2018.02.12


オウケンムーンが抜け出しました。

確たる馬がいないなぁと思っていましたが、馬場を観てパドックを観て、さらに迷うことになりました。前夜の雨で多少渋った馬場、内から乾いていくこれまでの傾向から、外差しを避けるイメージができていました。そしてコスモイグナーツの逃げ、過去2戦からして突っ込んだハイペースはないと予想し、好位で立ち回れる脚質にアドバンテージをみての本命アメリカンワールド。…ねぇ。

道中アメリカンワールドとほぼ同じ位置にオウケンムーンとサトノソルタスがいましたからね。展開とポジションを読んで、馬券につながらないまずいケースになりました。ステイフーリッシュ、グレイルを下げたところまではよかったんですけどね。


公式レースラップです。
12.9-11.1-11.7-12.3-12.2-12.4-11.7-11.5-11.6

ちょっとパワーの要る馬場だと感じていました。しっかり加速して残り1ハロンを粘りこめる血統背景、と考えると、トニービンはいいですよねー。白いシャドーロールのせいか、リプレイを観ながらオフサイドトラップまで記憶から呼び起こす感覚。本命の決め方を誤りましたね。

直線までうまく内にこだわる北村の判断のよさはありつつ、展開はシンプルでしたので、次走が試金石になるでしょうか。ダービートライアルで好走するイメージなら容易かなと思いますが、中山2000はどうでしょう。成長途上の馬体に細かい立ち回りを求めるレースを選ぶのか、レース選択が注目かなと思っています。

父オウケンブルースリ、ジャングルポケットの荒々しさとはちょっと異なるイメージでしたが、ムーンのちょっと頭の高い走法はブルースリと近しいようにも。昨年は種付け1頭との報道を目にしましたので、これで少し増えてくれるといいですね。


大外から差しに回る3歳春のハーツクライ、近年の府中ではなかなか難しいなぁと思っていました。グレイルの馬体、パドックではよく見えましたよ。いまじゃない、と自分に言い聞かせて評価を下げた次第です。個人的には父と同じステップで皐月賞をパスするのが得策のように思っています。

そうすると同じハーツのゴーフォーザサミットの末脚はどうするんだ、という話ですよね。個体が違いますから傾向だけでは語り尽くせないと屁理屈をこねつつw こちらの方が父の3歳春そっくりと思って観ていました。スタートから下げて内、という田辺の策も嵌っていましたね。先週の東京新聞杯でいうサトノアレスだと思っています。…そっか、リスグラシューを選び取る感覚があればオウケンムーン本命も可能だったかな。

ステイフーリッシュは少し陣営の気合が移り過ぎたか、腹回りがギリギリという見栄えでした。小さめの馬体にマイナス12kgですから、パワーの要る馬場では差し切るには至らなかったという見立てです。

エイムアンドエイド、というよりミナリクの強いマインドがスタートからの先手争いではっきり見えましたね。コスモイグナーツとの雁行、結構長かった。おそらくは控える選択肢をもちながらの主張。最後3着まで残しましたから、ペース判断も外れていなかったでしょう。日本のレースの特徴に慣れるのは早いかもしれませんね。


アメリカンワールド本命の反省をしなければ。馬体は立派でしたし成長途上なりに仕上がっていましたし、決してスプリントしかないという馬格や筋肉でもないと思っているのですが、パドックでは幼い面を出していましたね。チャカチャカと小脚を見せたり、引き手を頼る仕草をみせたり。このあたりに目をつぶっての本命視でした。

気性面はレース運びに影響なかったと思いますが、未勝利のラップを考慮するともう少し軽い馬場の方がよいのかな。キトゥンズジョイの筋肉質は、パワーを持続する馬場での末脚持続には不向きだったと受け取っています。好素材には違いないでしょうから、次で巻き返してほしいなぁ。…いずれは距離短縮してくるかもしれません。



京都記念も少々。クリンチャーでしたかー。

公式レースラップはこちら。
12.5-11.5-13.3-13.0-12.7-12.6-12.2-12.2-12.2-11.8-12.3

クリンチャーが押し切ったということと同じくらい、藤岡佑介の先行策が勝ったという印象です。スタートからしばらく、強い加速を求めないニュートラルな先行策。1コーナーで4番手に収まっていますが、プッシュして出していないあたりに上手さを感じます。

4コーナー手前、外からレイデオロがポジションを求めに行ったあたりも「静」を貫いていました。直線入口でぽっかり進路が開けているのもこの賜物と思います。先行馬が「差し」ましたからね。この

