2017.01.13


キタサンブラックでしたかー。

個人的にはモーリス推しでしたが、ジャパンカップを思い返すと、うん、納得ですね。

大阪杯、天皇賞春、宝塚記念、京都大賞典と、異なる条件下でパフォーマンスを上げながら強さを示してきたことがあのけん制の効いたジャパンカップを生んだと思っています。深追いしたら負ける、と他の人馬に思わせた、ということかと。

年間を通じてG1戦線の中心であり続けたこと、そしてG1を2勝かつ複勝圏を外さない安定感。…こうやって言葉にすると年度を代表するに相応しい表現になりますものね。おめでとうございます。不満はないですモーリスが獲れなくて残念なだけですw

「2016年度JRA賞」決定!年度代表馬はキタサンブラック号! JRA

2016年度JRA賞競走馬部門 記者投票集計結果 JRA


そのモーリスは特別賞。古馬牡馬ではキタサンブラックに、短距離ではミッキーアイルに、それぞれ及びませんでした。各部門賞を獲った馬の中から年度代表馬が選ばれるのが現行ルールですから、これで年度代表馬もなし。…結果的にグラスワンダーと同じ特別賞ですか。。。

安田記念を勝っていたら違ったのでしょうかねぇ。距離のカテゴリーに挑んで越えていく様、その間に勝ち損ねるG1が生じてしまっている様は祖父と孫で共通しているように見えています。チャレンジングな越境が公式かつ十分な表彰に至らないのは何とも。

せめて定義を明確にしたほうがよいのかなぁ。JRA賞のページには投票や選考の基準をはっきりと記載していないんですよね。例えば、中央競馬で開催されたレースを評価の対象とする、と定めれば、海外遠征した馬は予め評価の対象外になります。が。今度はその表彰にどんな意味が?となりますものね。しっかり考えるほど悩ましい現行ルールでありそうです。

伊吹雅也さんのツイートに興味深い提案が。「JRAのレースにおける年間の獲得賞金額でJRA賞を決めるべき」。なるほどですねー。毎年自分もグチのような意見を書いてきましたが、投票者の主観がどう重なるかという観点から離れない範囲で考えていました。これですと、賞金をみればいいだけですからね。
https://twitter.com/ibukimasaya/status/818765831261720578


個人的にはこれにアレンジを加えるとスッキリすると思っていまして。以下、僭越ながらいまいまの私案です。

・各部門賞はJRA所属馬のうち年間の獲得賞金額最上位馬(地方、海外を含む)、および該当するG1の最多勝利馬のいずれかから選出する
・獲得賞金はオープン競走の獲得賞金の合計で算出(地方、海外はどうしましょうね)
・短距離の距離区分は「SMILE」のうち「SM」と定義
・該当馬が1頭の場合は自動選出
・該当馬が複数の場合は記者による決選投票
・年度代表馬はファン投票(各部門賞とは別扱い)

以前から、最優秀であることと年度を代表することは別と思っていまして、それも含めた私案になっています。ファン投票はいろいろ工夫が必要でしょうけどね、理想ということで。

あとは該当馬なし。厳しい見解かもしれませんが、無効票や無投票の場合は投票権を失効するルールを追加したいですねぇ。

どんな独特な見解をもっているのかは興味ありますけどね(皮肉ではなく)。年度表彰の場面では競馬記者としての「経験」や「見識」を発揮して「その年の」最優秀馬を選出してほしいわけで、個人的な思い入れを表現する機会ではないと考えています。

…とまぁ、年季のはいったファンはこんな面倒なことを労を惜しまずまとめてしまいますねぇ…。よっぽどの矛盾が生じるなどしない限り、現行の基準は変わらない予感はしているんですけどね。うーむ、諦めごとはせずにグチっていきましょうか。

上記案、参考になれば幸いです。



最後に。

サトノダイヤモンドに66票。上位2頭からすると年度代表馬には見劣りすると思うのですが、個人的には気持ちはわかるなぁと。凱旋門賞に向けての期待値も込み込みの投票だったかもしれないですね。

ドバイミーティングの登録締め切りを待たず、キタサンブラックの春シーズン国内専念が発表されています。サトノダイヤモンドがシャンティイを目指すにあたって、どのタイミングでキタサンブラックとの再戦を迎えるかは結構重要なポイントになるかもしれません。

