2014.07.07


ROUNDERS vol.4、ようやく読み終えました。

ここ2、3週間、いち早く入手した方のツイートを治郎丸さんがRTされていて、まぁ何度と目にする表紙の画像に完全におあずけ状態でございましたw いや、たくさんツイートされているのはいいことなんですけどね。

落ち着いて読む時間が取れないのがわかっていた分、購入自体を保留していました。我慢が効かなくなる、というほどではありませんでしたが、いやーこのおあずけ状態は毒でしたねw

感想でもありますが、いもづる式に脳裏に浮かんだこともありますので、かいつまんで書いておこうと思います。



吉田直哉さんのテキスト。

非常に参考になりました。今回「馬見」というタイトルから、初心者に違いを説明するヒントが得られることも期待していたのですが、以下の表現にそのヒントを見たと思っています。

新馬とオープン以上の出走馬を見ることは、馬の良し悪しと理想の形を理解することに寄与すると思います。



初めてのパドックですと毛色くらいしか個体間の違いが伝わらないはずですが、このくらい馬体が違えば端的に映るでしょうね。中学生の陸上部とウサイン・ボルトくらい違っているでしょうから。…適切に例えられているかしらw あ、初心者には昼前からメインまで間が持つかがひとつのハードルになりそうですけど(既存ファンのレース間の忙しさはまずわからないですものね)。でもこの比較ならはっとする瞬間を得てもらえそうです。

個人的にはそれこそ世界陸上のビッグネームのウォーミングアップにヒントを得ていまして。仕上がったカラダが軽くランニングすると、力をいれていないのにグンッグンッと推進するんですよね。そこから、鍛えられた筋力は軽い動きにも表れる、という認識を持つに至っています。そのイメージを得たのはマイケル・ジョンソンなんですけどね。いまMJっていっても伝わらないかな。

で、この感覚をパドック観察に転用しています。力を入れずに歩幅が伸びるといいますか、リラックスした歩様ながらより余分に、メリハリをもって、大きく推進している馬は好感をもって見る癖があります。パッと思い当たったのはカネヒキリですね。この基準だとたまに仕上がり過ぎた馬をチョイスしてしまうのですが、あとはそれこそ「勘」でさじ加減を調節しています。

あー、角居厩舎のボリューミーな仕上げにやられやすいのはそういうことかw 必要な筋肉も絞り上げるようなギリッとした仕上げよりは好感もちやすいのは確かですね。書きながら自己確認。



また、以前から「容積」「スケール感」という言葉で、総排気量といいますか、スタミナの器の大きさといいますか、肺活量の値の大きさだけではない胸前から肩にかけての充実感を感じ取ってきたつもりでいます。この捉え方、多分に我流だったのですが吉田さんのテキストでちょっと答えあわせができたように思っています。合ってたみたい!と軽く高揚しました。以下、引用します。

(新生子について)肩や臀部に広さと奥行が感じられ両方ともしっかりした容積を持っているかどうかを観てみます。

(米国のセリで前半身、肩と首に重きが置かれる点に言及して)肩は胸腔のサイズを図る尺度となり、心臓・肺を収納する十分な空間を持たなくてはいけない。



容積が大きいということはより多くの酸素を取り込んで体内に循環させられる証拠、そして十分な栄養と運動が身になっている証拠。パドックでその「膨らみ」を確認できるのは、これらの意味でアドバンテージなのでは、と推察しています。より酸素を摂取し、より食べてより動ければ、もって生まれた容積がより成長を担保する、という理解なのですが、違うかな。

ずれた理解だったとしても、仮説検証ができたと思えば少しずつでも理解に近づきますものね。引き続きこの視点でパドックでの馬の迎え方に気を遣っていこうと思っているところです。

ちなみに昨年のダービーや今春の皐月賞はその観点で予想を組み立てていました。備忘録をかねてリンクを記しておきます。
more than a DECADE ダービー
more than a DECADE 皐月賞

…あー、容積ばかり見ていて外すパターンもありますね。超スローペースになった場合とか、スタミナの底を問われないケースでは顕著なイメージ。馬見の楽しさの一方で、予想のファクターは様々ですから焦点の定め方は難しくもありますね。



意外だったのはハリケーンドクターさんの記事。購入前の構えとして「馬見」の響きから馬券予想や一口馬主に向いた内容かなと想像していたのですが、この記事はいい意味で裏切られました。これもまた「馬見」ですね。サラブレッドの日常(生老病死すべてですね)を目の当たりにする機会はなかなか得られませんので、貴重なエピソードを披露いただいたと理解しています。ここでの詳述は避けますね。是非ご一読ください。



