2011.12.26

オルフェーヴル、完勝でした。

出遅れの瞬間は終わったと思いました。
決め打ちで後方に下げたルーラーシップを除けば、最後方ですからね。

ただ、アーネストリーが逃げるという展開。
これによってレースの質が相当変わってしまいました。
結果、くしくもこれまで研鑽してきた
前半の折り合いを問われる展開になりました。

1コーナーまではちぐはぐなローズキングダムの後ろでしたが
その折り合い、うまくいっていたのではないでしょうか。
ロスは小さく抑えられていたと見ています。

向こう正面で外に出してからは加速ラップだけでしたからね。
それまでの折り合いが奏功した形でしょう。

レースラップです。
6.8-12.0-12.4-12.1-13.1-14.4-14.3-13.0-12.0-11.9-11.4-11.3-11.3。

まさか14秒台のラップが出現するとは。
1コーナー手前でレースはいったん途切れたように見えました。

一転して後半5ハロンは居合い抜きのような末脚勝負。
上がり3ハロンは、という語り方は今回は無用でしょう。
レースの上がり5ハロン、57.9。

終始外を回り、いわば鞘走りに濁りのなかったオルフェーヴル。
さすがの鞍上、デュランダルで鍛えたそれですね。

加速する馬群を外からねじ伏せる様は
決め手の違いを示しているでしょう。
これで世代を問わず、傑出した末脚を持っていることがはっきりしました。
いや、強かった。


来秋のロンシャンはコーナーも少なく
もっとダラッとした展開が予想されます。
この極端なメリハリはよい経験となるでしょうか。

どちらかというと春先の動向が気になりますけどね。
来年に向けて大きな期待をつないでくれました。




さて、気になる点を書きとめておきます。


アーネストリー。

事前の展望記事では一言も触れませんでしたね。

理由は明白で、勝ち切るにはスピードもスタミナも足りず
展開も向かない、今回は見せ場もないだろうと考えたためです。

G1馬に何を言う、というご批判を賜りそうですが
勝った宝塚記念の馬場、芝の長さも掘り返しの深さも
いまの中山とはかけ離れた重さ、と理解しています。

軽快さに欠ける、という適性の違いを
大きく受け止めての軽視でした。

一方で、トーセンジョーダンを交わして
先頭に立ったことは意外でしたし、誤算でした。
少なくともG1戦線に加わってからは逃げたことはないはずで。

レース後の鞍上のコメントは
「2番手ならオンオフの切り替えがはっきりしていた」というもの。
ウマが戸惑っていたのかな。

「ゴールまでの余力」を残したともコメントしていたようですが
1コーナーでほぼキャンターになった時点で
勝機はなくなったと見ていました。
スピードとスタミナをバランスよく発揮する流れで
ようやく勝負に参加できると踏んでいましたので。

今後の目標。適性のある舞台はどこでしょうね。
ロンシャンに向かうことはすでに表明していますが
しばらく迷走してしまうような気もしています。



ヴィクトワールピサ。

スタートは決まったのですが
やはりあの流れを自分から打って出ることは難しかったようです。

1、2コーナーでアーネストリーを
パスする方法もあったように思いますが
やはり早めのアクセルを踏むには
出来がひとつ足りなかったのでしょう。

昨年のような早目の抜け出しを計るには
不向きなラップ構成でしたし。
アーネストリーの減速に歩調を合わせた時点で
スポイルの対象になってしまったようです。



トーセンジョーダン。

自分の最大の誤算です。絶好調、ではなかったと思います。
返し馬でも、首を伸ばしカラダの伸縮をあまり見せませんでした。

先のレースを考えると先頭には行きたくないだろう、と読んでいましたが、
あのペースにお付き合いせざるを得なかった時点で
先のヴィクトワール同様、抜群の出来ではなかったかな、と
邪推してしまっております。