またあのびっちりマークする競馬が求められるなら、シャンティイへの準備として妥当な経験になるのか。…とても豪快に釈迦に説法でしょうね。それも踏まえて、シーマクラシックか大阪杯か。楽しみです。こういう一喜一憂なら歓迎ですね。

2016.12.31


2016年、最後の投稿になります。

先ほどまで桐花賞の映像をみていました。ナムラタイタンがマイペースで逃げ切り、連覇を果たしています。レースの支配の仕方はアメリカンファラオのBCクラシックのようでしたね。実力差のある相手に貫禄の走りを示すそれ。情報の乏しい時代なら、それこそトウケイニセイのような伝説になっていたのかもしれないですね。

ようやく大晦日にスケジュールがひと段落しまして、Gallop年鑑をパラパラとめくる時間を得ることができています。

…というのが昨年の書き出しだったのですが、今年も全く同じ。キタサンブラックが表紙のそれをパラパラとめくりながら、ああそうだ桐花賞だ、と映像を眺めたり。脳内で競馬のイメージがふわふわ動いているのはとてもいい時間ですね。

Gallop年鑑のG1回顧録もだいぶ当事者による文章が定着して来ました。昨年まではプレイヤーと評論はかっちり分かれている方がよいと思うことが多かったのですが、たとえばレースを回顧して意味づけしていく作業は、2000年代前半までのようなマスコミ先導ではなく、プレイヤーやファンも含んで進んでいくことが健全なのだろうと思うようになっています。そう感じるのはSNSがコモディティ化していることと相関しているのでしょうね。

武豊TV、サラブレモバイルの「西塚助手のなんでも聞き出しまっせ」、netkeibaの「祐言実行」や「with 佑」、こうした当事者発信のコンテンツも面白く拝見しています。こういった当事者のコメントがSNSを通って当事者に還流して、双方がもうひとつ認識を煮詰めていく作業となっているのでしょう。とっくに当たり前な構図ですかね。

行き着く先は。プレイヤーがセオリーに対して常に適切にカラダを動かせるか、失敗が少ないか、というゲームになるのでしょうか。どちらかというと、ベストな戦略を当事者が最中に選択し続けることが相当難しい、という前提に立っていないと、観る側がながく楽しんでいくことが難しくなっていくように思っています。

SNSで議論を煮詰めるスピードの速さが、一部のマニア以外にはつまらない方向に触れる可能性もあるように思っていまして。バジェットだけ大きくてイメージの縮小再生産しかできない語りだと、ねぇ。当事者がのびのびやれるように応援する文化の醸成なら、SNS普及以前と変わらず大事でしょう。自分もどんな語りがよいのか、考えながら書いていこうかなと思っているところです。


2016年の印象深いレース、はい、ジャパンカップを挙げたいと思います。

キタサンブラックの強さと武豊のエスコートが圧倒的だったのは間違いないのですが、なんといいますか、武豊が牽引してきた日本競馬のトレンドが集約したレースだったような気がしていまして。

スーパークリークやメジロマックイーンで末脚のスタミナの引き出し、サンデーサイレンス以降の加速力勝負とスローペース症候群(なつかしいですね)で数々のレースを支配して、日本のレースのどこでラップを上げ下げするかを体得してきた、そして一番結果を残してきたジョッキーですからね。

そしてポストサンデーの時代(柔らかさと加速力だけでは勝ちきれない、くらいの意味合いですね)、種牡馬ディープインパクトの時代といってもいいのかな、これに対抗するため、前受けしコースのアンジュレーションに合わせてラップをコントロールすることで鞍下の総合力を結果につなげる、戦略としての逃げ。

トウケイヘイロー、コパノリッキー、エイシンヒカリ、ケイティブレイブ。それぞれ馬の特性に合わせて気持ちよく走らせるという命題はありつつも、前々でレースを支配する戦略はもともと武豊がもっていた選択肢のひとつでしょう。キタサンブラックのような馬と組むことで、この戦略がより隙のないものに昇華した、と思っています。特にディープの、差しを封じる新たなチャンピオンの姿の提示。

