2008.12.23
まとまった想い出話を。


1999年秋のG1、スペシャルウィークは
低評価をくつがえして天皇賞(秋)を制し、
ジャパンカップでは日本のエースとして凱旋門賞馬モンジューを退け、
有馬記念でのラストランを確かな軸として迎えていました。

ただ、ひとつ。画竜点睛を欠く、宝塚記念。
同年の初夏、グラスワンダーに完敗していました。
この評価を取り戻せるか、これも有馬記念の大きなポイントでした。



当時は、グラスに肩入れしていました。

順調なローテーションを踏めないグラスワンダー。
尻上がりに調子を上げるスペシャルウィーク。

プラス二桁の馬体重。それでも有馬記念は
グラスを本命に据えました。

スペシャルも好きなんですよ。
天皇賞(春)はスペシャルの単勝勝負で
最高な3分強を堪能しましたし。




年間を通して追いかけ続けたせいでしょうか。
予想の決め手は、いつしか鞍上二人の思惑へと
その軸を移していきました。


宝塚記念で瞬発力勝負に完敗したスペシャル。
マークされるリスクを負った上で先行し、先に仕掛けた結果、
グラスに直線で交わされ、3馬身の差をつけられました。

鞍上武豊は、自分にダービーとJCのタイトルをもたらしたスペシャルに
かなりの思い入れを持っていました。断言でいいと思います。
確かな勝利を引き寄せるために、そして
引退するスペシャルの評価を確かなものにするために
武豊の戦略は「グラスの後ろに控えること」だという確信がありました。

以前の「差し」へと戦略を戻して連勝したその秋の流れ、
そして逃げウマ不在のメンバー構成。
極端なスローペースが必至なら、それはロングスパート勝負を示します。

2頭が抜けた瞬発力をもっているのは証明済。とすると、相手はグラスのみ。
そして、順調でないグラスワンダーならスタミナ勝負で上回るという読み。
グラスの仕掛けを待ってからでも、いや待つからこそ勝てる。

…武豊は、強烈なリベンジを目論んでいる。

グラスワンダーを差すという、宝塚記念と逆の結果で
実力の証明をするだろう、と考えました。



対するグラスの鞍上的場。
小細工はしない、と読みました。

スペシャルは内枠を引きました。スペシャルはいったん下げながら
グラスをマークする位置で後方待機する。
的場はマークされることを承知で前に位置するだろうと。

グラスの実力に対する信頼。
その上で、スペシャルだけに相手を絞らず
スペシャルに「仕掛けさせられる」ことなく
いつものグラスのレースに徹するだろう、と考えました。




お手馬への評価を抱きこんだ、二人の鞍上の自負心。
このどちらに乗るのか。
自分の賭けは、もはや究極の二択でした。


結果、グラスに乗った自分の予想は
後方待機する最強のライバルからマークされ続けるスリルに
2分半さらされる覚悟をすることでした。

このときほど、武豊の緻密さと豪胆さが
怖かったことはありません。
レースははたして、その「懸念通り」の展開になりました。



…4センチ差は、レースの綾としか言えません。
いまだにレース映像を見返しても勝った心地がしませんからね。
名勝負でした。
http://jp.youtube.com/watch?v=lAih5pAF_J0&feature=related
 └ JRAのサイトに見当たらなかったので、YouTubeから。



当時の予想、その真偽はどうでもよいと思っています。
ただ、入り組んで爆発した興奮だけがありました。

いつか書き記しておこうと思っていたモノローグです。
今年は両馬の息子が出走します。
懐かしさも含め、このタイミングになりました。


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