2016.05.04


キタサンブラックの逃げ切りが決まりました。

レース回顧しようと思ってはいたのですが、映像を観るほどに武豊を讃えるコメントしか出てこないという。素晴らしい逃げでしたねー。もうキタサンの勝負服がカッコ良く見え始めていますからねw

JRA・G1では初の逃げ切りとのことですが、いろいろ脳内で理屈をこねた上で「たまたま」という結論に落ち着いています。鞍下の特性とレースへの戦略を考えて、有利と踏んだ結果たまたまJRAで初めてになったのでしょう。スマートファルコンしかり、エイシンンヒカリしかり、トウケイヘイローしかり。大レースで結果を出してきたのは地方競馬や香港、アンジュレーションのないコースでしたから、その点が注目される故でしょうかね。

2着カレンミロティック、3着シュヴァルグランとも4コーナーまで内ラチ沿いに構えていたことが、ペースが絶妙であったことを象徴しています。2列目より外を回った馬が軒並み着順を下げたという認識。事後に映像を見ると隊列が決まった後は絶望的な追走を強要されているようにも見えてきます。内から1列目と2列目の間に線を入れながら映像を観てみてください。武豊への敬意と畏怖が感じられることでしょうw

勝ち馬以外の人馬が、自身の可能性を損なわずに抵抗するとしたらスタート直後。この場面でキタサンのラップメイクへ牽制するアクションを示していたのは、吉田隼人、藤岡佑介、武幸四郎くらいだったと思っています。あー、幸四郎はヤマニンを当てにしていたかな。それ以外のジョッキーはつかず離れずの好位を取るところまで。スタートからリスクを取って前に行く陣営はいませんでした。もちろん個人の見立てですけどね。


公式レースラップです。
13.0-12.1-12.4-12.2-12.1-12.0-11.6-12.9-12.6-12.6-12.7-12.5-11.6-11.4-11.7-11.9

勝利騎手のレース後のコメント、逃げながらターフビジョンで1000mの通過ラップを見ていたそう。61秒はイメージに近かったようです。この余裕がこころにくい限りですが、2ハロン目の12.1を単騎でスムーズに制したことでこの余裕が生まれたように思っています。牽制の効いた12秒フラットに近いラップの継続。もう競りかけには行けませんね。

1コーナーで手前を変えてからキタサンの歩幅がグッと縮まっているように見えていますので、個人的には11.6-12.9はもう少し均された数字じゃないかなと思っていますが、いずれにしても1、2コーナーから3コーナーの下りまで、後続が捲るには少し速い緩ラップが続きます。トゥインクル勝浦が狙っていたようですけどね。仮にこのラップを捲り切ったら直線に残すべき余力がなくなっていたでしょう。それをわかっているジョッキーほど動けなかったでしょうね。…なにやら、剣客の間合いのように思えてきました。

下りを利してペースアップ、そのままゴールまでなだれ込みました。狙っていたのは池添でしたね。両者とも左で鞭を入れつつ右手綱でリズムを取る選択。クビほどキタサンを交わしました。そこからの鍔迫り合いは見応えありましたねー。

ラスト1ハロンを過ぎてからはカレンミロティックが内に寄りすぎたせいでしょう、手綱での扶助のみに専念しています。カレン、苦しくなったでしょうか。対する武豊は狭くなった左側で見せ鞭に終始。右の手綱を取らなかった意図は想像の域を出ませんが、ゴール直前に首の高いところに右の拳を置くアクション。キタサンブラックの頭が上がりきらないようにして、少しでも鼻面が前に出る工夫でしょうね。追う際に手綱を詰め過ぎないあたりも、首の可動域を尊重する判断であったかもしれません。

…いやー、むやみに書き連ねてきましたが、もうこんな逃げ切りはお目にかかれないかもしれませんね。昨年といい今年といい、ジョッキーの卓越した技術を堪能できて幸せなのでしょう。恐れ入りました。

