2017.02.05


2週前の話になりますが、まとめておきたいと思います。

毎年、馬事公苑の程近くで開催されている公開講座。例年より開始時間が早まった様で(15::00開始)予めAJCCと東海Sは「見」と決め込んでの参加でした。とはいえ会場に着いてからPATでちらっと買っちゃってましたけどねw

毎年恒例になりつつありますが、これまでのアーカイブがありませんので、テーマだけ備忘録的にテキスト転載しておきます。若干体裁がばらついていますが原文ママということで。


PART1 タイトル「ウマの歩行運動を理解するためのアレコレ」
講師 富山拓磨先生(日本装削蹄協会)
PART2 「脱力と強大プレスの繰り返し!-ウマの下肢部の動きのメカニズム-」
講師 日本装削蹄協会 理事 青木修


開講直前のアナウンスで録音撮影はいいけど無断転用はNG、と注意があるのも毎年恒例。今回も要点を書いておく形にしようと思います。


まずは初登壇の富山先生から。

重心、立つ、歩く・走るという動作。大きく3つのテーマに分かれて講義が進みました。

まずは「重心」。馬の重心の位置はどこでしょうという問いかけから。非常に具体的に「肩甲骨と骨盤の延長線上の交点から垂線を引いた」あたりになるため、昔から語られていた肩と腹の中間あたりよりは後ろになる、とのこと。乗馬でぴったりの位置に乗ると、馬体の真ん中くらいに鞍を置くことに。鞍壺を意識して鞍を置いてみましょう、というコメントもありました。実は鞍壺という言葉は聞き馴染みがなくその場で調べる格好に。競馬ファンならではの知識の偏りでしょうかね。

一方、競馬のジョッキーは重心より前にカラダを置いていることになります。これは前に速く走るために前へ前へ重心移動するには理にかなっている、ということと理解しました。また馬術の馬は首が上付きのほうが、競走馬は前付きのほうが好まれるという話もありましたね。タイキブリザードしかりシアトルスルー系はジョッキーでも乗りにくい首さしのようですが、という質問はさすがに飲み込みましたw

首の重さが80kgくらいという話から、合成重心の考え方に。合成重心の計算方法を紹介しつつ、馬体の動きのなかで重心がどう移動していくのかを、スライドで模式的に見せていただきました。首と胴体を積み木に見立てていましたね。これは図解したほうが分かりやすいかな。非常に腑に落ちました。


あー、ひとつ。取り扱う内容からしてやむを得ないと思っているのですが、全体を通じて専門用語が多かった印象があります。つまり予備知識を要する話が多かったわけなのですが、用語の解説まで含めると相当時間が足りなくなるでしょうし、かといって平易な表現では肝心なポイントを伝え損ねてしまう懸念もあるでしょうし。

受け手のリテラシーをどのあたりに設定するか。Web業界で身を置く自分もなかなか悩ましく日々向かい合う部分ですので、知的好奇心を刺激されつつ、ちょっと心配しながら見守っていました。横にすわっていた小学生(おそらく乗馬をしているのでしょう)のリアクションが割と薄かったんですよね。わからない世界をわからないまま体験するのも悪くはないのでしょうが、難しいところです。

例えば、「立つ」話の中ででてきた支持基底面という言葉、馬だと四肢、人間ですとつま先とかかとを頂点にした四角形のことなのですが、支持基底面、カタイ言葉ですものね。でもこの四角形の面積が大きいほうが安定しやすい、ただし馬の背中を丸めると腹筋にテンションがかからずに立てるので四角形は若干狭くなるが馬は立ちやすい、とか。ほら、興味深い話につながるわけですよ。

ちなみに、洗い場につないでおくときなどによくわかると話されていたのですが、後脚を交互に上げて休ませている状態。四角形が崩れるとバランスが悪いため(重心が支持基底面の外に出ると立つバランスが取れなくなる)、接地している後脚を馬体の真ん中にずらして自然と三角形をつくっているとのことでした。