ディープインパクトの3冠成った菊花賞で「日本近代競馬の結晶」という実況の言葉がありましたが、このジャパンカップこそ、この表現にふさわしいのではないか、と思い至っております。ジャパンカップの役割もこれでひと区切り、という気もしております。

くしくもそれは、いまのトレンドを牽引するディープの全兄ブラックタイドという因果。そんなことを考えながらの有馬記念でしたので、ここ数年ではよりストーリー性のある楽しみ方になりましたね。ディープインパクトが差し届きましたから、余計に、ですね。


そうですね、サトノダイヤモンドを追いかけた1年でしたので、最高の締めくくりになったのは間違いなく。迷うことなく、ダービーと有馬記念はすばらしいレースとして挙げられます。来年への期待感をもちながら有馬記念を振り返れるのは、ほんとうに有難いですねぇ。

あーでも、ドゥラメンテ不在、という視点もありますよね。凱旋門賞、ジャパンカップ、有馬記念。ドゥラメンテがいたらきっと有力馬の戦略は大きく変わっていたことでしょう。やっぱり惜しい引退でしたね。

天皇賞秋のモーリスも堪能しました。フィジカルの強さを素直に信頼するには、ライアン・ムーアの存在は頼もしかったですね。


まだまだありますねー。メジャーエンブレムのクイーンC、マカヒキの弥生賞は美しかった。何か、ルメールへの賛辞ばかり並んでいるような気がしていますが、ラップタイムを感じながらアクションを変えていく力は素晴らしいですね。リーディングを取ってほしかったなぁ。

これしかないというジョッキーの戦略が見えるとやはり見応えがありました。ネオリアリズムの札幌記念、アンビシャスの大阪杯、アデイインザライフの新潟記念、ロゴタイプの安田記念、このあたりは馬券を離れてw 離しておかないとつらいですからねw 見応えがありました。鞍上が勝負にいくタイプばかりですものね。好みがでているのかな。

海外のG1も印象深く。BCクラシックでのアロウゲートとカリフォルニアドリームのマッチレース、凱旋門賞のファウンドも力強かった。愛チャンピオンSのアルマンゾルにも、マカヒキ贔屓していましたから、その分震撼していましたね。

香港国際競走を日本のG1と同じように楽しむのは新鮮でした。スケジュールに再考の余地はありますが、今後も楽しみにしていけますね。サトノクラウンの初G1はよかったの一言。ジョアン・モレイラも魅せてくれました。


いやー、やばいw この調子だと終わらないですw
締めましょうか。

競馬の仕組みについて小難しく考えたり、強い馬の圧倒的なパフォーマンスに圧倒されたり。好き勝手に思いを巡らせることができていますから、充実した1年といってよいのでしょうね。比較的馬券が当たっていたことも充実のうちでしょうw

この書き込みについては、いろいろな媒体での分析の精度がすごいことになっていますので、そちらを引用しつつ、印象的なところを中心に書いていこうかな。冗長にせずに書き残していくことを意識していきます。年が明けて齢40になるのですが、相変わらずの熱量で面白がってまいりたいですね。


今年も本ブログのご愛顧、ありがとうございました。

引き続き、好き勝手な言葉を連ねていくことと思いますが、ひとつポジティブな視点が見つかるようでしたら幸いでございます。自分のスタンスも面白いほうに向いているよう、心がけてまいりたいと思います。そうなんですよね、割と意識して臨んでいかないとポジティブさって続いていかないですからね。

来年もいい競馬していきましょう。よい年をお迎えください。

2016.09.25


G1大阪杯、どうやら正式決定のようです。

ソースはこちら。
大阪杯、来春GI昇格!有馬記念後12・28「木曜」開催も (2/2ページ) - 予想王TV@SANSPO.COM

開催条件、時期はそのまま、名称は「大阪杯」で来年からG1として開催されることに。以前から春の中距離G1が待望されていましたので、まずはひとつ大きなハードルをクリアしたということでよいのでしょう。

2010年、で合ってますでしょうか、中央競馬のグレードレースがすべて国際格付けと合致してからこちら、日本独自の基準でG1へ格上げという訳にはいかなくなっていますよね。その意味では大きな前進なのだと思っています。近年の出走メンバーを見ると、この大阪杯と札幌記念についてはレースレーティングを上げるための「努力」がいろいろあったのではないかなーと邪推しております。

