2015.05.05


横山典弘がゴールドシップを運び切りました。

もう、鞍上のすばらしいリードに尽きますね。堪能させていただきました。1番枠を引いた時点で個人的にはほぼアウトだと思っていました。アンカツさんは逃げの可能性をコメントしていましたが、いまのゴールドシップの心身ではスタートダッシュが効かないだろうと。結果的にゲートを拒んで目隠しされたことで戦意を削がれた格好になったようですしね。

いわゆる菊花賞の再現以外ほぼ取りうる戦略がない、というピンポイントな状況を見て取っていましたので、真っ先に切ってしまっていました。当時はビービージャパンという人気薄がビッとした逃げを打ったのですが、今回それだけペースを締めたい逃げ馬は見当たらない認識でした。それは高いレベルでのスタミナ勝負にならない天皇賞、という読みでもあり。

…まぁ、結果的に真逆でしたねw 外枠の中距離馬ばかりチョイスしたことは激しく反省しなければいけません。

一方で、レース終わってからこちら、いろいろな報道やコメント、SNSに流れる見解やイラストを眺めるのは楽しかったですねー。だいたい書こうかなと思っていたことが言葉になっていましたのでもういいかなとw はい、ちゃんと取り直しておりますよw GW的家族への配慮も一段落した?ようですし、ある程度は自分で言葉にしておこうと思います。

あ、レースっぷりを指して「破天荒」という言葉をよく見ましたが、馬は確かにそうですけどね、ジョッキーはかなり冷静で戦略的だったという認識でおります。


レースラップです。
12.7-11.4-12.0-12.5-12.8-12.2-12.1-12.8-12.4-12.3-12.5-12.0-11.7-11.8-11.5-12.0

11秒台前半がほとんど見当たらないラップ。発表は良ですが加速に少しパワーを要するコンディションと理解をしていました。後から思えばこれはゴールドシップ向きでしたね。

そして個人的な誤算はクリールカイザーの逃げ。やられました。この可能性を強く捉えていればスタミナが決め手になることも視野に入ったんですけどね。躊躇なく手綱を押していった田辺を見ながら、そうだこれができる騎手だと、スタート直後に早くも反省モードでございました。

ゴールドシップはスタート前に戦意喪失気味だったでしょう。レースを通してみても本気で走ったポイントは限られるのでは思っていました。横山のコメント、Gallopからの引用です。「道中で1回も馬との手応えを感じたところがなく、最後まで馬と人との我慢比べでした」「ジョッキーにしか分からない、勝つときの強い感触がひとつもありませんでした」。…およそ、G1を6つ獲った馬を評する言葉ではないですね。でも、ここにゴールドシップの特徴が表れていると思いますし、この特徴だからこそあの2段スパートが嵌るのでしょう。

1周目のスタンド前で馬群から離したことで心理的にもストライド的にもマイペースを取り戻した様が窺えます。その後、2コーナー過ぎで軽く焚き付け、登坂部分の残り1200から一気に捲るアクション。気持ちが前に向くのを待ちながら、レースのポイントを押さえての仕掛け。どちらのボタンを掛け違えてもレースに参加すら出来なかったでしょう。もう一度Gallopから横山のコメントを引用しますね。「ただ追えばいいわけじゃなく、ただ折り合えばいいわけじゃない」

2周目の坂の下り、4コーナーも見応えがありました。捲って先団に取り付いた時点でスズカデヴィアスがそれを意識しポジションをあげました。当然その前にいるクリールカイザーは気持ち厳しい仕掛けを強いられます。溜めの作れない下り。ここにカレンミロティック、ラブリーデイが畳み掛けるような仕掛け。一方のゴールドシップは気持ちポジションを下げながら溜めを作ったような格好、2段スパートのお膳立てが整ったように見えていました。ただ、先の横山のコメントを見る限りは、気持ちとスピードを切らさないようにプッシュし続けていたようですね。いずれにも厳しいポイントだったようです。

