2017.11.16


モズカッチャン、戴冠成りました。

前残りの馬場、有力馬は外枠でかつ積極的な先行策を取らないタイプ。こうなるとスローに寄った流れを予見するのは難しいことではないでしょう。それを承知していなければ1コーナーまでのルメールのプッシュは説明がつかないですものね。デムーロは好枠を利してじっと構える展開。好位の内をストレスなく取りに行ける人気馬。そう考えると、久々にシンプルに考えてよいG1だったのかもしれませんね。しかしそれをしっかりこなすデムーロの胆力。恐れ入りました。


公式レースラップです。
12.5-11.3-12.7-12.8-12.7-12.8-12.9-12.2-11.6-11.2-11.6

クインズミラーグロが最内枠からハナを求めに行くのは予想通り。クロコスミアは無理せずに、でも最内をせかすように併せながら2番手へ。エリザベス女王杯の2番手。ペースの鍵を握る存在ですね。ただ、後続に蓋をする役割はどちらかというとマキシマムドパリ藤岡佑介だったように見えています。

藤岡のペース配分は鞍下には最適だったと思いますが、そのことで和田にイニシアチブを譲った側面もありそうです。以下は府中牝馬Sの公式レースラップ。ラップの上げ下げがほぼ変わらない、とすれば、似たリズムでG1を走り切れたことになりますので、直線あれだけの粘りは至極妥当かと。
12.9-11.6-12.3-12.7-12.4-12.5-11.2-11.0-11.5

個人的には残り800が反省点でした。クロコスミアがマイペース、マキシマムドパリはストライドを求めたのか、一列外へ。モズカッチャンは切れで勝負だったでしょう、インで温存。ヴィブロスはかかりっぱなしの分、エテルナミノルの被せを甘んじて受けての温存。2番手から5番手がこの感じですから、この区間のラップが予想より上がり切らなかった、という。でも上がったほうかなw

過去10年、ダイワスカーレットからこちらですね、残り4ハロンからのラップが12秒を切らなかったのは3回。馬場状態も加味すると、たいがいは11秒台で推移する箇所なんですけどね。以下は個人的にメモしているページです。ご参考まで。
more than a DECADE ラップ:エリザベス女王杯


ここがもう少し突っ込んだラップになってくれると、オレのミッキークイーンが届く流れになったんですよねw それが言いたかっただけです、はいw 惜しかったなぁ。

ミッキークイーン本命。もう少しポジションを求める馬がいて、先行勢のスパートが気持ち早くなると深読みしていたんですよね。ジュールポレールとか、ジュールポレールとかね。先入観が過ぎたのかなぁ。でも直線半ばは一瞬夢を見ました。おそらくはG1を獲るラストチャンス。本命を決めかねていた時間帯があったのですが、こう考えたら決心がつきました。思い入れで思考が止まった分、馬券が外れたということでしょう。「操」という言葉が浮かぶあたりどうかしていますねw

府中で観ていましたが、「浜中、浜中!!!」の絶叫がひとつふたつではなく聞こえていました。自分も託していましたね。本命視できてよかった。忘れな草賞からこちら、長く思い入れている1頭ですからね。週が明けて、よりじわじわときているところです。浜中のリードがそう思わせるに足るものだったという手応えもあるからでしょう。


勝ったモズカッチャン。マキシマムドパリが外へ展開したことで4コーナーで馬群のストレスが少ない状況が生まれました。勝負どころのデムーロにあの余地があれば、そりゃもってきますよね。正直、枠順も展開も嵌った部分が少なくなくあったと思っています。でも、この好条件を活かすだけの地力があったことも事実。直線の伸び脚はすばらしかった。ハービンジャーも様々なタイプを出しますね。

クロコスミアの粘りについては前述したとおり。乗り替わりでそれを引き出して、僅差2着まで持ってきたわけですから、和田を讃えるべきでしょう。レース後にミルコを祝福するスポーツマンシップも大したもの。今年成績が上がっているのは、こうした姿勢にも表れているのかもしれません。買いそこなってしまいました。

マキシマムドパリは健闘の4着。ただやはりあの3コーナー、外への展開は何とも考えちゃいますね。藤岡には2手3手先でミルコにあの余地を与えてしまうことをイメージする力があるのかどうか。相手を封じ込める相対的なポジション争いと鞍下に自分の走りをさせる絶対的なパフォーマンスを求めることと。一つのレースの中でどちらかしかできないわけではないと思うんですよね。特にラップに対してイニシアチブが取れているときは。

馬の力はしっかり出し切ったのでしょう。でもそれだけでは戴冠のチャンスは増えていかないように思っています。…観る側だからいえる話なのかもしれませんが。観る側だからこそしっかり書きたいと思っていますよ。

ヴィブロス、スマートレイアーはスタートから出していきました。いずれも勝つための強気の一手がうてるジョッキー、さすがの判断でした。結果としてヴィブロスはかかってしまいましたが、おそらく控える戦略であれば外々を回ることになり、今回のルージュバックのようにノーチャンスだったでしょうからね。これはこれでひとつの勝負だったと受け取っています。モズカッチャンと枠が逆ならあまり迷わず本命だったでしょうね。

クイーンズリングは直線内から差を詰めての7着。ポイントは1コーナーまでだったかなと。ゴール板あたりでモズカッチャンの真後ろにつけた後、デンコウアンジュに前に入られて1列下がってしまいました。枠順のアドバンテージが少なくないと踏んで、一時は本命にしようかと考えていたんですけどね。クリスチャンがポジションを主張しきれるかに不安を覚えて評価を上げませんでした。このあたりは短期免許ですので致し方ない部分なのかもしれません。

ディアドラはいいところなく。フィジカルの疲労ではなく、気持ちの踏ん張りが効かなくなっていたように見えています。予想の段ではスタートのスムーズさと外枠からの立ち回り、2つの不安を覚えたことが大きく、評価を下げました。この後いったん休養にはいるのかな。しっかりリセットしてほしいところです。

リスグラシュー、ルージュバックは展開の綾を待つような騎乗になりました。リスグラシューは直線まで溜める流れをつくったあたり勝負がかった乗り替わりには見えず(先を見据えるとわるくない気もしますが、G1ですしねぇ)。ルージュバックもまた、ムーアが苦肉の策であのポジションになったと思われます。外枠のディスアドバンテージに抗する術がなかったかな。馬体の仕上がりもよかったのですが、なんとも、G1には恵まれませんねぇ。



最後に。

マイルCSのエアスピネルが武豊からライアン・ムーアへ乗り替わりとなりました。個人的にはこの判断、わるい印象はないのですけどね。理由や背景を憶測する言葉を様々に見かけていますが、長くお付き合いのある調教師とオーナーですから、けがを押して騎乗するキタサンブラックの主戦に対して、笹田師がひとつ背負って判断をした、ということなのでしょう。もちろん勝負事だからこそ万全を期す、という言葉に裏も表もないでしょう。師のほうがもう少し俯瞰した視野だったのでは、ということですね。粋な労わり方、といいますか。

G1の有力馬が乗り替わりですから、そりゃショックも大きいのですけどね。近々でいうなら、無理を押して膝が悲鳴を上げたジャルネの例もありますし。少しでも長く現役を、と考えるなら、この1回の乗り替わりは少なくなくプラスに働くのではないかと思っています。

今週末もちょっと天候が心配。気温も下がるようですしね。馬場の見極めも含め、あわてずに取り組みたいと思っています。

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