「歩く・走る」は脚が動く順序が中心。常歩、速歩の違い、側対速歩だと左右にぶれやすくいわゆるらくだ酔いを起こしやすい、などなど。対照的な走法の例としてドッグレースのスタートダッシュの映像をスローで見せていただきましたね。犬はすごくトモがはいってるね、というジョークがばっちりウケるのはこうした講座ならでは、ですね。

一点、反手前の前脚に加重(=負荷)がかかりやすいという認識があったのですが、競走馬に関しては手前の脚と差がなくなるようです。障害を跳んで着地、という乗馬のほうが反手前の前脚に負荷がかかりやすいとのこと。個別のシチュエーションにも依るのでしょうが、ひとつ参考になる知識でした。頭に浮かんでいたのは京成杯のマイネルスフェーン。端的に故障の原因を語るのは易いですよね。



そして青木先生。

昨年、定年を迎えて最後の講義になるという仄めかしがあったと記憶していましたが、今年も来ちゃいましたというお茶目なトーン。聴衆の皆さんのリアクションでそれが好意的に受け止められていることが伝わりました。20回すべてで講義されていますが、これからも続きそうですね。

お決まりの、乗り手が馬を壊すことのほうが要因として大きいという話。装蹄に起因する問題を科学的にアプローチして、装蹄側のいわゆる「冤罪」を主張されてきたことを改めて話されていました。実際は冗談のトーンをしっかり残しながら雑な表現とでかい声、みたいな。かえって装蹄側の難しい立場が伝わってきましたね。確かに装蹄がわるい、とは言いやすいですものね。


脚にかかる負荷については、体重ではなく荷重と表現しなければいけない、というのが導入の話でした。運動で生じる力の移動も考慮する必要がある、ということですね。

高齢の乗馬は下肢部、球節にトラブルが起きやすいという話から、いかに馬は脚にかかる荷重を「抜いて」いるのか、という本題にはいっていきました。


前肢、後肢それぞれの骨格に注目。前肢の膝部分は骨と骨の角度がまっすぐで、力の逃げ場が少ないとのこと。競走馬の故障、1/3は前膝だそうです。その一方、この真っ直ぐな形状であることが筋力を使わずに長時間の起立を可能にしている側面もあるようです。構造上必要なまっすぐさが故障のポイントにもなる悩ましさ。


一方のトモですが、そうですね、受講者全員が立って中腰になる光景はかなり珍妙でしたねw でもまっすぐな前肢と対照的に、トモが常にこの筋肉がプルプルするつらい状態にあることはよく体感できました。

先ほどの支持基底面の件でトモを交互に上げて休める話がありましたが、この常時中腰状態に起因するのでしょうね。昔から曲飛が避けられてきたのはこのあたりなのかな、と思いながら聞いておりました。


前肢、後肢それぞれの骨格についてもっと詳しい説明がありましたが、割愛しないと終わらないので割愛で。前肢は肩の部分と球節が、後肢は飛節含めすべての関節が。いわゆるジグザグな形状であることを利して上からの荷重を上手く逸らしている、ということが要点でした。


そして球節については腱の構造含めて詳しく図解がありました。構造から腱にどのような負担がかかるか、浅屈腱の形状からテンションがかかる部位によって断裂のパターン分類があること(屈腱炎の98%が浅屈腱とのこと)、そして屈腱への対処方法まで(レース後すぐにとにかく冷やす!だそうです)話がつながっていきました。

球節の故障も全体の1/3、つまり前膝と球節に競走馬の故障の2/3が集中するという統計になっているようです。前脚、たいへんですね。


高齢の乗馬は関節が固くなって荷重が抜けにくくなる一方で、馬術競技は荷重をかけた状態で脚をねじる動きが多いから、国際馬術連盟に問い合わせてですね、というジョークが飛び出しておりましたw 講義のオチも完璧でしたねw

青木先生はホワイトボードに画を描きながら用語や構造の解説をしていらっしゃいました。難しくなりがちなことは画を描くとわかりやすいですよね。このあたりは経験のなせる業なのでしょう。



