2013.01.25


正直、静観をしておりました。

なんといいますか、辺鄙なブログでつらつら物を申しても実効性がアレだし、ガヤをやるならもっとポジティブな方がいいよな、などと思っていました。年末のご挨拶で、来年はわくわく感を大事にした内容で書きたいな的ポストをしたばかりでもあり、だいぶ躊躇したんですけどね。いまいま考えていることには違いないなーと思い直しまして。タイトルの件、自分なりに考えているところを書いておこうと思います。

あー、柏木さんのコラムに勝手に煽られてしまった面もありますね。「東海Sあたりを軽く回顧してお茶を濁したい気分」といわれてしまうとねw 自意識過剰1000%ながらこのブログのことかな、とかw そんなことないってお茶を濁すつもりはないって、という要らぬ言い訳をしつつ、集保をひとりにはさせん!という謎の責任感もコミコミでお送りできればと思いますw そのコラム、勝手ながら紹介させていただきます。
netkeiba.com 重賞レース回顧 アメリカJCC


あ、以下はあくまでひとり分の着想ですので、アラも多いことと思います。あくまで参考程度とお断りしつつ、書き散らしておきたいと思います。



まず、起きたことを整理するのに、落ち着いたトーンできちっとまとめられている記事に出会いましたので、顛末はこちらで。紹介させていただきます。
編集員通信 競馬ブックweb セーフかアウトか

JRAの解説も記しておきます。
失格・降着のルール


議論の対象となるルールはこうですね。「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していたと裁決委員が判断した場合」に加害馬の降着が認められます。そしてJRAの説明事例に沿うなら、被害馬が被害を受けた後、ゴール時点で加害馬と僅差になるくらい巻き返している必要があるようです。

今回でいえばトランスワープは、被害を受けた地点からゴールまでの距離で相当なファイトバックを要求されることになります。ダノンバラードと脚色が同じ、くらいではハナ差アタマ差まで巻き返すことは不可能でしょう。そう考えると、降着の判断がされるためには、よほどの実力差、巻き返しに必要な絶妙な距離なと相当にレアなシチュエーションが前提になります。とすれば、実質的に降着処分はほとんど起きないルール設計がされているといえそうです。

言い方を変えるなら、どちらかというと被害馬の背中をどの程度押すかという仕組みであって、加害馬の悪質さを認定する仕組みではない、というところでしょうか。

一方で、競馬の安全とラフプレー防止の点から加害馬の騎手への制裁を厳正に…というルール説明も確認できます。でもこれはあくまで未来に向けた抑止策であって、いま不利を与えてしまった馬の関係者にそのレースの結果に対して直接制裁を科す仕組みではないんですよね。「やり得」という言葉を見聞きするのはそのためなんだろうと理解をしているところです。

起こってしまった不利を罰する実質的なジャッジの不在。そういっても過言ではない状況だと理解しています。これに反発するならそもそものルール設計の話に及ぶでしょうね。それはひとつの見識と思いますし、然るべき場と言葉を用いた議論を見たいとも思っています。ただし、今回の自分のポストは極力現行のルール設定を前提に語るつもりでおります。でないと相当とりとめのない議論になってしまう予感がしておりますので。



そもそもラフプレーの弊害はなにか。AJCC以後、自分はこのあたりを考えていました。弊害がなければ容認でも黙認でも構わないですものね。

フェアプレー自体への期待はあると思っています。関係各位がもっているであろう正々堂々という価値観を満たすことは勝負事を見守る心地よさのひとつでしょうから。ラフプレーはその裏返しということになりますし、フェアプレーへの期待に反することがラフプレーの弊害のひとつと思っています。

しかし最大の弊害は、精度のある予想行為がままならなくなること、ではないかと考えています。

ラフプレーが半ば常態化していくことを想像してみてください。そんなレースをどう予想するか。不利を受ける、不利を与える可能性を組み込んで予想する必要に迫られたとき、精度を保った予想は可能でしょうか?いつ不利を受けてスピードダウンするかわからない中での予想。オッズも当てにならなくなるでしょう。よりラフなジョッキーに張る傾向もでてくるかもしれません。妄想し過ぎ?相当荒れた世界を想定してるのかなw

そこまでエスカレートしなくても、そんなざっくりゲームにお金を賭け続けようと思う人はどれだけいるでしょう。まぐれ当たりが好きな方か、相当好戦的な方しか楽しめないゲームになるんじゃないでしょうか。もちろん知的推理的な側面は影をひそめてしまうでしょうね。

長く競馬を楽しむ意味でも、ラフプレーは基本抑止すべき行為と改めて捉えなおしている次第です。



では、現状のルールの中で、つまりジョッキーへ事後の制裁を科すことでラフプレーを抑止する運用にどのくらい期待ができるのか。

あまり詳しい方ではないので曲解があると申し訳ないのですがサッカーで例えます。あまりに笛が吹かれず小競り合いが見逃されていくと荒れた試合展開を招きやすい、という認識があります。違うかな。競馬だと、裁決がカウントしにくいところでラフプレーがエスカレートしていく類の懸念になるでしょうか。翻せばラフプレーを見逃さず適切に制裁を科すジャッジが継続すれば、ラフプレーを許容しにくくなる空気を醸成していくことができるかもしれません。「割れ窓理論」にも似ているでしょうかね。

