2017.05.05


キタサンブラック、ディープインパクトのレコード超えでの連覇達成でした。

京都外回りの離れた2番手ですから、前も後ろも気にしなければいけないポジション。人気薄の逃げ切りを何度となく担保してきたコースですものね。ここから強気のペースで引っ張って後続を押さえ切ってのレコード勝ちですから、強いのひと言。相当速くなっていた馬場コンディションの恩恵は先行脚質に味方したはずですが、ここまでのパフォーマンスですと「恵まれた」と表現する必要がないですね。小細工なしのチャンピオン防衛でした。

公式レースラップです。
12.9-11.5-11.2-11.3-11.4-11.6-11.6-13.0-12.5-12.7-12.6-12.5-12.2-11.6-11.7-12.2

手前味噌で恐縮ですが、昨年の自分の記事を見直してみたところ、今年に通じる表現がありまして。

勝ち馬以外の人馬が、自身の可能性を損なわずに抵抗するとしたらスタート直後。この場面でキタサンのラップメイクへ牽制するアクションを示していたのは、吉田隼人、藤岡佑介、武幸四郎くらいだったと思っています。あー、幸四郎はヤマニンを当てにしていたかな。それ以外のジョッキーはつかず離れずの好位を取るところまで。スタートからリスクを取って前に行く陣営はいませんでした。もちろん個人の見立てですけどね。



今年に関しては松山弘平以外、キタサンブラックがスタートを決めたことで抵抗するタイミングを逸した格好。といっても、先にキタサンに出られてはファタモルガーナでは厳しいでしょうし、ゴールドアクターは出遅れてしまいましたからね。横山は先行の可能性をもっていたでしょう、それがレース後のスタートで終わってしまったという主旨のコメントに表れたと思っています。武豊はこれらを見越してスタートを決め、二の脚を効かせて先手を取ったとみています。さすが。

速い馬場で2ターン以上の場合、最初のコーナーを制することが勝負のポイントになりやすいですね。典型的だったのはワンアンドオンリーのダービーだと思っていますが、どうやらコースを問わない傾向といえるかもしれません。

乗り替わりの松山はこれまでとは異なるパフォーマンスを求めたでしょうし、速い馬場であることはより思い切りのよいラップを刻ませたのだと思っています。それにしても速かったですね。アルアイン以後、より積極的に乗れているのかな。いい判断だと感じています。

ラスト1ハロンがもっとバテていても不思議ないと思っていましたが、11.6-11.7-12.2と崩れないあたりがキタサンブラックの最大のストロングポイントですね。武豊はこのスピードの持続力を信じて強気のラップを踏んだのでしょう。望田潤さんの「ブレーキを踏まない勇気」という言葉も思い出しました。

しかし高速馬場にこれだけ適用できるとは思いませんでした。2強の適性を逆に捉えていたような格好。高速の馬場を叩き続けられるフィジカルは抜けていたということでしょうね。大変失礼いたしました。

次走は予定通り宝塚記念。春3冠のボーナス云々もあるでしょうが、使わないとコンディショニングに悪影響がでるというような理由以外ではあまり使う意味がないような。それくらい今回のレースはチャンピオンであることを決定づけた内容だと思います。

強いていうなら、ドゥラメンテが現役だったら。いまのキタサンブラックであの差し脚を凌ぐことができるのか。クラシックを分け合った2頭の再戦は、もはやこちらのイメージに委ねられるからよいのでしょうね。


サトノダイヤモンドは完敗の3着。緻密なハンドリングで余分に外を回るような場面はなかったのはルメールならでは。それだけに外枠を敗因に挙げる向きもありますが(もちろん堪えたと思っていますが)、有馬記念のように捲るタイミングが今回はどこにもありませんでした。この捲りをけん制する緩みのないラップメイクは武豊のリベンジのポイントであったでしょう。簡単に前が止まらない馬場もその戦略を後押ししたと思います。

そのディスアドバンテージを負ってなお、差して来てほしいという◎。観たいものを買いましたので、その分ラストに脚が上がってからしばらくは心のダメージが大きかったですねぇ。府中のスタンドでしばらくぼーっとしていました。

速い馬場がかえって差し脚を鈍らせたかもしれません。もう少しグリップを効かせる必要のある馬場でこそ、持ち前のスタミナ豊富な差しが活きるように思っています。でもあのキタサンブラックには敵わなかったかな。これがラストランであればもっと大胆な策もとれたかもしれませんが。でも同日芝レースで4勝しているルメールですから、あのポジションが前受けの限界だったでしょうね。…いろんなたらればが出てくるのは、やっぱり悔しいんでしょうねw

こちらも予定通り、次走はフォワ賞。これをステップに凱旋門賞ですね。今回の2強がシャンティイで揃い踏みするなら、快挙も見えてくるかな。個人的にはだいぶ気が早く、ジャパンカップで観てみたいなぁと思い始めていますが、まずはアーク。楽しみにしています。


2着はシュヴァルグラン。こちらは福永の前受けが大正解でした。馬場の傾向とポジショニングの読みは合っていたでしょう。ひょっとしたら、前走阪神大賞典から前目のポジションを狙う布石を打っていたのかもしれません。少し絞ったように見えた馬体の仕上がりも素晴らしかったですし。次走は宝塚記念のようですが、オセアニアから誘致も受けているらしく。ブリーダーズカップ案も聞こえてきていますし、メルボルンカップという選択も含めて、是非積極的な判断をお願いしたいです。外野の無責任な願望ですけどね。


シャケトラは出負け気味のスタートから二の脚でかかってしまい9着。あの場面で引っかかってしまうのは、まだG1では足りないということでよいと思います。が、馬体は2強に劣らない仕上がり。まとまった休息なしでここまで来ましたからね、次走はどこになるでしょうか。こちらも順調に進んでほしいです。


速い馬場のダメージは少なくなかったでしょうね。ディーマジェスティはレース後下馬、蛯名は突っ張った走りと感じていた様子。春は宝塚をパスするようです。ファタモルガーナは骨折で引退。骨片がとんだ程度ですので、重篤な状況ではない様子。馬場コンディションの微調整はなかなか悩ましいというところでしょうか。



最後に。

天皇賞春のレコードは、マヤノトップガン、ディープインパクトと今回の3度目撃していますが、どれも名実伴っている(=速い馬場にたまたま適性があっただけではない)ことが素晴らしいと感じているところです。

桜花賞、皐月賞、そして天皇賞春と、ここのところのG1は先行出来た馬でないと勝ち切れていないんですよね。京都には未導入という認識ですが、エクイターフに置き換わってからこちら、より壊れにくい馬場になったことで、高速馬場を叩き続けるスピードの持続力勝負へトレンドが変化しているような印象もございます。

グリップ力は少なめ、スタミナは多め、みたいな特性でしょうか。G1になればどこかでスタミナの底が問われてくるでしょうから、その質に変化が生じてきているという認識です。個人的にはトーセンジョーダンの天皇賞秋が象徴的なポイントなんですけどね。

キタサンブラックがそのスピード馬場での勝負も制したことが衝撃的な一戦でした。いや、ほんとに強かったです。


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