今井壽惠さんの名前も久しぶりに目にしました。ハイランド真理子さんの記事ですね。ファインダー越しの「馬見」。その今井さんを通した競走馬もまた楽しみのひとつでした。以前、清里まで展示を見に行った際の記事を引っ張り出してきましたので、よろしければ。
more than a DECADE 今井寿惠

文中に今井さんの作品に関する件があるのですが、自分も例に漏れず、あのヌレイエフを挙げてしまいます。ポストカードあるいは清里フォトミュージアム発行の写真集で目にすることができますので、興味のある方は是非。なにかステマという表現もすっかり目にしなくなりましたねぇ。ピュアにお勧めいたしますよ。以下のリンクにて。
株式会社ニューマーケット|写真家 今井寿恵 競走馬・競馬 関連グッズ 販売サイト



肝心の治郎丸さんの「馬見」。

スター馬体チェック法と題して治郎丸さんオリジナルの切り口も披露されていますが、これまでにない斬新な見方というより、あちこちで既出のメソッドをわかりやすく整理した内容になっていると理解をしています。あ、これまでの馬見に関する文章はわかりにくかったのでは、という見解も合わせて述べられていますね。

詳述は避けるとして、個人的には、以下の言葉が本書での治郎丸さんのスタンスを象徴していると思っています。

全体を理解するために、部分(パーツ)を解剖(分解)してみても、結果としては全体を見失ってしまうことになる。



部分の足し算が全体とは限らない、ということですよね。目、口、鼻と部分の印象を足してみても顔全体の印象とはイコールにならない、というのはゲシュタルトという概念を引っ張ってくればよいのかな。かえってわかりにくいか。自分もちゃんと勉強してないですしねw

全体をわしづかむ力を磨くには部分を見つめる必要があるとは思っています。そのためのTipsや着眼の仕方について読み物を探している方には、今回のvol.4はお勧めの内容かなと思っています。


正しく見ることができているのかはわかりませんが、個人的には、パドックや返し馬で個体の躍動感にやられる瞬間は馬券を当てるのと同じくらいエモーショナルですのでね。以前より時間を見つけては府中に通っているのは、馬を見ること自体を愉しんでいる面があるからなのだなーと、読み進めながら再確認した次第です。



僭越ながら、ROUNDERSについての心象も少し。

これまでの3冊からさらにトーンが変わってきているようにも思いました。なんといいますか、コンセプチュアルに整理されつつも治郎丸さん個人の見解の吐露、という特徴はこれまでと変わらないのですが(広報誌の類ではないですからそれ自体は問題ないと思っていますし、むしろそれが読みたいわけですけれど)、受け手の好き嫌いが生じる余地もまさにこの点にあるなぁなどと勝手に心配をしておりました。より多くのひとに触れてほしい内容である分、編集長の見解が強くでることがかえってノイズにならないかと。この意味でこれまでのROUNDERSは、よしあしでなく、同人誌という印象がありました。

前回のvol.3は野平師に直接親交のあった方の言葉を並列させつつ、治郎丸さんの思いを語っています。対して今回のvol.4はご本人の記事が中心ではあるのですが、そこからもう一歩下がって自身の言葉をつむいでいるように受け取っていまして。深堀りできない面は別の方にしっかり委ねているような構成に見えているんですよね。

ROUNDERSとして期待されている役割を果たす姿勢の模索、がきっとあるのでしょう。それはROUNDERSが作り手の思い入れを少し離れて、いい意味で一人歩きし始めている表れなのかな、などと感じております。

Publicationは出版を意味しますが、なぜROUNDERSがPublicに向けて言葉をつむぐのか、その内実がもうひとつ熟成されているのかもしれません。ひとり分の見解の吐露ならそれこそブログが適当ですものね。いち読み手としては歓迎すべきベクトルだろうと勝手に理解をしております。

…そうですね、多分に勝手な読み取り方ですので、全くピントがずれているかもしれません。平たく言うと、面白かった、次回vol.5も期待しておりますということです、はいw



最後に。

日曜のラジオNIKKEI賞。パドック映像でウインマーレライをピックアップできたのはROUNDERSのおかげかなと思っていますが、勢いでクラリティシチーを切ってしまいまして。だって以前ほどの出来になかったんですものw 結果的に馬連を買って1、3着。ウインフェニックスとの馬連ならワイドにしておけばよいのにねw 予想には馬見以外の事前情報が必要だという証左かもしれません。あー、あいかわらず馬券力がないだけ、でよさそうです。

…ウインフェニックスをピックアップできた理由?葉牡丹賞やNZTのイメージ、中山と福島の相似、スズカフェニックスとアグネスデジタル、内枠、パドック映像での馬見、石橋脩、そしてこれらの混ぜ合わせ。…うーん、「勘」ではなく「たまたま」といっておきましょうかw


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