春先にこの報道があってから、ローテーションの妥当性についてはあちこちで議論が散見されております。宝塚記念までの間隔が開き過ぎ、阪神内回りは宝塚と被る、ドバイミーティングにトップホースがもっていかれる、天皇賞春はどーなる、などなど。結果的に天皇賞の距離短縮論がでてきたり。

決定にかかる内情は全く知りませんので邪推するばかりですが、とっくに諸々の検討はされていたのではないかなと。関係各位の調整、特に各競馬場の馬主会の意向などには留意しているでしょうからね。おそらくは、まず格上げすることが優先されたのだと思っています。すべて同じタイミングできれいに、というわけにはいかないでしょう。

邪推を重ねる格好ですが。いくつかの可能性を内包しながら、数年かけて開催時期を探ることになるのではないかなと思っております。そのまま、という着地も十分ありそうですけどね。

宝塚記念を開催週に移動するとか、いっそ阪神から移設するとか(中京?)、それに合わせて東京のG1の実施順をいじるとか、京都に2400のG1があっていいんだけどなーとか、夢ドリームなイメージももっていますよw


まじめな意見を挟むなら、宝塚記念を梅雨時期に開催することにはだいぶ賛同しかねておりまして。古くはグラスワンダー、昨年はドゥラメンテがそうですが、レース中ないし直後の故障が本当に残念でなりませんからね。

ただでさえ間延びしたローテーションになりますし、ダービー、安田記念との連関は近年あまり見られていないことも注目できるでしょう、その上で馬場状態が不安定になりやすい時期ですから、施行時期を保つことに強い意味合いはなくなってきているのでは、と思うようになっています。今後は大阪杯との関連性を考えながら(言わずもがなでしょうけど)、トップホースが参戦しやすい調整が行われてほしいなと。ひとり分の願望でございますね。


…そういえばジャパンカップダートを阪神にもっていたのは、阪神競馬場のG1を増やすことも企図されていた、という記事をどこかで目にしたような。アメリカから有力馬がこないなら右回りでも、みたいな議論だったんでしょうかね。

この種の話題って決定プロセスが明らかになりにくい分、個人もマスコミも憶測の余地が残っちゃうのはやむを得ないですかね。ことの程度次第ですが、(シニカルに)面白がれる余地なら歓迎なのですけれど。


まずは2000mの古馬G1がふたつになった、ということだけでも十分評価に値すると思っています。あとはどう定着していくかですね。96年の大改革の際には秋華賞もずいぶん言われていましたし、レースに「実」が伴ってくれば定着の流れも出来るのかな。もろもろ期待しつつ、数年のスパンで見守っていく心づもりでおります。


2016.08.27


マカヒキ、調整は順調のようですね。

アムステルダム経由でシャンティイに到着。直行便ってなかったんでしたっけ。長旅になった分が心配でしたが大きな影響はなさそう。日本での調整はうまく進んでいたようですので、ここからですね。ニエル賞まで2週間ほどでしょうから、凱旋門賞もそろそろといっていいでしょうか。

帯同馬はマイフリヴァ?と思って検索。同じ厩舎同じオーナーでSmart Strikeの1勝馬。京都ダート1800で逃げ切れず 3着、という映像は確認いたしました。今年の出走実績がないので、調教パートナーというよりはダービー馬のメンタル面へのフォローという意味合いが強いものと想像しています。オルフェーヴルの時のアヴェンティーノのようであれば頼もしい限りですが、そのあたりの話がもう少し聞こえてくると素敵です。



レパードSの投稿から1週スキップしておりました。週1のリズムが崩れているのは4年に1度の祭典のせいでしょうw 熱戦が続いていましたからねー。個人的にはリオ>高校野球でしたが、夜行バスで大阪に繰り出したりシン・ゴジラを観に行ったり星空を堪能したり、競馬以外に費やす時間が増えていたのは確か。情報は追いかけているものの特に予想にかける時間が減っていました。

時間を割いていない分、細かい情報や精度のある見通しなどでわくわくできないのは確かなのですが、無理なく自然とシフトダウンした格好ですからちょうどいいのかな。関心の高さと生活の時間配分が比例していなくても大丈夫だったのはちょっと不思議な感覚でした。

