2016.12.29


サトノダイヤモンドが締めくくってくれました。

坂を上がってからの1完歩1完歩、ジョッキーではないこちらも息を詰めて見守ってしまいました。最後の最後でクビ差交わしたところがゴール。府中の馬場内につながる地下道の入り口付近で両手を挙げて「よし!!」と絶叫していたのは自分です。いい大人がすいません。

その年のダービー本命馬を有馬記念まで本命にし続けられたこと、それが爆発したようです。馬が事故なく順調にステップアップしてくれたわけですし、気持ちも評価ものった馬券も的中しましたからね。心地良い締めくくり。幸せだなぁ。いい年越しができますね。


公式レースラップです。
6.8-11.3-12.0-11.9-12.1-13.4-12.8-12.9-11.8-11.7-12.1-11.7-12.1

上がりのかかる良馬場。3日間通しての傾向でした。有馬直前のホープフルSは先行勢が着順を落とし(サングレーザーが辛うじて掲示板)、最後方から馬群を捌いたレイデオロが勝利。その上がりも35.7ですので、軽い切れ味より持続するパワーを求める馬場という理解を得ていました。

それから考えると、11秒台前半がないだけでレース後半はとんでもない持続力勝負になりました。残り1000を切ってから、マルターズアポジー、キタサンブラック、サトノノブレスそれぞれがそれぞれの動きに呼応するようにピッチを上げていて、この連鎖が1秒以上の上昇ラップを生んだようです。インキープと追撃を兼ねて手綱を動かしたゴールドアクター含め、ここからグッとキツくなりましたね。

見栄えのするところではもう少し手前、2周目の1、2コーナーでしょうか。ルメールは1コーナーの入り大胆に進出。2コーナーまでにキタサンの直後までポジションを求めに行きました。例年ここは溜めが作られるところ。個人的には、マルターズアポジー、キタサンブラックと前の隊列がすんなり決まっていれば、例年通りレースラップに溜めができ、対抗する形でルメールはここでひとつ動くだろうと予想していました。

いやいや、それにしては大胆に動きましたねー。昨日の阪神カップ、イスラボニータよろしく、攻撃的かつ戦略的な仕掛け。直後まで行ったのはキタサンに息を入れさせない思惑もあったでしょう。ターフビジョンを見ていた武豊はサトノ接近時に軽く一瞥。少し力んだ一気に縮まった差をどう思っていたでしょうね。

4コーナーにかけてキタサンブラックが加速。切れよりスタミナ、そしてリードを求めたと思われる武豊の動きに吉田隼人とルメールが呼応する流れ。空いた直後にアドマイヤデウスとミッキークイーンが入り込めるくらい3頭の動きは抜けていました。

池江師は直線、キタサンブラックと馬体を併せないように指示していたようです。結果的にゴールドアクターがいた分、その意図を汲んだ展開になりました。残り200まで強い動作を見せなかったルメール。ラストのひと伸びはデビューから手綱を取り続けた鞍上が引き出したと言っていいのでしょう。

末脚のスタミナの底、実はこれだけが不安材料だったのですが、賭けるべきはポイントはここと決めてサトノダイヤモンド本命にいたしました。よかった。強かった。

どうやら来年は春シーズンを国内で、秋は凱旋門賞というプランのようです。いやー、楽しみですね。馬体の完成ももう少し先だと思われますし、このまま無事に歩を進めてほしいと思っています。



サトノノブレスと「戦略」に触れておかないとですね。レース直後はシュミノーのアシストが奏功したと思っていました。確かに武豊のコメント通り、3コーナー手前で来られてしまったのは息が入りにくいタイミングだったかもしれません。しきりにシュミノーがルメールを見遣っていますので「フランス語の会話」もあったのでしょう。

ただ、どうもしっくり来ないんですよね。あのタイミングでサトノダイヤモンドも煽るような進出をしてキタサンブラックを突つきに行くのが作戦かと言われると。共倒れのリスク満載じゃないですか。。。

サラブレ編集部のツイートで、池江師がレース中に「何をしてくれとんのや」と声を出したエピソードを紹介しています。2月号に掲載されるそうですのでそこで答え合わせはできるのですが、いまいまの見解を。シュミノー、スタートの出負けで当初のプランが狂っていたのではないでしょうか。

スタートからのプッシュはもっと前で運んでいるイメージとのギャップを示しているように見えます。おそらくは序盤をルメールの前方ないしひとつ外で立ち回り、1、2コーナーでダイヤモンドがやったポジションアップによる牽制を担うはずだったのではないかと。

結果的に行き脚付かずの後方から。これを受けてルメールは、それなりのタイミングでノブレスのアシストを切り捨てて自ら追撃する判断に切り替えた、と考えるとしっくりくるんですよね。キタサンブラックを自ら牽制するところまではルメールの機転と裁量だったように思っています。

このルメールを追いかけていき、サトノダイヤモンドの外にポジショニングして、さらに早めにキタサンを突ついたのは、当初のプランをなんとか遂行しようとしたシュミノーの生真面目さ?が招いた立ち回りなのかなと。

例えば、平場のレースで出負けしているのにスタミナ残量度外視で先頭に立つまで猛プッシュしている若手がいるじゃないですか。指示をしっかり守ろうとするあまり、という無謀さ。そこまで酷くはないですが、キタサンブラックに楽をさせないという目的が事前に共有されていたなら、あの無謀な進出はまだ納得できるんですよね。

