2011.05.04


先ほどまでパトロールフィルムを擦り減るほど見ていました。

…擦り減るほど、という形容は
じきになくなっていくんでしょうかね。
デジタルデータはすりへりませんからねw



出入りの激しい展開でした。

レースラップを4分割すると、50.8-51.4-50.7-47.7。
こう見ると単純に上がり勝負であったかのような体裁ですが
200mごとのラップを見ないと特長がつかめないのは
映像を見ていれば一目瞭然としていますね。

以下、レースラップです。
13.2-11.7-12.9-13.0-13.4-12.5-12.9-12.6-13.9-12.6-12.0-12.2-11.7-11.4-12.1-12.5。

前回ポストした記事で触れましたが
道中、1秒前後の加速ラップが2回、1秒前後の減速ラップも2回。

中距離タイプの有力馬は
この緩急の激しさに振り落とされていった印象です。

最近の中距離レースで見られる、中盤緩ペースの前残り、という
半ばお約束な展開からすれば、非常に刺激的なラップ構成ですよね。
見た目も派手でしたし。

勝ちウマが最も秀でていたのは、スピードの絶対値でも肺活量の強さでもなく
スタミナのロスを最小限にとどめられる折り合いにあった、という
見立てでよいと思っています。

向こう正面あたりで確認した、不気味なくらいの動じなさ。
やられるならこれか…、と思ってウインズのモニターを見上げていました。


次々と先頭が入れ替わる展開。

向こう正面でナムラクレセントがアクセルを踏んでいったことと
それ以外のウマがレース前半で先頭を伺っていったことでは、
示す意味合いがまったく異なっています。
それも一目瞭然、でしょうね。

長距離重賞できれいに折り合わせるようなトレーニングは
現状の番組編成ではメリットが薄いと察しはつきます。

ただ、今年のようなめまぐるしい展開が
戦略的な主導権争いとして展開してくれるなら
長距離G1も、ジョッキーの駆け引きも
もっとファンに訴えるものになると思うのですが、どうでしょうね。

90年代の長距離重賞。武豊や田原成貴、横山典弘が
機を見てアクセルを踏む瞬間のアガリ方といったら。

…リアルタイムで体験しないと伝わらないですかねぇ。。。
懐古趣味、ではなく、いまに通じる
魅力と興奮のポイントと思っていますよ。




主だったウマ、触れておきたいと思います。


ナムラクレセント。

スタートの瞬間、終わったと思いました。
場合によっては逃げても、というコメントも出ていたのにーw

ただ、そのあとは鞍上の味なハンドリングの賜物。
スタンド前でいったんヒルノの後ろに潜り込んで
2コーナーで内から外へ。事もなげなこの動きがもうお見事。

向こう正面入り口からのまくりは、この天皇賞のハイライトですね。
ドバイワールドカップを思い出しました。

結果的に先行していたらあの濁流に巻き込まれていたでしょうから
ケガの功名というべきでしょう。
鞍上、見事なリカバリーでございました。

おそらく競走生活の中で
最大のチャンスだったとは思いますが
唯一のチャンスではないでしょうから。
来年まで無事に。

あ、メルボルンカップとかどーでしょうかね。
微妙かw

しかし、あのスタミナの源泉は
スワンズウツドグローヴの牝系、でいいんでしょうかね。
サクラチヨノオーをはじめ、昭和のサクラの牝系の祖、
という印象はありますが。

ヤマニンセラフィム・マジックということにしておきましょうかw




トゥザグローリー。

1コーナーでついにしびれを切らして先頭に立つ姿は
血のなせる業、でしょうか。

エリザベス女王杯を制して中1週で臨んだ
母トゥザヴィクトリーのJC。
向こう正面でしびれを切らして馬群をまくり上げる姿を思い出しました。

奇しくも同じ鞍上ですしね。本人も無自覚ではないでしょう。
その分悔やむ気持ちもいかばかりかと想像します。

前走で鮮やかなライディングを見せた鞍上は騎乗停止。
陣営の、追い切りへの臨み方に
乗り替りに対する微妙なニュアンスがこぼれていました。

詳細は不明ですが、端的に鞍上が福永だったらどうだったか。
そう期待させるだけの存在になりつつあるという認識でいます。
だからこそなおさら、騎乗停止が悔やまれますね。

