2016.11.24


ミッキーアイルの逃げ切りでした。が。ね。

向こう正面、3コーナーに向けて内側を避けるコース取り。逃げ争いをする相手が見当たらない分、浜中の思惑は素直にコース取りに反映していたと思います。ライアン・ムーアはこれに対抗する戦略であったでしょう。突かず離れずの番手を選びました。

ミッキーアイルのほぼ真後ろにコース取りしたディサイファ。こちらもスムーズで、さすがの武豊。対照的なのはバルザローナに押圧されて内側を通り続けたサトノアラジンでしょう。川田に非があるのではなく、これは枠の並びから起こりうるやむを得ないポジショニングと見ています。もともと選択肢は限られていたでしょう。そうそう、川田とバルザローナというマッチアップ、バチバチやっていてなかなか見応えありました。このあたりはリアルタイムではわからず、レーシングビュアーのマルチカメラでじっくり堪能したところです。

公式レースラップはこちら。
12.3-10.9-11.2-11.7-11.4-11.7-11.6-12.3

序盤は結構厳しいラップだったんですね。直後にネオリアリズムにつけられたとはいえ、もう少し楽に進めたように見えていました。上がり最速がほぼ後方から進めたガリバルディで34.6。速い上がりを計時できない馬場コンディションですから、速めのラップを刻んで粘りこむ戦略はミッキーアイルの特徴とも合致したのでしょう。直線の粘りは見事でしたしね。

本命はイスラボニータでした。馬場状態の汲み取り方とあのフットワークがどのくらいマッチするかが悩ましかったのですが、枠順と直線にベストなラインに誘導するための手数の少なさ、そして鞍上のヘッドワークを加味しての本命でした。

直線入口、ほぼ予想通り、馬場のいい外目に回して視界がクリアな状態で加速し始める人馬の姿、アガりましたねー。独特な走りのリズム、独特な滞空時間に合わせたルメールの追い方も素晴らしかった。惜敗でしたし、あんな事象があったレースでしたが、イスラボニータの伸びやかで出し切った走りに賭けられたことで、個人的には満足感を覚えています。

勝手な期待なのは百も承知で、期待に応えてくれるジョッキーは本当に頼もしいですね。さすがルメさん。


さて、あの事象の話をしましょう。ミッキーアイル斜行。起きたことはパトロールビデオも公開されていますし、自分なりに感じたことにフォーカスして書いておこうと思います。個人的な推測だらけになりますので、その点はご容赦を。端的には、ルールに合致していても後味は悪いというひと言につきるんですけどね。

あ、ちょっとディサイファを持ち上げ気味な印象ですが、まとまったテキストならこちらかな。
浜中俊よ、なぜ右鞭を連打した。斜行で長期騎乗停止も降着なし。 - 競馬 - Number Web - ナンバー

ミッキーアイル、浜中の思惑。直線、左鞭はゼロ。ネオリアリズムが寄せてきたことを利用してファイトさせるのが意図だったように思っています。当初は馬場のよい三分どころまで通るコースを変えたかったのかな、と考えていましたが、であれば直線に向くところですでに内ラチから離れる判断にしているはずですので、これは違うかなと。

これまでのレースもいくつか観てみたのですが、直線で左鞭を多用する場面がほぼ見られず。右回り左回りを問わずでしたので、ひょっとしたらミッキーアイルの気性面に配慮した戦略なのかもしれません。

おそらくですが、あそこまで後続に影響を与えているとは思っていなかったのでしょう。もちろん、その自覚のないことと、ペナルティの重さや不利を被った各馬と賭けたファンの損失とは分けて考える必要がありますが。ゴール手前で振り返っているのは川田が叫んだ後のタイミングのようですし。それまでは鞍下をファイトさせることに集中しきっていたのかもしれません。

ネオリアリズム、ムーアの戦略。終始、ミッキーアイルに併せに行ったのは馬場や差し馬の多いメンバー構成を考慮してでしょう。ミッキーの外に併せたことで浜中の左鞭を封じたように見えますが、どちらかという目的は後続に差し切られるリスクを負ってもミッキーを交わしにいくことが勝利への近道という戦略にあったように思っています。

