2015.08.31


ウキヨノカゼ、というより四位の好リードでした。いやーまいりました。

3コーナーに向けて縦長になった馬群に対して、ウキヨノカゼは最後方の外側。開幕週なら絶望的な位置ですし、ペース次第ですがまず届かないポジションでもあります。四位がどこまで自覚的であったかはわかりませんが、おそらく狙ってあの位置を取ったのでしょう。人気薄の内枠先行馬がとばしていましたから、3、4コーナーで一度溜めがはいって直線再加速、というラップバランスになることはスタートダッシュの時点でイメージできなくはないと思います。

レースラップはこちら。
12.1-10.6-11.3-11.8-11.4-11.4

モレイラのスタートはなんと柔らかいのでしょう。ゲートが開く前にエポワスはさくっと立ち上がっているんですけどね。内からプッシュする馬がいるとスッと下げる判断。これも素晴らしかった。直線前が詰まってしまいましたが、クールホタルビの手応えがなくなるのを待ってから脚を伸ばす落ち着きぶり。周囲が見えていますねー。

モレイラが譲った先行争いは3コーナーあたりで緩む時間帯をつくりました。ラップにも表れていますね。ウキヨノカゼはその緩むところに合わせて加速を開始していました。少なくとも狙っていない限り、あの段階的なプッシュにはならないでしょうね。

全体が緩むところで捲りきる、というリズム。溜めている馬たちに対するアドバンテージは、すでに勢いがついている点でしょう。一方のディスアドバンテージはスタミナが早めに尽きてしまうことになりますが、これは直線の短さとトレードオフの関係にあるといえそう。残りのスタミナを量りながらポイントを見極めて捲りきるのはベテランならではの経験値が必要。お見事、という内容だったと思っています。

ただ、コースとペースをよく見極めた勝利ですので、条件が変わったときに突き抜けられるかはまだ未知数。このあとはスプリンターズSでしょうか。いい意味で評価の難しい馬がまた1頭増えたかな、という印象です。

パドックの映像では後ろからのアングルで、ちょいちょい飛び跳ねている姿が映っていました。そのトモにいいパンプアップ感があったんですよね。外股でパワフル。それだけで本命視はできなかったのですが、相手に加える判断にしたのは間違ってなかったかなと。まぁ、母父フサイチコンコルドという時点で自動的に買っておけば正解だったんですけどね。


トーホウアマポーラは外枠から無理に逆らわず、外々をきれいにまわしての2着。レッドオーヴァルの方が脚色では上回っていたと思っていますが、先着できたのは4コーナーで内→外で展開する必要があったかどうかの差。枠順が奏効した部分があると見ています。福永は枠の有利不利に対して素直な結果がでやすいタイプ、というべきでしょうか。多少ストレスがかかってもいったん内にいれる、というイメージは少ないですね。展開を読めば、こちらも狙えなくはなかったかな。


オメガヴェンデッタは先行策からのほぼ横綱競馬。追い切りの動きからもパドックからも、馬体の完成がもう少し先という印象を受けていましたが、他に本命視できる上位馬が、ね。相対的に本命馬にした格好です。横山は3、4コーナーを通じてモレイラに蓋をする役割を負っていた模様。これはうまくいったのですが、直線を強く抜け出すフィジカルには至っていなかったのでしょうね。これからの馬、と納得しているところです。


レッドオーヴァルは内枠を活かせる形をつくれませんでした。4コーナーで大きく外に展開する姿は凱旋門賞のハープスターのようでもあり。あの時も馬群は横長でした。トップスピードに達したところがゴールだったようにも見えており、目いっぱいのレースをしたらどうだったでしょう。いまだ重賞未勝利とは信じられない脚色でした。どこかで獲ってほしいなぁ。

…で、最適な条件について考えていたのですが、府中や中京の1400で牝馬限定重賞があるとよいのかしら。既存のローテーションからしていつやるの?という突っ込みはもっともですが、番組も華やかになりそうですし、いいアイデアのように思えてきました。


ローブティサージュはラップバランスが合わなかったかな。昨年制したときはラスト1ハロンが落ちるタイプでしたしね。一方でスギノエンデバーは直線まで内ラチでじっとする直線に賭けた一発勝負。デムーロの思い切りのよさは好判断だったと思っています。ティーハーフは対照的に戦略が伝わりづらい運び方と映りました。4コーナーのコーナリングとスピードの乗せ方は素敵でしたが、ペースやポジションに関する鞍上の味付けがひとつ、明確に伝わるとよいんですけどね。


