕掛けのタイミングにつながっているのでしょうね。4コーナーではかなり外に振られましたが、ここが勝負の決め所と判断したのでしょう。お見事でした。

公式レースラップです。
12.5-10.8-12.5-11.8-12.0-12.3-12.6-12.8-11.9-12.2

トラインの逃げにジュンヴァルロとサンリヴァルがからみ、1コーナー手前でトラインが寄れて玉突いたこと、その影響か1、2コーナーの中間からもう一度ジュンヴァルロがかかり気味になったことで、変則的な速いラップが刻まれました。

サンリヴァルを除き、有力馬は後方待機。残り600から直前にいたルーカスにジャンダルムが被せていきました。これをトリガーに後続が動き始めたように見えますね。ルーカスは捕まり、フラットレーは余力なく。それを後方から狙っていたのがタイムフライヤーでした。この展開と前走を踏まえた対策。これが上手に重なっての勝利と映っています。どうやら武豊をうまく目標にできたようで、クリスチャンも心得たものですね。

松国厩舎はベルシャザール以来のG1制覇。どうやら皐月賞を見越してこのレースを選択されたようです。NHKマイルカップからダービーというローテーションに必ずしも拘らない姿勢、個人的には前向きな変化と受け取っています。おそらくこの次が試金石になるのでしょう。

ひとつ早く仕掛けたジャンダルム、上がりはかかったもののあのペースを4着に踏ん張ったサンリヴァルはそれぞれに強さを見せました。ステイフーリッシュは直線に向いてから視界が開けるまで少し間を要したかな。エンジンのかかりもあったと思いますが、ラストはいい脚色でした。ナスノシンフォニーは相当に粗削りでしたが、陣営のイメージする通りオークスが楽しみな内容でした。


…うーん、でもこの内容がG1かというと、何とも言えませんね。今年はダノンプレミアム、ワグネリアン、オブセッションと、このレースにエントリーのなかった馬に評価が集まっていますしね。まだレースの評価が定まるはずもなく、ファンも関係者も、朝日杯や東スポ杯ほど価値を見いだせていないという印象があります。シクラメン賞よりは評価したいですけどね。

レース自体は今後、中距離向きの大物がホープフルSを使うことで定着していく可能性はありますね。NHKマイルカップがシーキングザパール、エルコンドルパサー、クロフネが通っていったことで定着をみたのと同じようなイメージはもっています。ポイントはレーティングでしょう。それこそNHKマイルカップが直面しているように、有力な馬をコンスタントに集めることができるか。数年のスパンで今後の動向を見守るのが肝要かな。


あとはやはり開催日。売り上げが120億を超える結果になりましたから、いよいよ12/28開催をプッシュする根拠ができたように映っていますが、やっぱり平日は買いづらいんですよね。当日賭けてはいるのですが、十分な予想には程遠く。会社の昼休みにドタバタとしていました。当然、金額も増やせませんでした。

おそらく今回は、有馬記念の余韻が直後の購買動機につながったものと推測しております。メインのあとの最終レースのようでもありますね。ただ、キタサンブラックと同等の余韻は来年以降望みにくいでしょうから、この売り上げと満足感が維持できるのか、まだまだ越えるべきハードルは高いのでしょう。


ラジオNIKKEIを移動するというアクロバティックな調整がありましたし、パートI国のG1をひとつ増やす難しさを感じつつ、その一方で日本人にとってのG1の響き、その影響力にも驚いているところです。

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2017.12.30


キタサンブラック、有終の美を飾りました。

スタートからスタンド前に向かうまで。いつもより促した2完歩目から、シャケトラ福永を制し、カレンミロティック川田を諦めさせて単騎逃げの陣形を整えました。ほとんどここで勝負ありましたね。スタンド前の通過以降はアクシデントと無謀な捲りがないことを見守るだけでした。

直線に向いて左手前へスイッチしての豪快な登坂。一気に後続を突き放して勝負を決めました。鞍上は気を抜く素振りを察して右鞭をリズミカルにいれていましたが、少し跳ねるような鞭の軌道は120%鞍下の力を引き出そうとするそれではなかったように見えました。2~5着までが勝ち馬の上がりを上回っていますので、セーフティリードを取って勝負を決める、人馬の戦略が一枚上だったと言うべきでしょうか。

クイーンズリングしかり、大阪杯のステファノスしかり、天皇賞のサトノクラウンしかり。目いっぱい立ち回った2着馬を退ける力。このパフォーマンスを繰り返してきたからこそ、誰も鈴をつけにいけずに、王者の独走を見届けることになったと理解しています。ライバルへのけん制も含めて勝負事。それがこのコンビの発揮する強さといえるでしょう。

あの天皇賞の馬場を走りぬいてからの秋3戦目、生涯最上の仕上がりとはいかないはずです。それでもなお盤石の寄り切り、横綱競馬という表現があたるでしょうか。けん制の効いた逃げ切りという意味では、昨年のジャパンカップの再現と言ってもいいと思っています。強かったー。


公式レースラップです。
6.8-11.6-11.9-12.2-12.3-13.3-13.2-12.8-12.2-12.1-11.7-11.2-12.3

mahmoudさんの計測ラップはこちら。この方が特にラストの減速幅に納得感がありました。
6.8-11.8-11.9-12.1-12.5-13.0-13.1-12.8-12.3-12.1-11.9-11.4-11.9

内から池添、福永、川田。結果的に番手を形成した人馬は4コーナーから直線に向いて一気に突き放されてしまいましたから、キタサンブラックに真っ向から喧嘩を挑まなかった戦略自体は正解と思われます。どっちにしても負けるなら行け、という無謀な意見もでそうですけどね。いずれも勝負を捨てて突っかけるジョッキーではないでしょうから、こうなるのも必然だったでしょうか。3頭ともに、図らずも後続への蓋の役割を担い、1、2コーナーの減速ラップを担保したと思っています。