最後に。

書籍やブログなどでこうした知識に触れることは以前に比べてずいぶんハードルが下がってきていると思っていますが、直接話を聞くことが出来る機会はやっぱり貴重ですね。

まとめて読む時間がとれていませんが、競走馬ハンドブックも読みたいですねぇ。アンテナの張り方は相変わらず、来年の開催も楽しみにしています。

2017.02.01


今回はテニスの話。えぇテニスです、はいw

2008年のウィンブルドン決勝をリアルタイムで観ていたひとですので、フェデラーが決勝進出を決めたあたりからはワクワクしっぱなしでした。テニスはもう120%素人なわけですが(そのくせテレビの前では面倒な講釈を垂れるわけですが)、素人目にもわかりやすい一進一退のゲーム内容だったと思います。フェデラーとナダル、タイプの異なるプレイヤーであることもこのマッチアップが面白くなる要因なのでしょうね。あつかったー。素晴らしい試合でした。

あー、個人的にフェデラーのバックハンドが好きなんですよね。ゴルフスイングのように遅れて顔が上がってボールの軌跡を追うわけですが、打ち切りながらの睥睨するようなその佇まいが、ドS感満載なんですよねw エゲツない角度で決めてきますし。褒めていますよもちろんw

で、記事タイトルの話。これまでも2人の対戦はあったわけですし、テニス界のトレンドなどをつぶさに追いかけてもいませんので、以下のコラム頼りになるのですが。
速いサーフェスの影響?36歳のビーナス、35歳のフェデラーとセレナが決勝へ [全豪オープン]|グランドスラム|ニュース|THE TENNIS DAILY

会場となったロッド・レーバー アリーナのサーフェススピードが上がっているとの記事。読み手に多少予備知識が求める内容のようですので(素人にやさしくないとかよしあしを言いたいわけではないですよもちろん)調べてみました。
コートの種類と特徴 | テニス初心者のための上達ナビ


ロッド・レーバー アリーナはハードコート。人工ゴム的な素材でコーティングした表面をもっています。バウンドした際にスピードが落ちず、バウンドの角度が高めという特徴があるようです。プレイヤーが踏み込んだ際に滑りにくい特徴も。ふむ。

そしてコーティングの状況でボールスピードが「速い」「遅い」とプレイヤーの感覚値が変わるようで、今年は「速い」という声が多数とのこと。

ちなみにフェデラー、ナダルとも角度のあるショットに対しては深追いせずに早めに見送る判断をしているようでした。むやみにダッシュしませんからスタミナを温存することにもつながるでしょう。これはコートの特徴&今年の「速さ」を加味した判断なのでしょうね。クレーコートだとダッシュして滑って追いつくプレイがよく見られますので。


…はい、すばらしいラリーを観戦しながら、エアレーションなしのエクイターフに近いのかもなー、などとイメージが連関しちゃったあたりがどうかしていますよねw

芝馬場のコンディションの場合、サーフェス(=芝草や表面の土の部分)の状態だけでなく根茎の密度や強さ、数センチ下の保水状態などでグリップの仕方が変化しますから、より繊細といえるでしょうか。あー、凍結防止剤でダートの「速さ」が変わるのも近しいイメージで捉えられそうです。


人間ですと、サーフェスの特徴に対する「対応力」が勝敗を分けるのでしょうが、馬の場合はその馬のフォームやフレーム(骨格ですね)による「適性」のほうが勝敗に色濃く影響するのかもしれません。

競技こそ違え、接地面のコンディションがパフォーマンスに大きく影響するあたり、それだけその競技のクオリティが高いレベル(=わずかな違いに繊細)にあるのでしょうね。



最後に。

Ladies and Gentlemen, the King has returned.

