2016.10.16


ファウンド、鮮やかな差し切りでした。

直線にはいって外のマカヒキに可能性がなくなった後、内に視線を移したらもうライアン・ムーアでした。道中流れているなぁという認識ではいましたが、ポストポンドが千切れていく様はペースの厳しさを象徴しているように見ていました。もちろん残念には違いないのですが、マカヒキの特徴とは逆、と見て取りながらの観戦でしたので、思ったより冷静だったかな。

レースからこちら、いろいろな回顧記事、コメントを目にしましたが、一番かっちりまとまっていたのはこちらでしょうか。馬場、ペース、枠順、ライバルの動向。目配せの効いた内容と思います。こうした回顧記事が専門サイトでなく日経で読めるのは、競馬ファンでない方向けにもよいアピールになりますね。あ、タイトルの「予想外」は不用意に膨らんでしまっていた期待感への配慮でしょう、きっと。
凱旋門賞、予想外のマカヒキ惨敗の背景を探ると…


オブライエン厩舎3頭の戦略。レース直後、中継番組のゲストだった武豊が作戦の存在について語っていましたが、改めてレース映像を観るといろいろ気づくことが多かったですね。もちろん個人的な見立てですので、あしからずとお断りしつつ。

3コーナーまでには内から2頭目あたりをオーダーオブセントジョージ、ハイランドリールの順、その斜め後ろのラチ沿いをファウンド、という形ができています。ここまでにもいろいろありますけどね。

3、4コーナーでハイランドリールは1頭分下がる格好。これが意図的かどうかでずいぶん違うのですが、結果としてファウンドと並走する形になりました。ここからハイランドリールは直線入口にかけて1頭分外に膨れます。はい、ファウンドが抜け出す余地が生まれました。

直線に向いて、おそらくは声をかけていたかな、今度はオーダーオブセントジョージがエンジンをかけながら内に寄せます。オーダーオブセントジョージとポストポンドの間、作り上げられたヴィクトリーロード、上からのカメラだとよくわかりますね。

ポストポンドが内を閉めにかかりましたが、ライアンの判断とアクションが勝りました。あとはそれに応えるファウンドの脚。ヴィクトリーロードを抜け出す勢いはすごかったですねー。

2着が続いていたファウンドですが、終わってみればBCとキングジョージの勝ち馬が 1、2着。実績って伊達じゃないですね。


マカヒキはちょっと軽視されていたかもしれない件。

馬群に外から被せてインを取りつつハイペースで引っ張り、ひとつ外にポストポンドを誘導する展開。オブライエン陣営に作戦があったのなら、それはマカヒキ対策というよりポストポンド対策というニュアンスが強かったように思い始めています。上記のような対策に比べて、マカヒキ自体のポジションに辛く当たる動きは見当たりませんでしたからね。2番人気にもかかわらず、という表現でよいでしょうか。

先の2頭、ハーザンドのペースメーカーだったヴェデヴァニも、ハイペースで引っ張る方針であったようです。ハイランドリールがスタートでいったん外に張る、という戦略と合わせて、おそらくですがマカヒキ対策はこれで完了していたのではないでしょうか。

ペースを上げて外を回せば、マカヒキからスタミナとおおよその勝機は奪えるという見立て。日本のファンには厳しい見立てですけどね。

追い込みでG1を勝ち切れる有力馬の回避。追い込み馬に足元を掬われる可能性が低くなったのは、オブライエン陣営にとっては戦略に迷いがなくなる朗報であったでしょう。こうして振り返ると、マカヒキの可能性が潰えたのは、直線に向いて手応えを失ったところではなく、レース1週前のラクレソニエール回避が決まった瞬間だったのかもしれません。

先ほど英チャンピオンSが終了。アルマンゾルが愛チャンピオンSに続きG1連勝となりました。よりによって2着はともに凱旋門賞馬ファウンドという。。。 アルマンゾルが凱旋門賞に出ていたら?その場合は各陣営、全く違う戦略で臨んでいたでしょうから、わかりませんね。