フジの中継、岡部さんの回顧の中で、キタサンブラックがその1コーナーに逆手前ではいっているという指摘がありました。レーシングビュアーの映像で確認してみましたが確かにその通りで、1、2コーナーをまるまる左手前、そして向こう正面は右手前という完全に逆の切り替え。一般的に逆手前のコーナリングは推進力が外に逃げていきますが、キタサンブラックに膨らむようなコーナリングは見て取れませんから、相応に抑制したスピードで1、2コーナーを回っていたと解釈することができそうです。

示してきた強さが生み出した余裕、というべきでしょうか。手前のつじつまが合わなくても、3、4コーナーまで加速ラップが踏めていますから、もうこれは地力の証でしょう。…この手前の件、鞍上の意図であったなら大変ですね。


宝塚記念の敗戦後に、自分なりに気づいたポイント。キタサンブラックは2ハロン目を11秒台後半ではいれればオーバーペースではないであろう、ということ。馬場状態に左右されるのはもちろんですが、11秒前半で突っ込んだ場合は赤信号と仮定すると、今年それに近いラップを刻んだのは惨敗した宝塚記念だけと言えそうなんですよね。

スタートダッシュを自分のストライドで無理なく入った場合は強い。その仮説をもっていたので、今回は枠順を見た時点でおおむね大丈夫だろうと楽観気味でした。馬場が荒れる予報もありませんでしたしね。


有終の7冠は、シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカに並ぶタイ記録。そして獲得賞金額はテイエムオペラオーを抜いて史上最高に。G1勝利は今年4つめですから、年度代表馬も確実でしょう。記録づくめのグランプリでもありましたね。

「満開のうちに身を引く」、オーナーが言う引き際の美学。最近はあまり耳にしていない言葉でしたが、次の活躍への期待を喚起するという面からも、名実伴った言葉なのだなぁと改めて思っているところです。ちょっともったいないなと思っちゃいますけどね。お疲れさまでした。


2着は先行策から虎視眈々としていたクイーンズリング。今年未勝利ながらも秋2戦は速い上がりを計時していましたし、調子を疑う必要はないと思っていました。個人的にはスタート直後に取った位置にブレスジャーニーがいるのでは、と考えて、相対的に評価を下げてしまったのが痛恨。トリガミにする組み合わせじゃないのにね。序盤であの位置を取ったルメールがお見事でした。


3着シュヴァルグランは本来なら2着であったでしょう。スワーヴリチャードが右手前のままで内にもたれながらの追い込み。内からクイーンズリングが外寄りに進路を求めたことでサンドイッチ状態になってしまいました。ただ、勝ち馬と比べるとスタートダッシュが、ね。外枠の分ロスが大きいのは間違いないですが、早々に控える選択になりました。その時点で勝ちは遠のいてしまっていたと思われます。

来年は春の天皇賞を目指す模様。ポイントはボウマンに代わる鞍上でしょうか。再び福永というのが妥当かな。個人的にはキタサンブラックの鞍上に合いそうな気がしていますが、現実的ではないかしら。見てみたいですけどねぇ。


4着スワーヴリチャードは後方待機からよく捲ってきました。この秋はフィジカルコンディションありきでレースを選択してきた経緯があり、右回りの重賞は皐月賞の1度きり。様々なレースパターンを経験している状況でもない中では、よく善戦したと見ています。でも、あの直線の所作はいただけないですね。鞍上のミルコ、進路取りを攻めていた、というよりは馬の反応に少し鈍感になっていたように思っています。

ラフなプレーに対する事実上のジャッジの不在、というのは以前からの認識ではありますが、今回、特にサクラアンプルールに期待して馬券を買っていたファンはどう納得したのか。将来のラフプレーにをけん制する意味での騎乗停止は了解できますが、何とも言えないですね。


ミッキークイーンは惨敗。追い切りの動きは素晴らしかったのですが、当日はちょっと馬体に余裕がないように見えました。中山が苦手というより、ペースがまるで向かなかったところに惨敗の要因があると思っています。来年も現役続行のようで、まだ楽しめる期待が半分と、もう繁殖でもよいのではという親心のようなものが半分、ですね。


サトノクロニクル、序盤のポジション取りも直線の伸び脚も上位馬には見劣りしていました。ちょっと期待をかけすぎたかな。スワーヴリチャード同様、これからの成長にこそ期待すべきでしょうね。



最後に。

キタサンブラックがいない古馬戦線かぁ。喪失感というよりは、どの馬が中心となるのかがまだイメージできずにおります。不在のG1予想を思うと、キタサンブラックの存在がずっと中心にあったことが再確認できます。

レイデオロは京都記念からドバイシーマクラシック、スワーヴリチャードとサトノダイヤモンドは金鯱賞から大阪杯、ペルシアンナイトは中山記念から大阪杯、と有力馬の予定が続々と報道されています。金鯱賞が重要ステップになるのかぁ。まだ馴染んでいない感覚ですが、走ったところが道になっていきますよね。きっとサトノを買いたくなっているのでしょうw


さて、まだしっくりきていない木曜のG1と、大井の国際G1。年内には順にまとめておきたいと思います。

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2017.12.21


ダノンプレミアムの完勝でした。

他馬に先んじるスタートからシンプルな先行策。ケイティクレバー、ファストアプローチが被せてきた際に、少し行きたがるところを見せたのも、大きな懸念点ではないでしょうか。気持ちが高ぶってもすぐに収めることのできる素直さ、大きな武器ですね。4コーナーで少しだけ鋭角に内へハンドルを切って、ファストアプローチの内に進路を確保。この時点で勝負ありでした。