馬券圏内はほぼ間違いないと読んでいたので
誤算という表現になっておりますが
不向きな展開の中、あの着差に踏みとどまったことはお見事。

疲れがしっかり抜けるなら、ドバイへの挑戦は
大いに期待できると思っています。



エイシンフラッシュ。

よくもってきました。ルメールの我慢が奏功したと思います。

超スローのダービーを制した経験が、今回の
2着の根拠として語られてしまうのでしょうが
あのかかり方はスローが得意とはどうしても思えません。

ジョッキーがもっていかれなかっただけで
今後に向けて折り合いのリスクは孕んだままと見ています。

おそらく引退するまでこのまま、なのでしょうね。
ダービー以降勝ち切れない要因だと再認識いたしました。
馬券的にも取捨が難しいまま、かな。



ブエナビスタ。

ラストは不完全燃焼。
アーネストリーの減速ラップと、トーセン&ヴィクトワールの蓋によって
ロングスパートを封じられた格好になってしまいました。

好位の内、という決め打ち感があったと見ています。
悪くないスタートも完全に裏目に出てしまいました。
やはり最内枠。外枠ならルーラーシップの内容でもよかったでしょう。

これで引退ですからね、鞍上を責める向きもあるでしょうか。
興ざめ感が残ったとしても今回は
やむを得ないかな、という見立てです。



レッドデイヴィス。

もう少し平均的に脚を使う展開になれば
違ったかもしれません。
鞍上の位置取りはそつのないものでした。

この一戦では見限れませんが、上位3頭の様な切れ味は
期待しづらいタイプかもしれません。



ルーラーシップ。

見限ってごめんなさいw

鞍上の決め打ちは見事にはまったと思います。
ただ、あれでも勝ち切るには至らないですからね。

向く展開がとてもピンポイントな、
乗り難しいタイプ、という印象は変わりません。

そう考えると金鯱賞の鞍上の判断は
結果論ながら、秀逸なものだったのかもしれませんね。



トゥザグローリー。

いわゆるリピーターでしたね。2年連続3着でした。

追い切りの印象は可も不可もないもの。
他馬との兼ね合いで評価を下げましたが
リピーターという観点であまり下げてはいけなかった、ということですね。

レースでの集中力にムラがあるタイプなのかな。
府中の直線より集中してフィニッシュできていたように見えました。

コースレイアウトのせいなのか、別の要因があるのかは
ちょっと測りかねていますけれど。

むむ、天皇賞春の厳しい経験が尾を引いている?
邪推はつきませんね。

4歳世代の実力については昨年の期待感から比べて
肩透かし的な印象形成がされているようですが
ちょっと早計かな、と思っています。

オルフェーヴルは別格として、
それ以外のウマによる世代間の比較は
次の天皇賞春までにもう少しはっきりしてくるはずですので。






最後に。

レースは府中のターフビジョンで見ていたのですが
アーネストリーが減速したあたりから
99年の有馬記念を思い出していました。

グラスワンダーとスペシャルウィークのアレですね。

あの時も遅かった。レースラップは若干異なる構成でしたけどね。
以下に参照します。
7.1-12.6-13.1-12.5-13.2-13.4-12.9-12.7-12.1-12.3-12.4-11.0-11.9

オルフェーヴルをグラスワンダー、
エイシンフラッシュをテイエムオペラオー、
ツルマルツヨシをトーセンジョーダン、
ルーラーシップをスペシャルウィーク。

こんな感じでそれぞれ見立てて、映像を観てみてください。

あー、厳密な例えではないですよw
そんなにきれいに相関はしないですってw
でも個人的にイメージが重なりました。

で、思ったこと。

ブエナビスタ、最後方から進めたなら。
きっと父の姿と重なったでしょう。

スローペースを難なく追走し、3コーナー過ぎから
オルフェーブルの外を捲くるブエナビスタ。
ゴール前で鼻先を揃える3冠馬と6冠牝馬。

ね。

有終の美を飾るところまでイメージできるかは
お読みいただいている皆様ひとりひとりに
お任せしたいと思います。

センチメンタルな締めですみませんw


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