新潟2歳Sも少々。

クラシック戦線という視点でいうと、ロードクエスト以外に語るところは少なかったように思っています。厳しいかしら。そのロードクエストは田辺の好判断で最後方。直線入口で内を選ぶことはスタート前から想定していたでしょう。その進路と位置取りで勝てるということも含めて、田辺の、ロードクエストの能力に対する事前見積もりが確かだったということと受け取っています。

直線に向いてから軽く促すだけでトップスピードにはいる気風のいい前進気勢。徐々に外へ進路を取りながら、田辺が強くプッシュするシーンは最後までほぼなかったといってよいと思います。あー、半分は褒め言葉ではなく、反応がよすぎることは懸念材料にもなりえますのでね。贅沢な悩みですけど。

レースラップはこうでした。
12.5-11.0-11.9-12.2-12.3-11.9-10.6-11.4

公式ラップタイムがずれている指摘も目にしていますが、いったん信用するとして、残り600-200までの間ロードクエストは10秒台を続けて計時しているものと推察されます。フラットな新潟であることを割り引く必要はありますが、ラストを11.4でまとめていることを含めて、息の長さが見て取れるものと思っています。

父マツリダゴッホで思い出すのは勝った有馬記念でも、良績のある中山の重賞でもなく、2008年のジャパンカップ。蛯名が直線入口で馬なり先頭に導く姿。そこから粘りに粘っての4着なのですが、これが示しているのは俊敏さ>粘り、というバランスなのかな、と。ざっくり語ってしまいますが、母父チーフベアハートの息の長さがこれを上手に補完してのロードクエスト、であるなら納得できるイメージがございます。個人的にですけどね。



はい、WASJに触れないわけにはいかないでしょう。

ポイントは3戦目だったと思っています。ブラヴィッシモで武豊フェアラフィネをハナだけ差し切りました。このハナ差が逆転していれば1位モレイラと2位武豊の差は5ポイント。4戦目の乗り馬のレベルからして、武豊に相当のアドバンテージが生じたと思います。

実際は15ポイント差になり、最終レースの武豊は5番人気のティアーモで1着を狙うしかなくなりました。最内からのスタート、1コーナーまでのプッシュは1着狙いの表れかなと思いますし、その分早めに手応えを失ったものと受け取っています。それでも5着でまとめていますから、さすがはさすがなのですけどね。


というより、この土日の札幌は圧倒的にジョアン・モレイラでした。1年前の安田記念にきていたときに「おおっ」と思っていたのでかなり楽しみにしていたのですが、想像以上に結果をだしてきましたねー。

個人的な見立てを少々。WASJの2戦目と3戦目はともにモレイラが先に抜け出した武豊を差す流れでした。いつもの札幌だとどちらのレースも武豊が押し切っている展開だと思います。きれいな抜け出しでしたものね。

先行馬2、3頭を見ながら4コーナーを内から2頭目。対するモレイラにはここを十分な余力をもってポジショニングできれば、というイメージがあったのではないかなと思い始めています。いわゆる「勝ちポジ」ですね。本人の技術やフィジカルに裏打ちされた見積もりですから、モレイラ専用の勝ちポジといったほうがいいかもしれません。

WASJではないですが、キーンランドカップのエポワスもその位置を取るためにスタートからひとつ下げたポジションを求めていたのではないか、とも勘ぐり始めておりますよ。

もうひとつ。ブラヴィッシモの残り200。直線入口から外に張って、武豊フェアラフィネを外から交わす可能性を残していたところ、内に進路を切り返す判断の速さ。強いフィジカル、柔らかい拳の使い方に加えて、この動体視力に裏打ちされた判断の俊敏さ。これぞアスリートという瞬間を見せてもらったとも思っています。

絶賛、ですね。次は府中開催で来日してくれないかなー。できればライアン・ムーアとのしのぎ合いが見られると、とてもステキです。いちおう、モレイラの凄さは早くに気づいていましたよー、という記事も挙げておきます。ヘンないやらしさがでないようにw あえて自慢という形にしておこうと思いますよ、えっへんw
more than a DECADE 安田記念

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