2015.12.28


ゴールドアクターの見事な立ち回りでした。

スタートからのプッシュ。吉田隼人の思惑は好位の内を取ることにあったでしょう。ゴールドアクターのもつ折り合いの柔軟性、内に有力な先行馬ラブリーデイがいること、そのラブリーデイは距離不安を公言していること=スタートでスタミナを使いたくないであろうこと、逃げ馬が不在であること、リアファルの内枠にキタサンブラック横山がいること。これらの条件を踏まえたとき、自らがひとつ積極的に動いて内ラチ沿いを取りに行く作戦が浮かんだのだと察しているところです。ラブリーデイに蓋をする可能性も考慮していたでしょうね、図らずもその形になりましたし。

ルメール、横山、外からマリアライト蝦名。これらのジョッキーが前に布陣するならペースが破綻する可能性は低いと見ていました。あとはどの馬が勝ち切ると読むか。…うーん、最後はどう願うか、みたいになりましたね。1、2着の馬か戸崎の3歳牝馬か、という絞り方まではよかったのでしょう。吉田隼人のポジションを制する動き。これが大きな勝因と思いますし、自分の予想はこの動きの分敗れたのだと思っています。

最終追い切り後のインタビュー。言葉少なに期待を口にする吉田隼人の姿がありました。自信と期待と。その時点では枠順が決まっていませんでしたが、いいイメージがすでにあったのでしょう。アルゼンチン共和国杯の末脚の長さと合わせて印は重たくしておく必要を感じていましたが、そこまでは正解でしたね。

同期の川田の機先を制する、というのも面白く。確かライバル意識の強い世代だったと認識しています。直線もしっかり内を締めてラブリーデイの進路を消していました。単なる小競り合いではなく、合理的な戦略の中に見える対抗心なら見応えにもつながりますね。

そしてスクリーンヒーロー産駒のグランプリ制覇。個人的にはグラスワンダーの孫、という感慨のほうが強いですけどね。器用なワンダーだなー、などと府中のスタンドでリプレイを観ながらぼんやりとしておりました。モーリスの活躍も然り、ワンダーの血はつながっていきそうですね。そりゃあ自分も年を重ねているなぁ、という感慨も湧いてきた次第です。


公式レースラップはこちら。
7.0-11.7-12.2-12.5-12.7-12.8-12.6-12.6-12.0-11.9-11.5-11.3-12.2

逃げると思っていたリアファルの理想は、後続が差しにくいラップメイクをすることだと考えました。参考にしたのは神戸新聞杯とJBCクラシック。え?って感じかもしれませんが、いずれも残り5ハロンから徐々にペースを上げて直線前半で突き放してラストまで粘り切る、という構図は相似形でしょう。リアファルの半兄クリソライトがダート重賞常連ということもヒントにいたしました。

坂で強くダッシュできる(=11秒台前半から半ばでスパートできる)ようにラップを組み立てるのではないかとも考えていました。結果的にリアファルは逃げませんでしたけどね。実際のラップはその読みに近い形になったと思っています。

もうひとつは馬場状態。この土曜から直線の坂の部分で11秒台前半が計時されていました。いまいま中山の芝は荒れないですね。残り3ハロンのどこか、勝負どころで速いラップが求められるコンディションであることを見て取っていました。

これらを踏まえて、ゴールドシップは買わない判断といたしました。2011年の有馬記念を勝ち切ったときは残り1000mからアーネストリーがロングスパート気味にラップを上げています。12秒を切るか切らないかというラップがゴール前まで持続したのは、当時の馬場状態と合わせてタフであったでしょう。アーネストリーを含む先行馬が壊滅してゴールドシップが届く展開でした。今年はこれと逆、前残りする馬を捉えきれない捲りになるだろうと考えました。

特に若年層に「花道」という言葉はどのくらい通じるものでしょう。内田に鞍上が決まった時点で有馬記念での戦略は、というより内田の腹はその点で決まっていたと思っています。つまり、勝っても負けてもゴールドシップらしい騎乗。二の脚がつかないゴールドシップですから、後方追走から他馬を捲ってスタミナを存分に引き出す戦略、これが最も花道にふさわしいという。