次走は宝塚記念が有力としつつ未定のようです。ドゥラメンテが参戦を表明、モーリスが安田記念と両睨みですので、全部揃ったら大変なグランプリになりそう。この戦前のワクワク感は大事にしたいですねー。


1番人気ゴールドアクターは終始力みっぱなし。いつもよりテンションの高いパドック映像でかなりいやな予感がしていましたが、案の定、1周目のスタンド前では脚の運びが空回っているように見えました。向こう正面でも力みはあまり変わらず。ほぼ1周を力んで走ってしまっては戦略以前の状況というしかないでしょう。

それでも4コーナーではキタサンブラックを追撃する姿勢。吉田隼人の意思はちゃんと伝わりました。鞍上の矜持。そういえばサイレンススズカの毎日王冠で、グラスワンダー的場が勝負にいった姿に似ているように思いました。あの時も勝ち目がないことを察しながらの仕掛けであったように理解しています。余力は残っていませんでしたね。

おそらく距離適性はあったのでしょう。…いや、あの気合の入り方ですから、その点に注目して適性に疑問符をつけることもできるでしょうか。折り合いがついていたら外枠を凌駕してくれた、というイメージはそのまま留めておこうと思います。


トーホウジャッカルは仕掛けたゴールドアクターを追撃。直線半ばまでは勝利の可能性を感じさせてくれました。完調なら重きを置いたんですけどね。-12kgと細く映った腹。調子を整える難しさは引き続いているようです。もう一度菊花賞時のパフォーマンス、見てみたいですけどね。

サウンズオブアースはスタートからのプッシュが印象的。そのまま2番手まで行ければベターだったかな。ヤマニンと枠順が逆だったら、もっとキタサンへの牽制が効いた形にできたでしょう。直線を待たずに失速してしまったあたり、そもそもの距離適性があったかもしれません。終わってから思うのはパンプアップした馬体。長距離を乗り切るには少し膨らみすぎたようにも。このあとは中距離に戻るでしょうが、どこかでG1獲れるかなぁ。

シュヴァルグランは位置取りの分の3着。最初のコーナーで下げたトーセンレーヴの真後ろに入ってしまいました。結果、そこでできた縦のポジション差を挽回できないまま。先行策がイメージしにくい馬ですが、それにしても鞍上のできることがもう少しあったようにも思っています。…いや、ここは騎手会長を讃えることで必要十分かもしれませんね。


ブラックタイドのG1戴冠はすでに昨年成っているわけですが、改めてフリカエリ。当時のスプリングSの映像を探してみました。キタサンブラックとは違い、追い込みで勝負を決めているのですが、後継ラップをえっちらおっちら差し切る印象。ギアがスムーズに上がってこない間延び気味のストライド、というと揶揄になってしまいますかね。加速に時間のかかる感じはキタサンブラックにも通じるところでしょうか。

きさらぎ賞では2着に負けているのですが、下りで早めに仕掛けるあたりはそっくり。推測ですが、力のつききっていない(が故に加速に時間の要する)ブラックタイドに、急加速を求めないロングスパートで勝負する判断にしたのではないかなと。ちなみにこの時は武豊、スプリングS時の鞍上は横山ですね。



最後に。

立て続けに各国のG1を追いかけられるいい時代。香港チャンピオンズマイルはモレイラ、イギリス2000ギニーはデットーリ、イギリス1000ギニーはムーア。世界の名手がどんどん結果を出す一連の流れは贅沢だなぁと。ここにこの天皇賞も加わりますよもちろん。

…欧米、アジアの競馬開催国各位はこの天皇賞をどうみているんでしょう。昨年の香港カップのように驚いてくれているならちょっと誇らしいですけどね。


絶妙のタイミングで武豊展も開催されています。日本橋かー。ミーハー心に逆らわずに、どこかで時間をつくって足を運ぼうと思っています。


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