2017.10.24


キセキが泥にまみれて菊を獲りました。

直線の勢いは一頭だけ違いましたね。どの馬ものめっていたのは間違いないですし、それを見越してダンビュライト武豊もクリンチャー藤岡佑介もひとつ早めに勝負にいった流れもありますが、デムーロは慌てずに道中のリズムを保っていました。折り合いに専念していたとは本人のコメント。神戸新聞杯もそうですし、これまでのキセキの競馬のリズム、ですよね。大一番で自分のスタイルを保って勝ち切るのは強さの証でしょう。相当にのめって末脚が発揮できないと読んだのですが、失礼いたしました。強かった。

公式レースラップです。
13.2-12.6-12.0-13.1-13.2-13.5-14.5-14.3-13.5-13.0-13.1-12.9-13.4-12.7-13.9

台風21号の影響で当週の後半から関東も関西もほぼ晴れ間はなし。土曜は霧雨になったり少し雨足が強まったりというぐずついた天候でしたが、日曜は本降りに。これだけ水分を含み続けた芝は久しくなかったと記憶しています。勝ちタイムは3:18.9。すごいですね。いましがた調べてみましたが、昨年は3:03.3ですので、前年比16秒以上のギャップとは。どうやら1960年代や戦後まもなくまで遡らないと類似するタイムが出てこない模様。

個人的にはロジユニヴァースのダービーに近いイメージで構えておりました。あの時は途中から思考停止になっていましたが、今回はまだましだったかな。上がりタイムだけ見るとトウケイヘイローの札幌記念のようでもありますね。勝った馬が39秒台でそれ以外は40秒以上という(札幌記念は2着アスカクリチャンも39秒台でしたけどね)。

日曜の京都10レースは芝1200。4コーナーから内を避けるように大きく外へ馬群が流れていました。フジの中継では細江さんが、内から3頭目くらいまでは水が浮いている状況というコメント。このあたりから推察すると、1週目の下りで先手を取りに行ったマイスタイルは直線でモロに馬場の悪いところを、2番手に引いたウインガナドルもそれより外でしたがあまり変わらなかったかなと。前半の1、2、3番手はそのまま16、17、18着。馬場の選び方は随分スタミナに影響したようです。…ダンビュライトがギリギリ避けているように見えるのはさすが武豊というべきでしょうね。

その先行争いは前半3ハロンが加速し続けるという変則的なラップ。ウインガナドル津村は1周目下りでの前進気勢を抑えている間に、マイスタイルにハナを奪われてしまいました。スローにする判断が早かった?のかもしれませんし、そもそも戦略的な選択肢が少ないこともあったのでしょうが、後続に蓋をするために前半3ハロンをどうしたかったのか、そのプランはいまいち伝わりませんでした。マイスタイルとの争いは結果的に招いてしまった流れと理解しています。

上位入線馬はこのペースにはあまりお付き合いしていません。人気どころではミッキースワローだけ、1週目の直線で引っかかってしまいました。スタート後にちょっと前目のポジションを求めた結果でしょうか。個人的にはディープインパクトよろしく、1周早くゴールを目指してしまったように見えました。


本命ダンビュライトは外枠を活かして終始コースの外々を選択。横の移動が少なく、かつ後続馬群を背負ってのマイペースですから「やりたいレースができた」というコメントも納得するところです。パトロールビデオで1周目のスタンド前、馬群を正面からとらえたアングルではダンビュライトを先頭にした2番目の馬群ができているようにも見えますね。

4コーナーでクリンチャーが捲ってきたときも慎重な立ち回り。ただ、もう余力がないことをわかっていたかもしれませんね。2頭が雁行したまま直線に向くあたりは「おおおおー!!!(心の声)」と思っていましたけどね。ラスト1ハロンは文字通り「力尽きた」でよいと思っています。

中京のデビュー戦とこれまでのレース振りから、馬場はこなすが末脚のスタミナが足りず勝ち切れない、という見立てでした。土曜まではその理由で切るつもりだったんですよね。他馬が馬場に苦しむことと鞍上への期待値を盛って、当日本命に切り替えました。キセキがあれだけ馬場をこなすと見立てられていれば、もう少し予想の組み立ては変わったかな。どちらもルーラーシップ産駒ですしね。ダンビュライトへの評価自体は反省するところが少ないと思っています。…POG馬なんですよね。最後の最後にそれが首をもたげた、ということかもしれません。