夏にペースを落として秋に向けてピーキングしていくのもよいですね。…単なるファンも長く続けるとアスリート然とした境地に至るようですw



レース結果含め、気になったことをちらほらと。


遅ればせながらの関屋記念はヤングマンパワー。

戸崎の余裕はリーディングであることが好循環を生んでいる証拠と受け取っています。ニュース記事ではモーリス不在のマイル戦線の主役?という触れ方もありましたが、んー、今回の馬場とペースに適応できた、というところに留めておくのが頃合いかなと思っています。次走は富士Sのようですので、G1に向けての試金石になるものと思っています。

ダノンリバティが押し切っていていい展開。先行策は松若のいい判断でした。ただ、早めに目標(ロサギガンティア)の脚が上がってしまったことを敗因に挙げていまして、手の内を晒してしまうコメントとも、判断の甘さを吐露するコメントとも取れてしまいました。着差も着差ですし、残念です、だけでよいようにも思っています。



武邦彦氏、逝去。

今年にはいってから体調を崩されていたようで、ユタカは海外遠征を繰り返しながら気に留める日々だったことが窺えます。家族のサポートは様々ですからね、想像するばかりですけれども。

競馬を初めた頃に読み漁った本で過去の名勝負に登場するジョッキー。トウショウボーイしかり、ロンングエースしかり、キタノカチドキしかり、インターグシケンしかり。魔術師、名人、絹糸一本で馬を操る。…活字からはいったためでしょうね、こうした形容詞で語られることに特に違和感などを覚えることはありませんでした。リアルタイムで認識したのはオースミタイクーンのマイラーズCでしょうね。

「ターフのヒーロー」というユタカのDVDシリーズから、タケクニさんの調教師引退に合わせた回を引っ張り出してきて視聴。新鮮でしたね〜。2009年頃の発売で、その当時観ているはずなのですけどね。

DVDは父子のG1 を比較しながらコメントを重ねていく構成。まぁー、インターグシケンとスーパークリークの4コーナーはよく似ております。ユタカがレース中にインターグシケンを思い出したと話していますから、そりゃ似ても不思議はないのかもしれません。

どれだけ負荷をかけずに先行するか、がタケクニさんが価値をおくところだったようです。もう少し前に付けたほうがいい、と息子の騎乗にぼやいていることは以前から承知していましたがw 改めて映像で見るとそのポリシーがよく伝わってきます。時代が違うから、と前置きするなど、コメントの間合いやトーンの端々に息子への配慮も覗いておりましたよ。

ユタカの好騎乗は?と問われてめちゃめちゃ言葉を濁しながらも、最近では、と前置きしてメイショウサムソンの天皇賞秋を挙げられていたあたり、武邦彦の美意識が垣間見えたように思っています。戦術、戦略だけでなくオーナーとの関係性も含めて、ですね。

トウショウボーイは良馬場だったら強い、重馬場だとね、と鞍下の特徴を言い切ることは、その馬の評価を守ることにつながっているでしょう。正確な描写より価値を損ねないコメントの出し方、敗因を騎手目線の描写で柔らかくフォローするその佇まいは息子にも影響を与えているように思います。

いつか来る瞬間とはいえ、やはり残念ではあり。どうぞ安らかに、お休みください。



凱旋門賞へのプレップレース、というにはまだ先ですが。

英インターナショナルSをポストポンドが制して1番人気は譲らない格好のようですが、3歳馬にも英愛ダービー馬ハーザンドや、仏オークス馬で先日G2ノネット賞を勝ち8戦無敗のラクレソニエールなど、マカヒキのライバルとなる各馬も順調。キングジョージを逃げ切ったハイランドリールはBCともJCとも。凱旋門賞ではなさそうですね。

Racing UKが配信しているツイートとYouTubeを追いかけると欧州の主要G1はしっかりフォローできますからね。馬券も買えるようになりますし、何より追いかけるのが楽しい限り。ドゥラメンテがいたらなぁ、とは思いますけどね。キングジョージの結果を観たときはなおさら。ミルコがあの逃げをどう追い詰めたか。ねー。