ストレスフリーなG1戴冠、という表現でも語弊がないように思っています。直線の独走はメジャーエンブレムのようでもあり、スタート直後のぐいとでた胸前、その主張の仕方はキタサンブラックのようでもあり。ストライドを詰めて加速するタイプではなさそうですので、こんなイメージの重なりも妥当な気がしています。

公式レースラップです。
12.6-10.8-11.8-12.0-12.1-11.3-11.0-11.7

あのストライドで11.3-11.0を突き抜けられたら、他馬は手も足もでないですね。残り400からの加速力、爆発力を見込んでタワーオブロンドン本命にしたのですが、これを見ると脱帽するばかりです。

川田将雅の牡馬クラシック、デビューから乗り続けてかつ強いお手馬で臨むのは初めてのように思います。牝馬ですとハープスターがいますけどね。…ということはトゥザワールド、ビッグウィークあたりはどうなるんだって話ですが。いや、こう、人の気を集めて名実ともにクラシックを背負う、という立場は初めてになるかと。見てみたかった姿ですからね。あ、マカヒキはあくまで代打からの継続騎乗、という認識ですのでちょっと違うんですよね。

中内田調教師も初タイトル。調教師になる前のキャリアからでしょう、早くからダーレーの馬を預かっていたり、ちょっと注目していました。昨年くらいからかな、データ的にも高めのアベレージで馬券になっていたように記憶しています(すんません、裏を取る時間が…)。個人的にはヴゼットジョリーをPOGで指名していまして。そのあたりを踏まえて選んだのはよく覚えています。この実績で大手のクラブ馬主からの預託レベルもあがるのかしら。躍進のきっかけになるG1制覇、みたいな華美な文句はなにやら似合わない風貌ですけどね。

ダービーから逆算するとはその師のコメント。個人的には、いまのままだと距離延長に少々不安を覚えています。ただ力の使い方を補正していける賢さを兼備しているのではないかと。陣営がどう仕上げて鞍上がどうリードするのか。春のトライアルライドから注目だなぁと思っています。


本命視したタワーオブロンドン。やはりといいますか、距離が長かった印象です。なにより勝ち馬との脚の長さの差。すごいですねw 最終的にこの2択で迷った格好ですので、我ながら極端な思考だったのかなと。

直線に向いて僚馬ファストアプローチが前方にはいる場面がありました。ダノンプレミアムがスムーズに抜けた後ですから、ちょうどフルに加速したい場面。ここで離されてしまった感もあります。でもこれがなかったとしても着順、着差には影響なかったようにも。レースラップの比較だけで言えば、残り800からの加速の推移は似通っているんですけどね。なおさら完敗という表現がしっくりきております。

ルメールは「次のカナロア」とロードカナロアを引き合いに出していました。強さの比較という点ではリップサービス込みでしょうが、1400ベストで1200と1600をこなしてくるなら的を得た例えだと思います。個人的にはそのままサイレントウィットネスばりのパンプアップを期待したいところですけどね、日本の競馬には過剰な筋肉かな。しかし3歳春には適鞍が少ないですね。。。

愛嬌のある表情をしたマッチョマン。今後のローテーションを楽しみにしています。


2着はステルヴィオ。直線狭くなってしまったところから、負けずに進路を確保してラスト1ハロンをぐいと伸びてきました。距離が長い方がよいという論調、確かにそうだと思いますが、加速で一歩置かれるのが解消されないようであれば、距離延長しても同様の惜敗を続けてしまうかもしれません。このあたりはワグネリアン、そしてホープフルSの動向で相対的に変わってくるように思います。でも挟まれてからの踏ん張りは見事。気持ちの強い個体に見えますね。


5着ダノンスマッシュは出遅れがすべて。勝ち負けまであったかもしれません。いやちょっと言い過ぎかな。馬体のスケール感ではプレミアムに譲るイメージですが、マイルまでなら今後も期待できそう。出遅れが癖にならないことを祈ります。一瞬、本命視するか迷ったことは書いておかないとですね。



最後に。

G3となったターコイズS、ミスパンテール横山のすばらしいパフォーマンスはどこかで触れておかないと。ブックの観戦記で吉岡さんが書かれていることでもう十分おなか一杯になれるのですが、自分が気づいたことも少々。

おそらく直線に向くあたりで、外にいるラビットラン、その鞍上クリスチャンが右鞭をふるったのが見えていたのではないでしょうか。正面のディープジュエリーが左鞭、ひとつ横のサザナミの手応えの怪しさ、その外にいるラビットランは右鞭。これらを見てとったうえで、実際に割って出た進路をあるタイミングから事前にイメージして、鞍下を誘導していたのでは、と思っています。

これだけクレバーかつ冷静にリードして、インタビューでは馬の力を讃えるのみですから、もうさすがのひと言。ちゃんと汲み取っておりますよ、と胸を張りたいと思いますw 最初のコーナーまでの外へのけん制といい、いやぁ、戦略的な騎乗です。


さぁ、CMの勢いも借りまして、「有馬記念です!!」。有力馬の追い切り報も続々と伝わってきております。枠順がでるまでは思考を停止しておこうと思いつつ、内枠なら…外枠なら…とイメージが勝手に脳内を走り回ってしまいますね。ええ、日中はちゃんと仕事をしましょうw

いまのところはキタサンブラック中心ですが、シュヴァルグランの充実ぶりがとても気になるところ。スワーヴリチャードは器用に内々を立ち回れず、ラビットランのような外々を回される可能性を感じていますが、どうなりますか。内枠を引いたら何割増しかしないといけないのはどの馬でも同じでしょうが、サトノクロニクルに特にそんなにおいを感じています。ただ、ラストランのキタサンブラックが全力で持続力勝負に持ち込むなら、付いてこれる馬の限られるかしら、…ミッキークイーンも買わないと?