勝ったキセキは母父ディープインパクト。いずれ珍しくなくなる血統ではあるのでしょうが、この繁殖にふさわしい父系もまた、次のトレンドですからね。ルーラーシップが先んじてひとつ結果を出しました。ただしルーラーシップはこれが産駒初重賞制覇。ちょっと特殊過ぎる内容ですので、今後の評価に即つながらないかもしれませんけどね。シャンティイやロンシャンを制するにはよいイメージが描けるかな。

そしてデムーロは菊花賞初制覇。3冠ジョッキーになりましたね。言われて初めて気が付いて、ちょっと調べてなるほどというところ。これまでの2500m以上の長距離重賞勝ちはヴィクトワールピサの有馬記念とステイヤーズSのダイタクバートラムの2つだけ。というより、重賞に限らず2500m以上では2012年から1勝しかしていない。。。乗鞍の数もルメールの1/2ですし。繊細なラップメイクが求められる条件が得意じゃないイメージがありますが、ちょっとした答え合わせになったような。ただこのデータを踏まえると、しっかりチャンスを活かしたとも言えますね。ネオユニヴァースの時の忘れ物、とは本人は思っていないかな。


2着クリンチャーは藤岡佑介のファインプレー。二の脚がつかず後方にポジショニング、これまではそこでほぼレースが終わっていたのですけどね。淀の3000ではここからが異なっていました。1周目のスタンド前で早くも馬群の外に持ち出すと、ラップの落ちた1、2コーナーでポジションを上げてアルアインの外まで。減速ラップに対する反応としてはプチ・レイデオロといったところ。一気に行かず3コーナーではダンビュライトを捉える進め方は残りの距離を考えれば妥当ですよね。

そして4コーナーではそのダンビュライトにプレッシャーをかける雁行状態。直線入口の併せ馬はかっこよかったですねー。結果的に40秒ちょいの上がりは上位入線馬と大きな差異ありませんが、最も積極的にレースを運んだ人馬だと思っています。ディープスカイ産駒がダートで良績なのは理解していましたが、ダンビュライト本命の時点でこのあたりの馬は粘りこんでいないイメージでした。自分でレースを厳しくしにいけることが分かっただけでも収穫かな。ナイスファイトでした。


サトノアーサー、アルアイン、ベストアプローチは馬場うんぬんより距離適性に難しさがあったと思います。アルアインはマイルG1に見ていきたいですね。サトノクロニクルは距離に懸念はなさそうですが、終始のめっていた印象。引き続き距離の長いところで見てみたいと思っています。スティッフェリオは穴で狙っていましたが、当日改めて馬体をみてかなり躊躇しました。何といいますか、思ったより腰高で胴長で脚も長め。この馬場ですとストライドが伸びにくく、ピッチ速く掻き込めないかもとしれないと。買い目から外すところまではいきませんでしたが、評価を下げたことは合っていたかもしれません。実際のめって終わってしまったようですね。


レース直後。ジョッキーがアクションを畳むとすぐに減速する各馬。頑張って走ってくれたことを確認すると同時に、各馬しばらくは休養に当てないと厳しいかもしれませんね。疲労困憊からの回復にどれくらいの期間がかかるのか、注意しておきたいと思います。いまのところキセキの次走の話もまだでてきていませんしね。



最後に。

当日は性懲りもなく府中におりました。屋外のスタンド席に腰かけて菊花賞を観戦しています。けっこうな奥まで雨が吹き込んでいましたね。新聞が軽くフニャっていました。

その直前、雨中ブラジルカップのパドックを待って、ラニの写真だけさくっとスマホで撮影。府中2100でも足りないだろうなと思っていましたが残念ながら案の定という結果でした。馬場が湿ったことはラニには不運だったでしょう。皇成は馬の能力を評価していたようですが、変わらず、適鞍を求める悩ましい状況は続いてしまいそうです。

月曜にかけての風雨はあちこちで爪痕を残していました。この投稿を目にしている皆さまは大丈夫でしたでしょうか。東京は深夜に雨<風という天候になり、かなりの風の音が明け方まで続いていました。

週明けてようやく台風一過と思っていたら、今度は22号が発生。週末に関東に近づくとのこと。秋の天皇賞も渋った馬場で行われるのは正直避けたいですねぇ。復活を期すキタサンブラックですが、おそらくこの土日のような馬場ではかなりてこずってしまう気がしています。

他の馬にチャンスが出るとしたら、うーん、リアルスティール、ネオリアリズム、ステファノス、とかかな?あー、あまり言い過ぎないほうがいいかw 先入観を強くはもたずに週末のお天気とにらめっこするつもりでおります。


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