2014.10.05


凱旋門賞、今年も近づいてまいりました。

春の段階から日欧のビッグレースが終わるたびに「凱旋門賞は?」というイメージを膨らませては一喜一憂。だいぶめんどくさくなっているファンの証ですね。特にキングジョージ以降は現地のライバルの動向が目まぐるしかったですものね。都度都度書いたらもううるさいブログになっちゃいますからねー。TwitterのRTを振り返ると我ながらよくわかって困りますw

ブノワはどっちだとか、オーストラリアはでないの?とか、ルルーシュ師がハープスターの毛ヅヤについて語ってるとか、ゴールドシップがえらい落ち着いているとか、厩務員さんが迷子になったとか、須貝師曰くの「言うことなし」はnothing to sayじゃなくてCouldn’t be betterのほうがいいんじゃね?とかw まぁ、一喜一憂していますねw

そうそう、RacingPostのTwitterアカウントで「BREAKING」の文字を見るのがトラウマ化したのもここ最近のこと。いやいや、キングマンとシーザムーンが立て続けに引退というのは、残念な限りです。


ルーラーオブザワールドがフランキーで確定、タペストリーが駆け込みで出走を表明して、枠順も確定。あとは直前のスクラッチと馬場状態に震えるくらいでしょうか。

凱旋門賞へのステップはこちらにまとまっています。
JRA × JRAレーシングビュアー 2014凱旋門賞特集

バイアス少なめの有力出走馬の評価、展望は以下かな。レーシングビュアーの合田さんコラムです。
合田直弘の凱旋門賞直前展望|JRA × JRAレーシングビュアー 2014凱旋門賞

netkeibaでは誰がペースメイクするのか、という展望。ご参考まで。
大きなポイントの1つは「ペースを作るのは誰か」、凱旋門賞展望 | netkeiba.com競馬コラム



さて、主観バリバリでメモ書きをしておきますよー。

なんといいますか、混戦といいますか、先のコラムの通りペースと馬場状態で勝ち馬が都度都度変わってしまいそうな気配。日本馬が複数参戦することも相まって、特定の馬のパフォーマンスに過度な期待をかける例年の感覚とはちょっと異なった心地でいます。

いくつかポイントになるレースを見直してみました。あ、Racing UKのYouTubeチャンネルはまとめてチェックできるのでお勧めです。バーデン大賞はさすがになさそうですけどね。
Racing UK - YouTube


相対的に、馬場状態をあまり問わないのはアヴニールセルタンという印象があります。牡馬との対戦がないながら、仏オークスとノネット賞では異なる馬場をこなしていますのでね。加速するにしたがってグンと重心が低くなるフォーム。運動神経よさそう、という言葉が浮かびました。ルメールですかーこわいですねー。


ニエル賞のエクトは折り合いと距離に慎重にトライした印象。あのストライドで多頭数のごちゃごちゃに巻き込まれたら、という懸念をもちました。あ、未知数ということですね。ブノワはエクトの方が注文がつくという認識のようです。


タグルーダの前走は凱旋門賞に向けてはノーカウントのイメージでいます。馬場とペースがタペストリーのピッチ走法が向いたでしょうか。キングジョージのような凌ぎ合いの展開になったらきっと強みがでるでしょうね。


バーデン大賞のアイヴァンホウは出遅れて挟まれて下がってからの最内追走。逃げたシーザムーンが大きく外に展開したことでで馬群が一気にばらけた4コーナー、その間隙を強引に縫って外ラチギリギリまで持ち出しての差し切りでした。確かに印象深い勝利なのですが、道中力みっぱなしのシーザムーン相手でしたからね。

参考までに2012年デインドリームの映像も観てみたのですが、4コーナーから外ラチへ向けた斜めの馬場横断は変わらず。この時期だからでしょうか、バーデンバーデンの芝は緩いみたいですね。デインドリームが稀有だっただけで、最適なローテと言い切るにはちょっと微妙な気もしています。当日ロンシャンの馬場が悪化すれば親和性もでてくるでしょうか。



一方の日本馬3頭は順調のようです。枠から見れば外を引いたハープスターに若干の有利さを感じているのですがどうなりますかねー。ゴールドシップのスタートが相対的によい場合は馬群で揉まれ込んでしまうイメージもあり。馬場とペースがフィットするならジャスタウェイに向くかもしれません。あー、斤量もありますねー。

