2014.06.11


相談役の安田記念がじわじわきております。

これまでの相談役のイメージは、なんといいますか、育て専といいますかw 馬の能力や気質、今後の上昇曲線などを捉えて次へつなげる騎乗をするタイプというもの。それは同時に、レースの状況にあまり抗しないタイプといいますか、騎手の「個」の力を前面に出さず、結果淡白な負け方することがあるというイメージにもつながっています。若い頃はどうだったかわからないのですけどね。

言い方を変えるなら、勝負するポイントが異なるといいますか、結果として騎乗馬のキャリアを線で捉えるような乗り方になると思っていまして。いわゆるレースの展開や勝ちポジにこだわらない、ジョッキーが勝負に執着しすぎない、というようなスタンスをとっているように見えています。間違ってもディープブリランテのダービーのような勝負はしない、というイメージですね。あれは点の勝負ですからね。

ですのでジャスタウェイ柴田善臣、と聞いた第一印象は、失礼を承知ですよ、展開に抗せずにきっちり脚を伸ばして3着か4着して「次につながると思う」とコメントを残すかもしれないなーというものでした。レース前の雰囲気はこんな感じでしたしね。
【安田記念】ジャスタウェイ柴田善臣「プレッシャーは感じない」 | 競馬ラボトピックス | 競馬ラボ

このスタンスはビジネスの継続性、という視点で見ると結構納得なんですよね。ご本人はインタビューの通り「馬が好き」で大事に乗っていく中で身につけたスタンスなのでしょうけど。例えば、いくつか難が生じて1000万クラスあたりで入着がおぼつかなくなっているような素質馬に継続的にレースを教えて、惜敗をいくつか重ねながらオープンまでもっていく、とか。都度の入着賞金は積み上がりますし、現実的にG1を目指すのは難しいと見積もられた馬を大事にレースに出してペイしていくには良質な仕事のスタンスですものね。関係者には有難いでしょう。

騎乗馬の状態を把握する力は引退した松山師が認めていたようですし(Wikipedia参照)、安田記念のパドックでは真っ先にサダムパテック陣営に挨拶にいく義理堅さも見せています。業種を問わずごく一般的な仕事への取り組み方といえばそうなのですが、それをきっちりやれることは信頼に足るでしょうから。今回のG1で、相談役のこういった特性を再確認したところがあると思っています。


ただねー、その中でもやっぱり勝負への色気はもっているんだなーと受け取り直しているところもあり。

皇成の肘打ちはYahoo!のトップにもでていましたね。前回の記事の通り、あれは横の制動が上手く効かない中で起きた接触ですのでラフプレーとは違うでしょう。というか、ポイントは皇成がラフプレーをしたかではなく、それを予見して、相談役が事前にカラダをいれてジャスタウェイのロスを防いでいるところ。ぶつけられるのを待つのではなく「せーの」でカラダを当てにいく所作。これはリスクテイクがしっかりできている証拠だと受け取りなおしておりまして。

なかなかできないと思っているんですよ、リスクテイク。あらかじめ能力がスポイルされる状況を予見してそれを招かないようにすること、と言い換えてもいいですね。その点でジャスタウェイの諦めない精神力を損なわずにエスコートするには妥当な鞍上と騎乗ぶりだったのかなー、などと考えると、相談役がすごく頼もしく思えてきまして。

…この流れだと酷な取り上げ方になりますが、対照的な例は同じ安田記念のミッキーアイルの前半。あの進め方はリスクがあまり予見されていなかった故だと受け取りなおしているところです。あの戦意喪失が今後のキャリアに影を落とさなければいいとは思っています。

一方でリスクテイクだけが過ぎると消極的な騎乗と映ったりするでしょうね。別の騎手とレースですが、ブライトラインのエルムSとか。…あの場合は勝ったフリートストリート内田を褒めるのを忘れてはいけないですけどね。


「強い馬にぶら下がって、邪魔をしないように騎手を続けていきたいと思います」

安田記念後の勝利ジョッキーインタビューでのコメントです。字面そのままで受け取るとベテランの泣き、弱気と読めるでしょうが、いやいや。そもそもインタビュアーの白川次郎さんの「そろそろ最年長が目前にせまっておられますが」というきっついフリがありますからね。失笑気味で返したコメントでしたし。

ベテランのしたたかな勝負へのこだわりは、あのカラダの入れ方然り、スタートだけは気をつけるといった言葉ひとつにも十分表れていると思っています。少し前になりますけど、ナカヤマナイトのダービーでオルフェーヴルを閉じ込める苛烈なボディコンタクトだって忘れていませんからね。どうしてどうして、自分にはまだまだ脂ギッシュなw ジョッキーなのだと受け取りなおすだけのコメントでした。

ジャスタウェイは宝塚を使わないかもしれませんね。凱旋門賞を目指すことはまとまったようです。ロンシャンでの実績はありますからね。相談役がそのまま継続騎乗という選択も見てみたいですねー。どんな勝負をするでしょう。



最後に。

とはいえロサギガンティアのNHKマイルは忘れていないですよw という点は付け加えておきたく。

…あーでも、要は買う側がそのスタンスを受け取ったうえで、びしっと取捨できるかという問題なのか。だからジョッキーに向かって金返せ!はたいがい揶揄になるのでしょうねw

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