良心的な解釈になるのかな、後続に不利を加えてしまう直前の右鞭は大きな減速を抑えるための叱咤ではないかと考えています。あの形で押し込まれてしまったら減速して直後の馬を邪魔してしまうリスクがあるでしょうから、少しでも馬を加速させておくことで事故のリスクを下げていたのかなと。大きく鞭を打つことで後続に動きを伝えていたようにも受け取れます。いわゆるウインカーですね。あのタイミングで瞬時にやれることは限られているでしょう。ムーアが悪意の塊になっていたという理解はあまり現実的ではないように思っています。

現行のルールの盲点といいますか。被害馬が加害馬に先着できたかというのが「降着」の適用基準ですので、ネオリアリズム、サトノアラジン、ディサイファ、ダノンシャークがミッキーアイルに先着できなかった、ということで「降着」がなかったことは確かにルール通りなのでしょう。先着できたかどうかは裁決委員の目に委ねられますから、ルール運用面でも問題ありません。ですが、ミッキーアイルが他馬の競走に影響を与えずに真っ直ぐ走った場合、イスラボニータが先着していた可能性については考慮されないのか、という視点は馬券を買っていたからこそでしょうかねw

早めに好位を取って馬場のいいところを通り続けたディサイファや一か八かのイン待機に賭けたサトノアラジンが最後まで力強くフィニッシュできず妨害されっぱなしになってしまうこと。この放置こそが問題になっていると思うわけです。いやいや、ジョッキーに厳しい制裁が課されていますよ、という反論は聞こえてきそうですが、ポイントは他馬を邪魔した馬がそのまま勝ち名乗りを受けていること、でしょう。

不利を被った馬に賭けたファンが何のわだかまりもなく来週の競馬を楽しみにできるのか。自分のおこづかいを安心して賭けようと思えるのか。この議論がないままですと、正しいルールが運用される中、競馬の競技性に対する本来不要な諦めごとが増えてしまうのではないかと。小堺翔太さんのツイートにあった「そのもうひとつ先の議論をファンがしているような気がしてならない」という言葉が象徴的だったと思っています。

個人的には、上位入線馬の強い斜行によって入着馬への走行妨害が合った場合は、「極めて悪質」でなかったとしても「競走に重大な支障を生じさせた」として「失格」にするのが賢明ではないか、と考えているところです。「降着」が唯一のペナルティではないですからね。国際基準に照らして可能な運用なのかはわかりませんし、よくルールを理解できていない箴言なのかもしれませんが。

ブエナビスタの時とどう違うかと言われると厳しいですねw 裁決ではないですから何ともですが、自分ならブエナビスタの脚勢がかなり上回っていることから馬はセーフ、ジョッキーには重い制裁、としていたと思います。


これはダノンバラードのAJCCで書いた試案ですが、馬主や調教師への直接的なペナルティがあってもいいかもしれません。どちらもジョッキーの選別、戦略に対し関与なしというのはありえないでしょうから。

この当時もなにやらしっかり書いていますね。きっと見当違いなことも書いてしまっているのでしょうが、参考になれば。
more than a DECADE AJCCと裁決について



最後に。

サトノアラジンは香港マイル、イスラボニータは阪神カップ(!)、ダノンシャークは引退と、早速今後の予定が報道されています。ジャパンカップの関係者インタビューも流れていますし、ヌーヴォレコルトは香港に選出された上でアメリカのG3に出走するとのこと。ひとつひとつの出来事をじっくり捉える時間的な余裕がないような気がしていまして、仕組みの奴隷になりそうで怖いなと思っているところです。ネットでの情報収集の罠でしょうかね。

勤労感謝の日は、休日対応を自分のチームスタッフにお任せして(ありがとうね)、レース予想もないゆったりした休日を過ごせましたので、こういう時間も肝要だなぁと。


一方でジャパンカップウィークの心配事はこれからの雪予報。23区はみぞれで済みそうな気もしていますが、府中滞在の海外馬の追い切りには影響がでるのでしょう。はるばる日本まで遠征して、雪の中追い切りは過酷というか不憫というか…。

金土は晴れ予報ですが、日曜に再び雨予報…。できるだけ降らないでほしいですが、馬場状態もじっくり見極めないといけなさそうです。なかなかメンバー揃いましたからね。後腐れない勝負を望んでおります。

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