2013.10.08


トレヴ、完勝でした。

レース自体は見応えたっぷりでした。スタートからオルフェーヴル、アンテロ、キズナ、トレヴのポジション確保に向けた動き。キズナが外へ張ってそれをトレヴが避けるように前へ。オルフェーヴルは下がりつつも外へ張り、当初外へハンドルを切ったアンテロはそれを封じ込めるように内を閉めてポジションを上げる。うわー、うわー、と思いながら観ていました。我ながら童心に返り過ぎw

レース映像中の通過ラップから計算すると(あんまり正しい計時ではないらしいですがw)、ラスト1000mはおおよそ60.5、600mはおおよそ34.7。実質3ハロン、いや600m-200m間の加速力勝負だったと思われます。馬場の掘れ方を加味するとかなりパワーも要したでしょう。

勝ったトレヴはフォルスストレートでぐっと進出しました。内のオルフェーヴルに蓋をしながらギアを上げ、そのまま直線へ。残り400mまで手綱を持ったままの時点で勝負ありましたね。ジャルネの勝負するタイミングは素晴らしかった。

その残り400mからの加速力。今度はトレヴが切れ味で応えました。斤量もあるでしょうが、斤量差もルールのうちですからね。前半の登坂で折り合いの怪しい場面もありましたが、馬群の中でもまれなかったことのアドバンテージが結果的に大きかったかもしれません。昨年のオルフェーヴルももまれずに外々でしたからね。



強いてオルフェーヴルの敗因を邪推するなら、道中のプレッシャーとテンションの高さかなと思っています。前半のアップダウンの間の物理的、心理的プレッシャー。映像を観る限りですのでたぶんに主観ですが、少し力んでいるような。手綱も抑えているというか、軽く吊り上げているようなテンションに見て取れます。十分にリラックスした追走ではなかったでしょう。

多頭数でタイトな馬群にあって接触しながらでもペースを守る。昨年求められなかったそれは、トレーニングを通して本番まで経験ができなかったことかもしれません。とはいえ、その前進気勢はむしろ持ち味であるわけで。気持ちをきれいに畳んで遅く走るのは日本のスピード競馬ではアドバンテージになりにくいですもんね。ここが価値の越境の難しいところかなと思っています。

フォルスストレートでトレヴに蓋をされたことは昨年からの布石。早い仕掛けが2着を招いた部分もあるでしょうから、万全を期す意味で直線まで前に壁を作る判断は、スミヨンにはごく自然な流れと受け取っています。結果的にジャルネに見透かされた格好かな。直線の加速も含め、今年の展開では見たまま完敗だったという感想です。



キズナのフォルスストレート。トレヴの進出に間髪いれず追撃を開始しました。武豊のロックオン。今年の天皇賞春のトーセンラーのようでもあり、同じく天皇賞春でサクラローレルをマークしたマーベラスサンデーのようでもあり。色気たっぷりの好騎乗だったと思っています。大善戦の4着。レース後の晴れやかな表情からして、パフォーマンスには悔いがないのでしょうね。

ひとつ。トレヴの後ろからオルフェーヴルに蓋をした形。「日本馬」というくくりで応援しているならチームジャパンで何してんねんという感想になるかもしれませんが、お互いライバルですからね。決して潰し合ったようには見えませんでしたし。然るべき騎乗がそこにあったと思っています。



あとはアンテロ。というかオリビエ・ペリエ。このペースをじわじわ先行して下りでは外の4番手という好位を無理なく取りました。鮮やかな振る舞い。やはり要警戒でしたねー。オルフェーヴルとの加速力勝負で僅差の3着ですし、事前の距離不安を2400mをしっかり乗り切って見せました。来年は現役続行でしょうかね。使えるレースの幅が広がったように受け取っています。




1着という結果が出なかったことは残念ではあるのですが、昨年とずいぶん趣きが異なっています。なんだか悔しさが少ないんですよね。完敗だったからかもしれませんが、ロンシャンへの挑戦がもはや人事を尽くして確率を待つ、という状況だと受け取っていることが大きいように思います。

以前の優駿で角居調教師が、日本により近い馬場を選んで遠征を行っているというコメントを残しています。伊藤雄二元調教師との対談の記事ですが、そこでは「残るはヨーロッパの芝とアメリカのダート」「本腰を入れて取り組まないといけない相手」というコメントも見ることができます。

ここにすべての議論を依拠するつもりはありませんが、海外への遠征実績を多数持つトレーナーの見識。今年の凱旋門賞の結果も踏まえて、日本のチャンピオンと凱旋門賞は同一線上では語りにくいのだろう、と改めて思うようになっております。例えが適切かアレですが、パリッパリのレーシングカーがオフロードのレースへチャレンジするなら入着するだけでも喝采ものかな、とか。…例えがうまくないかなw


結果として、異なる価値を制する楽しみは残されました。G1馬遠征への補助金がうんぬんというツイートも見かけていますが、引き続き関係者の挑戦が途切れないことを願って止みません。ファンの好奇心と日本競馬の持続と。2つのテーマの交点に凱旋門賞をはじめとする海外への挑戦があるものと思っています。たとえばオルフェーヴル産駒のフランス産馬とか、そんな副産物ならぜひ見てみたいですねー。

一応、海外遠征について今年の年初にポストした記事です。書いた頃とそんなに見解はかわってない、と思っています。
more than a DECADE 越境すること



最後に。

日本の競馬が凱旋門賞に憧れを覚えるように、ジャパンカップや有馬記念は他国から羨望のまなざしを受けているのか。ふっとそんなことを考えてしまいました。過剰な誇りは健全ではないかもしれませんが、いずれそんな挑戦を受けることが当たり前になるならよいなとも思いました。ファンも襟を正していないといけませんね。

…んー、さすがにこの締めはふわふわしすぎかなw
やっぱり凱旋門賞の熱に当てられてますかね。


帯同馬の2頭も含め、まずは無事に。
関係者のみなさま、おつかれさまでした。


関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://keibadecade.blog98.fc2.com/tb.php/702-621f1d69