ただ、向こう正面のノブレスの立ち回りは、ひとつ後ろに控えていたマリアライトやミッキークイーン、シュヴァルグラン、その内にいたアドマイヤデウスらの捲りの可能性に蓋をしていたようにも見えています。

前のキタサンのペースを牽制しつつ、後ろの捲りを抑えてサトノダイヤモンドのペースを守る。その意図があったならシュミノーすごいの一言なんですけどね。さすがに推測が過ぎるかな。

3、4コーナーでバテ始めながら内1頭分を開けてダイヤモンドのコースを作ったあたりはさすがですし。あれがなかったらマリアライトやシュヴァルグランにもっと楽に捲れらて、ダイヤモンドが外から被せられて自分のリズムで仕掛けられなかったかもしれません。

というわけで、サトノ軍団の連携プレーと言われるとそんなにキレイなものでもなく、柏木さんがnetkeibaで回顧しているほど何もなかったわけではない、というのがいまいまの見解です。…考え過ぎかなw



強い強い2着はキタサンブラック。

上手いスタートからマルターズアポジーを前にやって、という想定通りの流れでしたが、やはり少し噛んだ形コーナーまで流した格好。後続との距離は取れましたし、明らかなロスとは言いにくい程度だったでしょうか。ただ、息を入れたいところでサトノダイヤモンドに来られ、サトノノブレスに来られ、ゴールドアクターにマークされ、レース後半は息が入らない展開を強いられました。

あれだけ目標にされ続けて、なおゴールまでゴールドアクター以下を寄せ付けないのは力の証。こちらも素晴らしかったですね。負けたレースですが今季1番のパフォーマンスだったかもしれません。という回顧を実は宝塚記念でもしているんですよね。シーズンを通してパフォーマンスを上げ続けた、という言い方でもよいように思っています。

かなり妄想気味ですが。レースラップには表れていませんが、サトノダイヤモンドに突かれた際のペースアップの方がキツかったようにも。だと仮定して、ダイヤモンドの牽制よりノブレスの牽制について武豊が「余計でした」とコメントしているのは、組織プレイ的な動きに対する牽制のように聞こえています。

有力2騎の勝負に水を差された。グランプリだし、正々堂々と決着をつけたい。こうした美意識があのノブレスへの「余計」コメントに表れているような気がしています。…考え過ぎかなw

ブラックタイド vs ディープインパクト。武豊 vs クリストフ・ルメール。そして菊花賞馬 vs 菊花賞馬。この構図は本当に上がったなー。予想が面白かったですねー。こうやって自分自身を煽っていたところもありますね。

敗戦ではあったものの、悲観する材料は乏しいでしょう。来秋は凱旋門賞という声も聞こえてきました。大阪杯はどうするの?という気の早さもございますが、まずはしっかり休んでほしいと思っています。


3着はゴールドアクター。

今年もよくよく準備された戦略で臨んでいたように見えています。包まれないようにかつキタサンブラックをマークできる、前目のインをキープするポジショニング。キタサンとびったり馬体を併せず、少しだけ下げた位置で追走を続けたあたりも、残り1000のペースアップに間髪入れずついていったあたりも納得しています。

ストライドのキタサンブラックにピッチ寄りのゴールドアクターが勝るためには、勝負どころで一気に抜き去るような切れを披露すること。果たして、4コーナーでの進出、直線に向いてキタサンに並びかけたタイミングは勝負をかけたが故。素晴らしい仕掛けだったと思っています。

一部では吉田隼人の騎乗っぷりを批判する向きもあるようですが、非を責めるのはちょっと違うかなと。粘ったジャパンカップ馬と差し届いた菊花賞馬、この2頭の力がぬけていたというべきでしょう。


その他の人馬でいうと、スタートから前目で勝負していたミッキークイーン、勝負どころの少し前から早めに仕掛けていったシュヴァルグラン。浜中と福永、それぞれの勝負の仕方はしっかりつたわってきました。さすがですね。それぞれ次走はどうなるでしょう。期待しています。



当日には思いつかなかったのですが、日夏さんのツイートで「ドゥラメンテ不在」という切り口に気がつく次第。今年、この有馬記念にでていたらどうなっていたでしょうね。その意味ではジャパンカップでキタサンブラックを捉えることが出来たかも、謎のままになってしまいました。

いないものは仕方ない、という見解は極めて妥当なのですが、そのタラレバもまた面白さの一端と思っています。あー、厩舎が厩舎ですから、有馬記念でなくサトノクラウンの香港ヴァーズが違うことになっていたかもしれません。

タラレバ?でいうなら、年度代表馬。レース前はモーリスかキタサンブラックの2択と思っていましたが、有馬記念を見るとサトノダイヤモンドに票が集まっても不思議はないでしょう。どれくらい票が割れるでしょうね。



最後に。

当日は府中で観戦しておりました。臨場感には欠けてしまいますが、やはり馬券の検討にはよいロケーションですね。中山は導線がシンプルでない分ひとの動きが滞留しやすい印象があって、どうしても優先順が下がってしまうんですよね。

でもファンファーレに合わせた手拍子なら思う存分、ですから。中山の動員は前年比でだいぶ減ってしまったようですが、府中はなかなかの歓声でしたよ。

さて、残すは大井、東京大賞典。毎年これで年納めをしていますのでね。どうやら晴れそうですので、あとはいつも難解な馬場読みに挑もうと思っています。

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