…日付かわって今日ですし、枠順がでてからにしましょうかw

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2017.12.17


今年もあわただしい1日となりました。

阪神準メイン、堺Sでクリノリトミシュルがギリギリで交わされている頃に香港ヴァーズが発走。フジの中継もウインズの映像も数分の時間差がありました。生中継しない取り交わしがあるのなら理解するところですが、HKJCのTwitterアカウントから中継映像が観れましたからねぇ。ウインズで下向いてタブレットで観戦しているとは。。。 正直ウインズの存在意義みたいなことまでイメージしてしまいますね。

スプリントからマイルまでに馬券発売のないレースが1レースあるなど、調整の余地はありそうにも見えます。売り上げが後半のレースになるほど前年比を下回ったことと合わせて、次年度への課題と受け止めてほしいなぁ。生中継であることと、発走時間が重ならないことは改めてお願いしたいところです。


阪神ジュベナイルフィリーズからまいりましょうか。ラッキーライラック、強かったですね。

公式レースラップはこちら。
12.4-11.3-11.6-12.4-12.2-11.9-11.0-11.5

ラテュロスもいいスタートでしたが、ラスエモーショネスが先手を取ってスローの逃げ。早めにこれを見て取ったか、コーディエライト、そしてロックディスタウンは前々のポジションを求めにいきました。一方で連対したリリーノーブル、ラッキーライラックは中団外目という隊列。

9R境港特別、人気2頭がスローで先行してそのまま押し切っていました。直線10.9のラップが計時されているように馬場の内目はよいコンディションだったでしょう。これを外から差し切ったわけですから、4着以下を離したマウレアまで、上位3頭の切れ味は際立っていたと思っています。


ラッキーライラックは比較的リラックスした道中の運びだったように見えました。残り800あたりで手綱を引いてなだめる所作が見えましたがロスというよりはアイドリングと解すべきでしょうね。リリーノーブルの直後というポジションも理想的。レース運びはシンプルに見えますが、このそつのないエスコートが、石橋脩の今年の活躍を物語っていると思います。直線、鞭の多用もありませんでしたしね。

パドック映像では股関節の可動域の広さと全身を柔らかく使う様が見て取れました。アルテミスSは生観戦ということもあり、息長く末脚を使うことを肌で感じていましたから、この辺りを決め手に本命にできましたね。

オルフェーヴル産駒のG1制覇。もうそんなに時間が経過しましたかw 勝ち上がり頭数はロードカナロアが上回っているようですが、ステイゴールドらしいホームランというとキャッチに響きますね。来年はチューリップ賞から。牝馬路線の王道を行くようですね。完全に抜きんでた存在ではない、という見立て込みで、楽しみです。是非順調に。


リリーノーブルは惜しい2着。レースの重心を押さえ、自分から勝負に行くのは川田将雅らしかったですね。佐藤哲三がnetkeibaで指摘していた通り、4コーナーの途中から左手前になっていました。もちろん膨らむコーナリングになり、それを補正して内にささりながら直線に向く流れ。鍛えたパワーと身のこなしと気持ちのコントロールが、まだちょっと噛み合っていない面もあるのでしょう。そのうえでラッキーライラックからのマークをまともに受けましたから。強い2着だったと受け取っています。

パドックで一番トモにボリュームを感じましたし、過去2戦と近しいリズムで走れそうという読みから、ギリギリまでラッキーライラックと本命を迷っていました。最後は先ほど書いた理由を上位にとってひとつ評価が下がりましたが、全然、勝ち切る場面もあるだろうと思っていました。本命対抗、ばっちりでしたね。

オルフェーヴル-ルーラーシップという決着は父娘で符合。父同士は宝塚記念ですね。あの時は渾身のルーラーシップ本命だったなぁ。もうそんなに時間が経過しましたかw


ロックディスタウンとソシアルクラブは調整がうまくいかなかったように見えました。前者は1週前の追い切りがピークだったでしょうか、筋肉質ではありつつも余裕がなく見えるパドック。レースでガス欠する予感がしていました。一方後者は腹回りがギリギリと映りました。馬体のスケール感はよいなと思いつつ、今回は厳しいかなと。ただ、どちらも力があることはこれまでのパフォーマンスで示していますから、無印にはできませんでしたね。

来年の牝馬クラシック。今回の上位人気勢と、別路線組といいますか、エリスライトのようなG1に間に合わせなかった有力馬との対決がまだこれから、という理解をしています。おそらくはトライアルで直接対決になるのかな。今回の1、2着が有力であることは前提にしつつ、ですけどね。



引き続き香港国際競走。まいりましょう。

とはいえ、今年はそこまで反省するところがないような。いや、楽しんだのは間違いないのですけれどもね。

公式サイトの結果ページです。ラップも合わせて、ずらっと。

香港ヴァーズ 25.66-24.32-25.80-23.74-23.56-23.15
Race Info - Hong Kong Vase - LONGINES HKIR - The Hong Kong Jockey Club
香港スプリント 23.37-22.09-22.94
Race Info - Hong Kong Sprint - LONGINES HKIR - The Hong Kong Jockey Club
香港マイル 24.38-23.07-23.56-22.71
Race Info - Hong Kong Mile - LONGINES HKIR - The Hong Kong Jockey Club
香港カップ 26.27-25.12-24.37-23.79-22.08
Race Info - HKIR Hong Kong Cup - LONGINES HKIR - The Hong Kong Jockey Club

