2013.11.18


武豊が、トーセンラーを見事にエスコートいたしました。

「1600mをいかにトーセンラーの能力で走り切らすか」。追い切り後のインタビューでの藤原調教師のコメントです。菊花賞3着、同年の天皇賞2着馬でいかにマイルG1へチャレンジするか。次走報があってからこちら、コース適性を重視したとはいえなかなか難しい選択だったのだろうと推察していました。

坂路調教に切り替えてきた狙いはトモのパンプアップだと理解していました。これまでの中長距離仕様のチューニングから、マイル戦で加速するためのパワーを求めるチューニングへの変更。ちなみに2009年の春と秋でウオッカが逆のチューニングを試みていたという理解をしています。もちろん、実際にうまくいくかどうかは別の話。この見極めが予想のポイントになりました。

最終追い切りの映像を観て、トーセンラー本命をほぼ固めました。いやー1頭だけ動きのダイナミックさが違っていました。ヤバかったですねー。トモのパワーアップの表れと受け止めた次第です。レーシングビュアーで公開されている追い切り映像を出走馬名のアイウエオ順で観ていったのですが、「ト」は割と後のほうでしたのでねw 横の比較もしやすく、なおさら目を引いたのかもしれません。

5番枠から外に出せるか。個人的に賭けるポイントはここになりました。大きな懸念材料でもあったわけですが、平均から少しスロー寄りで展開するなら直線入口で馬群が横にバラけ、進路確保のタイミングが生じるのではという読みを信じることに。もちろん鞍上の経験値も信じましたよ。


レースラップです。
12.5-11.1-11.5-11.7-11.5-11.2-11.4-11.5

コパノリチャードは掛かり気味でしたね。抑え込んで刻んだラップに縦長の馬群。好位の内を取ったダイワマッジョーレが2着、逃げたコパノは4着ですから、結果的に後続は相当控えめなポジション取りに終始したようです。

トーセンラーは好スタートからゆっくり控える展開。キズナのダービーのような、加減速の少ない、流すような追走ができていたようです。前走は2400mの京都大賞典ですが、追走のリズムは近しいものだったかもしれません。

直線向いての外への進路取りは何と表現したらよいでしょう。熟練の匠のワザ、でしょうかw リルダヴァルに被せられながらの道中でしたが、下り坂で軽くエンジンを温めながら、直線に向いて「から」実にスムーズに前方馬群の外へ展開しました。WINSで観ていたのですが、この瞬間は「うわぁ…(空くもんだなぁ…)」とボウッとするばかり。賭けに勝った瞬間。あとはトーセンラーの切れ味を存分に堪能するだけでした。至福の時ですね。

勝利ジョッキーインタビューで本人が触れていましたが、直線入口までじっくり運ぶのは想定の範囲だったようです。それにしても、ね。比較するのは酷と思いますが、ドナウブルーの位置と捲りでは残念ながら厳しいはずで。後年、京都外回りのお手本として語り継がれるなら素敵だなと、すっかり魅入られているところです。


ザタイキの陣容。観ている側はウエットな感傷も覚えてしまうのですが、それぞれがプロの仕事をこなしたことの方が印象深く。当事者はどこかで感傷を秘めつつ、というバランスなのでしょう。先週の武幸四郎しかり、ジョッキーインタビュー等々で外野が繰り返し言葉を求めるのは野暮かもしれませんね。

G1、100勝。地方交流G1をカウントしている分JRAの腰は重かったようですが(武豊ご本人のコラムでも触れていましたね)、スポーツニュースの短い紹介の中では取り上げやすい数字ですし、しっかりプッシュできれば注目も集客も違ったかもしれません。ビッグレースを100個獲った。このご時勢、端的に伝わることも重要と思っています。カウントの方法を云々する背景も含めて後世に伝わるなら。素晴らしい記録に違いはありませんからね。おめでとうございました。


…先ほど昨年の七夕賞を見直していたのですが、トーセンラーは京都外回りが得意なのではなく、小回りのコーナーで加速するのが苦手と言った方が適切なのかもしれません。いまならダービー以来となる府中でもいい競馬ができるかもしれません。
競走成績:全競走成績|トーセンラー|JBISサーチ(JBIS-Search)



ダイワマッジョーレ、ダノンシャークとも、非の打ち所のないレース運びだったと思っています。特にダノンシャーク福永は、直線に向いてからワンテンポ置いて進路を確保する落ち着き。ジョッキーの所作も十分なものでした。今回はトーセンラーが一枚上手だったということと理解しています。


サンレイレーザー。というより鞍上の戦略。先週のディアデラマドレと重なって見えていまして。たまたま2週続いているだけかもしれませんが、平たく言うとペースに対して待機策が過ぎるという点が気になっています。ペースよりリズムを重視する感覚があるように見えています。藤岡康太には必要な時期なのかもしれませんが、このまま固まるジョッキーになるのか、実は正念場?などと思ってしまいました。どちらも馬の調子は良かっただけに、ちょっともったいない印象があります。


グランプリボス。追い切りからして調子が上がっていませんでした。パドックの映像でもちょっとしぼんで映りましたし。無印の見立て。スプリント挑戦が余計だったとは思いませんが、立て直してきたときにしっかり狙いたいと思います。1400mならなおさら、ですね。


レッドオーヴァル。勝ち負けに加わるところまではいけませんでしたが、自身のパフォーマンスは十分出せたのではないでしょうか。デムーロは色気を持ってのインへのこだわり。着順ほど悲観する内容ではないと見ています。トモのパワーで古馬牡馬に見劣る印象がありましたので、条件や相手が変わればチャンスが来そうですね。…京都金杯か京都牝馬、かな。


カレンブラックヒル。ようやく少しカラダが膨らんできた印象ですが、以前から感じている容積の小ささがやはり気になってしまいました。マイルG1を押し切るパワーには足りないという見立て。これにメンタルな部分もからんで着順を大きく落としてしまっているようです。須田鷹雄さんのブログには、鞍上くらいしか検討できるところがない、という主旨の表現があり。乗り替わりは苦肉の策であるようです。
カレンブラックヒル乗り替わり : 須田鷹雄の日常・非日常

今日のペースも大敗するようなそれではなかったと思います。迷走、ですかね。中距離を平均ペースで走らせるのがよいようなイメージもありますが、適鞍かぁ…、難しい印象です。



少しだけ。スペシャリストとしてのマイラーの不在について。

安田記念でロードカナロア、マイルチャンピオンシップでトーセンラー。どちらも1600m重賞初挑戦での戴冠ですので、マイル路線だらしない的論調があちこちで出てきそうですが、ニホンピロウイナーやタイキシャトル、エアジハードなど、チャンピオンクラスのマイラーが常時現れるわけではないですからね。個人的には最優秀マイラーの表彰を実現しつつ、時間をかけてマイラーの価値観が育っていくのがいいのかなーなどと思っています。

マイルに最適な馬づくり、強いマイラーの手綱の取り方、マイラーを評価するファンの目線。マイルG1が設定されてだいぶ歴史を重ねてはいますが、世界に通用するという視点も含めて熟成していくのはこれからなのかなと。いまいまはエクイターフとエアレーションの按配がその煮詰める作業を難しくしているような気もしますけどね。



最後に。

自分は観ていなかったのですが、ゴチになります!に武豊が出演、大幅に金額が超過して自腹になったみたいです。ただその週末にG1制覇ですから、自腹分はすぐに取り返してしまったわけですねーw こういう話題を作れるところが役者だなーと。無駄に褒めただけかしらw おかげさまで自分の馬券も当たりましたので、こちらもゴチになった格好でございますw ゴチでーすw


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