2011.12.18
夏目さん半笑いさんの共著、ようやく読了いたしました。

Twitterやkeiba@niftyのコラムを拝見していたこともあり
これまでの理解を補正するように読み進めました。



端的に、おすすめですw
方法を問わず、ケイバの分析を試みている方には
是非一読をお勧めいたします。



では、以下、感じたことを書き記しておきます。
本書の要約になる部分もあるかもですが、ご了承ください。

あー、あくまで個人的な分析、心象ですので
「理解の仕方がちがう!」という指摘もあり得ると思います。
言わずにいられない、という場合はコメントくださいませ。
拝読したいと思います。

あと、長くなりますw
こちらもご了承ください。





まずは二人の姿勢から。

ラップから各馬の適性をあぶり出す、という基本姿勢は同じなのですが
適性以外のファクターへの重みづけが異なる予想結果を生んでいるようです。

これは本文の中でも指摘されていましたので、両人とも
ある程度自覚されたうえでのバイアスであることがわかりました。


半笑いさんは適性と能力を相対的に考慮するスタンスでラップ分析をされています。

各馬をきっちり評価することになるため買い目が厳選されるのですが
馬券の買い目、買い方を工夫することで
的中するための確率の幅を調節しています。
「予想力」と「馬券力」という言葉の使い分けは
半笑いさん特有のものですね。


一方の夏目さんは適性以外のファクターを強いて度外視する姿勢です。
度外視というよりは、適性一点突破という表現が妥当かな。
結果として思い切って穴馬を指名できるメリットを享受できる特徴がありますね。
リアルタイムで読んでいましたが、北九州記念の
「隠し玉」のくだりは、すさまじい切れ味でした。


どちらも予想を生業にされている分、質量ともに
できるだけ馬券が的中すること(し続けること)を重視していますので
そのための工夫がそれぞれのスタンスの差として表れているようです。


そして両者に共通する特徴は、ラップ分析による
そのレースに適性のないウマの把握、と受け取りました。


自分は主に半笑いさんのコラムを好んで読んでいるのですが
この適性外に関する分析で、自分の見解を確認したり整理したりできるためと
改めて説明をつけることができました。収穫です。

うーん、別の表現をするなら、多少語弊があるかな、
半笑いさんは適性を各馬のキャリアという「線」を重視して捉えていて
夏目さんはレースやコースの適性を「点」で捉えているように
思いました。




ラップ分析という手法の採用について。

様々な属性に関するデータがケイバの予想に使われています。
血統しかり、ジョッキーや厩舎の傾向しかり、距離別の成績しかり。

ただそこに共通するのは、データの切り出し方が適切であるのかという
精査の視点が不足していることと理解しています。

例えば、府中=トニービン。
これは実績データを積み上げた結果でてきた定説?と思いますが
これがやっかいだと思っています。

トニービンの血を持つウマが府中で良績がある、ということと
トニービンの血を持っているから府中が得意、ということは
論理的には別のことです。

記号に置き換えると「P→Q」は「P=Q」ではない、と
なりますでしょうか。

でもこの順序で予想している場面って昔からよく見かけますよね?

エンターテインメント的、ないしはキャッチコピー的に
こうした言葉が機能するとは思っているので
あたまから否定してかかることはありません。
個人的には「?」をつけながら臨むことにしています。


それに対し個別のレースラップは、パフォーマンスの結果です。
もちろん馬場差など様々なファクターが包含されていますが
そのウマがパフォーマンスした結果であることに違いありません。

データの切り口の妥当性について、などと
精査する余地はないわけですね。

起きた事実から将来を予測し、対策を立ててアクションする。
当たり前のことのように響きますが、個人的には
この手順を外した予想がまだまだ多い、と思っています。


ビジネスマネジメントの概念に「PDCAサイクル」というものがあります。
計画して(Plan)実行して(Do)ふりかえって評価して(Check)改善につなげる(Act)。
これを繰り返すことで業務を改善していくという考えを示す用語です。