JRAでは結果レポートも。
2017香港国際競走の結果 JRA


スプリントはミスタースタニングの好位差しでしたが、それ以外の3レースはすべて逃げ切り。スプリントは逃げたペニアフォビアが3、4コーナーを引っ張ったことで800-400のラップが上がりましたが、マイルとカップは逃げ馬のラスト2ハロンが22秒台ですものね。

速い馬場ですと、ペースを握った馬がレースのどの部分で強みを活かすか(=どうすれば勝つ確率があがるか)、という発想がスローの前残りという発想に収斂しやすいのでしょうね。ヴァーズだけはハイランドリールの特徴から末脚のスタミナ、粘りこみの勝負に持ち込まれたとみてよさそうです。

マイルのビューティージェネレーション、前走はだいぶ他馬に絡まれる厳しい展開でしたから、巻き返しはあるかなと思っていました。しかしあの形で先手を取り切るとは。鞍上リョンは初めて存在を知ったジョッキーですが、うまくまとめていましたね。覚えておこうと思います。

カップのネオリアリズムは少々不可解。1コーナーまでに内からけん制して先手を取り切ることは可能だったと思われます。結果、2コーナーまでに相当抑え込んでの2番手。逃げない指示がでていたでしょうか、控えるメリットが伝わらないままの敗戦と見えました。そこからするとスマートレイアーのポジショニングは納得するところ。京都大賞典よろしく、1コーナーまでに無理をしなければ、ヴァーズで出遅れたキセキとあまり変わらない流れに嵌っていたと思っています。

3レース終わってから、逃げると見込まれたタイプワープからの馬券が売れたみたいですね。差しが全く効かない状況でしたから、自分もそうですが、皆さん切り替えていったんでしょうね。日本馬3頭とワーザーの末脚はそれぞれに見栄えするものでしたし、サトノアラジンの3、4コーナーはもう苦肉の策であったでしょう。差しには辛い条件となりました。

馬券的には2勝1敗1〆切。マイルの本馬場入場まで観ていたら締め切られてしまいまして。まぁでも、2着ウエスタンエクスプレスを相手に含められたか微妙でしたので、結果よかったかもしれません。ヴァースは3連単を絞ったため抜け、スプリントは馬単的中、カップは馬単、3連単的中。上出来かな。


また来年、と思えることが有難いなぁと思いつつ。レイデオロ、ソウルスターリングあたりが出ていれば、ひょっとしたかもしれないな、などとタラレバなイメージが浮かんだ次第です。


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2017.12.06


ゴールドドリーム、春秋連覇となりました。すごい切れ味でしたね。

パドック映像ではしっかりパンプアップした姿。プラス14kgは気になりませんでしたが、まさか差し届くとは。少し速めの馬場かなと読み取っていましたが、切れ味を発揮するにはぴったりの展開になりましたね。

出遅れ気味のスタートからすぐにリカバリーするムーアの意思と技術。1コーナーまでに中団まで押し上げたことは勝因といっていいと思います。

しかし4コーナーを回りながらスムーズに外に持ち出す流れのスムーズさといったら。この場面だけ切り取るなら、個人的にはトーセンラーのマイルチャンピオンシップを思い出しました。回りは逆ですし、折り合いへのアプローチが対極のような鞍上ですけどね。

公式レースラップです。
12.8-10.9-12.5-12.7-12.7-12.3-12.0-11.8-12.4

端的な対比のため、今年のみやこSのラップを。
12.0-11.2-12.3-12.3-12.3-12.6-12.1-12.4-12.9

そして昨年のラップはこちら。
12.7-10.7-12.9-12.5-11.8-11.8-12.4-12.3-13.0


序盤のペースがどうなるか、レース前には諸説ありましたねー。これもだいぶ人気が割れた要因だったでしょう。自分はアポロケンタッキー回避で少なくともハイペースはないと読んでいました。最内枠から控える選択肢はほぼないと思われたコパノリッキー、外から被せるように1コーナーにはいるであろうテイエムジンソク。それ以外に強引に前に行く馬がどれくらいいるかというと。。。とイメージすると、コパノとテイエムが1、2コーナーでポジションを決めてペースに蓋をしてしまう可能性が強いかなと。

向こう正面では少なからず溜めにかかるでしょうから、レースラップを3分割して急→緩→急、この流れに喧嘩を売るとしたら外枠のディスアドバンテージを巻き返そうとするアポロケンタッキー内田かな、と思っていたんですよね。それが回避ですから、テイエムジンソクの逃げか番手がスムーズに決まる確率が上がった、と考えがまとまった次第です。

あ、少し速めと読んだ馬場コンディション、これを先行馬が活かす観点からも、ハイペースはないなと考えていました。

…こう書くときれいに読みが当たったように見えますが、本命はロンドンタウン。。。3コーナー前後からテイエムジンソクがペースをあげるなら(もうここから読み違うわけですが)その後ろで控えているであろう馬にチャンスの芽があるのかも、と思ってしまいまして。岩田はペースの遅さを感受してポジションを上げていましたね。ペースに抗った分、4コーナーでテイエムジンソクが後続をけん制するように膨らんだあたりでゲームセットになりました。必死に食らいついている最中に外に振られたら、ね。


テイエムジンソク。ラップを見る限り、3コーナーからの古川は必ずしも消極的に運んだわけではないと受け取っています。が、12.7の2連発はコパノリッキーにお付き合いした格好かな。1コーナーまでの加速が厳しかったことが直後の溜めにつながったのでしょうが、ここでの温存はコパノリッキーの温存にもなるでしょう。ただ田辺も古川も、お互いそこまで事前に読んだ上でのラップメイクだったのでは、と推測しています。