ラフプレーの抑止につながるという意味でまずはきめ細やかな裁決に期待すべきなのかな、というのが個人的にいまいまの着地点のひとつとなっています。ジョッキーサイドでモラリティ(たとえばまっすぐ走らせるとか)が積極的に維持されていくことにも期待したいですね。また、マスコミ等が裁決の実効性を評価していくこと肝要でしょう。なんか教科書的な発言だなw

ジョッキーへの制裁の基準がはっきりしない(何をしたら騎乗停止○○日なのか、ということ)を問題視する向きもありますが、個人的にはそれは裁決委員の裁量に委ねる方が肝要と考えています。いまさら任せられるかよ、という反論を予感しちゃったりしていますが、その我々の不信が結果的に誰の目にも明らかな基準、すなわちいまいまのジャッジの不在(というある意味での議論の後退)を助長してしまっているようにも思えていまして。いま足りないのは、ジャッジをどこまで信じて任せるのかというコンセンサスじゃないのかなーと思っているところでもあります。

これも曲解を招くかもですが、相撲で同時に土俵を割ったら大半のファンは「物言いがついて取り直しかな?」と予見しません?この種の予見がファンもマスコミも関係者も同じ案配で起こるのが理想かなーなどと思っています。日本人ならでは醸成があってほしいなー、とは甘い見通しかもしれませんけどね。



はい、そうしたモラルに訴える運用だけでは不足と思う自分もおります。例えば、凱旋門賞を獲るためならムチの使用回数を超過しても、という肉を切らせて骨を断つ戦略は、何より日本の騎手会長からも是認するコメントが聞こえていますしね。G1の舞台で過剰な期待、プレッシャーを背負わされた場合、やってしまうジョッキーがでてこないとは言い切れませんし、そこから悪循環に陥る懸念はあるでしょう。

やってしまうが繰り返されてしまう状況に実質的に対抗するなら、一定の制裁(質量とも)を超えた騎手は一定期間グレードレースへの出走が認められないとか、管理馬ないし所有馬が一定の制裁(質量とも)を超えた調教師ないし馬主は一定期間レースへのエントリーを認めないとか、付加的な制裁を科すルールも必要かなとも考えてみたりしました。

ダノンバラードの件はジョッキーの故意というより、これまでの癖を適切に矯正できなかったことが原因のひとつでしょう。ジョッキーの制裁のみではちょっと偏りすぎたジャッジではないかと(調教再審査のルール運用などとどう関連するのがよいんでしょうね)。あー、悪癖直すのは大変なのを知らないくせにという意見もありましょうが、故意でなくともラフプレー容認へなし崩す結果になるなら、厳しくアウトの判定を下すほうが賢明だと思っています。



今回の件に限定して。

審議のランプは点らない運用で合っているでしょう。降着はないと裁決委員が判断しているのでルール通りです。ただしジョッキーへの制裁が検討される事象だという認識があるなら、レース確定前に「○○号のジョッキーへの制裁を検討します」というアナウンスがあればずいぶん違ったのではないでしょうか。

いや、ビギナーにはきついでしょう。不利があった→すんなり確定→あれでいいの?という過程を見せられることになるわけで。いやジョッキーへの制裁はあるんだよ、とか誰が説明してまわるのでしょうか。特にトランスワープを買っていた人からすれば不利を受けてそのまま終了、ですからね。この顛末について熟考してくれるファンばかりではないわけで、これきっかけで覚めて離れる人がいても不思議はないとも思いますし。

柏木さん(AKBじゃなくてねw)のコラムで裁決レポートの言葉づかいに触れる件がありましたが、このあたりのディテールもろもろで肌理が粗いのは、ジャッジもファンサービスのひとつだという観点に欠けているためでしょうかね。できれば避けたい邪推です。ぜひ継続的な改善をお願いしたいところです。




…ふぅー。

ひととおり書き散らしましたが、端的に、やっぱりこれ書いてて楽しくはないんですよねーw せっかくダノンバラードが久しぶりに重賞勝ったのにねぇ。ラジオNIKKEIをユタカで制した時はディープの仔で勝てて池江先生よかったねとかすごいストレートに思ってましたし。馬券も取ってましたしw

ちょうど今ならカレンブラックヒルの府中ダート1600mの可能性とか、グレープブランデーに浜中!マジで!とか、わくわくできることがあるじゃないですか。そういうテンションを大事にするための、下支えとしてのフェアプレーとジャッジメントですから、しっかり下支えをお願いしたいものです。

一応、ジャッジに関する自分の過去のごにょごにょも並べておきます。ブレてるかなw
顔の見えない議論
ジャパンカップ

不明な議論があれば皆様の心の中でそっとツッコミを入れてやってください。コメントいただいても全然かまわないのですが、匿名同士で煮詰めていく議論ではないと思っております。積極的な意見交換は「必ず」とは申し上げない体でまいりたいと思います。参考にしていただけるようであれば幸いです。



最後に。

当日のフジの中継。福原さんが伝えなきゃの姿勢で新ルールのあれこれを説明していました。この労力も配慮もなかなか、と頭の下がる思いで観ていましたが、すごかったのは優木まおみさん。放送時間残りわずかのところですぱっと「新ルールに慣れていかなければいけませんね」 の一言。すばらしいタイミングでしたねーw あとは「また来週」と言えばOKな流れに持っていきました。締め方ひとつで変な余韻が残ってしまうところ。そつのなさに感服してしまいました。まおみんすげーw ジャッジより先にこちらの信頼感がアップした格好です。

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