2017.02.19


先日、種牡馬引退のニュースに触れましたので、もろもろまとめて書いておきたいと思います。思い出語りは年々長くなってしまうようでして困ったものですけどね。はい、極力まとめていきます。

ふるさと案内所が速報とオフィシャルアナウンスを兼ねていたでしょうか。改めて記事を見ると必要十分な略歴も書かれていましたね。
スペシャルウィークが種牡馬引退 | 馬産地ニュース | 競走馬のふるさと案内所

公式データはこちらから。
スペシャルウィーク|JBISサーチ(JBIS-Search)


引退の報よりこちら、現役時代の映像を改めて振り返っておりました。こちらの経験値が上がっているせいか、いろいろ気がつく点がありますね。


スペシャルウィークを強く本命に推していたのは4歳春(旧表記では5歳ですね、古馬になってから)の阪神大賞典、天皇賞(春)でした。頼もしかったなぁ。差しを仕込んできた主戦の武豊が自在性を身につけてほしい旨、発言をしていた頃ですね。

改めて観ると、スペシャルウィークで先行したのは岡部が最初でした。3歳のジャパンカップ。スペシャルウィークの白い手綱がピンと張って、両足を突っ張りながらの前受け。長手綱の見栄えが記憶に強いですからね。新鮮でした。

前走の菊花賞は逃げ切られての完敗でしたし、その前の京都新聞杯は3、4コーナーで早め進出からキングヘイローをギリギリ捻じ伏せる内容。どちらも待機策に盤石さが見出しにくい内容ではありました。テン乗りの付加価値を求める意味でも、岡部の先行策は妥当な一手だなぁと。陣営の指示かもしれませんけどね。

アドマイヤベガの新馬戦で騎乗停止だった主戦からすれば、ある意味いいタイミングで先行策のトライアルが成ったのかもしれません。継続騎乗で結果が出ている状況では、なかなか脚質面の冒険はできませんものね。

武豊が引き出したのがサンデーサイレンスの切れなら、岡部が求めたのはマルゼンスキーの持続力だったかもしれません。…思いつきで響きのいい言葉を並べましたすみませんw


阪神大賞典の3コーナー過ぎ、武豊はスペシャルウィークにメジロマックイーンを課したようでした。重馬場でのロングスパート。スピードとスタミナと集中力の持続と。今後チャンピオン足りうるのかという課題のように映ります。

同じく重馬場だったステイヤーズSを大差勝ちしているメジロブライトが最後まで詰めてきましたが、これを退けての勝利。天皇賞への自信につながったでしょうねー。阪神大賞典の後半5ハロンは以下。ラスト1ハロンに折れない心がみえます。
13.0-12.4-12.1-12.0-13.4


ラストレースとなった有馬記念の4コーナー。グラスワンダーの鞍上的場は少し大回りをしながら内を振り返っています。直後につけていたスペシャルウィークからすると、加速しながら飛び込むにはロスのないポイント。グラスワンダーの内にはいれますからね。

いわゆる「釣り」といえばいいでしょうか。首でも入れてくる素振りがあれば、的場はその進路を閉めていたでしょうね。武豊は釣られませんでした。最適なストライドとリズムを重視したなら相当に冷静ですね。

大回りの弧を描くグラスワンダー、その外側を狙って鋭角に直線へ差し込むスペシャルウィーク。それぞれの鞍上の思惑と駆け引きが、対照的な4コーナーのコーナリングを生んだように見えています。…当時は大興奮していましたし今からでもパトロールビデオの公開を求めたいですねw

ずいぶん前に書いた4センチ差の有馬記念についてはこちら。
more than a DECADE 1999年有馬記念


現役時代の印象が強いのは、自分が競馬にのめり込んでいた時期だからでしょう。いや、今ものめり込んでるかw 96年から競馬を始めて、ちょうど少しずつルールや楽しみ方をつかみ始めてきた頃にスペシャルウィーク世代ですから贅沢な趣味ですよね。そうですね、当時はもっとマスコミが文字にするイメージやギミックに素直に反応していたように思います。いろいろ目新しかったしなぁ。


産駒といえば。多数のファンはブエナビスタを挙げるのでしょうけど、印象深いのはシーザリオなんですよね。武豊にしてやられたところから逆襲したオークスも、サンデーサイレンスの孫を里帰りさせたアメリカンオークスも、レースぶりは対照的ながら、強かったですよね。

個人的にはフラワーカップも印象的。先ほど映像を探して観てみましたが、今と変わらない福永のそつのない騎乗がありました。リズムでいえば昨年のエンジェルフェイスなのですが、直線に向いてから突き放すのはシーザリオの地力そのもの。ディアデラノビアがいなければ春のクラシックは不動の本命だったでしょうね。

その仔エピファネイアはダービー本命。お母さんの分も、という思いは実は少なめだったんですけどね。菊花賞の後は母仔含めてよかったなぁと思いました。いま見返したら、シーザリオの向こう側、などと気を利かせた表現を繰り出しておりましたね。
more than a DECADE 菊花賞


上記の表現が差している通り、古馬になってのシーザリオが見てみたかった。先のフラワーカップの延長線上、エピファネイアのジャパンカップの間に、きっとウオッカのような圧倒的なヴィクトリアマイルが見られたのではないかなと思っています。

首の振り子をあまり使わずに走るあたり、スペシャルウィーク譲りという理解をしています。それでいうとブエナビスタも近い動き方ではあるのですが、スペシャルより柔らかいイメージがあって、微妙にお父さんとは区別しているんですよね。とても個人的な心象ですので、ブエナビスタが鬼の子とかいうつもりではないのですけどw

残念なのは牡馬にチャンピオン級がでなかったこと。でもこれを残念と呼ぶのは贅沢なのでしょう。今年からリーチザクラウンが社台スタリオンにスタッドインしていますし、エピファネイア産駒もリオンディーズ産駒も楽しみ。当面スペシャルウィークの響きは血統表の中に残りそうですからね。



最後に。

「STALLIONS IN JAPAN 2017」のDVDが手元に届きました。ターフィー通販クラブでバシッと購入しております。

種牡馬の立ち姿とウォーキング映像をずっと拝見するという、生産も一口馬主でもないファンが反応するにはかなりマニアックな内容なのですが、刊行10周年の企画として過去のリーディングサイヤーや顕彰馬などの写真、映像も収録されていまして、メモリアル感満載のため購入いたしました。

どうやら引退の報は間に合わなかったようで、スペシャルウィークは現役のラインアップに含まれておりました。このリアルなタイムラグがかえって不可逆な時間の経過を寂しく思わせます。


天皇賞春では頼もしい本命、有馬記念では最悪のライバル。思い入れを再確認させていただきました。個人牧場ですから難しいところでしょうが、見学できる環境が整うことを願いつつ。

ダービー馬が役割を全うして余生を過ごせるなら、競馬の有り様としてはひとつの理想と思います。

ありがとうございました、ゆっくりしてくださいませ。

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