あの展開はコパノリッキーさえ交わせれば勝てる、という見立てでないと成り立たないようにも見えていまして。勝つための戦略として妥当であったかは、まだ明確に伝わり切っていないんですよね。

一方で、古川の鞍下の実力に関する見立てがもう少し低めに設定されていた可能性もあるなと。例えば3、4コーナーであれ以上深追いした場合、それこそジャパンカップダートのクロフネよろしく、早めに動いて後続を圧倒できるという見立てが古川にあったのかというと、ちょっと微妙かなと思っていまして。そうすると、あの急→緩を作って息を入れる戦略は納得するところなんですよね。

初G1で僅差の2着ですから、本当は前向きに評価されるべきと思いつつ。…やっぱりこちらの期待感が大きかったのかな。クロフネが見たかったのかもしれないですね。

この件、望田潤さんのブログが粋でした。北米ダート血統を重ねているテイエムジンソクをホットドッグに例えていまして。今回はホットドッグをちょっと上品な食べ方にしちゃったかな、と独特な言い回し。フォークとナイフを使って(=欧州のような緩急をつけて)、という件はウィットですね。
第18回チャンピオンズC回顧~ホットドッグをクールに差し切り - 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog


アウォーディー、ケイティブレイブは先行2頭と変わらない上がり。というか、みんな伸びていますからね、持ち味が活きなかったのひと言でしょうか。キングズガード、ノンコノユメ、サウンドトゥルーはほとんど変わらない展開スポイルと見ています。サウンドトゥルーは馬場も向かなかったでしょうか。大井でのあっさり巻き返しは想定しておかないとですね。

モルトベーネ秋山の立ち回りは味があったなぁと思っています。いいスタートからプッシュしてテイエムの直後を取りました。4コーナーでついていけなくなりましたが、鞍下に力があればいい勝負ができたのではないかと思わせてくれています。



最後に。

中京ダート1800で施行するG1、この3年のラップは特徴がバラバラ。このコースだから、というラップ傾向は読み取れなさそうですね。個人的には府中芝2400、京都芝2200と同じく、「2ターン」「1コーナーまでが短め」という共通点から、中間ラップの緩みを生みやすい傾向があると理解したところです。どのコースも先行馬が自分のペースを作ると強いですよね。

締まったラップになった際は本当に厳しい展開になるのも特徴でしょう。両極端な展開を生み出せるコース。中京の場合、向こう正面から4コーナーまで下り、直線で登坂するアンジュレーションが特徴として加わります。…予想の取り組み甲斐がある、と前向きに捉えた方が楽しめるでしょうか。来年まで忘れないようにしておかないと。

あー、もうひとつ。ここにグレイトパールがでていたら。相当面白くなっていたでしょうね。来年はぜひ。

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2017.12.02


ジャパンカップでのキタサンブラック落鉄について。

レース後左前が落鉄していることがわかりました。その後のやんややんやは、いやぁ落ち着いていこうよ、という心持ちで眺めておりました。正直、確定的なことは誰にも何とも言い難いと思っておりますが、それに至るまでの個人的な見解をまとめておきたいと思います。

netkeiba花岡さんの取材記事。センシティブな議題に対していいバランス感覚で書かれているなぁと素直に好感を覚えました。短絡的に敗因と言い切れないことを、取材対象を適切にピックアップすることであぶりだすような構成になっています。おそらくは強い動機があったでしょうね。

この記事からは、釘による出血や外れた蹄鉄を踏んで脚元を痛めるようなケガがなかったことがわかります。もしあったら有馬回避の判断が早々にあったでしょうね。
キタサンブラックの蹄鉄と有馬に向けての新たなスタート/ねぇさんのトレセン密着 | 競馬ニュース - netkeiba.com


レース中に蹄鉄がついていることは写真や映像からはっきりしていますので、パフォーマンスに影響があるとすれば「緩んだ」か「歪んだ」かのいずれかと思われます。西内さんは歪みの可能性を指摘されていますね。
装蹄師/西内荘が語る、キタサンブラック落鉄の見解|競馬のおはなし


一方で、JRA総合研究所の調査(2011年11月の優駿に掲載されています)では、落鉄と競走成績に相関がみられない、というものがありますが、あくまで一定の条件下でのデータなんですよね。1~7着にはいる確率が予測値と実例で有意差がでなかった、というものですから。キタサンがコンマ2秒を詰めて3着を1着にできたか、という議論の根拠として下敷くにはちょっと。。。

また「落鉄」とひと言でいっても、蹄鉄が釘1つだけ残ったときと、釘全体が緩んだときと、先の西内推測のように一部が歪んだときと、スポーンと釘ごと外れたときと、それぞれ影響が異なる可能性は十分ありますしね。その条件を分けて調査されたわけではないですし、というより上記は19例に対する分析ですので、条件を細かく分けた際に母集団として十分な量といえるかは何ともですし。

調査を紹介しているのは楠瀬さんなのですが、科学的な分析は無理、とどこかでコメントしていた記憶があるんですよね。素人のイメージですけれど、きっちり分析をやろうとするなら、蹄鉄のありなし以外の条件を同一にして必要な母集団を確保してありなしで2回走らせて走破タイムを比較する、という条件がイメージはできます。それなら根拠にもなり得るのかなと。…でも、そんなの無理ですものね。

西内さんを権威的に扱うなり、総研の調査を根拠にするなりしても、今回の1事例で影響がどの程度あったかを正確に分析することはできないと思われます。その点で「あくまで推測」と前置きしている西内さんはとても賢明な態度と思う次第です。


以上の点から、自分の見解は「はっきりしない」ことをそのまま受け止める、というひと言に尽きるわけなのですが、特に馬券で損をしていたらそんなに訳知り顔で淡々とはしていられないですよね。確かに自分もすっきりはしていないですから。勝ってたかもしれないな、とは思ってしまいますしね。