カレンミロティックの直線の粘りは、ゴールドシップに最後の集中力を与えたでしょうね。やはり前に馬がいると交わしにいくまでの間、グッと集中しやすいでしょうからね。最終追い切りでも、相手を振り切ってから気持ちが遊んでいるように見えていましたので、それもあらかじめ折り込んでの4コーナーでの溜めなら交わしきったところがゴールなのはおおむね戦略通りだったことの証かもしれません。

…ふぅ。ざっと振り返るだけでもこれだけポイントがあって、全力を尽くしてくれないパートナーの特性を踏まえた上で、針の穴に糸を通すような判断と状況の積み重ねが先頭でゴールを迎えることにつながった、と理解をしています。まさに横山典弘の経験が導いた勝利。なにか感じとる取材者がいたのでしょう、集大成?という質問が飛んだようで、それに対してまだまだやるよとコメントした鞍上。いやいや、頼もしいですね。まだまだ魅せてくださいませ。

さて、次走の話。これで得意の阪神に戻るから宝塚記念は磐石、とはあまり思えませんねー。追い切り直後の立ち上がる姿はどうやら「オス」的な主張だったようですし。まして横山はこれまで意思を尊重するスタンスから一歩踏み込んで、馬への要求をひとつ強くするコンタクトを行っていたでしょうから、端的に反抗心も助長している可能性があります。発走再審査もありますしね、次走も同じように上手くいくかは未知数だと思われます。


キズナは末脚不発。いや、不発は言いすぎと思っていますが、着順には結びつきませんでした。ロンシャンの馬場から逆算してのパンプアップかなと推察していますが、結果的に距離をこなせない体つきになっているような印象があります。いまのキズナならピリッと仕上げて安田記念でショウナンマイティを試してみたほうが結果がでるようにも。

精神的な問題だったら嫌だな…というトレーナーのコメントも聞こえてきましたが、重くなった筋肉で長く強くスパートし続けることに無理があるなら、心身両面の問題でもあるようにも思えています。規定路線なら宝塚記念。巻き返しに期待していますが、どうなるでしょう。


アドマイヤデウスは1周目の下りでかかってしまいました。おそらくはディープインパクトよろしく、スパートの位置だと勘違いしたように見て取っていますが、スタンド前で前に馬を置かなかったことでより勢いがついてしまいました。おそらく岩田はじんわりと先行ポジションを取りに行きたかったのでしょう。ただ今回は完全にそれが裏目に出た格好でした。


サウンズオブアースは終始かかり気味に見えました。もう少しゆったり走れれば着順はあがっていたでしょうが、この気性だからこその戦歴でもあるのでしょうしね。サウンズの内枠に下げたい馬が多かったので、比較的労せず内目に潜り込めるはずというアドバンテージを重視して、個人的には本命にしていました。はい、反省材料でございます。…やっぱりゴールドシップを切った時点で予想は迷走を始めていたのでしょうね。。。


ウインバリアシオンは残念のひとこと。ごまかしごまかしどこまで行けるか、という中でのG1チャレンジ。直線のフォームを見返して、これは再発もやむなしかと思ってしまいました。馬自身に走りを加減するところが見えなかったんですよね。傷をかばわずに受身が取れないくらいストライドを伸ばして全力疾走するなら…。福永が早くに気がついて止めたようです。それが最悪の事態を回避できた要因でしょう。個人的にはオルフェーヴルのダービー2着が印象深いですね。お疲れさまでした。


フェイムゲームは惜しい2着。直近のレースでスタミナをしっかり示した馬ならゴールドシップとフェイムゲーム、という見立てでした。ねー。たらればは禁物(最近この言葉を聞かなくなりましたね)と思いつつ、4コーナーまでにひとつ外に展開できる形がつくれれば、あるいは結果が違っていたかもしれません。



最後に。

やはり距離が長くなると、ジョッキーの思惑、戦略がレースに反映しやすくなる印象があります。今回は改めてジョッキーのヘッドワークを堪能いたしましたしね。数値化しにくい部分ですので予想も難しくなりますが、だからこそ楽しめる余地も大きいと思っています。レースのバリエーションを保持してもらいたいという見解はこれまでと変わりありません。長距離の番組も現状維持ないし下級条件に少し増えるとベターと思っています。ひとも馬も経験の底上げが要るでしょうからね。

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