藤岡佑介、年末のガンコあたりから気にしていましたが(今日もガンコで勝ってますね)、佐藤哲三のコラムでも近々の騎乗が評価がされていました。アーネストリーを勝たせるイメージについてふたりが話している記事を見た記憶があります(おそらくnetkeiba)がそういえば同じ勝負服ですね。道中の追走に無理がないのだと理解していますが、先行させたらこわいジョッキーになっています。重賞制覇はここのところの変化の、ひとつの結実であるのでしょう。


レイデオロはなんとかまとめた3着という感想。スローの向こう正面で控えない判断、バルジューの攻めの姿勢は乗り替わりを考慮すれば評価してよいのかもしれませんが…。スタートで後手を踏んだことで立ち回りが難しくなってしまった、…という点は前走でも同じですね。

新馬戦以来の重馬場、決して上手でないスタート、ひとつ外に先行するクロコスミア岩田。スタートで後手を踏み、序盤でアドバンテージを取れない条件は揃っていたと理解しています。それを踏まえると悲観する内容ではなかったかな。

2年連続でダービー馬が敗退。京都の重馬場で末を失い粘り切れない、という事実は、ダービーがあらゆる条件を包括したチャンピオンを輩出する舞台ではないことを物語っていますね。…それも普通と捉えればよいのか。甲子園優勝とプロ野球日本一は必ずしも直結しませんしね。例えが微妙かもですが。

チャンピオン引退後は後釜探しという発想になりがちですが、キタサンブラックとの比較はちょっと酷でしょう。そりゃあ気持ちはよくわかりますけれども、だいぶタイプが異なりますしね。

主戦が鞍上に帰ってくるでしょうし(京都のパドックにいたみたいですね)、できればシーマクラシックに行ってほしいですねー。今日よりはメイダンの方が合っていると思っています。


ディアドラを買って観ていましたが、この状況で差せないとは。ちょっと厳しい結果になりました。3コーナー、登坂時に置かれているんですよね。悪いポジショニングではない分、末脚を伸ばすには馬場を叩くパワーに欠けた、という評価でよいのかな。体調がガタッと来なければ、次走もう一度見直したいと思っています。



最後に。

東京最終、ライアン・ムーアが休み明けのランガディアをゴールへねじ込んでいきました。その横で6着だったレッドアフレイム、14番人気を武藤雅がそつなく先行させていました。おそらく控える戦略を取っていたら、人気相応に着順を下げていたと思われます。もしあのポジショニングでそのまま力のある馬だったら、と期待をもたせる騎乗ぶり。好感を覚えました。

土曜に31勝目を挙げて、G1へのエントリーが可能になっています。さすがに直近のフェブラリーSは間に合わないでしょうが、春のG1参戦、楽しみになりました。

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2018.02.10


リスグラシュー、ひとまわり強くなってましたね。

スタートから中団追走、3コーナー付近で少し引っ張った場面もあったようですが、直線に向いてスパッと抜け出しました。実力拮抗したメンバー構成だなーと思っていましたが、50秒を切った坂路追い切りタイム、パドックでみたトモのボリューム、比較的にポジションを取りに行ける脚質、と諸条件を考慮してリスグラシュー武豊を中心に。正解でしたね。

公式レースラップです。さすがにこれは。。。
12.4-11.4-11.6-12.2-12.4-11.1-11.0-12.0

以下はmahmoudさんのツイートから。
12.4-11.4-11.6-12.2-12.4-11.2-11.3-11.6

3、4コーナーで溜めが効いた分、ラストの失速幅はさすがに大き過ぎると思っていたので、後者のラップは納得感があります。リスグラシュー以下、かなりの馬がゴールまでバテていませんからね。

ただ、直線に向いて急加速する馬群の中から、グレーターロンドンの内を切れよく抜け出してきたあたりは、リスグラシューの反応がこれまでより鋭くなっている様子。3歳クラシックはこの勝負どころの反応で悔しい思いをしましたからね。ハーツクライらしく、古馬になって馬体が本格化してきたかな。

3、4コーナー中間、先行勢のペースが落ちたことで少し余裕をもっていた前との間隔がぐっと縮まってしまいました。前の馬が迫る感覚と追い抜きそうな感覚がリスグラシューにあったかもしれませんね。そこを何とか逸らした鞍上。ペースの加減速を前目で受け切ったあたりは、今後につながっていくのでは、と期待しております。阪神牝馬からヴィクトリアマイル、いいんじゃないでしょうか。


