2016.09.20


タマノブリュネットの差し切り勝ちでした。

断然の1番人気ホワイトフーガが1コーナーで下げる形になったのを見て、いやな予感がしておりました。レース直後はホワイトフーガ包囲網、なんて雑な言葉が浮かんでおりましたが、まぁ、本命視して外れてますからねぇ。落ち着いて分析をいたしまして、いろいろ興味深い気づきを得ているところです。レース後のインタビューで「競馬に絶対はない」旨、田辺がコメントしていましたが、本当に、そうですね。

公式レースラップはこちら。
12.4-12.2-13.2-12.7-12.1-12.5-13.3-12.8-13.5

スタートダッシュ、トーコーヴィーナスが速かったですねー。ここからもう誤算でした。仮に逃げたい意図があってもブルーチッパーには及ばないだろうと端的に思ってしまっていました。出ムチのタイミングからして鞍上大山はビッとハナを叩くつもりで臨んでいたのでしょう。その割にじっくりめの返し馬でしたから、あそこまで気合をつけていくイメージは湧きませんでしたね…。

トーコーヴィーナスの前走は名古屋・秋桜(あきざくら)賞。こちらのレース映像を観ておけば、上記のような浅はかな思い込みはなかったでしょう。こちらの準備不足を嘆くしかございません。大山は条件こそ違え、今回と同じレース、同じストロングポイントを活かす騎乗を意識していた、と考えれば激しく納得です。
名古屋競馬場 動画・映像 2016年09月01日 11R :楽天競馬

当日の大井は断続的な雨。9R、逃げた戸崎はセオリー通り最内を空けて粘りこみ、それを1番人気の今野がゴール手前で捉える展開。そして、他のレースも概ねラスト1ハロンで1秒近く失速するラップ構成。このあたりから、速いラップは出るもののパワーを要する馬場コンディション、と読み取っていました。

力のある先行馬がいた場合、後続馬は追走でパワーを使うでしょうから、ラスト1ハロンで馬場の真ん中を急追する差し馬がいてもゴール前には一緒にバテるないし差し損ねる=前が残るというイメージでよいかな、と思っていました。12Rはその典型と思っています。

スローでかつロングスパートでもなく、勝負どころの速い1ハロンで争う展開を先行各馬が求め、それでも地力でホワイトフーガ、などという予想で臨んでしまいました。各馬、けっこう静かな返し馬でしたしね。強い前傾ラップはあまりイメージしていませんでした。トーコーヴィーナスの切符のよい逃げで、早々に自分のピントがずれていたことがはっきりしちゃいましたね。


さて、いまいま自分の頭の中を占めている、ホワイトフーガの敗戦について。特殊な条件が重なったという面倒な分析にしばしお付き合いください。映像はnankankeiba.comで。
第13回 レディスプレリュード(JpnII) 牝馬選定馬重賞 | 成績・払戻金 | 南関東4競馬場|nankankeiba.com

大きくポイントはみっつかな。箇条書きします。


  • 1コーナーでのサンソヴールとのポジション争い

  • 向こう正面から3、4コーナーで内々を進出したこと

  • 直線トーコーヴィーナスのひとつ外を取れなかったこと



1周目のゴール板あたりでは、内からタイニーダンサー、ホワイトフーガ、サンソヴールの並び。ホワイトフーガの反応が俊敏でなかったことが主要因と思いますが、タイニーダンサーが1馬身近く先行、それを受けてか戸崎がスピードを上げました。タイニーダンサーのひとつ横を奪いにいきました。けっこうギリギリに映りましたよ。nankankeiba.comのレース映像では見切れている瞬間ですのであくまで肉眼で確認した限りですが、蛯名の上体が起きていました。サンソヴール戸崎がホワイトフーガを1列内に押し込んだ格好。結果、1コーナーではホワイトフーガはタイニーダンサーの後ろに下がってしまいました。

おそらく戸崎は自分が外を回り過ぎないように、という観点が強かったのではと推測していますが、あちらに不利でこちらに有利という展開になる可能性も感じていたかもしれません。もしそうであっても、ジョッキーの戦略に関わることですからしゃべらないでしょうけどね。

