2017.10.30


キタサンブラックが力を示しました。凄かった。

前扉に突進してこじ開けるG1・5勝馬がかつていたでしょうか。結局開いた反動で戻ってきた扉に一撃をもらう、さながらコントのようなスタート。そりゃ出遅れますわw

ただそこからの、もう武豊にしかできないリカバリーは凄いの一言。3コーナーでサトノクラウンの進出を追撃し、4コーナーで最内を抜ける選択。アウトインアウト、ではないですね。コーナーの遠心力で加速するではなく、遠心力で消耗しないように仕掛けずに直線を向く、という所作。そしてそこから外へ展開して馬場のよいところを選択。最後サトノクラウンが内側に切り返して抵抗しましたが、体幹しっかりの息長い末脚でラストまで完封しました。人馬の特徴がフルに活かされた結果ともいえるでしょうね。

4コーナーイン突き→直線外へ展開、という形が似ているのはメイショウサムソンですが、あのときは最内枠からスタートという制約と、外に寄れるコスモバルクのインに潜るという戦略だったでしょうから(そして外をまわしたダイワメジャー、アドマイヤムーンが大きく着順を下げましたね)。今回のリカバリー策とは趣が異なっていると思われます。あーでも、外を回した馬が絶望的なロスを被っている点はいっしょですね。この残酷なコントラストは武豊ならではと思います。悪口じゃないですよw ある種の畏怖と思っています。


公式レースラップです。
13.2-12.5-12.9-12.5-13.1-13.0-12.4-12.0-12.7-14.0

台風22号の影響で、2週連続になった週末の荒天。日曜の夕方過ぎには東京の雨のピークは越えたようですので、ちょうどG1に向かって風雨が悪化していく状況だったようです。メインのパドックは傘、傘、傘。土砂降りの雨の当たる音が響き続ける中で淡々と周回が続く光景は、少し異様ではありました。少し、じゃないかw 熱心さは時に異様ですものね。

前週同様、ド不良馬場に思考停止してなるものかという意地でパドックに立っていました。というより、パドックでは結論がでないことはあらかじめわかっていました。いつもはそのままスタンド前に出て馬場に近いところで返し馬を眺めるのですが、今回は少し視点を変えることに決めていました。

早々にパドックを抜け出して、スタンドの階段をのぼり、無料の席を上がり切る少し手前で待機。返し馬を鳥瞰するポジションを求めました。どのくらいのめっているか、各馬の走りを確かめるのにはこれがベターだろうと考えた次第です。場内映像だけでは間違いなく足りませんからね。

馬場、ひどかったですね。5R新馬戦では3、4コーナーで内田がゴールドシップの皐月賞(わずかな区間だけ馬場の悪いところを通る戦略)を再現していました。7Rは外差しが決まっていましたし、昼過ぎまでは内外に若干のバイアスがあったようです。が、9R以降はもう内外変わらないコンディションに見えました。勝ち馬も通れるギリギリ内、という狙い方でしたね。

内外変わらないのであれば単純に走行距離の少ない方が有利でしょう。泥んこ馬場を掻き込む回数は1回でも少ない方がいいはずです。外枠(特に8枠)、そして外に展開する確率が高い差し馬は思い切って圏外と割り切りました。トップスピードと加速性能に蓋がされますしね。

キタサンブラックの力強いトモの送りとスナップ、そしてブレない体幹の強さを確認して、ようやく本命にする決心がつきました。秋3戦を展望した緒戦、仕上がり途上で臨むことは十分予見できましたし(そりゃ陣営は仕上げに前向きなコメントをしますよね)、個人的には1ターンに対する懸念もありました。馬場状態と枠順、他馬にアドバンテージがないか、それぞれの鞍上の思惑、末脚のスタミナ、蹴り続けなければいけない馬場での末脚のスタミナ。もろもろ加味して返し馬を見て、馬場を極端に苦手にしなければキタサンブラック、という読みにまとまりました。

いやー締め切り10分前まで悩みましたけどねー。よかったです。


なんといいますか、歴史上に名を遺すチャンピオンの、語り継がれるであろうあの一戦をちゃんと本命視できた自分、凄いなとw 昨日からその充足感を噛み締めまくっているんですよね。勝った金額も大事ではあるのですが、自分がピントをずらさず見立てることができたか、そこに重きをおいて楽しんでいるのが露骨にでているのだと思います。

じわーっと、よかったなぁ、という感覚が日中ふいに襲ってくるんですよねw 変態ですねw この月曜は午後半休取ったので業務に支障はございませんよw

…いま思い出しましたが、オルフェーヴルには逆らってばっかりでしたから。菊花賞はトーセンラーでしたし、宝塚記念はルーラーシップでしたし、ラストランの有馬記念はゴールドシップでしたし。それを思うと素直に評価できたなぁと。

武豊の神騎乗を本命で堪能できたことも大きいですねー。最近ファンになった人ほどはびっくりしてはいないと思いますが、衰えなく躊躇なくあの戦略を実行に移せるのはほんとうに凄いと思っております。エロいw


あ、「さあ、武豊は最内を選択!キタサンブラック勝負に出た!」フジの実況、今回はすばらしかったと思っています。ロードヴァンドール、サクラアンプルール以下が大きく弧を描く4コーナーで、このレースの大きなポイントを明確に実況してくれました。ここでワントーン上がりましたしね。

