2013.02.25


ずいぶん時期がずれてしまったようにも思いますが、ようやく落ち着いて味わう時間ができたので改めて。

安藤勝己、引退。「パイオニア」としての総括はあちこちの記事で確認しました。大きな文脈の中での価値づけはこれからも繰り返し語られることで強化されていくのでしょう。本人の口からはたまたま最初が自分だったんだという、謙遜に満ちたコメント。…まぁ、いい意味で多少天然の可能性も否定できないのですがw


netkeibaのデータベースが一番フリカエリに適していました。年度別、着順別の成績を眺めながら「あったねー」などと浸っておりました。ひととおり予想がまとまってきたあたりでやってくる漠とした怖さ。でもアンカツだからなぁ、という見限れない感じ。この感じが自分のアンカツ像でした。中央の累計で連対率3割、複勝率で4割を超えてきますからね。数字もそれを裏付けているようです。
安藤勝己の年度別成績|競馬データベース - netkeiba.com

キングカメハメハもダイワスカーレットもビリーヴもグラップユアハートも思い出深いですね。そう、スズカマンボも懐かしい。あの天皇賞(春)はトウショウナイト1頭軸の渾身の3連複BOX。アンカツだからなぁ、という理由で相手に含めたのは覚えていますよ。1、2、3着がすべて相手にはいっていてのトウショウナイト4着。ホント懐かしいですね。。。



個人的に印象深いレースは2007年日経新春杯、トウカイワイルド。当時はゴール直後呆気に取られていました。内からなんかきたけど何だ?という感じでしたね。

1番人気はアドマイヤフジ。この時点で懐かしさ満載ですね。アンカツのトウカイワイルドは5番人気、3番枠から中団インベタの戦略でした。ラップは以下の通り。

12.5-11.2-11.0-13.0-12.8-13.0-13.8-12.8-11.7-11.7-11.6-12.3

3コーナー過ぎで逃げたサイレントディールが後続に追いつかれペースがあがる展開。残り4ハロンからのスパートだったのはラップで見て取れます。今見れば各馬ラストで脚があがるのは道理なのですが、それでも当時の自分はアドマイヤフジにピントを合わせておりました。

トウカイワイルドのコーナー順位は9-7-10-6。改めて見返したのですが4コーナー手前の下りではほぼ最後方。鞍上の動きを見る限りはブレーキを踏んだのではなくアクセルを踏まなかったようです。自然、位置取りは下がり、直線でインをついて巻き返すような末脚につながりました。エクイターフで前受けが定石化しつつある昨今、こんな乗り方はなかなかお目にかかれないでしょうね。なんといいますか、展開に嵌まるという表現がありますが、この場合は展開に嵌めるといった方がよいでしょうか。



仕掛けるポイントをずらす騎乗。戦略的に理解できてもレースで実践するためのメンタルはそうそう養えるものではないでしょう。色気を出さずに勝負するメンタリティ。武豊TV!IIでは悟りの境地とジョークになっていましたけどねw

例えば、ブエナビスタの後方待機策。この間のフェブラリーS後に開かれたトークショーの中でも岡部さんが熱く質問していましたが、ブエナビスタがスピード一辺倒のタイプにならなかったのはこのアンカツの見立てが大きかったようです。当時は結果が出ているからという理由で頑なと映るほどに待機策を変えませんでした。乗り替わり後の脚質の幅はアンカツの仕込みがあってこそ、なのでしょうね。

亀谷敬正さんの著作「安藤勝己の頭脳」ではアンカツ本人の言葉で騎乗馬とレースに対する捉え方が様々に解説されているはずです。はず、になってしまうのは、部屋を探したのですがないんですよねー。買って読んだのは間違いないのですが困ったものです。読み返したいので頑張って探しますよーw 亀谷さんは競馬王でダビスタをやりこんでいたイメージが強いのですが(古い話で恐縮です)、2007年の著作は非常に有意義な議論だと思っています。すばらしい仕事に感謝。おすすめです。
Amazon.co.jp: 安藤勝己の頭脳 (競馬王新書): 亀谷 敬正: 本



引退会見からこちら、オグリキャップはもちろん、ビリーヴやキングカメハメハ、ダイワスカーレットなど、著名なお手馬を思い出の馬として挙げる記事を多く目にしていますが、競馬ブックのインタビュー記事ではスズカマンボの天皇賞を印象深く語っておりました。引退の経緯についてもそのブックの記事や競馬ラボのインタビューでは具体的に語られています。媒体なりインタビュアーなりで語り口を選んでいるようで、今後のアンカツのコメンテーター的な活動が楽しみに思えています。競馬ラボの記事は記者会見の全部?なのでしょうかね。話題の選び方運び方はたとえば武豊Jとは違う面白さがあります。
引退の安藤勝己騎手「これからは少しでも競馬の魅力が伝えられれば」

ディープはおバカさん的発言が「毒舌」と紹介されることについては、ねぇ、マジョリティがいい意味で面白がれるといいなぁと。発言は先日のトークショー、現地で聴いていましたが大笑いさせていただきました。ダイワスカーレットもおバカさん扱いでしたねーw

騎乗者が促していないのに一生懸命走るのは(ずる)賢さに欠けている、という趣旨の文脈を切り取ってしまうと語弊を生みやすいのでしょうが、前後の文脈を心得ているオーディエンスなら短いセンテンスでポイントを雄弁に語った得難いジョークと受け取れるはずですのでね。

発言の表情は異なりますが、フェブラリーSの中継でカレンブラックヒルとエスポワールシチーに触れたコメントは的確なそれでした。今後の活動次第では、その馬の直接の関係者でなく外から見ている場合に何が推測できて何がわからないのか、その按配もアンカツの言葉を通じてピントを合わせることができるかもしれません。Twitterも始められたようですので、これからの発信は注目していきたいと思います。



そうそう、ダノンシャンティ…

…ちょっと尽きない感じになってきたので、締めましょうかw

ダイワスカーレットを指して「一度ユタカちゃんに乗ってほしい」というのも本人の人柄をよく表していると思います。こちらは武豊TV!IIで確認。2010年にゲスト出演した際の発言ですが、なんというか勝負を捨てているのではなく、勝負より好奇心が勝っているというような印象をもちました。自分が下手な分もっとうまく乗れるんじゃないか、というニュアンスでしたのでね。ここだけ切り取るととてもいいひとなのでしょうが、笠松でブイブイいわせていた(という表現をあえてしてみますがw)頃からの変遷を想像すると愛されキャラかつ喰えないキャラ、なのでしょう。乗ってほしいのコメントの件、騎手会長は苦笑いでしたしねw

というわけで改めて武豊TV!IIへの出演から、お願いしたいなーと思っていますw


記者会見からこちら、こんなにカラッとした引退は覚えがないですね。
お疲れさまでした。有難うございました。



はい、このあと、共同通信杯から毎日杯、NHKマイルまで、ダノンシャンティをフリカエリたいと思いますw


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