ここからホワイトフーガのスポイルが始まったと思っています。内に押し込まれた格好になった後、先ほどのタイニーダンサー、サンソヴールが今度は外の壁になりました。向こう正面で内々を進む以外、蛯名の選択肢はなくなっていたと推測されます。その後のサンソヴールの後退を考えれば、ここでじっとすることもアリなのですが、あくまで結果からの逆算ですから。勝つ可能性を求めて、3、4コーナーでは好位の内。逃げ粘るトーコーヴィーナスの真後ろですから、一見するとよく見えます。

直線に向いて、鞍上大山は顔の角度でウインカーを出しながら、馬体ひとつ分もないでしょうか、外に展開しました。アーチ上に中央部分が膨れる設計の馬場ですので、雨が降るとその両端、内ラチと外ラチに砂が流れ、たまりやすい傾向があります(合ってますよねw)。最終の的場もそうですし、大山もそのセオリーをしっかり押さえて内を空ける進路を取りました。フェアでセーフティな所作だったと思います。あー、真後ろがホワイトフーガ、というシミュレーションはしてなかったかもしれませんね。

そして手応えを失いながらも逃げ馬の斜め後ろにブルーチッパー森。ブルーチッパーは直線入口で外に膨らんでいますから、俊敏に反応できればホワイトフーガは逃げ馬のひとつ外、理想的な抜け出しとなるはずでした。しかし、ブルーチッパーが戻ってくるまでにそのポジションを取ることができず、逆に閉じ込められる形に。残された進路はひとつ、砂が若干深いはずの最内。ここに飛び込まざるを得なくなりました。

…見立てがすべて合っているかわかりませんが、ほんと、書けば書くほどスポイルの連続だったことを噛み締めてしまいます。パドックでちょっと動きの鈍い印象があったのですが、これと上記の展開が噛み合わさるとこういった敗戦につながるんでしょうかね。。。 いや、競馬は難しくも面白い。そしてくやしい。


そして、田辺ですよ。道中はこれら先行勢の厳しいやりとりをひとつ外しての待機策。狙いすました4コーナーでの進出から温存したスタミナを引き出しての差し切りでした。直線入口で外に展開していく様、息長く末を伸ばす様はディープスカイのダービーのようでもあり、キョウエイギアのジャパンダートダービーのようでもあり。ダート血統という認識をしていたのになぁ。これも予想に活かせませんでしたね。

ただ、川崎のJBCにつながるかというと、むーん、どうでしょう。今回の結果がけっこう特殊な条件下で決まったものと思っていまして。対応できる展開の幅がどのくらいか、タマノブリュネットの試金石は次走以降ではないかと。田辺のコメントからも嵌ったといった方がよさそうですし。むしろホワイトフーガの巻き返しが期待できそうですが、これを有意義なひと叩きとできるでしょうか。本番の予想も少しひねりが必要かなと思っているところです。



最後に。

当日は遅く起きてしまいまして。ギリギリメインのパドックに間に合いました。先の9Rは競馬場に向かう途中のモノレールで確認するどたばた感でした。…これがいけなかったんでしょうねw

前日は盛大に夜更かしして、仕事の調べものと、『完全なるチェックメイト』という借りてきた映画を一本。主演がトビー・マグワイア(スパイダーマンが有名でしょうか、シービスケットの主演ですよ)で、1972年のチェス世界王者決定戦を中心にした話ですね。その中で、決定戦に臨む前に主人公がチェックメイトまでのシミュレーションをするシーンがありまして。なにやら今日の勝敗の機微にオーバーラップしているところです。ディテールが酷似しているとかではないんですけどね。

ゲームを進めながら次の可能性につなぐポジションを取るというのは至難の業、と改めて噛み締めてしまっております。年齢と経験が増えたせいでしょうかね。好位の内ってその可能性を膨らませるポジションのことを表現するときに多用してきましたけど、こうしたスポイルもありますよねーそうですよねー、と再確認しているところでございます。


最後の最後に。

余談をひとつ。G-FRONTの1階でパドック映像を観ながら遅いお昼、豚丼をいただきました。肉厚もねぎのしゃきしゃき感もよく、美味しかったのですが、ちょっとタレが濃かったかな。あの強さだと一口めのインパクトにはよいのでしょうが、食べきる前に箸が止まってしまう方が多いのではないかと。思いっきり余計なお世話ですけどね。そっちに気を取られた、とか馬券の言い訳はしないですよw

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