2013.01.12

昨年末から、有力馬の海外遠征の話が聞こえています。

ジェンティルドンナは次走がドバイシーマクラシックに。宝塚記念を経て、秋は凱旋門賞、というのが現状のプランのようです。その凱旋門賞には昨年2着のオルフェーヴルも再度参戦予定。こちらは春を2戦と決めて秋に備えるようですね。

今週にはトレイルブレイザーがドバイ遠征を決めました。前哨戦から向こうで使う予定。アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド3だから、レッドディザイアが勝ったレースですね。本番のレースはタペタの適性を見てからのようです。個人的にはシーマクラシックの方が向くようなイメージですが、どうなるでしょうね。



もはや1着という結果が伴っていないだけ、という語られ方も散見されたように、昨年の凱旋門賞は日本馬遠征への期待という意味ではひとつのピークだったと理解をしています。あー、一応個人的な見解ですのでそのあたりはひとそれぞれと前置きしつつ、ですね。年初にジャパンカップ1、2着馬のレースプランが出揃っていることは、その期待を途切れさせない効果もあったかなと見ています。計算された演出かはわかりませんけどね。

その凱旋門賞からこちら、海外遠征の意義をふわふわ考える時間が増えていました。

有力馬の海外遠征には、オーナー、スタッフ、ジョッキー、生産牧場、ファンなど、関係するレイヤーごとに様々な意義があると理解しています。高額賞金、アウェイでの勝利によるステータス、繁殖としての評価(環境の変化を克服した個体という意味もあるでしょうね)、スタッフないしジョッキーの手腕の評価、関係者の遠征ノウハウの蓄積、などなど。

ただ、なんで海外遠征が必要なのか?といったそもそもの疑問とそれに取り組む記事や発言にはあまりお目にかかっていないと思っていまして。遠征が決まったから、日本代表の価値を添えて応援しましょうかという流れには、誰も違和感を覚えないものなのだろうか、などと思い至ってしまいました。応援すること自体を否定したいのではなく、海外遠征のもつ価値について検証するといいますか、ちゃんと考えたことがなかったな、という着眼ですね。


さくっと結論を書きますと、海外遠征、応援しますw

以上。なのですがw 受け取りなおすに至った経緯は一応書いておこうかなと思います。

ある基準で(最高の)評価をされたものが別の価値基準でも評価されるのか試すこと、その「価値が越境すること」への好奇心、海外遠征の意義はそこにあると考えました。平易に書くと「日本ではこれだけすごいけど、ロンシャンではどれくらいすごいんだろう」みたいな。ごく当たり前な着地でしょうかね。でも、このおそろしく無邪気なモチベーションが底の底にあって、その興奮が多くの人を巻き込むほどにその馬やそのビックレースのステータスが担保されるのだという理解に至っています。関心もお金もそこに集中していくでしょうね。

先に並べたもろもろの意義は、その価値の越境に伴うディテールになるでしょう。ディテールのひとつひとつにも好奇心は宿りますね。昨年だとフランケルとブラックキャヴィアとか。ねー。情報が一つ出るたびに「おぉ!」って思っていました。得意な距離の間を取って1400mなら対決が実現できるんじゃないか、とかねw



越境することはもうひとつ、現在持っている価値の相対化に大きく寄与すると思っています。「こと」や「もの」が2つあれば2者の距離を測ることができますからね。例えば、ジャパンカップによって、他国のスタッフの馬の扱い方を間近で見る機会が増え、一部の関係者には大いに刺激になったそうですし。結果的にそれは、自分たちの所作を見直すいいきっかけにできます。これまでのやり方でよかったんだ、という確認も含めて。

でも、いちファンとして大事なのは、越境への期待と興奮、なのでしょうね。日本の繁殖の評価が上がる波及効果とか期待できることはあるにしても、まずはレースが待ち遠しくならないと。海外遠征はその意味で巧妙な仕掛けなのだと受け取りなおしているところです。

あー、たとえば距離延長や芝→ダート替わり、コース替わりなども、小さな越境といっていいのでしょうね。得意な価値ではないけれどもどこまでやれるのか。なーんだ、日々妄想していることじゃないですかw




最後に。

昨年の優駿9月号。距離別最強馬の投票結果が特集されていた号ですが、そこで「伊藤雄二×角居勝彦」という対談が実現していました。素晴らしく示唆に富んだ対談なのですが、海外遠征について触れる件もありまして。世界に出ることが(競馬の)ステータスを維持する形、という角居師のコメントはいろいろ考えさせられました。

また、増田知之さんの著書「ニッポン競馬 50の風味」からもいい刺激をいただきました。この記事に関連するなら序章ですね。それに留まらず、背すじの伸びたいい1冊という感想です。おすすめです。

ふわふわ考えるにあたって、強く啓発された言葉がそこにありましたので、これも合わせて記しておきます。海外遠征に留まらず、大小問わずですね、競走馬のチャレンジ(ニアリーイコールで越境)がいままでよりも楽しみになってきました。



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