2着サトノアレスは後方から終始インという割り切った策。ラスト先頭に迫った脚力は見逃せませんが、この日のリスグラシューよろしく、ペースの加減速を前受けできるかというと。。。 なにやら内がつけるサトノアラジンのようにも見えております。ただ、心身の完成途上と考えるなら。今後のレース振りがどう磨かれていくか、変化を期待していてもいいかもしれません。

3着ダイワキャグニーは外枠が堪えた格好。G1でもやれる目途はたったように思います。もうひとつ馬体がパンプアップするといいイメージなのですが、そういえば上のミエノワンダーにも似た印象をもっていたような。

ハクサンルドルフ、ダノンプラチナは直線外に回さざるを得ない時点で残念ながら上位争いは難しく。ダノンプラチナは好調の時に近づいては来たかな。もう少し伸びやかなストライドだったと思うのですが、蹄のせいなのか。。。

グレーターロンドンは川田がポジションを求めに行きました。馬群とは少し距離を置きながら、慎重に内へ内へ寄せていく向こう正面。それでも力んだ追走になっていましたね。一生懸命に、気を入れて走るタイプなのでしょう。3、4コーナーのペースの緩みを味方につけられず、直線半ばで力みきれなくなっての失速と見えました。天皇賞秋の積極策がここまで連なっているように感じます。後ろから進めて、レース後半に力むようチューニングし直すのがよいような。。。 そして言うほど簡単ではないような。。。 少なくとも次走は様子見が賢明かもですね。

アドマイヤリードは直線半ばでデンコウアンジュに前をカットされる格好。脚色の差はありましたから決定的な不利ではないですが、いいところなく流れこんだという結果に。ペースに左右されてしまう面はどうしても、というところでしょうか。仕上がりに不安はない認識ですので、調子落ちがなければ嵌るときにしっかり狙っておきたいですね。



きさらぎ賞もちょこっと。サトノフェイバーの逃げ切りでした。

古川の負担をかけない道中の運びはお見事でした。後続からプレッシャーはあったはずなんですけどね。決して恵まれての勝利ではないと思っています。次走スプリングSがクラシックに向けての試金石になりそう。サニーブライアンっぽいイメージをもっていますが、どんなレース運びになりますかね。

ダノンマジェスティの鞍上がビシバシ叩かれておりますが、個人的には個体の特徴も厩舎の仕上げもしっかり背景にあるものと思っています。松若についてはレース直後から感想は変わっておらず、内にいれる選択肢はなかったのか、というもの。佐藤哲三のnetkeibaのコラムでもそのあたりに触れていて、ええ心強い限りですねw

坂を下りながら右回り、というコースはトレセンにはないでしょうから、十分なエクササイズは望めないでしょう。まして右回りのデビュー戦で外へ逃げていたわけですから、レース中に何らかの予防策を描いていたと思うんですけどね。

古い記憶でアレですが、オースミタイクーンのマイラーズカップを思い出しました。武幸四郎の初重賞制覇、デビュー当週で4コーナーを満足に回れない様が画面からも伝わってくるのですが、外に馬を置けたことで大きく膨れることなく直線に向いていました。…あんな感じで。と思った次第です。いまいまどこかで映像観れるのかな。



最後に。

当日は府中で観戦できました。お昼に到着したところ、若干数指定席が空いており。気まぐれが働きましてそのままB席に。屋外なのでやっぱり少し冷えてしまいましたね。9レースあたりからはパドックと返し馬と暖房の効いたエリアを行き来する形に。…あまり指定席の意味がなかったかなw

でもやっぱり返し馬を見逃さなくて済むのは大きなメリットですね。中継ですとカメラワークの都合、すでに並脚になっている馬をどうしても観ることになりますので。画面4分割とかあれば、…それは忙しいかw

書いておくべきはゆりかもめ賞。ブラストワンピースの末脚を生で観れたのは大きな収穫でした。スワーヴリチャードをほんの気持ち器用にしたイメージ。トップスピードにはいった際の馬体の伸びと回転の鋭さはなかなかだなぁと。直線長めの大箱を使ってもらいつつ、ダービーで会いたいですねー。


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2018.02.02


年に1回開かれている関東装蹄師会による馬学講座。今年も参加してきました。

自分は通算、4回目の参加。場所は例年通り、現在は改装中の馬事公苑近くですね。

詳細はWebで、と言いたいところなのですが、これまでと変わらず、過去の開催に関するアーカイブページが存在しない状況が続いているようです。おそらく同じhtmlファイルを上書きされているのかと。以下のリンク、ではあるのですが、いずれかのタイミングで22回目の情報が上書きされてしまう可能性が。。。
公開馬学講座開催情報 関東装蹄師会 オフィシャルホームページ