全豪オープンのツイートが洒落ていました。膝のケガによる半年の休養を経て、グランドスラムでの復活V。ロジャー・フェデラーへの簡潔かつ素晴らしい賛辞。日本のニュースでは「王の帰還」と訳していましたね。

「僕は帰ってきました」と府中のスタンドに応えたジョッキーを思い出しました。今年は根岸Sの週まで終えてリーディング2位。こちらの王の帰還も近いでしょうか。

個人的には田辺、武豊と、好きなタイプのジョッキーがリーディング上位にいることが素晴らしいなと。いい馬といいパフォーマンスが比例して増えていくなら、こちらの見応えも増してきます。たくさん楽しみたいですねー。

2017.01.26


昨日発表がありました。おもしろいランキングですね。

IFHA(国際競馬統括機関連盟)が世界のG1をランク付けしたもの。詳しくはJRAのリリースを参照くださいませ。
世界のトップ100 GIレースがIFHAから発表! JRA

ランキング自体はPDFのようです。
The World's Top 100 Group/Grade One Races for 3yo's and upwards - 2016

IFHAのリリースはこちら。
Top 100 G1 Races Announced for 2016 | International Federation of Horseracing Authorities

過去3年の平均値だったのが、今年からは単年度のレースレーティングでランキングしているとのこと。競りで売買するような生業なら微に入り細に入り分析するところですが、あくまで1ファン目線ですのでね、ざっくりした感想をば。テキトーに流してくださいませ。

やっぱりトラヴァーズSが効いているんでしょうか、実績あるカリフォルニアクロームと接戦したブリーダーズカップクラシックと勝ち馬アローゲイトが高評価を得ていますね。ブリーダーズカップクラシックは125.25でトップレーティング。あのパフォーマンスを見れば納得するところですけどね。

日本のレースは有馬記念の13位を筆頭に、合計12レースがランクイン。まぁ11位にイスパーン賞がはいっていますので、これもカウントしちゃってよい気がしますがw ランクインしたレース数でいえば、オーストラリアとアメリカの23、イギリスの19に次いで日本は4番目。5番目が香港の11、6番目がフランスの7、ドバイはその後ですから、日本のレースレベルが世界の物差しで測れるように、そしてその中で評価されるようになっているんですね。しみじみ。

それぞれ、ランクインしたレースと同ランクのレースを少し挙げてみましょうか。

有馬記念(13位タイ):英インターナショナルS
宝塚記念(15位タイ):ドバイワールドカップ、ブリーダーズカップディスタフ、香港カップ
天皇賞(秋)(19位タイ):チャンピオンズマイル
皐月賞、東京優駿(24位タイ):オーサムアゲインS、クイーンアンS
ジャパンカップ(28位タイ):コルゲート・オプティック・ホワイトS


馬場や距離の条件が混在した状態でのランキングですので、横の比較をするつもりはなく、世界のビックレースとこんな形で並べて語られるようになったんだなぁという感慨。単年度の比較になったことで、個人的にはよりぐっと実感が湧いています。

あまり耳なじみのないところは、オーサムアゲインS、コルゲート・オプティック・ホワイトSでしょうか。オーサムアゲインSはカリフォルニアクロームが楽勝(最後思いっきり流してました)したレース、コルゲートほにゃにゃらはウィンクスが余裕の差し切りを決めたレース。チャンピオンクラスが走ることで注目度があがるレースもありますね。

…しかし、モーリスの安定感が抜群という。あの安田記念を走らずにロイヤルアスコットに遠征していたら、このランキングも変わっていたのかな、などとイメージが膨らんでしまいます。


各国のギニーの中で、そして各国のダービーの中で、日本が最上位という結果はシンボリックとも思っています。ジャパンカップに海外のチャンピオンクラスが参戦してこない件も、これを見るとちょっと納得です。端的に、芝中距離は日本馬が強い、ということの一端なのでしょう。

こうした比較もG1ホースの海外遠征があってこそ。当事者にはなかなか苦しい選択が続いているのかもしれませんが(サトノの馬主さんが香港の馬場と遠征に難色を示すコメントも目にしていましたし)、世界との比較ができる状況を生み出すことは市場が国内に留まらないことを意味しているでしょうし。続いてほしい流れではあります。

