2012.03.19

オルフェーヴルの敗戦に目が行きますね。

3コーナーの逸走、その後のリカバリーから大外まくりという展開は
かつてないスペクタクル。

…いや、確かに見ていて興奮はしました。
不利な場面からの逆襲は、他のスポーツでもテンションの上がる瞬間でしょう。
ウマの能力の高さを示したとも思います。

でもなー、全面的な肯定はしかねています。


気になっているのは1、2コーナーで先頭に立つまでの間。
スタートから終始前にウマを置かない展開でした。

確かに大外からのスタートでは難しかったかもしれませんが
前にウマを置かないのはあえて課した戦略だったのでしょうか。
もし戦略だったとしたらけっこう高リスクなトライアルだったと思っています。

戦略そのものが悪いとは思っていません。
ただ想定以上に裏目にでたと推察します。

…なんといいますか、戦略じゃなかったとは思いたくないんですよね。
無理に抑えた最後方と、気負って押し出される先頭と。
目標に対し、どちらがリスクが高く、その後に負の影響を残すのか。
事前に量りにかけてシミュレートする周到さ、は信じていたいのですが。

リスクを低減する戦略ではなかったということなのかなぁ。
スタートからの挙動を見る限り、後方で折り合う意図は見えませんでした。


そして3コーナー逸走の理由。
様々に憶測できますがはっきりわかりません。

鞍上やトレーナーのコメントでは
外ラチの方にウマの意識が向いていたそうです。

自分は少し違う印象を持ちました。
パトロールを見る限り、3コーナー手前に鞍上が軽く手綱を引いています。
4冠馬はこれが「STOP」のサインだと誤認したように見えています。

その後馬群が押し寄せたため外に逃げるような格好になり
鞍上の再びのGOサインでファイトバックした。妄想かしらねw
あくまで私見ですが、そのように見立てています。

レース直後は、鞍上が意図的に馬群を前にやって
目標を前においてから再加速したのかな、などと
超ミラクルな認識をしていたのですが、それは違うようですねw


過去のオルフェーヴルのやんちゃぶりから
また「悪癖」がでてしまったと評価されそうですが
今回のそれは少し趣が異なっている印象です。

1週目のスタンド前からファイトバックまでの間
4冠馬の耳はずっと前を向いています。
フィジカル的にもメンタル的にも十分すぎるくらい
余裕があった中レースを進めていたはずです。

この余裕に対して鞍上のコンタクトが
明確なリーダーシップをもっていたのか。

最悪、これで鞍上スイッチもありえると思います。
結果が出なかったことと、効果的なリードができなかったこと。
この両方が十分な理由になりえるでしょう。

ただ、鞍上スイッチで解決できる問題かというと。。。

3週前の帰厩という調整過程、そもそもの育成方法、
日本のエクササイズライダーの技術全般など
少し広範に語らないと冷静な議論にならないようにも思えます。

今回について言えば、リカバリーの所作を評価しての
コンビ続行もありうるシナリオと思っています。


どこまでが意図した戦略だったのか、これは
今後の陣営を見守るしかないかな、と思っています。
それが「応援」する姿勢でしょう。

マスコミの皆様は別ですよ。
どなたがそれをできるのかはわかりませんが
しっかりした取材を元にした、然るべき場での批評記事を
目にしたいと思っています。

楽しみ方のわからないエンターテインメントに
陥ってしまわないためにも。
生業にされている以上、お願いしたいと思います。



あー、ひとつ重要な指摘を。
個人的には少し面白さを覚えていたりもします。

不安定な4冠馬、次は折り合いがつくのか?という点は
下世話な面をもちつつも真剣に考えなければいけませんから。

じゃあ例えば乗り手の技術は検証されなくてよいのか、というとそれはNOです。

急にあらゆる問題がきれいに解決はしないでしょうし
解決させること自体は最終目的であるとも楽しさの演出であるとも思っていません。
いまリーチできる情報の範囲で感じる面白さであると理解をしています。
それはそれで堪能したいなと。

これまでにない3冠馬、と以前評したつもりですが(うろ覚えw)
例えばディープインパクトとは期待のかけ方が違っています。

いま見たいのはオルフェーヴルですからね、
それはそうなのだと再確認しているところです。



さて一方で、ナムラクレセント。

1週目の直線手前でオルフェーヴルを交わす戦略。
非常にクレバーな、いい意味でいやらしいタイミングと受け取っています。

直線はどうしてもスピードが上がりやすいですから
1週目だと加速したくない人馬が多いはずで。
その手前で先手を取ってしまうのは
長い直線を使ったマイペースでの減速を容易にします。
その後のペースも握りやすいでしょう。

単にオルフェーヴルをあおるだけでなく
展開にかなりのアドバンテージをもたらす可能性がある
見事な戦略だったのではないかな、と。

唯一にして大きなリスクは、早めに他馬に並びかけられること。
その可能性は低いと計算したように推察しています。
他馬は折り合いのつく範囲でしたからね、
4冠馬が道中先頭を窺う可能性は低いと読んでも
不思議はないかな、とも。

結果は3着でしたが、相手の弱点を着く
見事なアクションだったと思っています。



最後に。
勝ちウマを褒めていませんでしたw

ギュスターヴクライの折り合いは今後も武器と思いますし
オルフェーヴル逸走からの鞍上の冷静さもまた目立っていたと思います。

ただ、レースラップ。
13.3-12.3-13.3-13.6-12.4-12.7-12.3-13.9-13.2-12.2-13.2-12.1-12.0-11.9-13.4。

ラストが13.4かかったことをどう受け止めるか。
天皇賞までの課題になりそうです。


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