ポストポンドとラクレソニエールは上記レースからArcに直行のようですので、マカヒキとは本番で初手合わせになるのかな。伏兵の台頭もあるでしょうし、まだまだ注視していきたいと思います。



ジョアン・モレイラ。やって来ましたね。

印象的だったのは札幌日刊スポーツ杯のウムブルフ。道中がっちり抑えられての追走。けっこうな逸る気持ちを、ムキムキな上腕と背筋でがっちり抑え込む姿は凄かった。口の中、血が滲んでいましたから馬が痛くて加減したかも?しれません。結果として3、4コーナーで進出する姿に勝利を確信できました。

しなやかさというよりパワーのコントロールに長けている、と評したほうがよいでしょうか。馬のパワーの出し入れもそうですし、自身の筋力の使いどころも。もちろんパワーだけではあのパフォーマンスにはならないでしょうが、強いフィジカルを兼備しているのは大きいですね。

今週のWASJ(まだWSJSの語感から抜け出せていませんねー)、昨年のイメージをスライドさせるのは安易と思いますが、楽しみです。あー、エスピノーザがパスポートなくさなければなおよかったんですけどねw



最後に。

迷っていたモーリスが、次走を天皇賞秋に定めました。つい先ほど復帰初勝利を飾ったライアン・ムーアを鞍上に迎えるとのこと。秋はそのあとの香港と合わせて、2戦。
今季で引退とのことですので、生モーリスは府中しかないか。エイシンヒカリ、ネオリアリズム、リオンディーズ、ラブリーデイ、リアルスティール、サトノクラウン。…書き損ねはあったかしらw 豪華な天皇賞になりそうです。

まだまだ暑いですし、引き続き台風の動向は気がかりですが、秋のローテーションが聞こえてくるとまたわくわく感が増してきますね。

2016.06.25


2005年のユニコーンS。前週のダービーの余韻が残る東京競馬場のパドックには、無敗の2冠馬と同じ勝負服の1番人気が周回を重ねていました。騎乗命令がかかり、出走馬がパドックから地下馬道に消えていく少し手前で、不意にどこからかおじさんの声が。「打倒!……(すこし躊躇するような間があって)……ディープインパクト!!」

…パドックは小さなざわめきと小さな失笑があちこち漏れる微妙な空気に。自分は悪友と「さすがにそれはないだろw」「今日はダートだけど、どうやって打倒すんのw」という真正面からのツッコミをこしょこしょ入れておりました。

「砂のディープインパクト」の異名はこのくらいの上ずった空気も生み出していたというエピソードになるでしょうか。端午Sの時点でディープインパクトに依らず、期待値は高かったですからね。他にも「雷神」「雷帝」などいくつかの異名で通ったカネヒキリ。最初の思い出は、と記憶を手繰ったところ、この無理を承知なヤジに行き当たりました。


ダービーウィークの訃報でした。種付け中の事故とのこと。見学不可の優駿スタリオンでの
供用でしたから、直接会いに行けるのはすこし先かな、などと思っていました。残念ながらそれも叶わなくなりましたね。あーもちろん各牧場の意向は前向きに尊重している前提です。会いにいけなかったじゃないかーみたいなテンションではございません。そこは大丈夫。
カネヒキリ号が死亡 JRA

実は引退直後から競走生活のまとめを書こう書こうと思いながら、いまに至ってしまっています。産駒デビューのタイミングが一番しっくり来ていたんですけどね。まぁタイミングよく?色々起こるわけで、落ち着いて自分の記憶や評価や思いに向き合う時間が取れないまま流れてしまっていました。いまだ「カネヒキリ、書けてない!」というテンションが持続していますから、…長過ぎですねw


競走成績をきっちり追って書いていくととてもまとまりませんので、印象深いポイントをいくつか拾い上げながら書き記していこうと思います。
競走成績:全競走成績|カネヒキリ|JBISサーチ(JBIS-Search)


アジュディミツオーに敗れた帝王賞までは、細かな分析よりお気に入りという気持ちが前面に出しながら応援していました。ジャパンダートダービーとジャパンカップダート、フェブラリーSは現地観戦。ジャパンカップダートの辛勝、リアルタイムではテンションが乱高下していたのを覚えています。そう考えると、レースの分析力がついてきたのは半笑いさんの中間ラップ的な着眼に触れてからかもしれません。そうそう、後年このジャパンカップダートを3着したスターキングマンに青森で再会するのですが、これはまた別の話。