ただ、どうやら分析しきれない結果があるわけで、あとは受け止める側のスタンスに委ねられるのかなと。現にキタサンブラック陣営は、レース後のダメージがないことを確認したうえで有馬記念でのリベンジに向けたコメントを出していますから。

観戦するこちらも前向きに。有馬記念でこのキタサンブラックにのるかそるか、この観点で楽しむのがベターなスタンスではないかと受け止めているところです。


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2017.12.02


シュヴァルグランがついにG1に届きました。

早め先頭からキタサンブラックが粘り切れない様は、ブックの吉岡さんが例えている通りテイエムオペラオーのそれを思い出しました。そりゃ当時とはディテールは異なりますが、王者が自身の力を使い切ろうとするところは相似形でしょう。昨年より時計の速い馬場コンディション、まして前走は史上に残る不良馬場。克服しているとはいえ、このギャップを乗り越える必要があったチャンピオン。最高の条件を整えたハーツクライはそこに襲い掛かることができました。

ボウマン、ひとつ前のウェルカムSの時点でインベタが必要ということに気が付いていたでしょうね。ショウナンマルシェについて他馬に対して耳を絞る癖があるかもしれないので馬群から少し離したかった、という予習が完璧な面もブックのコメントで読み取ることができます。当日パドックに張り付いていた分、その観察ができなかったのが悩ましいところですね。

道中ギニョールが前にはいる場面も慌てず、直線はキタサンブラックの軌跡を追うように外へ展開。本人のコメント通り、ともかくキタサンブラックマーク。リスペクトを含んでいるとも取れますが、この馬を負かすことがイコール勝ち負け、という嗅覚がはたらいていたなら、さすがというべきでしょう。

前年は外枠から外々を通って、大勢が決したあとに差し込む展開。着差と脚色からすると最内枠からインを活かし切れば、という考え方はできますね。スクリーンヒーローやショウナンパンドラのような、その瞬間の府中2400mに最適な条件が重なった馬が(それが叶うだけでもすごいんですけどね)今年のジャパンカップを勝ち切った、と理解をしているところです。


公式レースラップです。
13.0-11.2-12.1-12.1-11.8-12.1-12.3-12.2-11.8-11.3-11.8-12.0

勝手引用で恐縮ですが、mahmoudのツイートから、ご自身で計測したレースラップです。参考まで。
12.9-11.5-11.9-12.0-11.9-12.1-12.2-12.3-11.8-11.5-11.7-11.9

昨年のラップ、こちらも参考までに。
13.3-11.3-12.6-12.3-12.2-12.5-12.7-12.3-11.9-11.2-11.4-12.1


今年の方が速い馬場、でしたね。土曜の最終、アッラサルーテが1400を押し切りましたが、昨年の勝ち馬もアッラサルーテ。今年の方が0.9速い走破タイムとなりました。端的な比較で恐縮ですけどね。キタサン自身は昨年より1.9秒時計を詰めていました。

馬場が速めですから、仮に溜めていった場合、キタサンには切れ負けする可能性もあれば馬群に包まれるリスクもあります。長所を活かした昨年のパフォーマンスを加味すれば、キタサンブラックが昨年のリピート、先行策から早めスパートの押し切りを狙うのは至極妥当、という理解は前日のうちにまとまっていました。そのうえで連覇に賭けたんですけどね。


個人的には想像以上、かな。キタサンブラックにとって、今年のほうが前半のペースは厳しかったと思います。スタートからプッシュして内枠の馬をけん制しにいったうえ、1コーナーで内を煽ったワンアンドオンリー、1、2コーナーでキタサンの直後を取ったディサイファのマークは、相応に厳しさを作り出しました。

フジの中継映像では残り1400のハロン棒手前、キタサンブラックの右耳だけが寝ていることが確認できます。後ろ、気になったかな。昨年は向こう正面までに2馬身以上リードを取れていましたから、両耳が前を向く時間が長かったんですよね。リラックスして前半のラップを刻めたかどうかは、昨年とはかなり異なるポイントといえそうです。

半笑いさんは2400mを4分割した2つめの区間で息が入っていないという指摘をしていますが、同様の観点と思います。昨年は37.0、今年は36.0。馬場差を考慮しても1秒違うのは、ね。


ラスト4ハロンを溜めず、ラスト3ハロンで一気に加速する攻撃的なラップメイクは昨年同様。ただし、全体的な時計が速かった分、ラスト3ハロンでもうひとつ末が切れなかったでしょうか。それでも前走天皇賞からするとかなりの馬場、レース中のトップスピードの使い方、位置取り、あらゆるギャップを乗り越えてのパフォーマンスですから

差し届いた2頭のパフォーマンスも素晴らしかった。シュヴァルグランは自身2度目、レイデオロは初めて、2400で2分23秒台を計時。王者の逃げは自身のパフォーマンスの高さだけでなく、レースレベルを上げる(=スタミナの底を問う)形にもなったようです。4着マカヒキとは4馬身差ですしね。

1カ月後に有馬記念が控えていますから、今回120%の仕上げとはいかなかったでしょう。ラストラン、どんなパフォーマンスで締めくくってくれるか、楽しみにしています。

えー、落鉄の影響については別途投稿します。書いていたら長くなってしまって、困ったものです。簡潔にいうと、影響のほどは正直わかりません、おそらく若干はあったんじゃないかな、知らんけど、というスタンスです。…かなりいい加減に響きますねw はい、詳しくはこのあとの記事で。


