2009.09.04



…ちょっと残念な書評を。

たいがい買って読む本、雑誌には個人的な「読みどころ」があって
しっかりそこで楽しませてくれるものなんですが
(買うまでに選別していますしね)
今回はどうにも。

いわゆるツボにはまらなかったのではなく、
そもそものクオリティが問題なんじゃないかと思い、
いまいまの評価を留めておくために、書いておこうと思います。



読んだのは「最強サラブレッド列伝」。

過去の名馬をダイジェスト的に振り返る企画です。
この手の企画はかつて競馬に力を入れていた
別冊宝島が得意だったという認識でいます。

というか、別冊宝島のテイストをすごく感じるんですよね。
なにか関係があるのかしら。

河内洋のロングインタビュー、に惹かれちゃったんだよなぁw
この時期の企画としてはお見事と思います。
河内の評価基準がしっかり引き出せているので、これはステキ。


ただ、肝心の過去の名馬を振り返る記事が。。。

名馬というだけあって、戦歴やエピソードはすでに
語られているものが多いわけです。
過去のテキストをなぞるだけなら、過去に出版された本を読めば
おしまいですし。…手に入りにくいから焼き直す、ことにも意味はでてくるのか。

こういう企画の場合、最近ファンになった層に向けて
過去の名馬はこんな評価だったんだよ、という一般評をするか
そのとき一般の空気はこうだったが自分はこう感じていた、という
ライターの思い入れで書くか、記事のテイストは大別できると思います。

…どちらでもないんですよね。

一般評の焼き直しであるなら、せめて戦歴はしっかり紹介してほしいですし。
逆に筆者の思いを書き記すなら、任された原稿に
少しでも付加価値をつける努力(の痕跡)を見せてほしいなと。
…言い過ぎかなぁ。

なんというか、エンターテインメントとしてぶっとんでいるなら
それはそれでステキなんですよ。
そのベクトルも中途半端な印象で。




たとえばトウショウボーイ。
変な名前でなくてよかった、名馬はそれなりの名前を持っている、という論を
展開した後、クライムカイザーがはいるから3強か4強かややこしい、と紹介する感じ。
…ごめんなさい、辛口になります。
書くことないなら取材しましょうよ。

さらに、旧5歳の宝塚記念までの戦歴を紹介するところまではよいのですが
その後「種牡馬としても三冠馬ミスターシービーを…」と展開してしまうあたり。
天皇賞秋でグリーングラスをハイペースの共倒れを演じた話とか、
なによりTTGの有馬記念を正面から取り上げないのは、どうして?





なんか、作り手にリスペクトが感じられなかったのです。
それがどうにも腹立たしく。

ケイバへの思い入れが皆無とは思いませんでしたが、
競馬文化や出版という行為、あとどんな読み手がいるのか、とか。
そうした視点での配慮は、読んでいて伝わってきませんでした。

出版を担うということは、少なからず文化を担っているわけで
そこで書き手がイメージを消費してはダメだろうと。
新たなイメージを喚起する骨っぽさがほしいわけです。
…えらそう?いやいや、言うべきことと思いましたので。

…ある馬の記事の締めの一文。
「その答えは読者にゆだねよう。」
読者にゆだねてしまったのは、文章をきちんと締めくくるべき
物書きとしての誇りではないのかな。
大げさではなく、そう感じてしまいました。




記事の中には、いいものもありました。
シンボリクリスエスの切り口なんか、ちょっと唸りましたし。
エアグルーヴの記事は、リアルタイムを知らない世代向けには
お手本のようなまとまり方と思います。

トータルとしては残念でしたが、
次、期待します。



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