帝王賞は悔しかったですねー。上記の現地観戦はすべて悪友と繰り出していたのですが、この時だけ自分が仕事で観ることが叶わず。あの一騎打ちを観られなかったんですよねー。後々まで悪友から謎の自慢をされる始末でして、痛恨の極みでございます。本当に仕事って何でしょうねw


屈腱炎を乗り越えての阪神でのジャパンカップダート、仁川まで行きましたねー。カネヒキリの応援でもありましたが、府中のジャパンカップダートが皆勤だったんですよね。ウイングアローから全部ですから、途切れさせたくないという変な意地が覗いてもいました。阪神1800mへの期待も、ヴァーミリアンとカネヒキリの対決が楽しみだったこともあり、現地観戦にいたしました。

10番枠からスタートして、3コーナーでは内ラチ沿い、逃げるサクセスブロッケンの真後ろに構える素晴らしい立ち回り。4コーナーではアメリカから参戦したティンカップチャリスが
右回りの遠心力に耐え切れず膨れてしまい(アメリカ競馬は左回りばかりですものね)、ルメールは慌てずその間隙を取って抜け出しました。

進路が開いたときはさすがに声が出ましたねー。そのあたりの様子は当時の記事にしたためてございます。ヴァーミリアンの鞍上にしれっとイヤミも含めておりますね。困ったもんだw
more than a DECADE JCダート観戦記


同期のヴァーミリアンとは4歳のフェブラリーSで対戦して以来。生涯戦歴を比べればキャリアのピークがずれていたとも距離適性がずれていたとも語れるでしょう。ヴァーミリアン、カネヒキリ療養中がピークといっていいでしょうか、とくに圧勝したフェブラリーSはマイルでは短いと評価される同馬にとってキャリアハイのパフォーマンスだったと思っています。

2頭のチャンピオンの交錯。このジャパンカップダートから東京大賞典に向かうあたり、特に同期対決というマスコミの強い煽りはありませんでしたけどね、レース前のわくわく感がとても高かったのを覚えています。

ヴァーミリアンはスプリングSを惨敗した時から動向を気にしていた1頭でした。武豊がクラシック本番で乗れないことから(ディープがいましたので)トライアルから降板させる拙速な流れが引っかかっていたのを思い出します。そうそう、その日は岡部さんの引退セレモニーがあっての中山参戦でした。…いけませんね、芋づる式に記憶が呼び起こされていますw あのお神輿の話をしたいのではないのですよw


G1連勝で決めた東京大賞典は、最前列で見届けたパドックをよく覚えています。10頭立ての7番から、フリオーソ、サクセスブロッケン、カネヒキリ、ブルーコンコルド、1番に戻ってヴァーミリアン、ボンネビルレコードと、まさに重量級のオンパレード。500kg超級が順番に目の前を通過するわけですから、圧巻でした。もうボディビルよろしく「キレてます!」とかけ声は…かけませんでしたけどw 大変貴重な経験をさせていただきました。

レース結果と回顧記事は以下にて。衝撃的な上がり勝負でした。
10R 東京大賞典(中央交流)|2008年12月29日(月)15回大井4日|JBISサーチ(JBIS-Search)
more than a DECADE 東京大賞典


そうそう、そのパドックで、目が綺麗だなーと思っていました。その時は思い至らなかったのですが、オーナーはディープインパクトの目に魅かれて競り落としたとか。カネヒキリもくりんとして真っ直ぐな視線でしたから、ひょっとしたらオーナーの中では共通するところがあったのかもしれません。あまりインタビュー記事を見かけませんから、どこかでまとまった読み物があれば目にしたいですね。


そのオーナーの決断が、カネヒキリを前例のない治療に向かわせました。競走生活後半の軌跡に大きく影響をした幹細胞の移植手術。復帰してジャパンカップダートを制してからはだいぶカネヒキリのイメージが変化したと感じています。関連記事はこんなところでしょうか。
第1回幹細胞治療および再生医療セミナーが開催される | 馬産地ニュース | 競走馬のふるさと案内所
カネヒキリ復活神話続く/フェブラリーS - 競馬ニュース : nikkansports.com