いや、だってねぇ、内田のインタビューはもはやレースへの意気込みではなく数年後の産駒の活躍について語っていましたから。ビックレッドでの種牡馬入りも決まっていますしね。実際も期待通り?残り1000からの捲り。盛り上がりましたねー。自分は勝敗度外視で満たされておりました。直線での善戦はスタミナが足りていてトップスピードに見劣った分と理解しています。これもまた有馬記念ですね、ラストラン、堪能いたしました。


自分の本命はルージュバック。中団馬群の外を追走して、ゴールドシップの捲りをやり過ごし、その外へ展開して
直線末脚を伸ばしてどのくらい?という展開はほぼ想定内。あれ以上後ろにしなかった戸崎も十分な立ち回りだったと思っています。

これで強くフィニッシュできなかったわけですから、力が足りなかったと見るべきでしょう。はじめての中山、小回りと登坂が応えたかもしれません。今日のようにスタートが合えば先行ポジションでも立ち回れると思っていますので、今後のレースぶりで脚質が整ってくることも期待できれば。来年のヴィクトリアマイルで観たいですね。ええ、本命視に後悔はありませんよ(はい強がりw)。


サウンズオブアースはゴールドシップの捲りの影響を受けてしまった格好。4コーナーでおかれる流れがなければ、もっと際どくなっていたでしょうね。えぇ、昨年の菊花賞2、3着で決したことには気づいておりますよ。しかしトータルで5回の重賞2着があっての重賞未勝利は、巡り会わせというには何とも。シルバーコレクターといえば最近ではウインバリアシオンかな。来年の初重賞制覇はどこになるでしょうね。


トーセンレーヴ、アドマイヤデウスは直線ゴールドシップのプレッシャーを受けた分着順を下げたでしょうか。アルバートはあの位置からでは、という内容。4コーナーで外に振られたのはそれまでの進め方の分もあったでしょう。ワンアンドオンリーは前走よりもいい仕上がりでしたが、想定した流れにスポイルされると見て評価を下げました。これらの馬は次走以降で巻き返し十分と思っています。



最後に。

当日は府中で観戦。なかなかにスタンドも湧いておりましたねー。最終レース後は府中のスタンドでコーヒーをすすりながらぼんやり。金杯が平日だと買いにくいなーなどと出走予定馬が映るターフビジョンを眺めておりました。祭りのあとですから気が抜けたのかな。

そのままゴールドシップの引退式まで確認。中山はだいぶたくさんのひとが残っていたようですね。オリジナルの馬服をつけて中山の馬場を引かれる姿は少し大きめの屋内ビジョンで見届けました。なにやら有馬記念の本場馬入場へ向かう地下馬道でも同じような目をしていたなーなどという感慨も。レースの緊張感を受け止めることを馬自身が避けていたのかもしれないですね。かわいい目でしたねー。

ケガからの復帰からこちらを思って感極まる内田と、出遅れて馬券を紙くずにしてごめんなさいする横山と。コントラストすごかったですね。そしてゴールドシップの記念撮影拒否w さすがでございました。引っ張っても引っ張っても、ある近さまでくると立ち止まってしまう悪い流れ。今波厩務員は作戦を変えたのか手綱をつめてじっと待機すると、3つ4つおいて自分からひとの輪の中にw これがゴールドシップの自我なんですねー。これに嵌ったファンは大変ですなw

ゴールドシップらしい引退式は馬主さんのしっかりしたスピーチでビッと締まりました。血がつながることの大切さが選んだ言葉の端々に滲んでいました。黄金旅程の四文字も脳裏に浮かびましたね。おつかれさまでした。


さぁ、ハッピーエンドCとファイナルSで泥沼に嵌ったこともありますのでw あと一日仕事して、大井のG1を磐石の態勢で迎えたいと思います。

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