いや、もっと端的に、こうした比較は楽しいんですよね。いい時代の競馬を観ることができているのかもしれません。

2017.01.13


キタサンブラックでしたかー。

個人的にはモーリス推しでしたが、ジャパンカップを思い返すと、うん、納得ですね。

大阪杯、天皇賞春、宝塚記念、京都大賞典と、異なる条件下でパフォーマンスを上げながら強さを示してきたことがあのけん制の効いたジャパンカップを生んだと思っています。深追いしたら負ける、と他の人馬に思わせた、ということかと。

年間を通じてG1戦線の中心であり続けたこと、そしてG1を2勝かつ複勝圏を外さない安定感。…こうやって言葉にすると年度を代表するに相応しい表現になりますものね。おめでとうございます。不満はないですモーリスが獲れなくて残念なだけですw

「2016年度JRA賞」決定!年度代表馬はキタサンブラック号! JRA

2016年度JRA賞競走馬部門 記者投票集計結果 JRA


そのモーリスは特別賞。古馬牡馬ではキタサンブラックに、短距離ではミッキーアイルに、それぞれ及びませんでした。各部門賞を獲った馬の中から年度代表馬が選ばれるのが現行ルールですから、これで年度代表馬もなし。…結果的にグラスワンダーと同じ特別賞ですか。。。

安田記念を勝っていたら違ったのでしょうかねぇ。距離のカテゴリーに挑んで越えていく様、その間に勝ち損ねるG1が生じてしまっている様は祖父と孫で共通しているように見えています。チャレンジングな越境が公式かつ十分な表彰に至らないのは何とも。

せめて定義を明確にしたほうがよいのかなぁ。JRA賞のページには投票や選考の基準をはっきりと記載していないんですよね。例えば、中央競馬で開催されたレースを評価の対象とする、と定めれば、海外遠征した馬は予め評価の対象外になります。が。今度はその表彰にどんな意味が?となりますものね。しっかり考えるほど悩ましい現行ルールでありそうです。

伊吹雅也さんのツイートに興味深い提案が。「JRAのレースにおける年間の獲得賞金額でJRA賞を決めるべき」。なるほどですねー。毎年自分もグチのような意見を書いてきましたが、投票者の主観がどう重なるかという観点から離れない範囲で考えていました。これですと、賞金をみればいいだけですからね。
https://twitter.com/ibukimasaya/status/818765831261720578


個人的にはこれにアレンジを加えるとスッキリすると思っていまして。以下、僭越ながらいまいまの私案です。

・各部門賞はJRA所属馬のうち年間の獲得賞金額最上位馬(地方、海外を含む)、および該当するG1の最多勝利馬のいずれかから選出する
・獲得賞金はオープン競走の獲得賞金の合計で算出(地方、海外はどうしましょうね)
・短距離の距離区分は「SMILE」のうち「SM」と定義
・該当馬が1頭の場合は自動選出
・該当馬が複数の場合は記者による決選投票
・年度代表馬はファン投票(各部門賞とは別扱い)

以前から、最優秀であることと年度を代表することは別と思っていまして、それも含めた私案になっています。ファン投票はいろいろ工夫が必要でしょうけどね、理想ということで。

あとは該当馬なし。厳しい見解かもしれませんが、無効票や無投票の場合は投票権を失効するルールを追加したいですねぇ。

どんな独特な見解をもっているのかは興味ありますけどね(皮肉ではなく)。年度表彰の場面では競馬記者としての「経験」や「見識」を発揮して「その年の」最優秀馬を選出してほしいわけで、個人的な思い入れを表現する機会ではないと考えています。

…とまぁ、年季のはいったファンはこんな面倒なことを労を惜しまずまとめてしまいますねぇ…。よっぽどの矛盾が生じるなどしない限り、現行の基準は変わらない予感はしているんですけどね。うーむ、諦めごとはせずにグチっていきましょうか。

上記案、参考になれば幸いです。



最後に。

サトノダイヤモンドに66票。上位2頭からすると年度代表馬には見劣りすると思うのですが、個人的には気持ちはわかるなぁと。凱旋門賞に向けての期待値も込み込みの投票だったかもしれないですね。

