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2018.01.06


遅まきながら回顧です。エネイブルの完勝でしたね。

レース直後からこちら、いろいろな言葉が脳裏に浮かんでいましたが、ことレースの解説、特にフランキーのポジショニングについてはnetkeibaの福永のコラムがとても適切と思っています。本人は自身が解説している場合ではないというコメントで締めていますが、いや、秀逸な解説ですのでぜひ今後も。それじゃダメかw あ、欧州の馬のフォームについても面白い指摘がありました。全文は有料かな。
【ユーイチの視点】凱旋門賞回顧『無念の15着…サトノダイヤモンド&ノブレスの挑戦を振り返る』 - 福永祐一 | 競馬コラム - netkeiba.com

アイダホがくれば外へ、オーダーオブセントジョージがくれば外へ。スタート直後の変則的なコーナリングを利用して内枠発走のデメリットをじゃんじゃん中和していくフランキー。オブライエン陣営は前と外からエネイブルを囲んでしまう戦略、というのはだいぶ見て取れましたね。囲まれないようにというフランキーのハンドリングに応えるエネイブルの俊敏な反応は力のある馬だからこそ、といえそうです。

序盤のポジションのせめぎあいの最中、エネイブルはだいぶ行きたがっている様子でした。これもフランキーがうまくこなしておりましたね。ブレーキ、ではないんですよね。前進気勢はそのままに首の動きを適度にホールドするといいますか、ギアがかっちり噛み合わないように力を逸らすといいますか、…あーでも、このあたりを解説するならnetkeibaの「哲三の眼」がよいのかなw 上記コラムでは連動性という言葉を多用していますね。 …すっかりステマのようになっていますが。ステマも死語でしょうかねw

一瞬だけサトノノブレスがエネイブルの外に並ぶスペースができていましたが、すっといけるようなら結果も違っているはず。川田は序盤から積極的でしたが、サトノ2騎の連動性という意味ではもうひとつだったでしょうか。このあたりはラビットという価値の隔たりもありますからね、急に日本人ジョッキーを采配しても、という面はあったかもしれません。

直線残り300からはもうエネイブルの独壇場。直線に向いて外にハンドルを切った瞬間に、あー勝つなーと思って観ていました。強かった。ヨークシャーオークスの物見はなんだったのか。

ゴスデン師はレース後から現役続行に意欲を見せていましたね。年が明けて2018年、今後は新生ロンシャンでどんな走りを披露することになるか、楽しみです。

馬券はエネイブルから。ユリシーズも押さえていましたが、クロスオブスターズもしっかり相手に含めることができました。馬単で的中いたしました。バルザローナは2着狙いだったかな、個人的には父シーザスターズと馬場コンディションのマッチングがプッシュ材料になりましたね。



サトノダイヤモンドは15着と大敗。残念のひと言、です。

馬場が敗因、という表現が散見されました。実際ルメールも「これほど深い馬場は日本では経験できない」とコメントしています。
コメント | 2017凱旋門賞 | JRA-VAN ver.World

中間に喉のコンディションが疑われたことも敗因に挙げられるかもしれません。現地でもう少し強く攻めるつもりだったという記事も目にしましたのでね。

個人的な見立て。プレップレースを踏まえて、フォームは結構な適応を見せていたように思っているのですが、どうでしょう。馬場が敗因であることを否定するには及ばないながらも、短期間なりに強くグリップする走りを身に付け始めていたように観察しております。

ただしフォームが適応を見せても、レースを通してそのフォームを崩さずに必要なスピードを維持し続けられるか、つまり重い馬場を強くグリップして掻き込み続けるスタミナ(筋力と心肺機能)を発揮できる状況にあったかというと、…何ともいえないところですね。このスタミナ、持久力に欠けたことが主な敗因と理解しております。敗因分析のなかにはこれらを分けずに、端的に「馬場が敗因」と語られているものもあるように思いますが、分けて捉えておきたいところです。

サトノダイヤモンドの持ち味は軽いグリップで加速できる馬場での失速率の低い末脚、と思っています。きれいに脚を回転し続けるための筋肉と心肺機能の鍛え方は、強いグリップで加速し続けるパワーとスタミナ重視の末脚とはだいぶ異なるベクトルをもっているのでしょう。