というわけで今年のテーマもアーカイブしましょうかw 以下の通りです。
講師のお二人は昨年に引き続きの登壇ですね。


PART1 「愛馬の改装時期の目安と改装遅延のリスク」
講師:富山拓磨先生(日本装削蹄協会)
PART2 「後肢の動きはオートメーション! -エンゲージメントの秘密ー」
講師:青木修先生


参加した過去3回のテーマについては、個人的なメモ書きと併せてでよければ。以下のリンクをご参照ください。
more than a DECADE 第18回公開馬学講座
more than a DECADE 第19回公開馬学講座
more than a DECADE 第20回公開馬学講座


それぞれ1時間半ほどの講義、内容をつらつらと書いておこうと思います。


まずは富山先生から。

「改装」という言葉、自分には耳馴染みはなかったのですが、おおよそ想像していた内容と一致していました。削蹄と装蹄を併せた意。その適切なサイクルが今回のテーマでした。全く改装をしないケースと改装が遅れたケースを引き合いに、リスクの程度について話が進みました。

ナチュラルフットケアという表現もあるようですが、削蹄のみで蹄鉄を履かせない場合(=改装をしない場合)、やはり蹄の摩耗や損傷は大きくなってしまうようです。統計の出どころはメモし損ねましたが、野生の群れによってはその4~9割の個体で蹄葉炎に罹患しているケースがあるとのこと。…多いですね。人を乗せたり激しい運動を求められない分、罹患する確率は低いのかとイメージしていましたが、自然環境はなかなか過酷なようです。

装蹄せずに欠けていった蹄や、前掻しすぎて蹄がすり減り激痛で動けなくなった例など、いくつかの症例をスライドで紹介しつつ、「過度な摩耗からの保護」が改装が必要なポイントであることを訴えられていました。このあたりは、参加者の多くが乗馬をされている方(=日々のメンテナンスに直面されている方)という前提があるのでしょうね。

装蹄には「このマイナスを0にする」蹄の保護的な役割ともうひとつ、「能力発揮のためのオプション」というプラスの要因をつくりだす役割があることも紹介されていました。

競走馬ですと基本は路面に対してしっかりグリップすることでパフォーマンスをあげます。しっかりグリップできずすべるような動きが生じると推進力は逃げちゃいますよね。反対に後ろ脚がすべること(=グリップしないこと)が求められる場面もあるようで。ウエスタン乗馬でのスライディングストップが例えにあがっていましたね。講義を聞きながら、自分はF1でのレインタイヤを連想していました。インターフェースと摩擦係数という意味では同じかなと。


一方で装蹄するデメリットという視点も。簡潔にいうと、…いえるかなw、蹄鉄をつけたまま蹄が長く伸びてしまうことが脚元に負担をかける、ということ。

えー、ミステイクを恐れず自分なりに例えてみます。ストローをペンのようにもって、いわゆるペン先をテーブルなど固定面につけて、ストローを折り曲げようとします。短く持つと折り曲げにくく、長く持つと折り曲げやすくなりますよね。ストローを蹄と置き換えれば、…かえってわかりにくいかw

ストローでなくても長さがあってそこそこの強度のものであれば何でも。なんといいますか、球節から爪先までが長くなるほど上からの加重に対し負荷が大きくなる、ということで合っていると思います、間違っていたらすみません。

蹄の構造上、この負荷は蹄の内部で蹄骨を蹄葉から引き剥がす作用になってしまうようです(これが蹄葉炎の原因になる)。この負荷(=装蹄することによるデメリット)を回避するため、一定の周期で改装することが大事とのことでした。…伝わったでしょうか。

なお、関係者へのアンケート結果から割り出した、望ましい改装の周期はおおむね1カ月ちょっと。フットケアは毎月欠かさずに、という結論になるようですね。その他、蹄への負荷は爪先<かかとであるとか、いろいろなエピソードがあったのですが、長くなりすぎてしまうのでこのあたりで。

あ、講義の最後に、しっかり有料の講習会の宣伝をされていたのは頼もしさというべきでしょうねw



次に青木先生。

なぜこの馬学講座が始まったか、というもはやおなじみの口上からスタート。馬体のトラブルを明確な根拠なく装蹄の責任にされてしまうことがあったそうで、その「冤罪」に対して科学的分析をもって反論したい、という主旨でしたが、例年のごとく圧がすごいw 個人的にはまったく好意的に受け取っていますし、会場もいつものアレという感じで笑っているのですが、圧はすごいですw