シュヴァルグランについて。昨年より出来がよかったのは要因のひとつと思いますが、劇的に能力アップを果たしたというわけではないと思われます。この勝利で覚醒してG1連勝、というのはちょっとイメージしにくいかな。有馬記念がノーチャンス、と言い切るつもりはありませんが、諸条件によるところは大きいかなと思います。ジェンティルドンナみたいに好枠を引いたら、考えようかな。

「うちの厩舎があるのはハルーワスウィートのおかげです」。友道師の言葉は響きました。その血統を活かしてきたのはご自身の判断でもあるわけで。唯一のあるべき型とは言いませんが、厩舎経営の理想のひとつではないかと思っています。3姉弟でのG1制覇は思いつく限りダンシングキイくらいかな。

個人的には来年のドバイミーティング、シーマクラシックで親子制覇、というチャレンジを観てみたいと思っています。ハルーワスウィートでも連覇、ですね。そうか。ハーツクライがジャパンカップを獲った、と言い換えると感慨深いですね。


レイデオロ。スタート直後がすべてだったと思っています。挟まれる格好で1列下がってしまいました。ただ、この相対的なスタートの遅さは予見できる範囲だったと思っています。これまでの戦歴でいえば、一番ゲートが上手くいったのが神戸新聞杯でしょうから、府中2400で1コーナーまでに好位を取り切れるタイプとは言いにくいわけで。ルメールの理想はシュヴァルグランが取った位置だったと思われますけどね。

このディスアドバンテージを重く捉えていましたので、枠順がでた時点でレイデオロ本命の可能性はほぼありませんでした。それで勝ったら、ねぇ、ほとんどエルコンドルパサー、日本でやるレースはないと言っていいんじゃないかと。

でも、強かったですね。ホープフルSからこちら、正直あまり強いという認識がもてずにいたんですよね。ダービーの回顧記事を読み返してみましたが「変則的なレース展開でしたから」「真価が問われるのは今後」という表現を使っていまして。強い、というストレートな表現は見当たらないあたり、腑に落ちてはいなかったなと。でも、今回は強いと思いました。

来年のローテーションは未定のようですが、2000mを視野に入れるかが分かれ目のように思っています。サトノダイヤモンド、マカヒキにレイデオロが加わるなら。来年の大阪杯はアツいですねー。

…たぶんもっとゆったり休養を取る気がしていますけどね。クリスエス、ロブロイに倣うなら宝塚記念までじっくり、かな。個人的には沙田で観てみたいなーなどと思っています。はい、今年ネオリアリズムが勝ったあのレースですね。


ソウルスターリングは真ん中の枠があだになってしまいました。どうしても内外に先行馬がいると挟まれる格好になってしまいますね。クリスチャンにプッシュする意識はなかった様子。結果、馬群で折り合いを欠くような展開になってしまいました。かといってキタサンブラックの排気量に真っ向勝負、はかなりのギャンブルですしね。

今秋はフィットするレースに恵まれなかったという認識でよいかと思います。ただ牝馬路線を示唆している点は気になっていまして。アンジュレーションを無視するなら、1コーナーまでの短さと2ターン、京都2200と府中2400は相似形ですからね。


サトノクラウンは10着。人気からすれば大きく着順を下げました。外枠、速い馬場への対応、前走からの疲労度、好転する条件が少ない認識でした。3、4コーナーで積極的に上がっていきましたが、この時点で勝機はなくなっていましたね。直線に向いてなお加速を求められて、マカヒキに交わされたあたりで気持ちも呼吸もひと区切り入ってしまったようでした。神がかっていたデムーロのG1連続馬券圏記録が人気を後押ししていた面はありそうですが、ここで途切れることになりました。


ワンアンドオンリー。レース後引退が発表されました。1コーナーで好位を取りに行く戦略はダービーの時と同じ。横山に乗り替わってからの5戦はフィジカルに苦しいところがなかったように感じています。しかし、今年はジャパンカップで8戦目。陣営の工夫と苦悩が伝わるようです。

オペックホースを引き合いに出す議論も散見されますね。個人的にはケガ無くここまで走り切ったダービー馬が稀少、ということに真っ先に思い立っています。推測するばかりですが、引き継いだ橋口慎介厩舎には大きな経験値を残したのではないでしょうか。結果を求めての苦しい試行錯誤があったはずで。ある意味では父から子への理想的な承継であったかもしれません。

3歳秋以降、馬体がもうひとつパンプアップしてこなかった、という印象が強いんですよね。神戸新聞杯の激走とそのあとのG1連戦が堪えたのかな、という邪推もしております。4歳春のドバイ遠征も、ですね。同じハーツクライで、クラシックを早々に割り切って古馬になってから馬体が充実したシュヴァルグランが今回の勝ち馬というのは何とも言えないコントラスト。…陣営の描いたプランは当然異なっているでしょうからね、野暮な比較に行き当たってしまったかな。

ジャパンカップのゼッケンに「ありがとう、楽しかったよ」の文字。横山、粋ですねw こちらも楽しませていただきました。アロースタッドでの種牡馬入り。引き続き楽しみにしています。



最後に。

武豊の日曜府中の騎乗は2鞍。ジャパンカップ前に芝レースにのる機会はありませんでした。2週前、調教中に落馬して右膝のじん帯を痛めたことから乗鞍を抑えたとも思われるわけですが、その直前に週刊誌にでたスキャンダルが馬集めに影を落としたのではないかとも邪推できてしまうあたりが何とも。せめてひとつ乗って、馬場コンディションを確かめていれば、って思わせないでほしかったんですよね。

スキャンダルそのものをうんぬんするつもりはなく。キタサンブラックのパフォーマンスに人間側が味噌をつけることのないよう願うばかりです。「次は是が非でも勝って終わりたい」というコメントで気持ちを取り直した次第。ラストラン、期待しています。


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