うろ覚えなので裏を取りたかったのですが、手術後は患部のために馬体を仕上げ切ることも緩めることもリスクが大きかった、という主旨の角居師のコメントを目にした記憶があり。ラスト3戦のローテーションはその難しさを物語っているように思っています。


いまになっての視点。海外と芝を除くと、唯一3着を外しているのが復帰戦の武蔵野S。当時は内枠が仇になって終始包まれたままの不完全燃焼だったレース、という認識でした。ただ残念に思っていただけでしたが、いまいま改めて見直してみるとちょっとした仮説に行き当たった次第です。

もし、カネヒキリが一切躊躇せずに屈腱炎前のカラダの使い方で直線加速をしようとした場合、再発のリスクが高くなってしまうでしょう。ひとの側の思惑として、ブレーキを引かざるを得ない展開があれば、馬の評価に大きな傷をつけずに、馬体への負担が大きくならない形で復帰戦=試走を無事に終えることができる。最内枠スタートという難しい条件を逆手に取って、馬込みの中で進路を探り、加速ができずに負けたというエクスキューズなら一応成立しますよね。

その前提でレース映像を観ると、直線半ばにいったん追う動作が続いてから、今度は手綱を抑えている姿。このままゴールに入るわけですが、これが減速をさせない程度に首の可動域を制御しているように見えなくもないかと。こちらの主観が過ぎていますかね。どれくらい事前に考慮されたのかも計りかねてしまいますが、実は難しいミッションを武豊は請け負っていたのかもしれません。…単に詰まって負けたなら邪推が過ぎただけですけどね。


個人的なイメージをもう少し。縦軸にスピード、横軸に秒をとって、カネヒキリの末脚をグラフ的に表現するなら、きれいな放物線を描くようなイメージをもっています。しっかり計ればきっと違うのでしょうが、急な加速も急な減速もない、なだらかなスピードの変遷がグラフ化されるように思っています。

どんなコース、どんな馬場コンディションでも比較的そのイメージ通り、安定した末脚を見ることができたように思っていまして、それはおそらく、カネヒキリのメンタルの安定でもあったのかもしれません。

窮屈なテンションに陥っている記憶がないんですよね。いつもフィジカルをしっかり主張して、パドックではいつも外々をピッチ速めにのしのしと躍動して、レースでは全力でトップスピードを披露していつも通りの減速カーブを描いてくれる、という確信が常にありました。思い出が過剰に美化されているかしら。とりあえず、同じフジキセキですが、いつでもキョロキョロしているイスラボニータとはだいぶ異なりますねw

ひたむきさや執念といった感情よりは、マイペースあるいは無邪気といった表現の方がしっくりくるキャラクター。健康的なマッチョ、というと凄まじい語弊を招きそうですがw こんな心象は現役通じて自分の中であまり変わりないものでした。



いよいよとりとめがなくなってきました。
締めましょうか。

こうやって書きながら振り返ると、現場で観戦して一喜一憂しながら、しっかりい元気をもらっていたんでしょうね。ファン歴の中でオンリーワンみたいなお気に入り感はないのですが、長くお付き合いをした馬ですから。

イメージが連関してしまったので書いちゃいますが、BUMP OF CHICKENの「花の名」という曲で「生きる力を借りたから 生きているうちに返さなきゃ」という一節がありまして。いやーさすがに大げさっすねw という自分はしっかりいるのですが、仕事が変わる時期でもありましたし、少しは借りていたんだろうなぁというセンチな感情に浸っているところです。観戦しているときはこちらも無自覚で無邪気ですからね。きっとそれが借りた物なのでしょう。

亡くなってしまった分は、こうして語っておくことで次に繋がればよいのかなと思っているところです。関係者と異なり、ほどよい距離なら好きに思い入れられるのがファンならではのスタンス。引き続き、お気に入りの名馬として楽しませてもらおうと思っています。とりあえずダービーの直線でマカヒキの背中を押すタイプではないように思ってますけどねw

こういうマイペースな表情も載せておきましょうか。ふるさと案内所のコラムです。
カネヒキリを訪ねて~優駿スタリオンステーション | 馬産地コラム | 競走馬のふるさと案内所

ゆっくり休んでください。ありがとう。