イントロダクション的にホワイトボードに馬の絵を描かれて、背骨の説明から。

頸椎7つは哺乳類で共通、対して腰椎はサラブレッドの中でもまちまちとのことで5~7つ。まちまちなんですね、これはびっくりしました。胴長に見える馬の腰椎の数は他より多いかも、という指摘は興味深く。胴長にでる血統には腰椎の数に特徴が?…パドックでは数えられないですけどね。

頸椎の動きは自由度が高い一方で、胸椎→腰椎→仙骨に至るいわゆる「背骨」はがっちりとしていて曲がらない構造になっています。青木先生から言わせると、この背骨の固さで馬はひとを「乗せちゃった」そうで。背中がぐにゃぐにゃだったらよかったのに、というあたりは特有の馬への愛情表現のようです。確かに、ひとを乗せること自体が負担ですものね。

ひとを乗せていることの影響から、胸椎と腰椎、腰椎と仙骨の間に負荷がかかりやすいそうで、ほとんどの馬がその部位に変形性の関節炎を発症しているとのこと。そこでいう「ほとんど」が乗馬を指すのか競走馬を指すのか、はっきり覚えていないためちょっとモヤッとしておりますが(先生がデータ元を明言していなかったような…)。ただ、鞍を置いて乗ることの影響を具体的に聞いたのは初めてかな、その意味では貴重な見解でした。

そこから、ブリティッシュの乗馬が何故後ろ重心なのかと、対してエンデュランスが前重心である理由とを対比。このあたりは長くなりすぎますのでちょっと割愛しましょう。馬の負担を軽くするには前重心なのだそうですよ。

とはいえのっていると鞍は後ろにずれていくわけですね。この理由をシンプルに表現されていました。馬の重心は馬体を横から見ておおよそ肋骨の12~13本目あたり(高さは胴の中心あたりですね)。そこを中心に前後の脚が運動するため、前目につけた鞍もその重心によっていってしまうそうです。なるほど。個人的にはドバイワールドカップのカリフォルニアクロームで脳内のイメージがいっぱいになっていました。あれは危なかったですからね。

本題はここから。前脚の肩から肘関節の角度と、トモの膝蓋骨より上、腸骨と大腿骨の角度。ちょうど不等号の記号が対照しているように模式化できますが、このミラー構造をパンタグラフに例えておりました。自分はピンときましたが、電車の屋根にあるひし形のアレですね。上下の衝撃緩和にはちょうどいよい構造とのことでした。

で、その後ろ脚ですが、蹄洗(洗うことですね)の際の脚の上げ方を例にとりながら、各関節が一斉にワンセットで動くことを指摘。確かにトモを引き上げるときは、どこかの関節が個別に動くことなく一連の動きになっています。この動きを指してオートメーション化と呼ばれていました。確かに球節から先だけが急に前を向いたりはしませんものね。

講義では腱がどのように連動して収縮していくかを詳しく解説されていました。動き方が決まっていることで、シンプルに推進力を発揮しやすい構造になっているとのこと。引き合いに出されていたのが車の後輪駆動でした。後輪駆動者は前輪が方向舵、後輪が推進力と役割が明確。馬も基本的にはトモで推進しますものね。

馬の脚の故障は前肢と後肢でおよそ7:3。ただし後肢は一度発症すると長引く傾向にあるそうで。

馬場馬術は特に後ろ重心であることから、後肢への負荷が大きく、こういった構造を理解したうえで、日ごろのケアや適切な筋力アップに努めてほしいという締めくくりでした。

あ、講義の合間合間に、ご自身が監訳された『馬のバイオメカニクス』をがっつり紹介されていましたw ツイートした通りその場で買ってしまいましたから宣伝効果は抜群だったかなw



最後に。

こうしたテーマは専門書で読むことはできるのですが、専門家の方がとりまとめて話されるとやはり理解しやすいものですね。今後も可能な限り参加したいと思っています。

ただ、日曜メインを犠牲にしないといけないんですよね。PATでちらっと買っていたのですが、週中の雪の影響も含めてとても読み切れず。ノンコノユメもファインニードルも評価を下げてしまっておりました。馬学講座の課題と言えばそのあたりかな。贅沢を申しておりますです、はい。

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