ドバイミーティングの登録締め切りを待たず、キタサンブラックの春シーズン国内専念が発表されています。サトノダイヤモンドがシャンティイを目指すにあたって、どのタイミングでキタサンブラックとの再戦を迎えるかは結構重要なポイントになるかもしれません。

またあのびっちりマークする競馬が求められるなら、シャンティイへの準備として妥当な経験になるのか。…とても豪快に釈迦に説法でしょうね。それも踏まえて、シーマクラシックか大阪杯か。楽しみです。こういう一喜一憂なら歓迎ですね。

2016.12.31


2016年、最後の投稿になります。

先ほどまで桐花賞の映像をみていました。ナムラタイタンがマイペースで逃げ切り、連覇を果たしています。レースの支配の仕方はアメリカンファラオのBCクラシックのようでしたね。実力差のある相手に貫禄の走りを示すそれ。情報の乏しい時代なら、それこそトウケイニセイのような伝説になっていたのかもしれないですね。

ようやく大晦日にスケジュールがひと段落しまして、Gallop年鑑をパラパラとめくる時間を得ることができています。

…というのが昨年の書き出しだったのですが、今年も全く同じ。キタサンブラックが表紙のそれをパラパラとめくりながら、ああそうだ桐花賞だ、と映像を眺めたり。脳内で競馬のイメージがふわふわ動いているのはとてもいい時間ですね。

Gallop年鑑のG1回顧録もだいぶ当事者による文章が定着して来ました。昨年まではプレイヤーと評論はかっちり分かれている方がよいと思うことが多かったのですが、たとえばレースを回顧して意味づけしていく作業は、2000年代前半までのようなマスコミ先導ではなく、プレイヤーやファンも含んで進んでいくことが健全なのだろうと思うようになっています。そう感じるのはSNSがコモディティ化していることと相関しているのでしょうね。

武豊TV、サラブレモバイルの「西塚助手のなんでも聞き出しまっせ」、netkeibaの「祐言実行」や「with 佑」、こうした当事者発信のコンテンツも面白く拝見しています。こういった当事者のコメントがSNSを通って当事者に還流して、双方がもうひとつ認識を煮詰めていく作業となっているのでしょう。とっくに当たり前な構図ですかね。

行き着く先は。プレイヤーがセオリーに対して常に適切にカラダを動かせるか、失敗が少ないか、というゲームになるのでしょうか。どちらかというと、ベストな戦略を当事者が最中に選択し続けることが相当難しい、という前提に立っていないと、観る側がながく楽しんでいくことが難しくなっていくように思っています。

SNSで議論を煮詰めるスピードの速さが、一部のマニア以外にはつまらない方向に触れる可能性もあるように思っていまして。バジェットだけ大きくてイメージの縮小再生産しかできない語りだと、ねぇ。当事者がのびのびやれるように応援する文化の醸成なら、SNS普及以前と変わらず大事でしょう。自分もどんな語りがよいのか、考えながら書いていこうかなと思っているところです。


2016年の印象深いレース、はい、ジャパンカップを挙げたいと思います。

キタサンブラックの強さと武豊のエスコートが圧倒的だったのは間違いないのですが、なんといいますか、武豊が牽引してきた日本競馬のトレンドが集約したレースだったような気がしていまして。

スーパークリークやメジロマックイーンで末脚のスタミナの引き出し、サンデーサイレンス以降の加速力勝負とスローペース症候群(なつかしいですね)で数々のレースを支配して、日本のレースのどこでラップを上げ下げするかを体得してきた、そして一番結果を残してきたジョッキーですからね。

そしてポストサンデーの時代(柔らかさと加速力だけでは勝ちきれない、くらいの意味合いですね)、種牡馬ディープインパクトの時代といってもいいのかな、これに対抗するため、前受けしコースのアンジュレーションに合わせてラップをコントロールすることで鞍下の総合力を結果につなげる、戦略としての逃げ。