ペガサスワールドカップを制してドバイに乗り込んだアロゲートのバファート師が、日本のダートレース遠征に関連してコメントしていたのを覚えています。個人的にはここにヒントを見ています。報知の記事でした、以下に引用しますね。
『米国のダート競馬で一番必要なのはスピードです。スタミナも必要ですけど、長い距離のスタミナと違うスタミナです。スタートからゴールまで持続できるスタミナが必要。調教でトレーニングすることが必要だと思います』
【ドバイ・ワールドC】世界ランク1位・アロゲートを管理するバファート師に聞く : スポーツ報知

同じくらい高い心肺機能でもエクイターフ向けの筋肉や心肺の鍛え方、理想のフォームの会得は、スタートからバンバン飛ばしてバテ合うアメリカダートのそれとは大きく異なっているでしょう。欧州の芝コース、特に含水量の多いコンディションには同様のことがいえそうです。

そして、ここに血統が関連するとも思っています。特にディープインパクト以降の凱旋門賞挑戦、ざっくりいえばこれはサンデーサイレンスの挑戦をサドラーズウェルズが阻んできた歴史、ですものね。

サンデーの適応とサドラーの適応。それぞれにローカライズして長く君臨している血統ですから、その王者の適性に挑むのは大変な難易度である、ということなのでしょう。…こう書いてしまうと、日欧どちらにも適応を見せたデインヒルの凄さを改めて思いますね。

ちなみにエルコンドルパサーについては、いわゆる「現地化」という、その後もほぼ取られていない陣営の戦略がありましたからね。ここ20年のチャレンジの端緒であり、模範でもあり、異端でもある、というのが妥当な認識と思っています。

エネイブルはサドラーズウェルズ2×3。よりによって、という濃いインブリードですね。個人的には父ナサニエルの母系に入るシルヴァーホークも気になります。そうなんですよ日本にもいましたよね、シルヴァーホークとサドラーズウェルズを、そしてサンデーサイレンスも包含したチャンピオンホースが。ひょっとしたらモーリス産駒から日仏を跨ぐ適性をもった馬がでる、かも?しれません。でないかもしれませんw


サトノダイヤモンドの2018年春は国内専念。金鯱賞から大阪杯、宝塚記念の3戦と発表されています。ただ昨年と異なるのは、凱旋門賞という秋の目標を明示していないこと。ファンの側からすれば陣営の思惑は邪推するばかりなのですが、適性と調子を加味して、秋の目標は柔軟に捉えているのでないでしょうか。池江師の私怨ともいえる強いこだわりからすれば、非常に冷静なマネジメントの視点をもっているようにも映ります。すごい勢いで周囲から止められたのかもしれませんが。

敗戦からこちら、ようやく凱旋門賞とサトノダイヤモンドが相対化されて語られるようになってきた気がしています。それだけ陣営の熱が強かったのかもしれません。より適性のある舞台を求めることもまた選択肢のうちですよね。そのうえでの再挑戦であれば、そりゃあもう全力で応援したいと思います。



最後に。

2012年9月の優駿に掲載されている、角居勝彦と伊藤雄二の対談。思い出したので引っ張り出してみました。その中で角居師は「取りやすいG1にはチャレンジした」とコメントされています。確かにアメリカンオークスや香港マイル、メルボルンカップなど早いタイミングからチャレンジされていますよね。

そして「残っているのはアメリカのダートとヨーロッパの芝」「これは日本馬の特徴と異なるから難しい」という見解も。それでも挑戦しなければというコメントもあり、頼もしい反面、ある種の悲壮感も纏っている印象も覚えております。凱旋門賞はここにあたりますものね。

一方で同師の管理したウオッカ、かなり府中に偏ったローテーションが当時から賛否を呼びました。適性のないところは使わない、という選択もありだとは思っています。それもまた管理する側の判断の範疇でしょう。

多分に個体の資質によるのでしょうが、これまでのノウハウを駆使して、可能なチューニングを施して適性の異なるであろう舞台に挑む陣営があるなら、その姿勢こそ評価していきたいと思っている次第です。

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