印象的なのは横山のコメント。ホクトベガを引き合いに出したのは、自身のテンションが強すぎてもプラスには働かないというバランス感覚を説明するためと読み取れます。あのドバイワールドカップの件はしばらく本人から語られることがなかったので、ちょっと新鮮に受け取っています。だいぶフラットに捉えられるようになってるのかな。オールドファンをウェットにするには十分ですけどね。ファンの感傷はプレイヤーの背負う感情とは別と心得ていますよ。
【凱旋門賞】29年目、名手・横典の流儀「凱旋門も未勝利戦も一緒」 (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース


気になるのは3騎手とも、自分の競馬をするだけというモードにあること。そういえば、自分たちのサッカーをすれば結果がついてくるという主旨のコメントを多用して、結果的に自分たちの持ち味をだしきれなかったワールドカップがあったなぁ、などといやなイメージがよぎったりしています。ロンシャンの経験でいえば向こうのジョッキーにアドバンテージがあるわけですからね。思考停止やストレス回避が生み出したプラス思考、とは思いたくないのですけどね。



平松さとしさんの「凱旋門賞に挑んだ日本の名馬たち 誰も書かなかった名勝負の舞台裏」は非常に面白かったですねー。おそらく明日の凱旋門賞の前後で読後感が変わる一冊。「後述するとして」という進め方に若干の読み進めにくさを覚えてはおりますが、まだの方は是非。現地取材の強さがしっかり伝わってきます。
Amazon.co.jp: 凱旋門賞に挑んだ日本の名馬たち 誰も書かなかった名勝負の舞台裏: 平松 さとし: 本


ちりばめられた蔵出しエピソードはここでは割愛するとして、ひとつ考えたことを。

凱旋門賞へステップレースを使わないことへの是非は遠征の度に取り上げられますが、日本の陣営が直行する判断をする背景としてレースのタイトさがあるのでは、と思い始めています。エルコンドルが経験したように、ステップレースに出走して強いコンタクトを受け、外傷を負ってしまうリスク。これを各陣営が考慮した場合、前哨戦を避ける方が賢明というジャッジがあっても不思議ないなーと考えてみました。公言するには消極的に響いちゃいますのでね、関係者が言葉を伏せて報道ベースに載ってこないのかも、という邪推もしております。

日本のレースは馬群がタイトではない、というのは世界との差として語られるポイントですが、個人的にはどちらが劣っているという話ではなく質の違いでもあると思っています。ジョッキーのセレクションの違いからくるレベルの差は否定できないですけどね。

日本は馬場状態がよくスピードがでることから横の接触は事故を大きくする可能性が増すでしょうし、歴代のトップジョッキーによって独自のセーフティ感覚が醸成されてきたこともあいまっているでしょう。馬の値段が高いこともセーフティさを後押ししている要因であるかもしれません。

いずれにしても長年培われたこの日欧の差を、それも凱旋門賞の直前に、馬の精神力だけで埋め合わせする(=ショルダーチャージをバンバン受けながら馬群を割って抜け出してくる)のはさすがに酷かなと。こんな発想から、前哨戦をパスし、リスクの少ない状態で本番を迎えるという結論があっても不思議ないように邪推をしているところです。

若干脱線しますが、日本のジョッキーはレーサーというよりは陸上競技のようなアスリートに近い感覚で捉えた方が妥当なのかな、と思ったりしました。元陸上選手の為末さんの対談を読んで得た着想です。ここでは陸上競技をスポーツというよりアートに近いと話していまして。面白い視点、お借りします、という感じです。
走ることについて、しゃべる理由。 - ほぼ日刊イトイ新聞



最後に。

どの馬が勝つのか、まとまったイメージに収斂していない分、かえってわくわくしながら待てるじゃないかと前向きに開き直っているところです。

日本馬の結果、もちろん史上初の快挙であれば最高なのですが、そうでなかったとしても深刻に落ち込むようなことにはならないでしょうね。「日本の悲願」というキャンペーンがちょっと過剰に作用しているように見えておりまして。そこに距離を置き始めていることもあるのでしょう。

歴代のチャレンジャーはそれぞれ別々の動機とディテールで海を越えているようですしね。それも平松さんの本で(言外に)読むことができました。でも夜のスポーツニュースなどで端的に語ってもらうには、日の丸を背負っているとわかりやすいですからね。

よりたくさんの人が抵抗なく競馬で盛り上がる、いいきっかけになってほしい。優等生な響きに満ち満ちていますが、いちおう書いておきます。あー、自分は今年も変わらず、歴史の堆積を思いながらばっちり見守るつもりです。

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