トウケイヘイロー、コパノリッキー、エイシンヒカリ、ケイティブレイブ。それぞれ馬の特性に合わせて気持ちよく走らせるという命題はありつつも、前々でレースを支配する戦略はもともと武豊がもっていた選択肢のひとつでしょう。キタサンブラックのような馬と組むことで、この戦略がより隙のないものに昇華した、と思っています。特にディープの、差しを封じる新たなチャンピオンの姿の提示。

ディープインパクトの3冠成った菊花賞で「日本近代競馬の結晶」という実況の言葉がありましたが、このジャパンカップこそ、この表現にふさわしいのではないか、と思い至っております。ジャパンカップの役割もこれでひと区切り、という気もしております。

くしくもそれは、いまのトレンドを牽引するディープの全兄ブラックタイドという因果。そんなことを考えながらの有馬記念でしたので、ここ数年ではよりストーリー性のある楽しみ方になりましたね。ディープインパクトが差し届きましたから、余計に、ですね。


そうですね、サトノダイヤモンドを追いかけた1年でしたので、最高の締めくくりになったのは間違いなく。迷うことなく、ダービーと有馬記念はすばらしいレースとして挙げられます。来年への期待感をもちながら有馬記念を振り返れるのは、ほんとうに有難いですねぇ。

あーでも、ドゥラメンテ不在、という視点もありますよね。凱旋門賞、ジャパンカップ、有馬記念。ドゥラメンテがいたらきっと有力馬の戦略は大きく変わっていたことでしょう。やっぱり惜しい引退でしたね。

天皇賞秋のモーリスも堪能しました。フィジカルの強さを素直に信頼するには、ライアン・ムーアの存在は頼もしかったですね。


まだまだありますねー。メジャーエンブレムのクイーンC、マカヒキの弥生賞は美しかった。何か、ルメールへの賛辞ばかり並んでいるような気がしていますが、ラップタイムを感じながらアクションを変えていく力は素晴らしいですね。リーディングを取ってほしかったなぁ。

これしかないというジョッキーの戦略が見えるとやはり見応えがありました。ネオリアリズムの札幌記念、アンビシャスの大阪杯、アデイインザライフの新潟記念、ロゴタイプの安田記念、このあたりは馬券を離れてw 離しておかないとつらいですからねw 見応えがありました。鞍上が勝負にいくタイプばかりですものね。好みがでているのかな。

海外のG1も印象深く。BCクラシックでのアロウゲートとカリフォルニアドリームのマッチレース、凱旋門賞のファウンドも力強かった。愛チャンピオンSのアルマンゾルにも、マカヒキ贔屓していましたから、その分震撼していましたね。

香港国際競走を日本のG1と同じように楽しむのは新鮮でした。スケジュールに再考の余地はありますが、今後も楽しみにしていけますね。サトノクラウンの初G1はよかったの一言。ジョアン・モレイラも魅せてくれました。


いやー、やばいw この調子だと終わらないですw
締めましょうか。

競馬の仕組みについて小難しく考えたり、強い馬の圧倒的なパフォーマンスに圧倒されたり。好き勝手に思いを巡らせることができていますから、充実した1年といってよいのでしょうね。比較的馬券が当たっていたことも充実のうちでしょうw

この書き込みについては、いろいろな媒体での分析の精度がすごいことになっていますので、そちらを引用しつつ、印象的なところを中心に書いていこうかな。冗長にせずに書き残していくことを意識していきます。年が明けて齢40になるのですが、相変わらずの熱量で面白がってまいりたいですね。


今年も本ブログのご愛顧、ありがとうございました。

引き続き、好き勝手な言葉を連ねていくことと思いますが、ひとつポジティブな視点が見つかるようでしたら幸いでございます。自分のスタンスも面白いほうに向いているよう、心がけてまいりたいと思います。そうなんですよね、割と意識して臨んでいかないとポジティブさって続いていかないですからね。

来年もいい競馬していきましょう。よい年をお迎えください。