視聴者に的確にピントを提示できるのはテレビ実況だからこその付加価値だと思っています。たとえば「杉本節」というのはそのピントの提示と人柄とが相まっていたからこその呼称でしょうしね。帰宅して録画を見てうんうんと納得しておりました。こちらもすばらしかった。


2着サトノクラウンは負けて強しという内容。結果的にキタサンブラックに目標にされた格好でしたが、直線インに切り返して猛追する様はさすが。調子のよさと内枠は買い材料と見立てていました。でも先入れした返し馬、この馬ものめっていたんですよね。これが目撃できたことは大きかった。他の馬も同様にのめるはず、と推測できましたからね。それを考えると直線の走りはよく頑張りました。おそらくキタサンブラックを倒すラストチャンスであったでしょう。…また11月末に大雨とか、さすがに勘弁してほしいですねw

このあとはジャパンカップ、あるいは香港でしょうか。でも香港ヴァーズにはサトノダイヤモンドが招待されていますから、ちょっと悩ましい状況でしょうか。ディフェンディングチャンピオンとして連覇に臨む方が個人的には面白く感じますが、どうなるでしょう。

あ、あとひとつ。キタサンブラック、サトノクラウンが活躍するほどに、ドゥラメンテを引き合いにだすファンはこちらですw 3歳秋を順調に迎えていたら、勢力図は大きく異なっていたんだろうなー、というタラレバは大いに口に出してまいりますよ。


3着レインボーラインはやはり馬場巧者ですね。4コーナーの岩田の勝負もそれがあっての見ごたえだったと思っています。菊花賞2着のあたりから思っていたことではあるのですが、もう少し馬格があればなぁ。トモの容積といいますか、もうひとつパワーがあれば3着からもうひとつ着順を上げる要素になったのでは、と思っているところです。


4着リアルスティールは大善戦でした。個人的にはもっと抵抗できないと思っていました。リアルスティール、ネオリアリズム、ステファノス、ヤマカツエースあたり、トップスピードに達したあとの粘りこみは良馬場だからこそ、と見立てていました。38秒台の上がり勝負をタフに蹴り続けられない、という読みだったのですが、それからすれば頑張りましたね。

ワンターンの左回り、直線の長いロケーションは矢作師の言う通りベストな舞台なのでしょうし、ドバイターフの実績がありますから何をかいわんやですが、今後その舞台はそれこそ来年のドバイまで待たないといけないわけで。次走はどうなるでしょう。香港カップには選出されていますし、決して苦手にはしないと思うんですけどね。


5着マカヒキは1、2着とほぼ同じラインを通って、直線だけで掲示板まで押し上げました。パドックで見た仕上がり、返し馬ともにかなりいい印象がありました。でもなータフさが違うよなー、と思い直して評価はあげなかったのですが、ようやく「らしい」体つきになってきたのだと思っています。やはり3歳時点でのフランス遠征が堪えていたのかな。このあとは、どこでしょう。個人的には有馬記念で穴狙いしたいですけどね。毎日王冠の時からエイシンフラッシュのリズムに近い印象がありまして。年末まで忘れないようにしておきたいと思います。


グレーターロンドンは終始力んだままスタミナが切れてしまいました。馬群の中にも馬場の外にも勝機がない、と考えていなければあのインからの進出はないでしょう。決して無謀なトライではないと受け取っています。もう少しリラックスして走れていれば違ったかもしれません。このあとはマイルG1でも見てみたいですが、賞金も疲労も心配なところです。香港、は無理かな。


あとはソウルスターリング。3歳牝馬、という点より、ベタ爪というコメントと桜花賞のパフォーマンスから評価を下げました。毎日王冠、天皇賞と全く不向きな条件下でレースしていますので、ここからの巻き返しは十分あり得ると思っています。有馬記念に妙味ありと思っていますが、どうでしょう。来年の遠征プランに期待して、いまから休養でもいいでしょうね。大事に使う厩舎ですからその点は安心でしょうか。



最後に。

キタサンブラック、こんな馬場でのパフォーマンスですから、凱旋門賞にいっていれば、という思いも生まれますね。いまの日本馬で一番勝利に近い存在なのでしょうが、半分キャリアを犠牲にするつもりでないとトライは難しいとも思いますし。そのあたりをまとめようとして書く書く詐欺になっているわけですねw

そうこうしているうちにウィンクスのコックスプレート3連覇や、ディープ産駒サクソンウォリアーの英G1制覇など、海外のニュースも続々と。このあたりも絡めるとますますまとまりがなくなりそうな気がしています。少なくともJBCを堪能してからかな。脳裏にふよふよしている言葉がありますので、何とかまとめておきたいですね。


そうそう、土日ともメイン中心で府中にいたのですが、土曜に雑誌「優駿」のくじを引きまして。現地で雑誌を購入して1回、運よくアームウォーマーが当たりました。

おめでとうございます!というお姉さん3人の言葉にどんなリアクションをしてよいやら戸惑うばかりでしたがw
業務の大半はキーボードと向かい合いますので、ひょっとして重宝するかもと思っているところです。

両手それぞれにタグが縫い付けられていて、右手には漢字で小さく優駿、左手にはサンリオっぽい蹄鉄のイラスト。全体的にブラックですので、タグもそんなに目立たない印象。普段使いに耐え得るグッズかなと。ありがとうございました。優駿も読みます、もちろんです。

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