…しかし、コース取りのめまぐるしい変化って、言葉で説明しようと思うと煩雑ですねw まして個人的な見立てですから。くどくどと書き連ねてしまって、お付き合いありがとうございました。



改めて、日本ダービー馬の敗戦。

ルメールからは引っかかったこと、オーバーペースで追走したことがコメントされています。初めてハイペースを経験したわけですし、厳しいプレッシャーを受けたのも初めてでしょう。

優駿の記事では渡仏からニエル賞、本番に至るまで、陣営の堅実な準備についてレポートがされています。要所にこれまでの他厩舎のノウハウも借りることができたようで(友道師は松国厩舎時代に角居師と働いていますね、とか改めて気づきました)、このあたりは「日本競馬」の挑戦というニュアンスも帯びていたようです。

無事に凱旋門賞に送り出す、レースまでの戦略は十分だったのでしょう。これだけでもすばらしいことなのですが、残念ながらレースでの戦略には見劣ってしまった印象があります。

帯同馬のマイフリヴァが凱旋門賞に出走しなかったこともちょっと引っかかっていました。実質的に今回は出走しても役割を果たせなかったように思いますけどね。そのマイフリヴァで調教をサポートしていたジャルネ、トレヴで勝った際に「戦略が必要」であることをコメントしていたはずです。

でもなー、密集した馬群の中で押し合いへし合いするメンタルとフィジカルは、日本のどのレースで養っていくことができるかというと。。。 やはり馬群の外をなぞるように直線にかける展開しかないのかな。

個人的には、オルフェーヴルがロンシャンの直線を外から捲り切った瞬間がピークだったように思っています。勝ち切っていないわけですし、結果がでることが重要という価値もわかるのですが、実力は通用もしますし上回ることができているんだなー、という実感を得てしまっていて。

もちろん挑戦は続けてほしいですし、来年はサトノダイヤモンドとディーマジェスティの姿をシャンティイでみたいですしね。例えば遠征の費用の補助金が復活するなど、背中を押す環境が整うことも臨んでいます。ただ、以前のような情報が乏しい中での手探りに一喜一憂する振幅の大きさは、もう味わえないのかもしれませんね。



初めての馬券発売についても少々。

スポーツ紙の記者の方でしょうか、レース予想にあたっての情報が足りないことの改善をJRAに求める記事を目にしました。いや、それはマスコミとして伝える人が
率先して背負うべき問題だと思いますが、どうでしょう。

これまでのメソッドでは通用しない中で、どれだけユーザーに有意義な情報を伝えられるか、各社それぞれで創意工夫する姿が見たいところです。

40億越えの売上は、プロモーション効果、日曜夜というレースのタイミング、「初めて」という響きに弱い方もいらっしゃったでしょうか。日本でもおなじみの騎手が揃っていたことも抵抗感を緩和していたかもしれません。でも、この売上が保てるかというと。。。

次の該当レースはメルボルンカップと BCフィリー&メアターフ。凱旋門賞に比べると知名度も落ちちゃいますからね。定着するまで頑張ってほしいところです。



最後に。

だいぶマカヒキには辛いことを書きましたが、完全に実力差だけで負けたとは思っておりません。あぁ、負け惜しみではなくてですね。

父ディープインパクトはリーディングサイヤー、母父フレンチデピュティはBMS2位。BMS1位はサンデーサイレンスですから、マカヒキは日本で最も結果を出している血統の組み合わせ。この点からも、ある意味日本とは異質な特徴が試される場所、ということは言えそうです。

引き続きチャレンジを止めないこと。大変ですけどね。自分もそれを追いかけていきたいと思っています。マカヒキ、ナイストライでした。

…それにしても、ファンの軽口ですよ、早く結果出したいですね。

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