お二人ともに、復習なり回顧なりには時間をかけているとのことです。
それは競馬予想業務の継続的改善、といってもいいかもしれません。


ラップという手法の選択と有用性への理解、そして週単位でのPDCA。
きわめて手堅い手続きだと受け取っています。




耳馴染んだ定型句について。

本文の中で「切れる脚」という表現の使用に
慎重な姿勢をしめす場面があります。

これは上がり3ハロンが速いことではないんですよね。
ん?言うまでもない?
でも、そうした表現はいまでも見かけます。

詳しくは本文を見ていただくとして
こうした定型句を検証する姿勢も、
信頼に足るものと思っています。

あ、検証結果について同意見であるかは別ですw
「切れる脚」「長くいい脚」の見解は納得でした。




好みについて。

女性のそれではないですよw
ラップへの視点も交えたケイバの好みについてです。
ご本人には心外と思われるかもですが
ちょっと夏目さんと重なるんですよね。

美しいラップのくだりでセイウンスカイ@菊花賞を選ぶところや、
フサイチコンコルドを追っかけていたところなどは
すごく重なります。

セイウンスカイについては以前書いたはず…

(調べ中)

…ありました。
鞍上にスポットを当てた記事で触れていましたね。
そうそう、ホクトスルタンとのラップの相関でした。
横山典弘

似た感覚を持った方がいらっしゃるのは
身勝手ながらもうれしくなるものですね。




フレームワークとしてのラップ分析。

なんといいますか、こうした量的事実の分析が
いろいろな予想法のベースになってほしいと思っていまして。

もっと端的に楽しみたい人にはややこしい手続きに映るのかなー。

でも初心者から中級者へのステップアップくらいのタイミングで
手を伸ばせばこの分析にパッとたどり着けるくらい
スタンダードな立ち位置を確保してほしいですね。

その意味では、本書はラップ分析の教科書、という
位置づけでもよいかもしれません。




自分のスタンスの確認について。

「能力・適性・調子」に自分なりに
「性格」を加えているみたいです、という見解は
以前の投稿通りだなと思っています。
三冠の見極め

もうひとつ気づいたのは、その「性格」の中に、
今回予想するメンバーが作り出すレースの性格、というのも
実は含んでいたかな、ということ。

ペースを作り出す逃げウマがどんな適性を持っているかで
仕掛けどころや馬群の密集具合が変わることは
上記の4単語のどれに含まれている?と考えた結果です。

そうすると、本書でラップの傾向がバラバラ、と
指摘している施行条件がありますが、
エントリーした各馬の適性や性格に
その都度の展開が左右されているため、と
受け取りなおすことができました。




自分のツボの再認識。

なんといいますか、分析が可能になったうえでの青田買いといいましょうか、
ラップを分析してふるいにかけたうえで、
例えばいくつかの実績のないファクターに目をつぶって
未知の伸びしろを見込めるウマに賭ける癖。
というかその時生じるワクワク感が好きなんですよね。

だからこそ、ジョワドヴィーヴルの阪神JSはうまくいきましたし
ショウナンパルフェでダービーに挑む無謀さも発揮してしまったわけです。

回収率がごにょごにょ、と思いつつも
予想が嵌った時のカタルシスたるや、もう昇天ものですからねw
のぼるてん、ですよw

そりゃあ、回収率を厳しく問われるプロとは
スタンスも結論も違うわけですね。
という再認識に至りました。





最後に。

Keiba@niftyでの連載を編集した内容で
1章分取っていますが、その元ネタの連載。
年末で終わってしまうようです。

もう少し続けられないものでしょうかねw

せめてトータルで1年分、大半の重賞レースに見解を示すまでは
お願いしたいと思います。是非!



関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://keibadecade.blog98.fc2.com/tb.php/474-4d3e0703