2015.05.13


昨年9月から控えていて、ようやくの墓参となりました。

陽の光のなかで降る雨は「天気雨」と表現すればよかったのですね。この年まで言葉と事象が明確に結びついていませんでしたが、今日の八戸は断続的な弱雨、そしてまさに天気雨でした。調べてみると涙雨とも天泣とも表現するそうで、それはセンチメンタルすぎるだろうーと思いながら、自分がこれまで感じてきたものもそう大差ないことは、ええ、気づいてしまっておりますよ。男性のほうがロマンチストですものね、という謎の開き直りで先にすすめましょうかw

前夜上陸して温帯低気圧に変わった台風6号と併走するように深夜バスで移動。明け方には震度4の地震を報せるケータイのアラームがバス中に響いておりました。なかなか天候に恵まれませんでしたね。バスの中では揺れを感じませんでしたが、それは半分以上寝ていたせいでしょうw 新幹線、在来線とも朝方は不通ないし大幅な遅れ。バス下車後の電車での移動をあきらめ、タクシーでレンタカーの店舗まで向かうイレギュラー。ただ運転手の方から東京で建築のお仕事をしていた思い出話を聞く機嫌のよい寄り道もできてしまったりして。…まぁまぁ楽しんでいたのでしょうね。


午前中のうちにお花を準備して、昼過ぎに目当ての牧場にお伺いしました。

有休が取れそう、というこちらの一方的な事情で日取りの相談をしたのですが(一応、出産→種付けは終わっているかもくらいの配慮をしての5月連絡だったのですけど)、事前に連絡をいれてからこちら、今日の今日までまだ1頭お産が終わっておらず、今年の種付けにも動くに動けないという状況でした。年末のご挨拶で「そっとお伺い」します的なことを書いていたはずですが、結果的に今回も豪快にご好意に甘えることになりました。

事前の電話口の声から、実際にお会いしてからも、沈痛な表情に出くわすことはほぼありませんでした。時間の経過がそうさせているのか何らかの諦観なのかは測りかねていたのですが、努めてそうしている部分も窺えましたので、こちらから煽るような言葉かけは控えた次第です。というより、訪問を通して屈託のない笑顔の時間のほうが多かったですね。いや、ほんとに。なんででしょう。

牧場の一角に埋葬を終え、実はお墓はこれからというお話でした。昨秋に設けた献花台はさすがに寂しくなっていましたが、多少は明るくできたでしょうか。地味に、勝負服の黄と赤、淡い色合いですがダービー当時の枠の橙も含めています。
フサイチコンコルド献花

埋葬された場所の前でしばし立ち話。骨折してから1日頑張っていたこと、薬を使わずに体力が尽きて亡くなったこと、栄養剤の注射もいやがったこと、それでも人参は食べようとしたこと。そっかー、頑張ったんだなーなどと相槌を打ちながら、骨折してなお獣医さんを嫌がった件では「頑固じじい」という言葉が瞬時に浮かびましたがさすがに飲み込みましたw そうそう、逆体温は終生変わらなかったそうですよ。


屋内に場所を移して、しばしの雑談。その際に北海道の頃から使っている頭絡を見せていただきました。遺品や形見という言葉より先に、頭絡の存在感がズシッときましたね。ちょっと舞い上がっていたのかもしれません。
フサイチコンコルド頭絡

亡くなった直後の、大井の2歳重賞ゴールドジュニアーの結果は認識されておらず、驚かれておりました。ちょうど全国から取材やら問い合わせの連絡が次々舞い込んでいた頃らしく、こちらとしては個人の連絡を控えて正解だったという確認もできました。死んだ馬の仔は、という確かめようもない定番のフレーズですが、こういう時には何ともいえない響きをもちますね。その時の記事は以下に。
more than a DECADE ゴールドジュニアー

確かめようもない、かどうかは分かりませんが、厩舎につばめが巣をつくって行き来があると吉、という話も伺いました。初耳だったのですがポピュラーなのでしょうかね。コンコルドのいた厩舎には昨年つばめが来なかったそうですよ。…ほんとに世間話をしてきたんですねぇw



以前、同僚のことを綴った際にも書いたのですが、自分にとって墓参はむしろ生きている側のためという認識をもっています。死生観やその所作はひとそれぞれということで何卒ご容赦くださいませ。実際にお会いした際の牧場の方の表情と、自分自身がそこで何を思うか。意識してフォーカスしていた分ちょっとこわかった部分もありましたが、実際は牧場の方の配慮に触れるという有難い結果に落ち着きました。当事者の笑顔に救われているようでは、自分の経験不足、まだまだ未熟者です。

また、何度となく思ってきたことですが、競馬ファンのイメージと実馬のギャップも改めて意識いたしました。やっぱり見せ物としてレースはデコレイトされていますし、特に1996年のダービーは自分の脳裏でさらにデコレイトされているわけで。「身勝手なイメージ」という言葉を繰り返し使っているのも、このギャップに対する線引きと、直接競走馬に携わる方への配慮からくるもの。瑣末な心得ですが、今後も身勝手にイメージし続けていくわけですし、改めて書き記しておきたいと思います。

いちおう、自分なりの回顧した記事を載せておきます。
more than a DECADE フサイチコンコルド回顧

看取られて終えられたことに感謝しつつ、自分のなかでひと区切りとなりました。
ありがとう。おかげさまで充実しているようですよ。



最後に。

牧場の方との話の半分以上は「いま」の競馬のことでした。今年は何をつけようかとか、あの産駒は走ってるよねとか、NHKマイルの典さんはすごいねとか。自分がこれまでの思いに比重を置いていた分、鮮やか過ぎるコントラストがありました。現在進行形で面白がることを忘れたらダメだなー、という受け取り直し。いい機会に恵まれました。まずは週末のヴィクトリアマイルですね。前向きにまいります。

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