ただ、最初のコーナーまでのポジション争いは
どのジョッキーであっても
如何ともしがたい流れだったかもしれません。

前にウマを置きたい、のに好スタート。。。
下げながら内に入れつつ前にウマを置くよう試みるも、
唯一その可能性のあったペルーサの直後には
鼻先だけ主張したローズキングダムが。

武豊の当然の主張のひとつ横、前にウマを置けなくなったまま
1週目の淀の坂を迎えた時点でほぼ趨勢が見えてしまいました。

次走は宝塚、でしょうね。
見限るような内容では全くないと思います。

厩舎にとっては意味のあるトライになっていくのでしょう。
トレーナーの出直します、という言葉に期待をつなぎたいと思います。



ローズキングダム。

追い切り後のトレーナー、ジョッキーのインタビュー。
その表情が雄弁でした。

コメントの字面はきれいにまとまっているのですが
まるで能面の趣でコメントを返すトレーナーと、探るように言葉を紡ぐ鞍上。
厳しい戦いを覚悟しているのだな、と察しがつきました。

追い切りの映像。
あの追い方ならラスト1ハロンは12秒半ばくらいかな、という
自分の漠とした目算があったのですが、実際は13.0。
見た目も鞍上のアクションほどの伸び脚がない印象でした。

折り合い面でのアドバンテージがあると考えていたのですが、
特に向こう正面でまくられた後は、折り合いを欠いてしまいました。

十分な仕上がりでなかった分折り合いに影響がでたうえで
稍重馬場に手先の軽さ、というアンマッチも加味しての
大敗と理解をしています。



ペルーサ。

3200mを勝ち負けするイメージが湧きませんでした。
ヘルシーに、時にふっくら仕上げる厩舎の特長があるうえ
パドックで見た限り、お腹のあたりに余裕が見え。

個人的に、これは長距離を力強くフィニッシュできるつくりでないと
判断して無印でした。

中距離適性を疑ってはいませんし、一貫して厳しいペースでこそ
真価が発揮できるようなイメージがありますので
次走以降、改めて、と思っています。



フォゲッタブル。

というより、鞍上のシンプルな騎乗。
狙いはよかったと思っています。

1週目最後方から、ため殺しにせず
2週目の坂でしっかりまくり勝負に出ていました。
その胆力と戦略は評価されるべきでしょう。

できれば向こう正面での動き出しの1ハロンを
じわっと進出してくれればもう少し楽しめたような。
余計なひと言ですねw



エイシンフラッシュ。

追い切りはメンバー一番の内容と見ていました。
ダービー馬復権のにほいはビンビン感じていましたが
以前からの折り合いがね。。。

走りに対する前向きさが招いている折り合い難、と理解していますので
ヘンにおとなしいより全然OKなのですが、
距離とペースへのアンマッチ感からくる不安が
どうしても拭いきれませんでした。

向こう正面でのナムラのまくりの直後。
前にウマがいなくなる時間帯をなんとか我慢しましたねー。
完全に口を割ってましたが、さすがの鞍上です。

敗因を外枠に求める記事を目にしていますが
折り合いに配慮しなければいけない分の惜敗だと思っています。

それでも、あの乱ペースを乗り切って勝ちウマにせまった姿は
ダービー馬の面目躍如ですね。お見事でした。



ヒルノダムール。

書いてきたとおり、内枠好スタートを利して好位でじっとできるのは
距離を問わず、近代日本競馬の勝利への方程式、ですね。
人馬の経験と鞍上の胆力が実を結んだと理解しています。

継続騎乗の効果、もちろんあったでしょう。
厳しい展開のG1ほど、継続騎乗の重要性が増すと思っていますので。
じゃあ馬券を買うべきだったよねーですよねーw

好戦的なwトレーナーからは凱旋門賞の声が。
大阪杯の前とはすごいテンションの差がありますw
いや後ろ向きな皮肉ではなくてw

「ずっと伸二君をのせてほしい」と指示し続けた
オーナーの気骨を信じて。
今後の針路を楽しみにしたいと思います。




最後に。

フジの実況は関西テレビの岡安さん。
「泥だらけの栄光」というフレーズを聞き取りました。

稍重馬場の内々で逃げウマの跳ね上げる泥を我慢しきった姿と
これまでの苦しかった戦歴が重なる、きれいなダブルミーニング。

こういうフレーズはキャッチなタイミングでズバッと欲しいところですが
引き上げてくる途中の、微妙に中継のテンションが落ち着いた頃に
ぽつっと挿む感じ。もったいないですよーw

もっと傾いてかまいませんので。
ばっちり決めちゃってくださいませw


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